楽天がViberを買収した理由は何か

だいぶタイムリーではなくなってしまった感じがありますが、楽天がViberを買収した話を書いておこうと思います。やはりメッセンジャーアプリ界隈が新しいフェーズに突入してきている感じです。

楽天は2月14日、都内で事業戦略説明会を開催し、無料通話&メッセージアプリ「Viber」を提供するViber Mediaを子会社化したと発表した。買収金額は9億ドル(約916億円)で、全株式を取得している。

楽天、無料通話アプリ「Viber」を買収固定への無料通話プロモーションも | マイナビニュース

Viberの売上はひどい

楽天の買収発表では、Viberの収益状況が示されています。売上151万ドルで、営業損失は2646万ドル。完全な赤字です。全然収益化できていない実態がわかります。

Viber

楽天株式会社:  Viber Media Ltd.の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ | ニュース

Viberとしては、身売り先というか資金調達をしたかったのでしょう。この数字を見ると、自前で生きていくのが難しい感じです。

このような企業に9億ドルも払うだなんて、ということで結構ひどい買い物したという意見もあるようです。しかし先日、時を同じくしてFacebookがWhatsAppを買収しましたが、160億ドルです。楽天の9億ドルがかすんで見えますね。

FacebookWhatsAppを買収した目的を考える | Synapse Diary

収益化できてないけど、ユーザー数はとても多い

では、Facebookでも楽天でもなぜメッセンジャーアプリを買収するかといえば、抱えているユーザー数が非常に多いからです。そして、それがとても速いスピードで進行しています。つまり、新しいコミュニケーションの形が、急速に市場に浸透しているということです。

それに伴って、プロダクトライフサイクルで考えた場合、普及期を超え、成長期の途中にあると見ています。成長期では、市場全体が膨れていくので複数の企業が成長していきますが、途中から淘汰されていきます。メッセンジャーアプリはWhatsAppもそうですが収益化が難しく、ライバルに勝たなければいけないものの、資本などの投資が難しい状況にあるのではないかと思います。

というわけで、Facebookでも楽天でも「買うなら今」という状況なのだと思います。このタイミングを逃すと、ライバルなどに買われてしまうか、もっと勢力が増して今回のような金額では買えなくなる、という状況になることが予想されます。

楽天の目的は「経済圏」の構築

Facebookの場合は、Facebookサービス以外の有力SNSの囲い込みだと思いますが、楽天についていえば、Facebookとは目的が違います。

楽天は3億人にリーチできるプラットフォームと音声技術を買ったことになるのだと思います。楽天の目的は経済圏の構築であり、多様なサービス展開、楽天カードやポイントなど、楽天内でいろいろなことが完結するようにしたいのです。

そういう意味では、スマートフォンの中でよく使われるコミュニケーションサービスを楽天が保持したいと思っても不思議ではありません。LINEはメッセージアプリから通販などを手がけるプラットフォームに変貌しています。設計次第ではありますが、人が利用し、閲覧されるということは、そこにお金との紐付けを行える機会があるということですから。

もう一つの注目はViberの地域シェアです。楽天の国内流通額は1兆円。海外は130億円。(四半期ベース)。つまり、100分の1ぐらいになっています。

rakuten_jp rakuten_global

http://corp.rakuten.co.jp/investors/documents/results/file/13Q1PPT_J.pdf

海外進出を強化する、というのがここ最近の楽天の戦略です。海外ユーザーが3億人ぐらいもいるサービスを買えるという意味では、今の楽天にとっては非常に価値があるのではないでしょうかね。

参考:
【社会】900億は高すぎ? 楽天の「Viber」買収に、冷ややかな海外メディア|政治・選挙プラットフォーム【政治山】

WhatsAppの買収から考える今後のスマートフォンビジネスの動き – Future Insight

フェイスブック、ワッツアップ買収190億ドルは割安?安田佐和子 : アゴラライブドアブログ

FacebookがWhatsAppを買収した目的を考える

いろいろ忙しくてブログを書く時間が削られているのが現状です。楽天がViberを買収した話を書こうと思って調べていたのですが、今日FacebookがWhatsAppを買収したニュースが入ってきましたので、それを先に書いておこうと思います。

