プロトタイプシティ

日本でもスマートシティ・スーパーシティが盛り上がってきているけれど、そういう新しい取り組みに都市レベルでどういう要素が必要なのか、が述べられた一冊。 基本的には、中国の深センをベースに書かれています。深センは今やイノベーションが生まれる場所、として認知されています。
ポイントは、非連続な価値創造と実証です。社会的には、これまでの延長とは違う非連続な価値創出が求められています。 そして、非連続な価値を見出すためには実証を多く行う必要があるのです。それが、タイトルにもあるプロトタイプシティです。 プロトタイプを進めるためには、プロトタイプを早く安く作るリソースと、プロトタイプを試すフィールドが必要です。あとはそのプロトタイプを試すために、誰かがリスクテイクする。そういう構造的な仕組みが求められます。 残念ながら、本書では深圳を真似して作るのは難しいと書いています。しかし、都市に創造性をもたらすために必要なことは本書から見えてくるでしょう。 スマートシティ関連に興味ある方はこちらもどうぞ。

電力改革がどこまで進んでいるかを学ぶ

今年度から電力会社が分社化されたり、エネルギー界隈が結構大きな変化を受けているそうなので、理解するために本を1冊読むことにしました。

世界を見た時に、自然エネルギーがこんなに盛り上がってるとは知りませんでした。ドイツなどは再生可能エネルギーの構成比が4割近くになっています。

https://sustainablejapan.jp/2019/01/07/german-electricity/36454

最新のドイツのエネルギー構成比率がこちらのグラフです。上のあたりにある2つが風力と太陽光で、これだけで30%を超えているのがわかります。

Bar Charts Electricity Generation | Energy-Charts

(余談ですが、上記のサイトがすぐにこういうグラフを作れるようになっていて、本当素晴らしいですね。フラウンホーファーという研究機関が公表してるようです。)


自然エネルギーはいろいろ取り組みが進んでいるんだろうなーと思ってはいましたが、メインストリームになるイメージがなかったのです。それがすでに4割とか、すっかりメイン電源になってきていますよね。

そして、日本はそのような世界の中で遅れているようです。風力発電が特に顕著。こちらが日本のエネルギー構成ですが、震災以降原子力がなくなり、代わりに石炭や天然ガスが増えています。水力等がそれほど主力になっているようには見えませんね。最新が2015年なので少し古いですが。

第1節 エネルギー需要の概要 │ 資源エネルギー庁

日本では固定買取価格制度がそろそろ終わることを知っていましたが、それは市場が解放されて自由取引に移行したドイツなどをモデルにしている、とのことで、なるほどと思いました。

が、数字を調べると、日本の自然エネルギーはそこまで高まってきているか疑問という、本書で提起されている疑問は残りました。

すでに東電と中電の火力発電部門はそれぞれ切り離されて統合し、JERAという新しい会社が生まれていますし、エネルギー領域は自由競争が進んでいます。世界では自然エネルギーもどんどん大きなウェイトを占めて、市場取引も活発になるし、電気自動車と言う新しいキープレイヤーも今後でて来るでしょう。

今後も大きな動きが生まれていきそうですね。

両極化時代のデジタル経営――ポストコロナを生き抜くビジネスの未来図

デロイトが描くDXは、企業が両極化していく厳しい世界でした。

一番印象に残ったのは、ビジネスにも社会課題解決が求められる、という点で、これはいろんなところで目にする機会が増えていたので、まさにという感じでした。

社会課題解決を掲げた〝大義力〟ある共通のパーパスと、データという共通言語を基軸とするつながりは、デジタル化の加速による急速な情報の伝播やAPIの活用とも相まって、極めて短期間に求心力を高めてグローバル規模で支持者・協力者を増やし、エコシステムを一気に拡張させることを可能にするものだ。

