最近デジタルマーケティングという言葉をよく聞くようになりました。しかし、記事や本などによって定義は様々分かれており、いまひとつパッと概念が捉えられません。
これまでのマーケティング理論と何が違うんでしょう?
何が新しい要素なのでしょう?
その時に、この本を手に取ってみました。
[amazon_link asins=’4492557792′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’5f711065-041f-400a-b019-405dda4b12f8′]
この本のオススメポイントは2つです。
従来のマーケティング理論との違いがわかる
この本では、従来のマーケティング理論との違いがわかりやすく説明されています。
意外な収穫だったのですが、まるまる一章を使って、従来型のマーケティングの基本が丁寧に書かれています。しかも要点が絞られているので、マーケティングの全体像を、いくつかのフレームワークを使いながら理解することができます。
マーケティングは、需要過多から供給過多へ社会が変わることで発展してきました。どんどんものが溢れると、人々は簡単には消費しなくなっていきます。そのような状況で、どうやって人々に商品やサービスを届けるのかを考えるのがマーケティングなのです。
1960年、1985年の従来型マーケティングの定義は、市場成長期を前提とした定義である。市場成長期は需要量が供給量よりも多い。したがって、消費者へ製品やサービスを「届ける」ことが重要である。だから、「財の流れ」(1960年)、「流通」(1985年)が重要なのである。また、1985年の定義では、マーケティング・ミックスを重視したマーケティング管理が意識されている。 2004年、2007年の従来型マーケティングの定義は、市場成熟期における「顧客との関係性」を重視した考え方に変化している。
個人的には、従来のSTP+4Pのようなフレームワークを用いて、マーケティング理論をおさらいできたことと、需要が低下した社会で需要を喚起するのがマーケティングだと捉えられたことが発見でした。
結局デジタルマーケティングはこれまでと何が違うの?
本書のメインテーマは、従来のマーケティングとデジタルマーケティングの対比をしながら、デジタルマーケティングを理解することです。
基本的に、マーケティングプロセスは従来とデジタルで変わりませんが、その方法と、競争優位性のポイントが変わります。
デジタルの特徴はデータが大量に蓄積されることで、これまでの潜在的なニーズを推測等で分析していたものが、はっきりとデータでわかるようになります。特に購入前の情報ですね。
さらに、データが大量に生まれることで、そのデータをどうやって活用するかと言う分析力が企業の競争優位に繋がります。
デジタルマーケティングにおける消費者「行動」理解ではデータ量の企業間格差は縮まるが、その取り扱い能力、言い換えれば、アナリティクス(分析力)で相当な企業間格差が生じる。
この動きから、マーケティングをリードするプレイヤーの交代も起こっています。
マッキンゼーやボストン・コンサルティング・グループは、WatsonのようなAIを持たず、また、テクノロジー領域に極度に弱い。これは、従来型マーケティング領域のコンサルティングが強かったことの裏返しでもあるのだが、その結果、デジタル領域へのシフトが遅れた、または、本気になりきれなかった。
このように、基本的な流れは従来のマーケティングと同じと捉えてオーケーですが、データが取得できるようになるので、データを主体にした体制にする必要がありますし、それを取り扱える企業が強くなるのです。
経営とITがますます一体化してきており、企業はテクノロジーに投資しないとまずいんじゃないかと最近思っていますが、この本を読んで改めてその思いを強くしました。
そんな折にハーバードビジネスレビューがこんな本を出していました。
[amazon_link asins=’B0772SVBK7′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’93519cb6-3b2b-4a67-b5f3-6bd24796686b’]
これを今読んでます。
あと、Kindle Unlimitedで読めるこちらも、似たような内容になっていますので、 Unlimitedユーザーで手軽にという人は、こちらも読んでみると良いかもです。
[amazon_link asins=’B06XBXB25L’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’7794de77-6355-4006-8ab3-229828c9fdd8′]