営業にもITテクノロジーは必須なんだと確認する一冊「SALES GROWTH」

営業というのは、お金を生み出す出発点であり、企業活動にとってとても重要です。言わずもがなですよね。

最近、営業とはなんだろうと改めて考える機会が多くありました。デジタルマーケティングが注目されていますし、企業には今後どういう営業活動が求められて、それを実現するためにはどういう資源(人・知識・技術等)が必要になるのか。そういうことをぼんやり思っているときに、本屋で見かけて、この本を手に取りました。

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マッキンゼーが示す、今後のセールスのあり方です。今後のセールス活動に求められる要素を整理しています。各企業のマーケティング責任者にインタビューしているのも、リアリティーがあって良いです。

 

これからのセールス活動で求められること

本書では「5つの戦略」が書かれていますが、個人的に気になったことを書いておきたいと思います。

1つは、「速くなる改善サイクル」です。世界のビジネストレンドはどんどん変化してきており、競合との競争も激しくなっています。そのような中で、必要なデータをタイムリーに収集し、分析しながら営業活動の見直しや改善を素早く行える体制を整えることが求められていきます。言われてみれば当然ですけど。

もう一つは、「マルチチャネルが必須になっている」ということです。特にウェブサイトやスマホアプリなどのデジタルチャネルは日に日にその存在感を増しており、どんな商材であっても無視できないものになっています。本書の中でも、このような数字が登場しています。

小売販売の実に3分の2がリサーチや検討、購入のどこかでオンラインによる行動を経ることになる。

現在では、自社の製品やサービスを幅広く売るためにマルチチャネルモデルが欠かせない。それゆえほとんどの企業がなんらかの間接チャネルを使っている。

 

普段、知らないことがあれば検索してみるし、スマホはほとんど手放さないほど使ってますよね。セールス活動でもどう活用すべきか考えるべきです。BtoBなどの業態では「自社には合わない」と思っているかもしれませんが、カスタマーサービスやカタログなどの情報提供など、デジタルを活用できる領域は多く存在するはずです。

 

テクノロジーが重要になる

デジタルマーケティングの教科書」でも書かれていましたが、今やマーケティングにはテクノロジーが必須になっています。上に述べたような短期での改善サイクルやマルチチャネルを実現するためには、幅広いデータのリアルタイム収集やウェブサイトやスマホアプリの制作など、デジタルテクノロジーが構成要素として求められます。

例えば、本書の中ではビッグデータについて以下のように述べられています。少し長いですが引用しましょう。

ビッグデータには分析とリアルタイムという性質があり、これらの性質により従来の営業管理アプローチが3つの領域で変化しています。第1に、企業は業績管理サイクルを毎月から毎日へと加速する必要性が増しています。これは営業のテンポが劇的に速くなってきているからですが、とりわけパソコンや書籍、DVDといった、検討から購入までがほぼすべてインターネット上で行われる商品にはよく当てはまります。第2に、営業マネジャーはデータ収集の役割を担うようになっています。データにより新たなタッチポイントと見込客を従来型チャネルとデジタルチャネルの両方で獲得できるからです。第3に、セールスオペレーションや研修のような営業管理のコア要素をビッグデータに適合させる必要があります。つまり営業は情報科学になりつつあるのです。

 

どうでしょう。顧客へのアプローチの仕方が変わり、情報がより一層重要な位置を占めるようになっています。最後に書かれている通り、「営業は情報科学になりつつある」という言葉が印象的です。

テクノロジーを使った営業活動は大企業の話では?と思うかもしれませんが、そうとも限りません。確かに大企業の方が投資できる資源は多いと思いますが、それでも情報を統合し、見直しのサイクルを早め、様々なチャンネルでスムーズに対応できるという基本原則はどの企業にも当てはまるはずです。

まずはやれるところから、企業内でバラバラなってる情報がどれぐらいあって、統合できるのかを考えてみても良いのかもしれません。

重要なのは、本書で述べられているようなトレンドは不可逆的に進むということです。デジタルマーケティングの教科書読んだときも感じましたが、これからの企業にはITテクノロジーは不可欠ですね。

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データを使った営業生産性向上アプローチを説いた一冊。不完全であっても、ある程度割り切りと合理性をもって、効果の出る営業活動を行うことが書かれており、非常に現実的で有用な内容です。