【書評】すべての教育は「洗脳」である~21世紀の脱・学校論~

ホリエモンが面白い本を出していました。

[amazon_link asins=’433403974X’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’e3f26861-8af5-4e4c-bac5-ac1a42cbc2fc’]

 

ホリエモンがなぜ教育の本を書くのか?と最初は不思議に思いましたが、教育の観点から今の時代に求められる価値観や考え方を説いていて、とてもポジティブな内容になっていました。

 

教育の構造は、社会の構造から導きだされている

今の人々の価値観を形成するにあたって、教育というのは大きな要因となっています。その教育システムというのは、どういう意味を持っているのでしょうか。

全体を一括して教育する仕組みは、近代から始まったもので、その教育内容は時代の要請に基づいて形成されています。当然といえば当然ですね。

社会に出るのに必要な、知識や立ち振る舞いを教えるのが学校の役割です。日本では様々な知識に加え、道徳や団体行動、忍耐などの重要性を教えられる印象があります。社会に出たら会社や上司の言うことを聞いて数年は我慢しなければいけない、などなど。

結局これは、これまでの社会で扱いやすい人を量産するのが目的になっており、ある意味合理的な時代もあったと思うのですが、今の時代では合わなくなっているんじゃないかというのが、本書の主旨の一つであります。

最近は同質的な人間が協力して集団の力を発揮するのではなく、人と違うことを考えて状況を打開できるイノベーティブな人間が世界中で求められています。イノベーティブなことを考え実行できる人材は貴重な資源なので、世界中で奪い合ってるのです。

スタートトゥデイは有能なら一億円出すと言って、最近話題になりましたね。

スタートトゥデイ、「天才」1億円で雇います IT人材募集  :日本経済新聞

 

大前研一氏も、2017年を総括したこちらの本で、同じことを言っていました。

[amazon_link asins=’B07896TQXX’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’5478cce3-3a3f-49a8-aff9-674ad4bd7d49′]

 

また、今の日本の教育制度は20世紀の大量生産・大量消費時代における中の上くらいの人材を大量につくるものでしかありません。エッジの効いた変わった人材、尖った人材をつくり育て21世紀の経済をシェイプしていくような仕掛けが全くないのです。そのことに気づいてからそういったシステムづくりに着手しても、効果が見えるまでには20年かかります。日本の今の病だと言えますが、これは治らないと私は思います。

 

自分が持っている価値観自体を疑った方が良い時代なんだと思います。ただ、自分で価値観を疑う事は結構難しいので、本を読んだり人と話して自覚していく意識が重要でしょう。

 

自分のやりたいと思うことを学び続ける

では実際どういう価値観で行動していったらよいのかと言うのは、具体的には本書を読んでいただくとして。

エッセンスだけ書いておくと、自分がやりたいと思うことにできるだけ素直になっていくということ。

さんざんいろんなビジネス誌で言われている通り、これからはAIの発展で、人間がやらなきゃいけないことは減っていきます。そのような中で、人は何をモチベーションに活動していくのか。これまでのように企業に勤め、一日働いて対価を得るという典型的なパターンは崩れていき、もっと自由に流動的に人間は活動していく気もします。

ライフシフトの考え方も重要です。長い人生の中で、自分を変化させていきましょう。何歳になっても遅くありません。

2017年に向けて読む一冊:100年ライフを読んで人生プランを考えよう

社会はこれだけ変化しているのだから、働き方や価値観をアップデートしていくべきですね。

もう横並びで考えていてはダメな時代になってるんだなと思いました。自分もきっといろんな先入観があるんだと思うと、何かを変えなきゃいけない。

[amazon_link asins=’433403974X’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’e3f26861-8af5-4e4c-bac5-ac1a42cbc2fc’]

 

 

関連本

とにかく働こう。ホリエモンの「ゼロ」を読むとポジティブに働きたくなる

これを読んで、すごい真摯な本だなって思いました。働くことの意味というのを、これを読んでぜひいろんな人に考えて欲しい。

リクルートの手法から学ぶ新規事業の作り方・育て方

リクルートといえば、新しい事業を次々と生み出すイメージがありますね。ホットペッパーやゼクシィ、カーセンサー、SUUMOをはじめ、最近ではAirレジやスタディサプリがあります。こう数えてみると、すごいもんだ。

時代の変化が速くなり、これまでの既存ビジネスだけでは先細りになっている状況の中で、様々な企業が、新しい事業を作り出すことに苦しんでいます。新しいビジネスを作り出すにはどうすればよいか、という観点で、リクルートが新規事業を作り上げるノウハウは参考になるはずです。

ということで、今回読んだのは「リクルートのすごい構“創”力」。

[amazon_link asins=’4532321476′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’c72f4245-5588-454d-9d32-dc075723badb’]

 

リクルートのアドバイザーを務めるボストンコンサルティンググループの代表が書いた、リクルートの新規事業創造に関するノウハウです。「新しいビジネスってどう考えて成長させれば良いのかな」と思って読んだのですが、理論的にまとめられていて、わかりやすかったです。

 

事業モデルの基本は共通化されている

本書ではリクルートの新規事業を生み出すためのノウハウが体系的に整理されているのですが、全ては同じ事業モデルを前提にしています。

リクルートの場合、消費者と事業者のマッチングを効率化して、プラットフォーマーとして収益を得る、というモデルです。

共通化されていることで、会社の方向性がブレずに、新しいアイデアを作り出していけるんだなーと感心してしまいました。

新規事業、というと何か白紙のところからスタートするイメージを持っていましたが、こうやって事業モデルの根幹を定義しておくことが大事なんだと思ったんですよね。

どの企業にもベースになる事業パターンがあるはずです。それを抽象化しモデリングすることで、自社に合った事業を考えやすくなるなって思いました。自分の会社についても考えながら読むと良いです。