”存在意義”に対する共感が求められている

「持続可能な開発目標」であるSDGsも、Googleトレンドでみるとこんなに注目されています。

社会課題解決企業の存在意義が問われており、共感を生む”パーパス”を掲げるのが重要となっています。企業の効率性や収益性だけを追求することへの限界が現れています。

パーパスとデジタルマーケティング|橋本和人 ECD Rashii編集長|note

短期的には変動が大きい時代にあって、環境や方針がどんどん変化していきます。その中で、パーパスと言う形で軸を据えることも、同時に重要になっているのだと思います。

産業をまたいだエコシステム

また社会課題解決と言う観点でいくと、”社会”といってるぐらいなので、非常に広く、一企業では解決が難しいことがほとんどです。そうなると、産業をまたいで複数の領域で解決が求められることになります。自社だけでは解決できないため、様々な企業が連携して解決を図れるようにする”エコシステム”が求められます。

dXを通じて社会課題解決と事業成長を両立させるようなイノベーション機会を創出していくためには、共通の目的意識のもとに多様なプレーヤーをつなぎ合わせ、Win‐Winの関係で協働できる、高い求心力を持ったイノベーション・エコシステムを構築し、社内的にもそれを支えるイノベーションエンジンを組み込んでいくことが求められる。

トヨタが”モビリティカンパニー”を掲げて、NTTをはじめ、様々な企業との連携をどんどん進めているのも、象徴的な動きだろうと思います。

「ロジスティクス4.0」で物流業界の課題と未来を勉強する

物流業界の構造やトレンドを知りたくて、この本を読みました。

自分が不勉強だっただけなのですが、想像以上に変革が起こっており、とても勉強になりました。今の課題やロジスティクス4.0の内容を知るには良い一冊だと思います。

物流業界の課題

物流業界の課題はどういうものがあるでしょうか?本書を読めばわかるのですが、こちらの記事に簡潔にまとまっているので、拝借します。

・ドライバーの高齢化と労働環境
・物流業界各社の過剰サービス
・積載率減少による効率悪化

物流業界の現状と課題 – AIは物流を救えるか? | SmartDrive Magazine

 

ヤマトの値上げが行われたのも記憶に新しいところですが、このような問題を抱えている業界が、どのように進もうとしているのかを読み解くのが本書です。

 

装置産業化していく物流業界

課題解決のポイントは2つ示されています。

1つには、属人的なノウハウです。人の介在を必要とするプロセスが減少するということは、今までノウハウとされてきたことが形式知化し、機械やシステムに置き換わっていくことを意味します。

 

ICTやロボットなど、いろんな領域で機械化・効率化が進められてきていますが、それでもまだ人への依存が多く残されています。そこで生じてしまう属人的なノウハウを、どう形式知化し、現場への実装に落とし込んでいくかが重要なポイントです。

物流倉庫内の動線など作業効率を分析するAIソリューションも登場してきています。

ニューラルポケット、三菱地所グループ初となる、物流施設内での作業効率・動線のAI可視化ソリューションの提供を開始|ニューラルポケット株式会社のプレスリリース

勘と経験に依存していた部分を、定量化しながら改善していく流れが生まれています。

逆に、Amazonはロボットを活用して、ロボットが棚自体を移動させてくれるので、人は移動せずにピッキングだけするという方法を、数年前から導入しています。

アマゾンの物流倉庫、商品を運ぶロボットを国内初導入:日経クロストレンド

それ以外にも、いろいろと属人的な作業はあることでしょう。AIやロボットを組み合わせて活用することで、そのような属人的な領域はどんどん減っていくと本書では書いています。

 

もう1つは、属社的な仕組みです。物流がインフラ的機能になるということは、特定の企業・個人が占有するのではなく、広く共用される存在に変わることを意味します。「経済合理性を優先するなら、自社ならではの物流にこだわるよりも、他社も利用している仕組みに適合した方がよい」という領域が増えていくはずです。

 

物流業界は、サプライチェーン全体の最適化という方向性が生まれています。内閣府が進めるスマート物流でも、「物流・商流データプラットフォームの開発」が取り上げられているなど、個社ごとの努力というよりは、業界横断的な取り組みが加速しているのがわかります。

スマート物流を実現するための3つの視点 | IoT NEWS

 

SIPの研究計画によると、日用消費財、ドラッグストア・コンビニ、医薬品、地域物流などフォーカスを絞ったプラットフォームを構築する想定のようです。

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)スマート物流サービス 研究開発計画

 

それ以外にも、トランコムが荷主と運送業者をマッチングするプラットフォームを構築するなど、新しいマッチングプラットフォームができています。

輸送マッチング・配送サービス | トランコム株式会社

 

