新年、あけましておめでとうございます。
新しい年になり、まっさらな気持ちでこれからを考えるのにピッタリな一冊をご紹介したいと思います。
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この本を読むと、これからの自分の人生で、どういう風にキャリアや資産を形成していけばよいか、考えずにはいられないでしょう。
この本は、人間の平均寿命の話から始まります。人間の平均寿命が伸び続けているのは、皆さん知っていると思いますが、その先もこの傾向は続くと予想されています。
国連の推計によれば、2050年までに、日本の100歳以上人口は100万人を突破する見込みだ。第1章の図1‐1で示したように、2007年に日本で生まれた子どもの半分は、107年以上生きることが予想される。
この数字を見ると、結構衝撃です。今生まれている子供たちは、半分以上が100歳以上生きるのですよ。そして、このような寿命の伸びが、社会制度に影響を与え、自分たちの老後の生き方、ひいては人生プラン全体に影響を及ぼす、というのが本書のメインテーマなのです。
政府が進める働き方改革は何を意味するのか?
最近、政府は盛んに働き方改革を推進しています。これは、女性を含めた様々な人が働きやすい環境を作っていこうというものであり、いろんな人にとって良いことなんじゃないかと思います。
さらに、労働時間の短縮についても気運が高まっており、ヤフーが週休3日制を検討する、ということがニュースにもなりました。
ヤフーが週休3日制を検討する理由は? 人事担当者に聞いた「働き方改革」
これらのベクトルは、「働く手段の多様性」と「余暇の創出」に向かっており、その背景にあるものの一端は、本書を読むことで理解できるでしょう。
詳しくはぜひ読んで欲しいのですが、僕なりに解釈するのであれば、その要因としてあるのは、「これまでの社会制度の崩壊」と「それに伴う人的資源の再投資の必要性」です。
戦後モデルの崩壊
日本に限らず、これまでの資本主義国のモデルは、若年層で教育を受け、40年ほどはその教育をベースに働いて資産を得て、その資産を消費する形で老後を過ごすというケースを基本としてきました。本書では、それを「3ステージ」と表現しています。
しかし、平均寿命の伸びから、年金をはじめとする社会福祉制度は維持が困難となっています。そうなると、国家が支えるのではなく、自分たちが様々な手段で資産を獲得しなければならない状況が生まれているのです。
一方で、寿命が伸びたことでビジネスにも影響を与えています。それが「スキルの陳腐化」です。
人々の寿命が短く、労働市場の変化が比較的小さかった時代には、20代で知識とスキルを身につけ、その後は知識とスキルへの本格的な再投資をしなくても、キャリアを生き抜けたかもしれない。しかし、労働市場が急速に変化するなかで、70代、80代まで働くようになれば、手持ちの知識に磨きをかけるだけでは最後まで生産性を保てない。時間を取って、学び直しとスキルの再習得に投資する必要がある。
人が長生きすることで、生きている間に通用するスキルが一つでは不足してきました。そのため、社会人になっても新たなスキルを獲得し、キャリアを移行させる必要が生じてきているのです。これが、余暇の創出を必要とするもう一つの理由です。余暇がないと、自分に再投資できないですからね・・・。
とういことで、社会制度の変化とビジネススキルの陳腐化が、働く人たちに求めるスキルやキャリアに対する考え方に、大きな変革をもたらそうとしています。この変化は最近急激に生じており、いろんな価値観を改めないといけないと思っています。
しかし、学生と時々話すと、そういう認識を持っている人がいなかったり、「最初に入った会社で一生勤めたい」と本気で考えている人もいて、時代感と合ってないなと感じることもしばしばです。
どの年代にも通用する、重要な一冊になると思います。正月の休暇にぜひ。電子書籍なら今すぐ読めますので、どうぞ。
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