 

組織を強くするなら「仕組み化」が肝心

新規事業にはとびきりのアイデアや、スーパーマン的な人の存在がフォーカスされますが、実際はそれだけで成功するわけではありませんし、スーパーマンがいなくても成功する場合もあります。

リクルートでは、優秀な人が多いという前提はあると思いますが、それでもコンスタントに事業を作り育てていけるわけではありません。

新規事業を構築して育てるためのプロセスがしっかりと社内で仕組み化されていて、その仕組みの上で人が活動することで成果を出しているんですね。その仕組みやプロセスを具体的に明かした点が、本書の特筆すべきところです。

確かに、これだけ新しい事業を次々と作り出せているということは、ノウハウ化されて、仕組みとしてちゃんと確立していないとおかしいですよね。

この仕組みでは、プロセスがちゃんと定義されていて、社内での判断基準を設け、投資や撤退の判断を明確になってます。市場がどれぐらいの希望があるのか、顧客の財布はどこから引っ張り出さのか、考え方は山ほど参考になりました。

さらに、負を解消する、ぐるぐる図など独特のワードも登場します。そういうコンセプトや考え方が社内で浸透していれば、アイデアが生み出されやすくやむたり、議論するためのコミュニケーションも推進されるでしょう。

リクルートは社内の情報共有も熱心のようで、少し古いですがこんな本もあります。

リクルートのナレッジマネジメント

やはり強い組織はいろんなところでノウハウがされており、その積み重ねで組織全体が強くなっています。逆にエリート社員に強く依存するような企業では、急にその社員がやめた時に組織全体に力が落ちてしまいます。

リクルートの場合も、一朝一夕でこのノウハウができたわけではないでしょう。それこそ差別化の要因になってるのだと思います。

 

ということで、新規事業をどう作るかという点で、非常に参考になりますので、新しいビジネスの作り方に興味がある方にはお勧めです。

今日はこのへんで。

[amazon_link asins=’4532321476′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’c72f4245-5588-454d-9d32-dc075723badb’]

 

「お金の流れで見る戦国時代」で経済学のエッセンスと信長のすごさを知る

経済学という形で発達したのは近代以降だったので、あまりイメージがありませんでしたが、戦国時代を経済で捉える主旨の本があり、興味を持ちました。

この記事を読んで面白そうだったので読んでみたのです。

『お金の流れで見る戦国時代』って本が面白すぎたよ。|三輪のアウトプット用ブログ(目標1記事30分)|note

[amazon_link asins=’4046017112′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’3ab2763a-5ccb-4bdc-8498-e119c5a03282′]

 

戦国時代というと、合戦や権謀術数がイメージされますが、この本を読むと戦国武将はやはり国を統治するのが重要であり、その統治能力によって戦力も大きく変わったことがよくわかります。

その統治能力というのは権力闘争だけでなく、経済的なセンスが求められるんですね。

 

経済センスあふれる信長

天下統一を果たした織田信長は、経済センスあふれていたことが本書を読んでよくわかりました。

戦国時代に他の領土へ攻め込むためには、領域内の経済を活性化し税収を多く取れるようにしなければいけません。

織田信長は、経済を活性化させるために「楽市楽座」を推進したことで有名です(織田信長が初めて楽市楽座をやったわけではないようです)。これによって、経済活性化と領域の安定を果たします。楽市楽座以外にも、貿易が盛んな境を抑えることで、税収を確保します。

また当時はまだ珍しかった「常備兵」の制度を確立し、強い軍によって領土を拡大させていきました。それまでは農民が「副業として戦争」を行っていたのです。これも、経済振興によって安定的な税収があればこそ、です。

つまり信長の戦略はこういうサイクルが描けます。

見事にいろんな施策が全体に整合しています。

あと、寺社仏閣など既得権への切り込み、主要都市の押さえ込みなどなど、経済利権を確立していく様はセンスがすごいなーと改めて関心します。

貨幣問題への取り組みも、大名によって異なったようです。明との貿易、明の貨幣の減少から悪貨の流通、石高制への移行まで、まさに経済学だなって思います。詳しくはぜひ読んでみてください。

 

経済学というのは、時折直感と異なることが正しい、ということがあります。

本書の中でも武田信玄と織田信長の経済施策の対比が前半にあるのですが、関所に関する対応をみると、武田信玄は関所をたくさん立てて税収を増やそうとしてます。一方の織田信長は、関所を廃止して物流を促進して経済を活性化させることで、自分たちの領内を豊かにしていきます。

安直に考えれば関所を増やすことで短期的には収入が増えるんですが、経済全体の促進を阻害して、長期的には衰退していきます。このあたりにセンスというか理解があるかどうかでも、統治のあり方は変わったんですね。

 

世界の構造を捉える力

それ以外にも、上杉謙信がなぜ有力大名だったのに天下を取らず自分の領土から出なかったのかが、理由として面白かったです。これは経済とはちょっと違うがしれませんが。

上杉謙信は信長よりも早く京都に入っていますが、天下人にはなりませんでした。なぜでしょうか。

謙信はあくまで、室町幕府の秩序の中での出世を望んでいた。逆にいえば、「室町幕府の秩序や社会システムはすでに崩壊し、強力なパワーによる新しい秩序の建設が必要だ」ということを認識していなかった。自分が天下を押さえ、新しい国家をつくろうということには思いも及んでいないのだ。

 

これは面白い考察です。秩序が乱れ、これまでの社会システムが崩れようとしているのに、それを見誤ったのが謙信、というのです。このように、時代のなあれや構造を俯瞰してとらえることで、行動も変わってくるという示唆ですね。