 

FacebookによるWhatsApp買収の概要

WhatsAppは世界で人気のメッセンジャーアプリですが、160億ドルでFacebookに買収されました。

WhatsApp MessengerはLINEと競合の、iOS、Android、Windows Phone、BlackBerryで利用できる無料のメッセージングアプリ。2年目からは年額0.99ドル掛かるが、広告は一切表示されない。LINEと同様に、端末のアドレス帳と連係し、電話番号をアカウントとして利用する。昨年12月に月間アクティブユーザー数が4億人を突破し、現在は4億5000万人になっている。

Facebook、LINE競合のWhatsAppを160億ドルで買収 – ITmedia ニュース

とある通り、アクティブユーザー数が非常に多く、広告を表示せずに課金モデルを採用していることが特徴です。広告を表示しない理由がWhatsAppの公式ブログに書かれています。

広告を載せない理由

ちなみに、中国のWeChatのアクティブユーザーは2.7億人。LINEの登録ユーザーは3億人です。

またFacebookは、サービスは統合しない方針を発表しています。

 

Facebookの狙いはWhatsAppの吸収ではない

Facebookの発表通り、WhatsAppはFacebookサービスには吸収されないでしょう。いろいろ理由はありますが、4.5億人もアクティブユーザーがいるサービスなので、ブランドが強く構築されており、いろいろ大きく変更することに抵抗を受ける可能性が高いというのがあります。場合によっては、大規模なユーザーの離反を招くこともあるでしょう。そのリスクを進んで負う理由がありません。

また、Facebookは広告モデル、WhatsAppは課金モデルと、マネタイズの仕組みが違うので統合することはふさわしくない気もします。

 

そもそも、メッセンジャーアプリという領域でみれば、全体ではまだまだユーザー数を伸ばせる余地がありますし成長期だと思いますが、一方で競合が絞られてきているという気もしています。そこで振るい落とされるサービスもあれば、勝ちが加速するところもあるでしょう。

Facebookは自前のメッセンジャーで覇権を取ることを諦めた、ととることもできます。Facebookメッセンジャーは残すと言っていますし、「WhatsAppはリアルタイム性があり、Facebookメッセンジャーとは用途が違う」とも言っているので、棲み分けによって共存を図る方向なのだと思います。

 

WhatsAppが強く、Facebookが弱いところ

WhatsAppは、世界的な普及度が高いサービスで、逆に日本は例外的に低い国です。

2013年4Q最新版、世界のソーシャルメディア・アプリ勢力図 〜 WhatsApp, WeChat, LINE など新興勢力が急伸 [in the looop]

これはFacebookと共通するところなのですが、注目すべきは年齢層です。以前からFacebookは高齢化していると言われていますが、WhatsAppは逆に若年層によく使われるサービスになっています。

この記事では、FacebookメッセンジャーとWhatsAppの年代別の利用者数を比較しています。年齢が低くなるほど、Facebookの数が減っているのがよくわかります。

Facebook、メッセンジャーアプリでも若者離れ… | APPREVIEW

離れていく、というかうまく取り込めない若年層を手をこまねいて見ているわけにもいかず、若年層に人気のサービスを手中に収めることで、いろいろな可能性を持つことができるというのは、ひとつの立派な理由になるでしょう。

 

FacebookはWhatsAppとゆっくり連携する方向を探っていくだろう

Instagramと同じように、無理して統合するようなことはせず、技術的に利用できるところはFacebookに取り込んだり、それぞれのサービスでシェアしあうような動線を作ったり、ゆっくり連携する方向を探っていくんだろうと思っています。

この先のFacebookは、複数のサービスを運営しながら、それぞれを連携させて、各サービス内でマネタイズを探るホールディングスのような会社になっていくんじゃないかと想像しました。Facebookというサービスだけでコミュニケーションのあらゆる部分を解決するのは難しいし、それぞれのサービスに使い分けられる特徴があるのであれば、各サービスを運営しながら、緩やかに連携し、全体としてマネタイズを図っていくことが、今後のFacebookの在り方なのではないかと。

 

