ずっと読まずにきたけれど、これが読み継がれている理由がよくわかった。本当に、経営を考える上では名著だと思う。重要なことがたくさん書いてある。
内容自体は、小倉昌男という人のヤマト運輸での半生なのだけれど、BtoBの運送会社からBtoCの宅急便開発については、コンセプトが生まれ、調査し、組織を説得しながら実行し、そして宅急便を立派なサービスとして築きあげていくまでの過程が細かく書いてある。本当に感心した。コンセプトを生み、緻密な計算によって磨き上げ、大胆に実行していく様子は、読んでいてとても気持ちが良かった。
また、メッセージが端的でわかりやすい。短くて的確な言葉を選んだり、比喩を多様している。これは、従業員や他者への説明にとても活きているんだろうと思う。宅急便サービスを始めるときに、各セールスドライバーに「サービスが先、利益は後」と伝えたところなんて、行動原理が理解しやすく、現場は動きやすくなったんだろうと思う。
今、日本は勢いのある新しい企業が起こっていない。それは、日本の時価総額ランキングを見てもわかる。上位20位で、ベンチャーから上がってきた新興企業はソフトバンクぐらい。
日本企業・時価総額ランキング | Marketgeek
一方で世界をみると、アップル、マイクロソフト、グーグルがトップ10に入っている。日本で1位のトヨタは世界で26位、日本で2位のNTTドコモは世界で78位だ。
世界の企業・時価総額ランキング | Marketgeek
こんなブログで憂いを書いても仕方ないし、本を読んでまたエネルギーをいただいたので、また頑張る。経営者には、総合的な人間力が必要であることがよくわかる一冊でした。