また、土地に対する考え方の著者の仮説も興味深いものがあります。そこから明智光秀の謀反まで結びつけるのも、妄想を掻き立てるものがありますね。こちらも詳細は本書を読んでください。

 

信長が制覇できた理由は単純ではないですが、それにしても経済センスが見事だなーと感心しながら読みました。歴史好きには新しい角度の面白い本だと思います。

[amazon_link asins=’4046017112′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’3ab2763a-5ccb-4bdc-8498-e119c5a03282′]

 

関連本

[amazon_link asins=’4309416292′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’06a94b4a-d046-43a8-99d8-89ff124b9894′]

 

こちらも本能寺の変を起こした明智光秀の動機や、当時の状況を考察したものです。歴史はいろんな読み解き方があるので、そういう発見を知るのが楽しいですよね。

 

今後日本の業界再編がいろんなところで起こる中で、自分はどう生きていくべきか

ブログを書くのが久々になってしまいました。少し更新が途切れると、ついつい期間が開いてしまうんですよね。でも、ブログを書くと自分の考えもまとまっていくので、続けたいなと。

さて、今日は少し前に読んだ本のご紹介です。M&Aコンサルティングの著者が書いた、今後の10年間で日本の市場で起こる様々な業界再編を描いた一冊です。

[amazon_link asins=’4492961364′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’12554d9c-fec0-4ad3-aacf-843483806e01′]

 

これからの将来は、人口減少で日本の経済衰退は避けられない状況です。パイが限られていく中で、企業の競争は激化し、いくつかの企業が淘汰されていくでしょう。そうやって事業再編が今後どんどん増えていく、というのが本書の趣旨です。

面白かったのは、その事業再編が起こるための、飽和点となる具体的な店舗数やシェアが書かれている点で、これらの法則を自分が関心ある業界に当てはめてみれば、今後どうなりそうかを見極めやすくなるので、それらの情報がとても参考になりました。

国内において6万拠点というのは、拠点ビジネスの臨界点だ。これは、国内におけるあらゆる業種業態に当てはまる法則である。日本の総人口に照らして考えると、およそ2200人に1拠点となる。そして、その後に業界再編が起きて、自然淘汰されていく。  具体的には、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、歯科医院、そして現在再編が活発化している運送会社、調剤薬局も当てはまる。

ということで、興味がある業界があれば、ぜひ読んで今後の展望を考えるきっかけにしてはどうでしょう。

もうひとつ読んでいて印象に残ったのは、今後の日本市場縮退による事業再編に、企業はどう向かっていくのかという点が述べられている箇所があり、その中で従来の情報産業という観点ではなく、リアルな業種業界によるデジタル化が加速し、再編をリードしていくようになると述べられていたことです。

要は、あらゆる業種業界でIT化・デジタル化が重要だということです。最近読んだ本ではことごとくこの辺でデジタル化が気になると言われています。具体的には、このあたりですね。

最近聞くデジタルマーケティングって何?

営業にもITテクノロジーは必須なんだと確認する一冊「SALES GROWTH」

ITに関するビジネスはどんどん変化していますが、むしろいろんな領域でITが活用されるのはまさにこれから、と言われています。企業もそれに気づき、これから取り組みを加速させていきそうです。

過半数の企業が「ビジネスのデジタル化」に取り組む、JUAS調査 | 日経 xTECH(クロステック)

ということで、これからもいろんな業界で激変が起こるでしょうし、その中で勝っていくためには、ITをはじめ様々な努力が必要になるでしょう。そういう激変していく中で、自分がどう身の振り方をするべきか。今後の日本の市場や業界再編の動きをと言う広い視点を捉えながら、考えていきましょう。

[amazon_link asins=’4492961364′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’12554d9c-fec0-4ad3-aacf-843483806e01′]

 

【書評】幸せとお金の経済学

経済学というのは、今の経済社会をどう捉えたら良いか、様々なヒントをくれます。さらに、最近は心理経済学や行動経済学と言われるような、GDPなどの経済指標だけではない、幅広い研究が進んでいます。

最近読んだ「幸せとお金の経済学」も、まさに「経済発展だけでは人は幸せにならないのではないか」という問いからアプローチした一冊です。

[amazon_link asins=’B076Q2N3QJ’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’5e5c32ad-ea47-424b-bd30-439849e79c06′]

 

中間層の崩壊による幸福感の欠如

戦後の世界の経済発展は目まぐるしく、多くの先進国では経済発展とともに人々の幸福が増していきました。しかし、1980年代ごろから経済発展と幸福感にはリンクしなくなってきています。

その1つの要因が、中間層の崩壊です。それによって経済格差が大きくなり、多くの人々が相対的な幸福感を感じづらくなっていると言われています。日本でも、相対的な貧困率は上昇しており、格差拡大傾向にあります。

相対的貧困率等に関する調査分析結果について |厚生労働省

その幸福感を感じづらい要因として、裕福な層への妬みではなく、経済格差が引き起こす消費活動への影響が要因だと書かれており、それが地位財・非地位財という捉え方で整理されています。これが本書のキーになるところです。

 

地位財と非地位財

人には、絶対的な指標によって幸福感を感じる部分と、相対的な指標によって幸福感を感じる部分の両方があるようです。

それを、この本では経済学上の観点として、地位財と非地位財という観点で捉えています。

●地位財=他人との比較優位によってはじめて価値の生まれるもの。(例:所得、社会的地位、車、家など)
●非地位財=他人が何を持っているかどうかとは関係なく、それ自体に価値があり喜びを得ることができるもの、(例:休暇、愛情、健康、自由、自主性、社会への帰属意識、良質な環境など)

これが非常に目から鱗をでして、このような観点を知っておけば、自分がどこにお金を投じれば幸福感を感じやすく、かつそれが長く持続するのかを考えることができるでしょう。