こうやってみると、どんどん設備投資の割合が今後も大きくなっていき、人が直接作業する領域は徐々に減っていくのでしょう。そのスピードがどうなるかは技術進化などにもよるかもしれませんが、競争優位性として人を効率的にマネージする部分が減り、新しい技術を効果的に取り入れていく点が優位を構築するのだな、と思いました。

Sociery5.0やスマートシティなど、未来の都市を考察する本5冊

最近、いくつかまちづくり系の本を読んだので、まとめておきます。地方創生、スーパーシティなどの動きもありますし、改めて考えるきっかけになれば幸いです。

 

シン・ニホン

先日読んだシン・ニホンでも、開疎化など、新しいまちの在り方が考察されていました。安宅さんがそのような考えを持っていたことに少し驚きましたが、コロナウィルスの影響もあり、都市に集結して住むということは、これからの時代は再考の余地があると思います。

「シン・ニホン」を読んで日本の現状と未来を考える

 

 

リビングシフト

面白法人カヤックの、これからの住む場所の選び方が書かれた本です。COVID-19の影響もあり、人が集まる都市である必要がないのでは?という可能性も考えていましたが、この本を読んで、様々な人が流動的に住む場所を選ぶ可能性が示唆されていて、刺激を受けました。

関係人口という言葉もこの本で知りましたし、地域通貨にブロックチェーンを使った取り組みも、とても興味深かったです。

 

都市5.0

こちらは、まさにスマートシティ的な本です。都市の歴史的な変遷を捉えつつ、これからの街が、IoTやAIなどの新しいテクノロジーを活用しながら、どう進むのかが描かれています。

これからは個人の都市である、というのが印象に残りました。個人へのきめ細かい快適性を、テクノロジーが提供する将来です。

個人の都市というのを提唱した黒川紀章の偉大さも感じます。黒川紀章、すごい。

 

Society 5.0

日本発祥のSociety 5.0について、具体的に書かれた本。持続可能性と個人の快適さの両立というのがコンセプトとして示されていて、都市5.0と共通するなと思いました。

ここがまさに、これからのまちづくりの根幹となるコンセプトかなと。

 

人口減少社会のデザイン

人口減少していく地方都市は、これからのどういうまちづくりの設計をしていくべきか、を書いた本です。

死生観まで変わっていく、というのが個人的にはとても新鮮でした。でも確かに、たくさんの方が亡くなっていく中で、健康寿命やフレイルなどが注目されてきており、新しい価値観がもっと進む可能性もあると思いました。

 

ということで、いろいろなまちづくりの本を読みましたが、これからの人口減少社会で、テクノロジーの導入が進み、新しい社会が作られていく予感と必要性を多く感じました。地方に住む自分としては、東京以外でも心身豊かになれる世界が訪れる可能性を感じて、少し嬉しくなりました。

アメリカで流行中。経済的自立を実現する考え方「FIRE」

正月から、この本を読んでました。

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FIREというのは、「Finance Independence, Retire Early」の略で、経済的自立を実現して、早期リタイアするという意味です。

そして本書は、その経済的自立をいかに実現するかを書いてる本になっています。予めお伝えしておくと、原著はアメリカで、税制などはアメリカを前提に書かれているので、一部は日本と異なる部分があります。

FIREの基本方針

基本的な戦略は、次の一言に現れています。

経済的自由にいち早くたどり着く鍵は、できるだけ早く、できるだけ頻繁に、できるだけ多くのお金を稼ぎ、投資することで、複利効果を加速させることだ。

 

投資はギャンブル的だという捉え方をされる場合もまだ多いですが、最近はいろんな形でリスクコントロールしながら手軽に投資できるものが増えています。

本書で紹介されているのはアメリカ市場で、平均年7%程度のリターンを得られることを想定しています。ただ、今は日本にいてもアメリカの株や投資信託を買える環境にあるので、このあたりは日本にいても実施することが可能です。

もちろん投資にはリスクが伴いので、どういうポートフォリオで行うかなど、様々な注意事項やアドバイスも書かれています。過去のアメリカ市場の実績をベースにした戦略になっているのも特徴です。

 

あとは、投資に回す原資をどう創出するか、というところでも、副業や本業の効率化など、様々なアプローチが紹介されているので、それらを読みながら、自分の稼ぎ口を増やすヒントになるでしょう。