今日はこのへんで。メッセンジャー界隈が最近熱いですね。

投資をはじめる初心者が読むならこの本2冊

MBAに行くと、投資に関心を持ちます。なぜなら、経済や株式市場の仕組み、企業の財務や資金調達などを勉強するからです。そうなると、企業を分析し、市場でどう評価されるかにもおのずと関心が向くことになります。

ご多分に漏れず、自分もそうなったわけです。これまで投資はあまり手を出さずに来ましたが、もう少し勉強しようと思い、読んだのはこの2冊。投資をはじめたばかりの自分が読むには非常に良い内容でした。これを参考に、投資活動を考えていこうと思ったぐらい教科書的なことが書かれています。

何はともあれ損切りが重要

特に1冊め「投資の正しい考え方には、嫌というほど「損切り」について書かれていました。これをうまくできるかが、投資において結果を出すために一番重要になります。

一番ダメなのは、利益確定は早く行い、損失は「いつか上がる」と思って抱え込むパターンです。まさにこれにハマっていましたね。心理経済学を地で行っている自分に驚きました。

人の心理は利益と損失に対する感度が違うようで、損失を「確定」させるのを嫌がる傾向にあるんですね。ただ、それをやってしまうと投資においては塩漬けになってしまうとか、不安になって結局底値で売ってしまうなどしてしまいます。

 

自分のシナリオを持つ

では、損切りをうまく行うためにはどうするか。そこで重要になるのが「自分のシナリオを持つ」ということです。「上がるはず」という予想を立てて、その逆を行った場合は、予想が外れているので速やかに損切り処理をすべき、ということです。

自分のシナリオをあまり持たずに売買すると、何となく上がったので素早く利益確定する、予想と反して下がったけれど、また上がるかもしれないからホールドする。そういうことを繰り返してしまうわけです。

というわけで、知ってしまえば当たり前かもしれないことですが、本を読んで自分の失敗を理論として理解することができました。

 

あとは、2冊めの「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」は上記のような投資の考え方に加えて、バリュー投資やグローバルでの経済状況が書かれていて、これはこれで非常に参考になりました。

ちなみにこの本の中に、「初心者はポジティブ思考で投資して痛い目を見る。少し学習した中級者はネガティブに思考して失敗が少なくなるが勝どきに乗ることもできなくなる。上級者は勝どきを見極めて勝つことができる」という成長ステップが書かれていました。今後も、いろいろ試して成長していきたいな、と思います。

 

というわけで、投資をはじめる初心者には非常に良い2冊だと思います。

mixiが四半期決算で業績好調を発表。その要因と今後の経営を考える

ミクシィの社長がわずか1年で交代、と発表されました。

同日、朝倉祐介代表取締役社長が退任し、森田仁基執行役員(mixi事業本部長)が代表取締役社長に昇格する人事を発表。「黒字化する見込みとなったことを受け、ミクシィグループが再成長フェーズに移行したと考え、代表取締役を交代することにした」としている。
ミクシィ通期見通しを上方修正 営業赤字予想から一転、2億円の黒字に 「モンスト」効果 – ITmedia ニュース

それ以外にも、モンスターストライクの売上など、業績も注目されていた四半期決算でした。これからのミクシィがどうなるのか、調べてみました。

これまでのミクシィ

一時期、SNSの隆盛の中で売上を伸ばしてきたミクシィですが、業績でみると2011年をピークに売上が減少しています。

これは、モバイル対応への遅れやFacebook、Twitterなど新しいSNSの台頭により、プラットフォームとしての魅力が低下して、広告収入が減少していったことに原因があります。四半期単位でみて20億円程度あった広告収入が、最近では3.3億円です。6分の1ぐらいになっていますね。

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それが、今四半期で業績は上向きに転換し、次の四半期決算では黒字になると発表されています。

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広告収入の減少は、課金収入の増加で補うこととなりました。それらの取り組みが報われた形になったのでしょうか。

収入増加の要因はモンスターストライクか

売上で前四半期から上昇したのは、「課金収入」と「その他」の2つ。課金収入は、前四半期の水準に戻った感じ。あとは、「その他」の売上が全体を押し上げた形になっています。