簡単に言えば、相対的な幸福を感じるための「地位財」ではなく、できるだけ非地位財に投資するよう心がけることが、幸福感が長く持続する秘訣になります。

本書では、広い家で長時間通勤と、狭い家で短時間通勤の比較が出てきます。家の広さというのは地位財で、通勤時間(=ストレス・健康)は非地位財なのですが、これも通勤時間を重視するのが良いわけです。

そういえば林先生も、テレビで長時間通勤の弊害を語っていましたね。

林修先生が長時間通勤がもたらす弊害を指摘 「ストレスで失うもの大きい」 – ライブドアニュース

 

とはいえ、個人の力だけで地位財・非地位財を区別して、うまく投資できるわけではありません。経済格差は、否が応でも中間層に必要な消費を増大させて、貧困を招きます。

本書の後半では、どのように経済格差を小さくする社会にするかが書かれています。これも、経済学の観点から興味深いものがあります。

 

自分の消費行動を見つめ直してみると、できるだけ非地位財につながるものを選択するようにしてみたいですね。特に非地位財は他人から見えづらい価値観で形成されており、周りからは理解されない可能性が高いです。しかし、自分の価値観に従って選べるようにしたいものですね。

[amazon_link asins=’B076Q2N3QJ’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’5e5c32ad-ea47-424b-bd30-439849e79c06′]

 

 

営業にもITテクノロジーは必須なんだと確認する一冊「SALES GROWTH」

営業というのは、お金を生み出す出発点であり、企業活動にとってとても重要です。言わずもがなですよね。

最近、営業とはなんだろうと改めて考える機会が多くありました。デジタルマーケティングが注目されていますし、企業には今後どういう営業活動が求められて、それを実現するためにはどういう資源(人・知識・技術等)が必要になるのか。そういうことをぼんやり思っているときに、本屋で見かけて、この本を手に取りました。

[amazon_link asins=’4813271502′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’ff3cf502-8f81-4e62-a2b5-b2c42f7821ad’]

 

マッキンゼーが示す、今後のセールスのあり方です。今後のセールス活動に求められる要素を整理しています。各企業のマーケティング責任者にインタビューしているのも、リアリティーがあって良いです。

 

これからのセールス活動で求められること

本書では「5つの戦略」が書かれていますが、個人的に気になったことを書いておきたいと思います。

1つは、「速くなる改善サイクル」です。世界のビジネストレンドはどんどん変化してきており、競合との競争も激しくなっています。そのような中で、必要なデータをタイムリーに収集し、分析しながら営業活動の見直しや改善を素早く行える体制を整えることが求められていきます。言われてみれば当然ですけど。

もう一つは、「マルチチャネルが必須になっている」ということです。特にウェブサイトやスマホアプリなどのデジタルチャネルは日に日にその存在感を増しており、どんな商材であっても無視できないものになっています。本書の中でも、このような数字が登場しています。

小売販売の実に3分の2がリサーチや検討、購入のどこかでオンラインによる行動を経ることになる。

現在では、自社の製品やサービスを幅広く売るためにマルチチャネルモデルが欠かせない。それゆえほとんどの企業がなんらかの間接チャネルを使っている。

 

普段、知らないことがあれば検索してみるし、スマホはほとんど手放さないほど使ってますよね。セールス活動でもどう活用すべきか考えるべきです。BtoBなどの業態では「自社には合わない」と思っているかもしれませんが、カスタマーサービスやカタログなどの情報提供など、デジタルを活用できる領域は多く存在するはずです。

 

テクノロジーが重要になる

デジタルマーケティングの教科書」でも書かれていましたが、今やマーケティングにはテクノロジーが必須になっています。上に述べたような短期での改善サイクルやマルチチャネルを実現するためには、幅広いデータのリアルタイム収集やウェブサイトやスマホアプリの制作など、デジタルテクノロジーが構成要素として求められます。

例えば、本書の中ではビッグデータについて以下のように述べられています。少し長いですが引用しましょう。

ビッグデータには分析とリアルタイムという性質があり、これらの性質により従来の営業管理アプローチが3つの領域で変化しています。第1に、企業は業績管理サイクルを毎月から毎日へと加速する必要性が増しています。これは営業のテンポが劇的に速くなってきているからですが、とりわけパソコンや書籍、DVDといった、検討から購入までがほぼすべてインターネット上で行われる商品にはよく当てはまります。第2に、営業マネジャーはデータ収集の役割を担うようになっています。データにより新たなタッチポイントと見込客を従来型チャネルとデジタルチャネルの両方で獲得できるからです。第3に、セールスオペレーションや研修のような営業管理のコア要素をビッグデータに適合させる必要があります。つまり営業は情報科学になりつつあるのです。

 

どうでしょう。顧客へのアプローチの仕方が変わり、情報がより一層重要な位置を占めるようになっています。最後に書かれている通り、「営業は情報科学になりつつある」という言葉が印象的です。

テクノロジーを使った営業活動は大企業の話では?と思うかもしれませんが、そうとも限りません。確かに大企業の方が投資できる資源は多いと思いますが、それでも情報を統合し、見直しのサイクルを早め、様々なチャンネルでスムーズに対応できるという基本原則はどの企業にも当てはまるはずです。

まずはやれるところから、企業内でバラバラなってる情報がどれぐらいあって、統合できるのかを考えてみても良いのかもしれません。

重要なのは、本書で述べられているようなトレンドは不可逆的に進むということです。デジタルマーケティングの教科書読んだときも感じましたが、これからの企業にはITテクノロジーは不可欠ですね。

[amazon_link asins=’4813271502′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’ff3cf502-8f81-4e62-a2b5-b2c42f7821ad’]

 

関連本

営業生産性を高めるデータ分析の技術

[amazon_link asins=’4495538217′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’72876071-30cf-4c27-8bc9-ceb9c864218e’]