 

自分のペースでFIREを考える

FIREで書かれているのは、早く経済的自立を達成したいのであれば、早く投資にお金を回そうという点です。

より早く始めて、より多く貯蓄すれば、より早く経済的自立に到達できる。これが私の戦略のかなめであり、経済的自立に到達するために要する年数や金額を大きく減らしてくれるものだ。覚えておいてほしい。経済的自由にいち早く到達するための鍵は、より多くのお金を、より早く、より頻繁に稼いで投資することなのだ。

 

一方で、必ずしも早く達成するためにいろんなことを犠牲にする、という一辺倒な話ではなく、基本原則を理解しつつ、自分の置かれている状況や好みなどに合わせて、貯蓄や投資、稼ぎ方の手段を組み合わせることも述べられています。そういう意味では、誰にでもどういうタイミングで読んだとしても、参考になります。

キャリア戦略を考えるきっかけに

投資だけでなく、会社勤めも含めて仕事やキャリアについても書かれています。例えば、短期と長期でそれぞれ、キャリアに対する考え方は、こんな感じです。

短期のキャリア戦略は、自分の市場価値(他人があなたに喜んで払う金額)を上げること、そして給与と福利厚生を最大化させることに重点を置くべきだ。福利厚生にはリモートワークや自由なスケジュール管理(時間をより自由にコントロールできるようになる)も含まれる。 長期のキャリア戦略は、あなたが持つ情報や人へのアクセスを利用することで築かれていく。自分の価値を上げ、会社(やほかの人)がいかにしてお金を稼いでいるのかについてあらゆることを学べるよう(将来のフルタイムの仕事や副業、ベンチャー事業に活かせる)、人脈を広げ、スキルを磨き、可能な限り学ぶべきだ。

 

自分のスキルをちゃんと棚卸しして、市場価値をどう高めていけるのかを考える必要があるなあ、と感じました。

スキルとは将来の通貨だ。つまり、より価値の高いスキルを学べば、あなたはより価値のある存在になり、いずれよりお金を稼げるようになるということだ。あなたが持つスキルに対する需要が高く、その組み合わせが多様であるほど、あなたの収入は上がり、選択肢も増える。異なるふたつの一見相反するスキルを習得して組み合わせれば、ものすごく大きな価値が生まれる。

 

スキルの組み合わせという意味では、こちらの本も読んでみたいです。

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経済的自立という観点で、幅広いテーマが網羅されている感じです。そして、投資の内容はあまり専門的ではなく、どちらかというと投資信託にお任せしながら高い利率を実現するというのがFIREの方針なので、投資に詳しくなくてもだいじょうぶです。

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このブログで売れたビジネス書(2019年版)

毎年書いてるこのブログで売れた本のご紹介。去年はこんな感じでした。

このブログで売れたビジネス書(2018年版)

今年は、ちょっとだけ様変わりした感じがあります。早速いきましょう。

 

第20位 人事こそ最強の経営戦略

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正直、こちらは僕は読んでいないのですが、人事は経営戦略上のウェイトが高まっており、CHOという役職も登場してきているので、従来の人事領域に限らず、経営戦略とのつながりを知るのは良いことかと思います。

HRテックやピープルアナリティクスを勉強するための本をいくつかご紹介

第19位 小倉昌男 経営学

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普及の名著ですね。ヤマト運輸の今の形を作った経営者の奮闘本。

小倉昌男 経営学

第18位 リーン・スタートアップ

クイックにビジネスを立ち上げるための考え方。特にソフトウェアでは非常に立ち上げや検証を速められるので、その優位性と相性が良いです。新規事業開発など、クイックに立ち上げてサイクルを回していく考え方が参考になると思います。

