KPIという言葉はすっかり当たり前になりましたね。Googleトレンドでみても、年々増えています。
ただ、ちゃんとKPIをマネジメントして成果を出す、というのは結構難しくないですか?
KPIマネジメントでよくある課題
KPIを設定したのに、うまく成果に結びつかないときに、理由はいろいろ考えられます。
KPIと称して目標数字をかけるものの、効果が出ない。効果が出ないどころかほとんどみんな途中から数字を忘れてしまう。達成できないことによるあきらめが感じられる。
「KPIを設定し、PDCAサイクルを回しましょう」という考え方はわかるもののの、ほんとにそれを実行し効果を出すためには、何かが足らないのではないでしょうか?
成果を出すためのKPIマネジメントについて、より実践的な方法を知りたいと思っていました。
リクルートの実践的なKPIマネジメント手法
リクルートに関連する記事や本を読むと、ビジネスを発展させるためにKPIを設定して、それをぐるぐる回して改善した、という話がよく登場します。
例えばこの本。
リクルートの手法から学ぶ新規事業の作り方・育て方
ビジネスモデルを成長させる仕組みに、KPIマネジメントが含まれています。
それで、具体的にどうやってマネジメントしているのか気になっていたのですが、その内容を知ることができる良い本と出会うことができました。
改めて学び直すKPIマネジメント
本書は、リクルート社内で行われていた研修がベースになっていると言うことで、KPIとは?といった非常に基礎的なところから、実際のKPIを作りマネジメントするところまで、一通りカバーされています。
わかっているようで、実は分かっていなかったんだなと本書を読みながら、何度も唸っていました。
印象的なのは、KGI、CSF、KPIの関係性をちゃんと頭の中で理解し、それを順番に組み立てていくプロセスです。これらの関係性がちゃんと整理されていないと、KPIを適当に設定しても、うまく機能しない事は明らかだと理解できました。
また、この作成から運用までのプロセスがフローとして全体でまとめられており、KPIを設定した後も、おざなりにならずにチェックして改善するためのアプローチが説明されています。
これらの手順に従っていけば、KPIの設定までできる気にさせてくれます。
実際にやってみました
営業や採用など、どの組織でも当てはまりそうな課題について、具体的に書かれているので、自社の課題に当てはめながら考えることができるでしょう。
というわけで、自分のことに当てはめてKPIを作成するまでのステップを順番にやってみました。ステップ自体は明確であるものの、やってみると、意外に難しいことがわかりました。
特に難しかったのはCSFを見極めるところです。どのアプローチを行えば成功につながるか、というのは意外と認識していないものであり、それを定義すること自体が頭を悩ませる問題だということです。(逆に成功パターンがよくわかっていないから、苦労するという面があるわけでして。)
しかし、作る過程でいろんな事象を整理することができましたし、とりあえずてを動かして考えてみる、達成したい目標から逆算して数字で考える、という行為は、思考を深め、KPIマネジメントに取り組む上での重要なポイントかなと思いました。まずは仮説でKPIを設定すれば、あとはPDCAサイクルで検証、改善していくことができますしね。
KPIという言葉は非常にメジャーになりましたが、それを実際に深く考え、行動に落とし込み、成果に結びつけている事例はどれぐらいあるでしょうか。
本書を読んで、実際に手を動かして考えてみて、改めて勉強になりました。