 

データを使った営業生産性向上アプローチを説いた一冊。不完全であっても、ある程度割り切りと合理性をもって、効果の出る営業活動を行うことが書かれており、非常に現実的で有用な内容です。

女性が「専業主婦」を選ぶと今後の社会では損をする

社会人になる前は、今の世の中は男女平等だ、と漠然と思っていたのですが、実際社会に入ってみると、女性は結婚・出産をはじめ、様々な状況で男女は平等じゃないな、と感じました。

しかし、最近は働き方改革やダイバーシティをはじめ、働くことに対する考え方が見直されていますし、夫婦別姓なども注目され、人々の結婚観も変わってきています。

こんなにある改姓の不便 夫婦別姓を選べるよう、国を提訴

こういう状況の中で、これからの女性の働き方やキャリア形成、結婚などのライフスタイルはどういう考え方でのぞめば幸せになれるんでしょうか。

ということをぼんやり考えていたら、この本と出会いました。

[amazon_link asins=’B077HWZQCM’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’35eb8eb8-601e-41ed-b8be-6448813cb2a8′]

 

タイトルは女性向けの本ですが、女性に限らず男性もお勧めできる本です。なぜなら、結婚などのパートナーとの生活を考えた場合に、女性の働く環境は、必ず男性側にも重要な事項だからです。

 

人はどうすれば幸せになれるのか

この本では、女性の働き方をや結婚を軸に、人がどのように幸せな生活を築くかを考察しています。本書の中では、人が持つ資本は大きく3種類あると書かれています。それが「人的資本、金融資本、社会資本」です。

これらのうち、全てではなくてもせめて2つを持てるようにしていくのが、幸せの道だと述べています。

しかし、〝幸福の資本〟をひとつしかもっていないというのは、きわめてリスキーです。プア充が友だちを失ったり、ソロ充が仕事をクビになったり、「裕福な引きこもり」の親が死んでしまえば、たちまちすべての〝資本〟を失った貧困になってしまうのですから。  安定した人生を送りたいのなら、超充は無理としても、「〝幸福の資本〟を2つもつようにする」必要があります。

 

特に、多くの人が重要な位置を占めるのが人的資本です。

もうひとつ大切なのは、この3つの〝資本〟のなかで「人的資本がもっとも大切」ということです。

 

男性でも生涯年収が3億円、女性は2億円程度と平均では言われています。誰しもが若いうちから同じ額の金融資産を築けるわけではありませんので、労働してお金を稼ぎ出す人的資本は、それだけ価値があるということです。

また、社会資本についても十分に考える必要があります。ちょうど今「イノベーション・オブ・ライフ」というクリステンセンの本を読み返しているのですが、そこでは「測定しやすくてわかりやすい目標にばかり捉われてはいけない」と述べています。

例えば、企業での昇進や、収入全体を伸ばしていくことだけではなく、家族との時間や友人とのつながりなど、自分が重要だと思えるものに人生を投資すべきだと、クリステンセンは書いています。

社会資本と言うのは、分かりづらいけれども自分の幸福感を高める重要な、社会的な関係性、人とのつながりを示しているのです。

男性でも女性でも、これらのバランスや重要度を考えて選択していけば、自分の幸福度を高めていけるはずです。

 

結婚のコスパが悪くなっている理由

この本では、女性の働き方やキャリア形成が中心に描かれています。その中で、最近は結婚のコストパフォーマンスが悪いということが書かれていました。その理由はこうです。

独身女性は、結婚によって失うもの(自由、キャリア、友だちなど)が大きすぎるため、経済的な安定という代償がなければ割が合わないと考えています。独身男性は、家族を扶養する重い責任を負って、わずかなこづかいで暮らすようになるのなら、このまま独身生活をつづけたほうがいいと思っています。男と女の利害がこれほどまでに食いちがっているのですから、そもそも結婚する男女がいるほうが不思議なくらいです。時代とともに、結婚はますます「コスパ」が悪くなっているのです。

 

実際に、未婚率は年々上昇しています。

未婚化の進行 – 少子化対策 – 内閣府

別に結婚がすべてとは思いませんが、未婚率が上がっているということは、今の制度やその背景にある価値観が、時代に合っていないんだと思います。これまでの結婚観を見直して、時代にあった家族の形を作っていかないといけないのでしょう。

ちょうど最近夫婦別姓や婚外子等の議論が出てきていますが、そういう議論を深めて新しい家族形成がしやすい制度になって欲しいなと願うばかりです。

これからの働き方や家庭のあり方について考えるなら、この本は多くの気づきを得ると思います。オススメですよ。

[amazon_link asins=’B077HWZQCM’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’35eb8eb8-601e-41ed-b8be-6448813cb2a8′]

 

関連本

イノベーション・オブ・ライフ

[amazon_link asins=’4798124095′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’1dce5be6-a6c7-46d5-974f-ddd5e66ae583′]

あとで後悔する人生を送らないためにはこの本を読もう

「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム

最近友人と、「ここ最近の中華系の電子製品はバカにできない」という話になりました。ひと昔は「安かろう悪かろう」というイメージをもっていましたが、最近みる中国製の製品は、パソコンやスマホ、スマートウォッチなどいろんな製品のコストパフォーマンスは、実用レベルで高いなと感じています。

アクションカメラなんかは、様々な商品がアマゾンなどを席巻しており、マーケットリーダーだったはずのGoProは苦戦しています。

Amazon.co.jp: アクションカメラ

GoProにみるアクションカメラ市場の現在

先日ご紹介した「マッキンゼーが予測する未来」でも、中国をはじめ様々な新興都市が勃興してきているというのを読み、新興都市の動向に興味を持ったところでした。

そんな時にこの本を知り、深センがどのようにエコシステムを形成してきたのかを、理解したいと思ったのです。

[amazon_link asins=’B077HX882D’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’548bc749-27c2-4a51-bac3-7dea134ad9db’]