不確実性の高い現代で、リーンスタートアップをなぜ学ぶべきか

第17位 ドラッカーが教える 実践マーケティング戦略

マーケティングの初歩というよりは、ドラッカーのマーケティング視点が学べる本ですね。読みやすくてこのブログでは人気です。

第16位 この世で一番おもしろいマクロ経済学――みんながもっと豊かになれるかもしれない16講

これも毎年恒例のマクロ経済学。

この世で一番おもしろいマクロ経済学

第15位 Excelパワーピボット 7つのステップでデータ集計・分析を「自動化」する本

ExcelのPowerPivot本です。あまり本などの情報が少ないのもあり、こちらの本は人気ですね。

第14位 最高の結果を出すKPIマネジメント

これまで読んだ中で、一番理解しやすくKPI設定できる気にさせてくれる本です。KPI設定が必要と思うときに、度々読み返してます。

KPIを設定したけど成果が出てないと思う人はこの本を読もう

第13位 ワーク・ルールズ! ―君の生き方とリーダーシップを変える

ピープルアナリティクスを話題にした本ですね。Googleで行われている、採用や人事管理にデータが用いられてる例です。

HRテックやピープルアナリティクスを勉強するための本をいくつかご紹介

第12位 データサイエンティスト養成読本 ビジネス活用編

長く続いてるデータサイエンティスト養成読本の最新版。今回はビジネス活用編として、データ活用のチーム作りやピーブルアナリティクスなどのネタもあり、いろんなテーマを学べます。

第11位 この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講

ミクロ経済学の基礎が、マンガで理解できる一冊。

この世で一番おもしろいミクロ経済学

第10位 プラットフォーム革命――経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか

今GAFAと言われるようなプラットフォームの強さを整理した本ですね。去年紹介したのですが、未だに売れてます。

「プラットフォーム革命」を読んでAmazon、Facebook、Uberのビジネスモデルを理解する

第9位 ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件

いまだに売れる経営論の名著。ビジネスの意味づけが重要になってる今だからこそ、改めて価値がある気がしますね。

戦略の本質を理解する良書 – 【書評】ストーリーとしての競争戦略

第8位 タレントマネジメント概論—人と組織を活性化させる人材マネジメント施策

最近いろんな企業が取り入れ始めている、タレントマネジメント。

これからの人事戦略である「タレントマネジメント」を学ぼう

第7位 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

起業家マインドを教えてくれる一冊。

【書評】20歳のときに知っておきたかったこと

第6位 ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務

タイトル通り、新書でざっくりファイナンスを理解できる本。最初の一歩におすすめ。

第5位 モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

いまだに売れるダニエル・ピンクの名著。あまり怒られなくなってる時代で、どういう人が活躍するかといえば、「自分を律せる人」「モチベーションが高い人」だと思います。ということで、モチベーション、大事。

人を活かす方法を理解する-【書評】モチベーション3.0

第4位 事例で学ぶ POWER QUERY for Excel

この一年でこのブログは、POWER QUERY関係のアクセスが急増しました。あまり情報が少ないからだと思いますが、知人にPOWER QUERYの話をすると、「めちゃ便利」と 感動されます。

Excelでまだいろいろデータ加工を頑張ってる人には、ぜひおすすめしたいですね。

Excelでピボットテーブル使う人に全力でPowerQuery(パワークエリ)をお勧めしたい

第3位 財務3表図解分析法

財務3表をビジュアルに理解するのに良い本です。

経営分析の手始めに読む2冊

第2位 財務3表一体理解法

こちらの本も、このブログでは恒例でしたが、財務分析の全体像をうまく捉えられる一冊です。

第1位 経営戦略全史

このブログでは安定の一位。経営戦略をいろいろ知った人が、歴史を含めて俯瞰して理解するのに最適な本です。

経営戦略を学び直して、本当の意味で理解するための「経営戦略全史」

 

ということで、このブログだとこれまでMBA関連の書籍がコンスタントに売れていたわけですが、今年はPowerQuery本が大幅に増える結果となりました。データ分析も熱いですし、Excel活用がこのブログで注目されているのは良いですね。

こうやって売れ行きがわかると、自分が知らない本が購入されていたりもするので、とても参考になります。上で紹介できなかった本でも、自分で気になって買った本などもありました。

皆さんも、今年も良い読書を!