課金収入の内訳をみると、大半を占めていたブラウザゲームの売上が減少する中で、ネイティブゲームの分野が大きく増加しています。これがモンスターストライクですね。

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つまり、モンスターストライクが売上伸びたと言われたのですが、今四半期は売上全体でみるとこれまでの減少分を食い止める程度の規模感だったようです。

で、もう一つの売上上昇は「その他」のところですね。四半期の説明資料ではあまり詳しく書かれていないですが、「結婚支援事業」の連結を開始したと説明されています。これは、どうやら「YYC」というマッチングサイトからの収益貢献が大きいようです。元々はライブドアから買い取ったサービスなわけですが、その経緯はこのあたりを読むと「うーん」という感じがします。

mixiがこっそりと(?)出会い系サイトYYCを買収したことを、CNETが盛大にバラす

それでも業績予想では大きく上昇する

四半期単位でみると、来四半期の売上高は今四半期の2倍以上の売上予想になっています。課金収入は比較的収益予想が立てやすいとも言われているので、手堅い感じなのでしょう。恐らく、ここはモンスターストライクの貢献だと思われます。やはりゲームがヒットすると、インパクトが大きいんですね。

モンスターストライクは、利用者数は250万人を突破しました。ちなみにパズドラは2400万ダウンロードを記録しており、ガンホーは一ヶ月で173億円の売上があるとなっています。すごいですね。

2400DL突破】パズドラ国内累計ダウンロード数の推移をグラフ化
「パズドラ」大ヒットのガンホー、売上高10.5倍の746億円16月期、営業益451億円 – ITmedia ニュース

まとめ

  • 今四半期は売上減少がとどまり、好転
  • 売上が好転した理由は、モンスターストライクもあるが、出会い系サービスYYCの影響も大きい
  • モンスターストライクのインパクトは今後大きくなる
  • あとは、モンスターストライクがどの程度伸びていくかが、今後の注目ポイント

という感じですかね。

冒頭の話に戻りますが、社長が1年で退任になったことはいろいろ話題を呼んでいるようですが、どうなるんでしょう。ひとまず、その先どういう方向に経営が舵取りされていくのかは関心がありますね。「ゲーム会社になるわけじゃない」ということのようですが、mixiプラットフォーム自体の魅力が低減している現状で、ゲームを提供して売上が回復したのも事実なので。

英語の多聴・リスニングの初心者向けおすすめ教材

英語を勉強しようと、多読でいろいろ洋書を読んでいます。

英語多読したい方におすすめする初級者向け洋書10冊 | Synapse Diary
英語多読したい方に伝記シリーズ「Who Was…?」がおすすめ | Synapse Diary

飽きっぽい僕のわりには、継続できているのかな、と。

で、読書ができていることは良いのですが、これではリーディングの能力だけになります。リスニングをしてみると、結構簡単そうなものでも聞き取れなくなるんですね。そのギャップが悩みです。

 

「多聴」という考え方

英語の多読と同じように、「多聴」という考え方があります。簡単にいえば、多読と同じように浴びるように英語を聴くことで、リスニング力を含めて英語全体の理解度を向上させよう、というひとつのアプローチです。

僕はこれが良いか悪いか、科学的な点はよくわからないです。ただ、多読や多聴の考え方には同意する点が多いですし、実際に僕は継続できています。

 

多読・多聴を続ける2つのポイント

なぜ続けられるか、という点に関していえば、2つあると思います。

 

「わかる」という実感があること

勉強の類というのは、「わかる」という実感が重要です。わからなくなると、つまらなくなり、勉強しなくなります。つまり、ちゃんと「わかる」レベルで勉強をスタートすることから始めることが重要になるのです。

多読でも、この記事のようにレベルを認識して読み始めることで、いきなり挫折することを防げます。

英語多読したい方におすすめする初級者向け洋書10冊 | Synapse Diary

 

「成長している」という実感があること

人には成長意欲というのがもともとあるらしく、成長を実感すると幸福度やモチベーションが向上すると言われています。つまり、勉強においてはステップアップしている実感を創りだすことが重要なのです。