 

本書は、実際に深センにある中国企業と携わり、最後には中国で起業した著者が、実体験をベースに深センのこれまでの発展と現状について詳しく書いたものです。実体験をベースにしているだけあって、非常にリアリティかつ詳細で、実態を理解するのに適した内容でした。

 

本書を読んだ感想ポイント

深センの成長は、著者のビジネスの変化と合わせて、3つのステージで紹介されています。これが、「品質の低い下請け工場」から「イノベーションを生み出すシリコンバレー」に変化するまでの流れを理解できました。

 

激安で似たような製品が大量に出現する理由

前述のアクションカメラのように、「激安で似たような商品が、様々なブランドで大量に登場しているのはなんでだろう」と不思議に思っていました。

その理由も、本書を読むとよくわかります。

「白牌/貼牌」を使えば、一切開発、製造することなく、簡単にメーカーになれてしまう。 「白牌/貼牌」は、扇風機、冷蔵庫、洗濯機といった白物家電から、パソコン、MP3プレーヤー、デジタルカメラといった電子機器製品、そして携帯電話まで対象はさまざまだ。最近ではホバーボード(電動スケートボード)やアクションカメラなども人気を集めている。技術が一般化し、大企業以外でも製造できる状況になれば、無数のメーカーが白牌を怒濤の勢いで作り出す。

深センが築き上げてきた、誰でも真似しやすくて、安く調達できるエコシステムが存在しており、誰でも簡単にハードウェアメーカーになれるのです。

 

中国は商取引としては未成熟だが、一方で日本はニッチな国になっている

本書の中では、著者が中国の商慣習や労働者の取り扱いについて苦戦する様が描かれています。これを読むと、日本と比べて契約等が十分に成立しない社会であることがわかります。

しかし中国企業はというと、契約書などなんの意味も持たず、仕様も守らない。納期に対する責任感もない。途中で価格を変えることもザラだ。しかもこちらが主張すると逆ギレしてすべてをひっくり返そうとしてくる……。付き合うには大変な相手だった。  支払いもそうだ。台湾や香港の相手には100%L/C(信用状)で取引していたが、中国相手では現金でなければ商売ができない。手付金を払わなければ発注できないし、途中で関係がこじれて協業がおじゃんになると、その手付金は返ってこない。もちろん返さない中国企業の違法行為なのだが、裁判をしても外国人が勝つことは困難と八方塞がりだった。

一方で、日本は独自の商慣習やルールが存在しており、ニッチな国という姿が浮かび上がります。それによって、世界の市場から相手にされなくなる可能性があるんではないかと感じました。

もう1つの悩みは、中国企業が日本市場向けの案件を嫌がるようになってきたことだった。日本向けは品質要求がべらぼうに高い上に、日本にしかないガラパゴス的な規制が多い。納期もうるさい。それでいて市場は小さいので数ははけない。面倒な割に儲からない日本向け案件はやらないという工場が増えつつあった

「新興国の工場は品質が低い」という目線で見ていたら、逆に日本は「面倒な市場」という捉え方をされているんだなと思うと、世界の大きな流れを見失わないようにしなければいけないと思いますね。

 

深センはイノベーションを創出する場所になっている

僕の意識は、「最近中国の製品も品質が良くなってきたな」という程度で止まっていましたが、最近はそういうステージすら抜け出して、イノベーションを起こす場所に進化しているということを学べました。

深センにある企業では、アリババと並んで中国トップ企業と言われるテンセントや、ドローンで7割程度のシェアを持つと言われるDJIなど、すでに世界的に地名どの高い企業が拠点を置いています。

Category:深センの企業 – Wikipedia

 

まとめ

マッキンゼーが予測する未来」を読んだ時も思いましたが、世界は確実に変化してきており、数年前の常識やイメージは、足かせになるかもと感じています。

深センの勢いはこれからも止まらないでしょう。一方で日本は成熟した都市として衰退をしていくのかもしれません。深セン、一度見て見たくなりましたね。

[amazon_link asins=’B077HX882D’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’548bc749-27c2-4a51-bac3-7dea134ad9db’]

 

 

関連本

マッキンゼーの予測する未来

新興都市の隆盛は、これから本格化するというのがよくわかる本です。

【書評】マッキンゼーが予測する未来―――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている

【書評】マッキンゼーが予測する未来―――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている

新年は、普段のことを忘れて、未来や世界のことに思いを巡らす良い機会です。そんな折に、ちょうどマッキンゼーが書いた未来に関する本があったので、ご紹介です。

[amazon_link asins=’4478069433′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’1e6895c8-d93a-4a2c-9a06-96fd52e2e30f’]

 

本書は、マッキンゼーの経営および世界経済の研究部門である、MGI(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート)のディレクターであるコンサルタント3名による未来予測本です。

 

これからの日本の位置付けを再考するために読む本

経済的な数値をみれば、日本は経済的に成熟した国に該当します。欧米や日本などの先進国が経済的な成長を徐々に停滞させていく中で、これからは世界の経済は新興国へ中心がシフトしていきます。

2010年から2025年の間、世界のGDPの成長のほぼ半分が、新興国の440都市により生み出されると予測される。こうした都市の95%は中小規模の都市であり、西欧企業の経営者はその名前すら聞いたこともなければ、地図でどこにあるのか指し示すこともできない都市である。

そんな世界の状況でどうビジネスを考えるか、自分の働き方や生き方をどう捉えるかを考えるきっかけになることが、本書を読む大きなメリットです。

 