【書評】ニュータイプの時代

最近、いろいろ思っていた価値観のシフトが、見事に整理されていたり言語化されていて、「そうそう」という納得感が多過ぎる一冊でした。

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事業環境変化のスピードが速くなっていて、会社に居続けるのが難しくなっていたり、役割の変化が求められています。

これはライフシフトでも言われていることで、会社を変える、スキルセットを見直していくことが求められるようになっています。

2017年に向けて読む一冊:100年ライフを読んで人生プランを考えよう

そうなると、他にもいろんな社会構造や価値観が変わってきます。そのような、これからの時代に求められる人材の要素がわかるのが、この「ニュータイプの時代」です。

 

「問題の発見」と「意味付け」

やはり一番考えさせられたのは、この「問題の解消」よりも「問題の発見」にシフトしている、ということです。

ビジネスは基本的に「問題の発見」と「問題の解消」を組み合わせることによって富を生み出しています。過去の社会において「問題」がたくさんあったということは、ビジネスの規模を規定するボトルネックは「問題の解消」にあったということです。

 

しかしすでにメガトレンドの項目で説明した通り、このボトルネックの関係は、今日では逆転しつつあります。つまり「問題が希少」で「解決能力が過剰」になっているということです。

 

これを踏まえると、コンサルティング会社やSIerなどがやってきた「問題を解決する」というアプローチはどんどん社会的な価値が下がってきており、「そもそもどういう方向に向かうべきか」など、もっと大きなレベルでの問題発見や構想が求められるわけですね。

 

「問題の不足」という状況は、そもそも私たち自身が「世界はこうあるべきではないか」あるいは「人間はこうであるべきではないか」ということを考える構想力の衰えが招いている、ということなのです。

 

このような構想には、もっと哲学やリベラルアーツのような、理系に属する知識・ノウハウだけでは通じにくいものです。

 

意義が低下していくMBA

自分が学習し経験したから思うのですが、MBAの意味というのは社会的に低下している気がしていました。その傾向についても、本書で触れられています。やっぱりね、という印象でした。

 

たとえば2018年の 10 月、ウォール・ストリート・ジャーナルはアメリカにおけるMBAへの応募数が、4年連続で前年割れしていることを報じました。同紙によれば、ハーバードやスタンフォードなどのエリート校も含めて応募数は減少傾向にあり「Degree loses luster=学位としての輝きは失われた」というの です。

 

MBAが全く意味がないとは思いませんが、相対的には昔ほど価値を生み出しづらくなっているのは事実でしょう。ただ、それに代わる明確な学習フォーマットも、まだMBAほど確立されていないという状況な気がします。d.schoolなどが注目された時期もありましたし、このような取り組みは僕も良いと思いますが、学習フォーマットとして広げるのは難しいのでしょうね。

「デザイン思考」を発信するスタンフォード大学d.schoolを訪問してみた

 

これから求められるのは「意味をつけられるリーダー」

これからのリーダー像は、課題をみつけ、共感を呼ぶようなミッションを定められる人です。

 

ビジョンに求められる最も重要な要件、それは「共感できる」ということです。 目的とその理由を告げられて、自分もその営みに参加したい、自分の能力と時間を実現のために捧げたいと思うこと、つまりフォロワーシップがそこに生まれることで初めてそれと対になるかたちでリーダーシップが発現するのです。

 

今の学生と話すと、まさにビジョンとしての共感の重要度が増しているのを感じます。こういうものが見えづらくなると、早い段階で辞めてしまうようです。

 

昨今では「部下がだらしない、使えない」と嘆いている管理職がどこの組織でも見られますが、これは典型的なオールドタイプの思考モデルであり、本当に嘆くべきなのは「部下を動機付ける『意味』が与えられない」自分の不甲斐なさであるべきでしょう。

 

ITやAIの仕事をしていると、「何か良いネタはないか」という相談を受けることもしばしばありますが、そういう相談は応えるのが難しいのが正直なところです。そういう組織は、「本当の問題」をちゃんと定義できていないまま、「IT、AI、IoTなど最近トレンドの技術・サービスを活用すると、自社をもっとよくできるのではないか」という抽象的な感覚で行動してしまっているかもしれません。

 

ところが、現在の多くの組織では、そもそも「解答を出すべき問題=アジェンダ」が明確になっていないことが多い。解決したい課題が不明確な状態で「何か儲かりそうなアイデアはありませんか」とお見合いを繰り返している、というのが多くの企業におけるオープンイノベーションの実情になっています。

 

同じ業界・同じ会社にいると、価値観やスキルが固定化しやすくなってしまいますが、 世界はどんどん変わってきており、自分の領域はいつ陳腐化してしまうかわからない時代になったな、と実感します。