そういう意味では、多読や多聴においても、入門から少しずつ階段を登っているという実感をつくりましょう。それが自分のモチベーションを高く維持するポイントです。

 

「究極の英語リスニング」でリスニングの勉強を

結論まで辿り着くのが長くなりましたが、英語のリスニングにおいて、上記2つのポイントを満たす教材が「究極の英語リスニング」です。

このVol.1は、簡単な英単語で構成された会話が、比較的ゆっくりなスピードで流れます。ある程度集中すると理解できますし、何回か繰り返し聞いても、頭に入らず流れていってしまう、ということもあまりありません。

そして、同じシリーズがVol.4まであります。これによって、実際にステップアップしていく実感が味わうことができます。

あまりレベルが低い段階で多聴は行わない方が良い、と書いてあるブログなども読みましたが、ちゃんと自分のレベルを選べば、問題ないと思います。

継続していくことで、読んだり聴いたりすることを、あまりエネルギーを弄さなくても理解できる「体力」がついてきます。

というわけで、今日はこのへんで。

経済ニュースをキュレーションするiPhoneアプリ「NewsPicks」の面白さを解説する

経済ニュースをキュレーションする「NewsPicks」という無料のiPhoneアプリがいろんな点で面白かったのです。関心があったところを、書いていきます。

NewsPicks: ソーシャル経済ニュースメディア 1.3.1(無料)
カテゴリ: ニュース, ビジネス
販売元: UZABASE, Inc. – UZABASE, Inc.(サイズ: 10.5 MB)
全てのバージョンの評価: (27件の評価)
iPhone/iPadの両方に対応

 

NewsPicksとは

簡単にいえば、経済系のニュースを良くつぶやくTwitterアカウントをフォローし、記事とアカウント本人のコメントを読みやすく提供するアプリです。

—-(2014/02/10訂正)—–
NewsPicksの運営者様から記載内容に誤解がある旨、連絡をいただきました。NewsPicks内のアカウントは、全てNewsPicks内で作成されたものになっており、逆にNewsPicksサービス内でコメントしたものをTwitterもしくはFacebookにもシェアできるような仕組みにしている、とのことです。

失礼しました。下記文章も、その前提でお読みください。
—-(訂正終わり)—-

ポイントは、キュレーターが紹介する、オンライン上で提供されている業界紙の記事をすぐに読めることと、キュレーターのコメントも合わせて読めることです。特に使ってみて「良いな」と思ったのは、キュレーターのコメントを読むことができる点です。Twitterから拾っているので短いコメントなのですが、切り口やネガ・ポジのスタンスがよくわかり、記事に対する理解が深まる感じがします。

ニュース系のアプリといえば、SmartNewsやAntennaなどがありますが、僕の中ではいまいちヘビーユーズする気になりませんでした。が、これは使い続ける予感がします。

 

Twittterを「ラッピング」したアプリ

使ってみて面白いなと思ったのは、Twitterというサービスを効果的に利用しつつ、新しいサービスに仕上げている点です。

アカウントを登録すると、最初に興味があるジャンルが紹介され、その後Twitterのアカウントリストが登場します。そこでフォローすると、その人が紹介する記事がNewsPicks上のタイムラインに流れる、という仕組みです。

Twitter上にあるアカウントや、フォローの仕組みなど、ほとんどの情報はTwitterから利用しているようですが、それをアプリでラッピングして、記事だけを抽出し、キュレーターのコメントを別に切り出して紹介するなど、うまく「新しいサービス」に仕上がっています。

—–

↑こちらも誤解を招く表現になっているので、削除します。僕がTwitterでログインしたので誤解したのですが、あくまでTwitterとNewsPicks内のアプリは独立しているとのことです。Twitter・Facebook・個別作成は1/3ずつくらいの比率となっていることも教えていただきました。

—–

 

キュレーションの時代

インターネットが登場して、消費者が直接メディアとなる「CGM(Cosumer Generated Media)」がたくさん生み出されてきました。ただ、最近は別のモデルとしてキュレーターが情報を紹介するものが増えてきている気がしています。