これからのビジネスを決める潮流を知る

今後世界を取り巻く破壊的なトレンドとして4つ紹介されていますが、この記事ではそのうち特に2つに注目します。

 

新興国の都市化が進む

まず一つ目は、「新興国の都市化」です。

これからは、新興国の都市化が急速に進んでいきます。この本を読んでいても、全然知らない都市の名前がたくさん登場していました。

ヨーロッパとアメリカの都市化が18世紀と19世紀に起こり、ラテンアメリカの都市化が20世紀後半であったのに対し、それぞれ10億人以上の人口を擁する中国とインドは、現在がまさに都市への人口移動の真っ最中なのである。 中国の李克強首相はこう語っている。「都市化は、単なる都市住民の増加や都市地域の拡大ではない。もっと重要なことは、産業構造、雇用、住環境それに社会保障といったものすべてを、地方型から都市型へと変えなければならないということなのです」

 

これによって、社会の様々な構成要素が変化していきます。また今までは有名でなかった新しい都市が、ビジネスを活況させることになるでしょう。それは間違いなく日本ではありません。

どの都市からどのようなイノベーションが生まれるか。どの都市を戦略的に重要な拠点と定めるか、どのような人材をその都市から獲得するか。考える事はたくさんあります。最近だと、中国の深センが「ハードウェアのシリコンバレー」と呼ばれていますが、そのように新しい勢いある都市が、今後もいろんな都市で発生するでしょう。

また、新興国の都市が発展することで、大量の人たちの所得が増えて、中間層になります。

2012年に世界人口が70億人を超えたときには、大きな論争が湧き起こった。だが、わずか35年の間に、世界の消費者層に30億人が加わったことのほうが、はるかに重要な進歩の道程である。(注12) このことは、1960年代半ば当時に地球上にいた全人類の人口と同じ数の人々が消費者層に加わった、ということなのだから。(注13) ドイツ銀行のグローバル・ストラテジスト、サンジーブ・サンヤルはこう指摘している。「次の20年間について真実を語ると、新興国が中流の地位を獲得することだ。もちろん他の新興地域も同じような移行を果たすだろうが、この変身の圧倒的主役はアジアだろう」(注14)

 

これだけ大量の人たちが消費する社会になると言う事は、ビジネスのトレンドも大きく変わるでしょう。そしてその中心地はアジアなのですね。

 

世界的に高齢化が進む

高齢化は日本の専売特許だと思っていましたが、今後の人口動態の予測では、世界中の人口が高齢化に向かうようです。

世界を変える第3の力は、人口動態の変化である。簡単に言ってしまえば、人類の平均年齢が上昇してきているのだ。出生率は低下し、世界人口は劇的に老化してきている。先進工業国では、人口の老齢化がもう数年前から顕著となってきている。日本とロシアでは、何年か前から人口が減少に転じている。この人口減少という現象は、いまや中国にまで拡大し、もうすぐラテンアメリカ全体に広がるだろう。

 

ここから言える事は、社員と顧客が高齢化していくということです。

顧客サービスは、高齢者に合わせたものに変化していくことが重要になると書かれています。イオンモールや富士通のらくらくフォンなど、日本の事例が多く登場していました。

また、社員の高齢化についても考える必要があります。

高齢になり、必ずしもフルタイムで働くことが魅力的だとは考えない社員が、社内から次第に減少していくことに対処し、彼らを企業内に取り込むためには、企業のほうがグレーゾーンの働き方に慣れていかなくてはならない。明確な線引きではなく一定の幅のある働き方を許容すれば、社員と会社を互いにつなぎ止めておくことができるだろう。だが、その条件は、年配社員のほうに魅力的なものにする必要がある。

 

今は日本で働き方改革が叫ばれ、人材確保や高齢者の活用が叫ばれていますが、この流れは今後、様々な国でも発生していきます。

これらを考えると、「日本は課題先進国」とはうまく言ったもんだなと再認識します。

 

自分のビジネスやキャリアの在り方を考えよう

それ以外にも、技術革新やグローバル化の進展など、とても多い事実とヒントが本書では取り上げられていました。

個人的にはやはり、これからは新興国の都市がビジネスの中心になることと、世界でも高齢化が進み、日本は課題先進国としていろいろなネタを持っているという事が印象に残りました。

後は、これらを自分のビジネスやキャリアにどう活かすかは自分次第です。最後にキャリア形成についても、少し触れておきます。

労働市場は、企業ほどには柔軟性が高くないことが証明されてしまった。労働市場が機能しなくなる一連の麻痺が生じたのを私たちは観察してきている。繰り返し行われる事務作業や、工場の作業プロセスは自動化されてきた。一方では低賃金の手作業による職種の需要があり、もう一方では高賃金・高スキルの職種の人材が求められるという二極分化が、労働市場で着実に進行してきたからである。そして、この二極分化の中間にいた労働者の職が、技術革新の進行と新興国との競争とにより蝕まれてきたのだ。

 

LIFE SHIFT」でも述べられていましたが、これから長い労働人生の中で、同じ職業や同じスキルで生き残っていくことが難しくなっていくでしょう。そのような状況で、技術革新やそれに応じて変化していく社会でも楽しく働けるように、日ごろから自分のスキルや戦う場所を考えておく必要があるのです。

[amazon_link asins=’4478069433′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’1e6895c8-d93a-4a2c-9a06-96fd52e2e30f’]

 

関連本

SALES GROWTH

[amazon_link asins=’4813271502′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’e85adbfc-6e5e-4c59-97c9-e45a8878dcac’]

 

同じくマッキンゼーが出している、最近のトレンドを踏まえたセールス活動のあり方を書いています。今読んでいますが、セールスの重要な変化や具体的な取り組みが豊富に書かれていて、セールスを考える人には多くのヒントが含まれています。「デジタルマーケティングの教科書」と合わせて読むと良いと思います。

最近聞くデジタルマーケティングって何?