自分にとって、価値観を見つめ直し、新たな知識の幅を考える良い本でした。

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2019年に読んで印象に残った本

そろそろ年末ですね。毎年恒例で書いている、今年読んで印象に残った本を挙げていきます。まあ、備忘録みたいなものです。

今年はあまり本を読まなかった一年でした。改めて振り返ると、自分の印象に残っている本が限られているなって思いましたが、それでもいくつかあります。自信もっておすすめできるやつです。

ファクトフルネス

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ビルゲイツがリコメンドしていたこともあり、話題になっていましたね。事実をちゃんと押さえることはもちろんですが、本書の中心は「事実への向き合い方」です。切り取り方や整理の仕方によって、全く違った解釈になることもよく起こります。現代に問われるデータリテラシーを考える良い一冊だと思います。

「ファクトフルネス」を読んで、これからのデータ社会に必要な心構えを学ぶ

 

AI vs 教科書が読めない子どもたち

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今年はAIをよく勉強した一年でした。今年の最初のあたりで読んだ本書は、AIの特性や限界、「読解力」を中心にした人間ならではの能力や教育の可能性を知ることができました。AIに人間が勝てるのは読解力だと知ったあとで、読解力が落ちてきている、という事実を突きつけられるのは結構衝撃。

 

課題解決とサービス実装のためのAIプロジェクト実践読本

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AIを実際にプロジェクトとして進める場合に、知っておくべき知識を整理した本です。いろんなガイドラインも登場し、AIの普及が進みつつある現在ですが、こういうプロジェクトに関するノウハウが言語化・体系化されるのは良いことだと思います。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ

 

ディープテック

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今新たな動きとして、ディープテックというトレンドがあるのを知りました。本当の社会的な課題を解決を実現するための、技術開発やビジネス実装に取り組むもので、ビジネス化までに時間や費用の多くが必要なのが特徴です。

グローバルでの日本の地位が低下していく中で、日本が取り組むべきひとつのジャンルな気がしました。

今注目されている「ディープテック」とは何か

 

時間術大全

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スマホでの無駄な時間の浪費を減らして、生産性を上げるきっかけをくれた本でした。時々こういう生産性を高める本を読んで、その中でいくつか取り入れてみるのが好きです。

「時間術大全」を読んだら生産的で有意義な時間が増えた

 

ニュータイプの時代

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年末にかけて読んでましたが、面白くてついつい一気読みしました。外部環境の変化が激しい現在で、社会はどういう価値観が重要視され、スキルを身につけていくべきかを知る良い本だと思います。

 

ということで、今年はあまりブログを書かない一年になりましたが、ひとまずこれが一年最後の記事です。良いお年を。

日経BP総研2030展望 ビジネスを変える100のブルーオーシャン

日々の作業に追われていると、時々立ち位置を見失ってしまうことがありますよね。

時々は、これからの将来の変化がどうなるのかを考えたくなるんですよね。そういうときは、こういう予測系の本を読みます。

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内容が薄いというレビューがAmazonにありましたが、たしかにひとつ一つのテーマに対するボリュームが少ないかもしれません。ただ、その分いろんな観点が書いてあるので、それをヒントにどう捉えるかは自分次第という面もあると思います。個人的にはとても参考になりました。

 

実際に、読みながら「たしかにこういうトレンドは今後あるかも」というものや、「全然知らない領域もあるんだな」という認識が結構生まれたんですよね。あるいは、ひとつひとつの事例などは知っていても、改めて「市場」として定義されると、認識も変わります。

例えば、線虫を使ったがん検査などを見かけたことがありましたが、

線虫がん検査に関する世界最先端の線虫行動解析技術 – HIROTSUバイオサイエンス

本書では、それを「ペインレス迅速診断」という名称で市場が示されています。こうやっていろんな事象が市場やひとつのトレンドとして捉えられると、見え方も変わってくるものです。

あとは、医療適性化コンシェルジュとかスマートビルディングというのが、考え方として新鮮でした。

 

年末年始でこういう予測系の話は出てくるかもしれませんが、結構ネタは幅広く取り上げられているので、ネタ探しという点では良いと思います。

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最近買った靴が合わず、痛かったのでインソールを買いました。薄くて安いですが、これを入れるだけですごい快適に履けるようになりました。

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