ホリエモンがプロデュースした「テリヤキ」も同じで、グルメ家がおいしい店を紹介するアプリになっています。

うまい店が探せるグルメアプリ【テリヤキ】 1.3.0(無料)
カテゴリ: フード/ドリンク, エンターテインメント
販売元: SNS KK – SNS KK(サイズ: 7.7 MB)
全てのバージョンの評価: (82件の評価)

CGMとは違い、投稿者は限定されています。多くのユーザーは「いいね」などリアクションが限定的に設計されているのがポイントです。

情報が溢れ、いろんな人が効果的に密度が濃い情報を求めています。その中で、キュレーションを行う仕組みがたくさん登場してきているのでしょう。佐々木俊尚氏の「キュレーションの時代」が普遍化してきた印象です。

キュレーションの時代 | Synapse Diary

 

キュレーターのリスト確保がサービス価値の源泉

こういう話をすると、「あれも重要な要因だ」という話はいろいろあると思います。個人的には、アプリの設計も非常に重要なポイントを占めていると思っていますが、やはり一番はキュレーターを選定することだと思っています。

キュレーションサービスは、キュレーターが効果的な情報を、新しい切り口と合わせて提供してくれることに価値があります。NewsPicksの場合、それをTwitterという別のプラットフォームを利用して実現しているわけですが、そのTwitterアカウントリストを選定する、ということそのものが、現時点ではサービス価値の源泉になっています。

「同じようにTwitterからアカウント探せば、サービスとして成立する」と仮定すると、今後似たようなアプリが出てくるのではないかとも予想してしまいますが、ITサービスには先行優位性があるので、アプリ設計やキュレーションの質で明らかに上回るようなことがなければ、対抗馬は少ないと思います。むしろ、SmartNewsやGunosyなど、別のアプローチでニュースを提供するサービスとの競争ですね。

どちらかといえば、サービス設計は同じだけど切り口が違う、というようなものが登場するかもしれません。やたらアイドル情報だけ流れてくるとか、地域限定の情報だけ流れてくる、とか。いろいろ考え方はありますし、登場してきたら面白いな、と個人的には思います。

 

マネタイズはどうなるんだろうか

SmartNewsでもGunosyでもそうですが、ニュース系のサービスというのはマネタイズがあまりうまくいきません。ITサービスで広く利用されている広告モデルでは、使っている人にダイレクトに広告などを訴求することが難しいからです。

NewsPicksは、広告モデルではなく課金サービスを将来的に考えているようです。僕もこちらの方が可能性はあると思います。先ほど紹介したテリヤキも、アプリ自体は無料ですが、店のデータベースをちゃんと利用しようと思うと有料になります。こういうフリーミアムモデルの方が、合ってるような気がしますね。

というわけで、興味ある方は一度お試しを。

Bookliveが半額セール!そしてどの電子書籍サービスから買うかは気にしなくていい

Bookliveが3周年を記念して、全品を対象に半額セールを開催しています。2/7、8(2/8の23:59まで)の2日間限定なので、電子書籍を買いたい人はお急ぎください。

3周年★超感謝Everydayキャンペーン – 電子書籍ストア BookLive!

半額クーポンは1回限り有効ですが、1回の決済で複数冊購入することができますので、たくさん買いたい人にはまとめ買いでお買い得になります。あと、別のフェアも並行しており、まとめ買いすると100ポイント還元されます。

 

Bookliveを利用したことがない方へ

過去に、Bookliveのメリットを書いたことがあります。多少品揃えがKindleと異なること、ポイントを事前に購入すると還元率が良いことなどが特徴として挙げられます。

KindleもいいけどBookLiveもいいんじゃないんかな | Synapse Diary

それに、専用端末がなくても、iPhoneやiPadなどアプリを利用すれば問題なくすぐに読むことができます。実際僕はそれで利用していますが、特に不都合を感じたことはありません。