LIFE SHIFT

[amazon_link asins=’4492533877′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’2ca2d199-2d6f-43cc-bf59-a1b7f062b524′]

 

キャリア形成を考える上では、この本は大きな刺激をくれるはずです。これからの働き方や企業の求められる対応人事制度など、本書と共通する部分が多いです。

2017年に向けて読む一冊:100年ライフを読んで人生プランを考えよう

 

今年読んで、自分の考え方を変えてくれた本(2017年版)

今年も残りあとわずかになりました。1年を振り返って、読んだ本の中でお勧めしたいものをおさらいしていきます。

 

ライフシフト

[amazon_link asins=’4492533877′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’23525086-bd15-49e9-9b81-b47f959d28bf’]

 

今年の初めに読み、今後の働き方やキャリア形成を深く考えさせられた一冊です。自分の働き方を大きく見つめ直すきっかけになりました。

2017年に向けて読む一冊:100年ライフを読んで人生プランを考えよう

 

鬼速PDCA

[amazon_link asins=’B01M4L4UZW’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’ea30fc9a-d1d8-46d9-add3-e63dc5f46433′]

 

定期的に自分の行動をKPI化して管理してみようと思った一冊。自分で行動管理をするようになりました。

 

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

[amazon_link asins=’4822255018′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’0cbac963-621f-4b2c-a364-31ec9b52ebb7′]

 

管理ってこうやって行うものなんだって、改めて考えるきっかけになりました。組織マネジメントは奥が深い。

管理職は必読。インテル経営者の組織管理ノウハウ「HIGHOUTPUT MANAGEMENT」

 

SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法

[amazon_link asins=’447806699X’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’eb872f05-b833-4415-b72b-00105cf0ebca’]

 

Googleベンチャーズが取り組んでいる、クイックな仕事の立ち上げ方法です。新しい企画を考えるときに、この方法を思い出します。

新しいアイデアを素早く生み出し検証するためのアプローチとは?

 

興亡の世界史 アレクサンドロスの征服と神話

[amazon_link asins=’B01BWMRJWG’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’0811e68c-6b31-4a1f-addd-a9c80f610898′]

 

ヒストリエを読み始めて、そのままアレクサンドロスの歴史を知りたくなったので買った。非常に短い生涯の中で、大きな成果を残したことの要因や、その後の歴史を知ると、いろいろ考えさせられますなあ。

 

サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福

[amazon_link asins=’B01KLAFEZ4′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’125b5be7-1168-4722-a130-44214775c149′]

 

文句なしで、これが今年No.1。人類の長い歴史を俯瞰的に捉え、これからどういう風に歩むべきか、人類がどういう風に社会を形成すべきかを考えさせてくれる1冊です。人の特性や行動パターンを、新しい視点で捉えるきっかけになりました。

マジでおすすめ。「サピエンス全史」は人間の本質や今の社会の仕組みを新しい視点で理解できる

 

生涯投資家

[amazon_link asins=’4163906657′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’ccedec4c-7878-4e1f-a96d-94769ecc6343′]

 

村上世彰氏の自伝。久々に表舞台に登場した感がありましたが、非常に濃厚な1冊で、モチベーションが上がりました。

【書評】生涯投資家

 

MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣

[amazon_link asins=’4822255271′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’df516873-0571-46e3-9e79-9aee3e004e2b’]

 

以前から読んでいた「決算が読めるようになるノート」の著者の本。財務分析をどのように行うのか、決算資料から事業構造をどう読み取るのかという点で、とても新しい視野を与えてくれました。

 

脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方

[amazon_link asins=’4140813539′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’dbe64e20-cef5-4aa5-ac15-bbd2edd099e3′]

 

科学的な健康ブームが続いていますが、この本に触発されて少し運動するようになりました。今でも一進一退ではありますが。

自分の体のためだけでなく、組織のためになる。健康リテラシーを高めよう

 

SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術

[amazon_link asins=’4478101620′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’391f7264-5646-44bd-a04f-ec3647b3215b’]

 

この本を読んだおかげで、ベットにスマホを持ち込むことがなくなりました。睡眠は継続的にパフォーマンスを出すために非常に重要です。

 

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

[amazon_link asins=’4837957684′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’4f713936-d73f-42dd-b00f-8a9bdc9aefec’]

 

情報化社会の中で、生き残っていくためには、他人と違う部分をどうやって創出していくかが重要になってきます。そのような特性をどうやって身に付けていくのか、この本で改めて考えさせられました。

【書評】ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

 

残酷すぎる成功法則

[amazon_link asins=’B076C5KJ7P’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’8c80f4d1-30cd-4cb7-a503-34f536e00c91′]

 

自己啓発本の中でも、少し系統が違う科学的なアプローチから説いた本です。三叉読み尽くした方でも楽しめる一札でしょう。

久々に読んだ自己啓発書。ありきたりじゃない「残酷すぎる成功法則」

 

SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。

[amazon_link asins=’4492046178′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’067feb20-2922-4bc9-b44d-ca4bcb468334′]

 

起業家の創業本をを久々に見ましたが、やはりこういう類のものは暑くなりますね。

ナイキの創業物語。Shoe Dogは熱い気持ちになる

 

デジタルマーケティングの教科書

[amazon_link asins=’4492557792′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’9030809b-3914-44d1-9618-3f88d274c791′]

 

最新のマーケティングと言う観点で行けば、やはりデジタルは外せないでしょう。勉強しましょう。

最近聞くデジタルマーケティングって何?

 

以上です。いろいろおもしろかったですが、サピエンス全史ライフシフトが、個人的には強く刺激されました。

良いな年末年始を。