今日は、例えばKindleしか使わない人が、Bookliveをはじめとする複数の電子書籍サービスを並行して利用するメリットを挙げておこうと思います。

万一、電子書籍サービスが終わってもコンテンツは引き継がれる

最近、電子書籍サービスがいくつか終了しています。例えば、ソニーの電子書籍ストアは北米から撤退しました。

ソニー、電子書籍ストアを北米市場から撤退。ReaderユーザはKoboへ移行対応 – Engadget Japanese

撤退にあたって、ソニーの電子書籍で購入した人はkoboへ引き継がれました。

また、ローソンが提供していた「エルパカBooks」も終了しました。

電子書籍サービス「エルパカBOOKS」が2月24日に終了–購入済み書籍は閲覧不可に – MdN Design Interactive – Webデザインとグラフィックの総合情報サイト

ローソンは、購入金額と同額のPontaポイントを付与することで対応しています。

 

ここで注目するのは、サービス終了に伴って、何かしらの補填が行われていることです。正直Pontaポイントの付与はあまり望ましい形とは思いませんが、それにしても「サービス終了したら、購入した電子書籍が消滅する」という事態が起こりづらくなっているのは間違いありません。

今後も電子書籍市場は競争が激化し、淘汰されるサービスもあると思いますが、このように購入したものにちゃんと補償が行われるので、安心して複数の電子書籍サービスを利用すれば良いわけです。

 

電子書籍市場は割引サービスが連発されている

電子書籍市場は拡大しつつ、競争が激化しています。シェアでいえばKindle一強のようですが、それ以外の電子書籍サービスもいろいろ手を打っています。そして、正直あまり差別化要因が少ないため、価格競争が加速している印象です。

そこで、出版社が主体になったKADOKAWAセールや、Koboのクーポン、今回のBookliveのセールなど、いろんなところで割引が行われています。これをうまく利用するのが賢い買い方です。

 

ちなみに、電子書籍を売る側としては、過当競争になってしまうわけですが、コミックなどシリーズものを販売のメインに据えることで利益を確保している印象があります。一巻を無料にしたり、まとめ買いに対して割引を適用したり、すぐに手に入れることができる電子書籍の特徴を活かして、総額が高くなるコミックに力を入れているのでしょう。

 

まとめ

  • Bookliveが全品半額セール中!(2/8の23:59まで)
  • 電子書籍サービスはいろんなところで割引サービスが連発されており、利用しない手はない
  • 万一、電子書籍サービスが終わってしまっても、買ったものが全て失われることはない

というわけで、Bookliveでお買い物をどうぞ!

 

僕はこんな本を買いました。

WordPressでウィジェットタイトルやh2、h3タグのCSSをカスタマイズ

思い立って、このブログの見栄えを少しカスタマイズしました。以前から自分でも見づらいと感じていて、少し変更したいなーでも時間ないし面倒だなーと思っていましたが、この記事を読んだらうずうずしてきて、カスタマイズしてしまいました。

NUMBER333のPC用WordPressテーマを新しく作成しました。今回覚えたテクニック7つをメモを兼ねてご紹介するので参考にどうぞ! | iPhone・Macの情報発信ブログ “NUMBER333”

いくつか変えたところを書いておきます。

 

記事およびサイドバーの見出しを変更

見出しをデザインすると、区切りを人が認識しやすくなるので、可読性が上がります。今回一番気になっていたのが、サイドバーの見出しだったので、そこから着手しました。(サイドバーの見出しのことを、ウィジェットタイトルと呼ぶそうです。)

 

ウィジェットタイトルのCSSカスタマイズ

あまり日頃CSSなどを読み込んでいるわけではないので、久しぶりに触ると「どのあたりを編集するんだっけ?」と探すところから始まります。

ただ、Wordpressの良いところはネット上にいろんなカスタマイズに関する情報が掲載されていることです。ウィジェットタイトルの見直しも、ここを参考に行いました。今回は、背景をつけて見出し部分を認識しやすく変更しています。

TwentyTwelve サイドバー/ウェジェットタイトルの表示変更 | 初めてのワードプレス カスタマイズ

 

エントリー記事にあるh2、h3タグのCSSカスタマイズ

エントリー本文で良く使うh2、h3タグもカスタマイズしました。こちらも、思いっきり以下の記事を参考にさせていただきました。すみません。僕にとってはやりたいことがすごいストライクに書いてありました。

CSSで見出し(h1,h2,h3)の装飾|WordPressのカスタマイズ|ワードプレス | みみみんメモ

 

配色を考える

冒頭でご紹介した記事に、カラーパレットに関する記載がありました。これ、いいなーと思ったので、CSSをカスタマイズして色付けしていくときに、適用してみました。まあ、あまり多く色を使っていないので、劇的な変化はない気がしますが。

Palette / don’t you go down :: COLOURlovers
[browser-shot url=”http://www.colourlovers.com/palette/625987/dontyougo_down” width=”600″ height=”450″]

配色を外すことがないということと、具体的な色のコードまで示されているので、すごい使いやすかったです。

 

その他細々と

プラグインのSharebarを使っていたのですが、どの程度効果があるのかわからなかったことと、単に記事を見づらくしてるんじゃないかと思えてきたので、外しました。SNSへシェアされたい方は、記事下にボタンがありますので、そちらをご利用ください。

あと、アドセンスの位置も今回を機に見直しています。ヘッダーにあるの、うざいなと。

 

おまけ:CSSカスタマイズ中はCloudflareを一時的に止める

一応ブログを速くしたいのでCloudflareを使っているのですが、CSSなどはCloudflare側でキャッシュされてしまうので、どうしようかと思っていました。

今回カスタマイズする中でついでに調べると、解決策が丁寧に書かれていて助かりましたよ、と。

CDNサービス「CloudFlare」で一時的にキャッシュをOFFにする方法 | gori.me(ゴリミー)

 

意外にやり始めると面白くなるんですよね、コーディング。もっと勉強したいなー。

IBMがx86サーバー事業を売却する理由

IBMというのはいろんな意味で象徴的な企業であったりするので、その動向によって今後IT業界がどう進むのかのひとつのベンチマークにしていたります。以前も、IBMの経営分析を行った記事を書いたりしていました。

米IBMがグローバルで業績好調な理由 | Synapse Diary
米IBMの事業ごとの特徴を分析 | Synapse Diary

で、最近IBMがx86サーバー事業をLenovoに売却するという発表がありました。

米IBMは2014年1月23日、中国レノボにx86プロセッサ搭載サーバー事業を売却する計画で最終合意に達したと発表した。IBMはレノボから23億ドル(2400億円)を受け取る。

News & Trend – IBM、x86サーバー事業をレノボに売却:ITpro

この記事を読むと、いろいろ交渉がありつつも、Lenovoが安く買い上げたという状況のようです。

IBMがサーバー事業を売却、ただし手放すのはオワコンのx86だけ(山本 一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース

 

サーバー事業のコモディティ化が急速に進む

x86サーバーとは、いわゆるPCサーバーのことです。PCと同じ構造になっていて、安価で現在主流になっています。

コンピュータの黎明期はメインフレームが主役だったが、その後UNIXが台頭した。x86サーバーは安価だが、性能や信頼性がメインフレームやUNIXに比べて劣る弱点があった。しかし、CPUパワーの向上などで性能が上がったため、今はx86サーバーが主流になっている。国内全サーバーの出荷金額のうち、50%弱はこのx86系サーバーが占めるといわれている。

<いまさら聞けないキーワード>x86サーバー | BCN Bizline

過去にIBMがPC事業をLenovoに売却したときも、サーバー事業は残しました。システム導入などサービスの付加価値として意味があると判断したんだろうと思います。しかし、台湾メーカーなどODM、AWSをはじめとするクラウドサービスの勢いに押され、収益が厳しくなってきたようです。

 

IBMの今後の戦略

ちょうど、IBMが1月にFY2013の業績発表をしていましたので、その資料からサマリー部分を抜き出して見てみます。

IBM_FY13_Summary
(引用:www.ibm.com/investor/attachments/events/4Q13 Charts.pdfより)

ここに端的に書いてありますが、スマートビジネス・アナリティクス・クラウド系は今後成長分野。ソフトウェアやサービス事業は引き続き堅調。ハードウェアは減少です。IBMは元々高付加価値を目指す企業なので、コモディティ化してスケール勝負になる分野は手放して、高付加価値となる領域に移っていきます。

そういう意味でIBMは、「コグニティブコンピューティング」と呼ばれる分野に資源を集中投下していく方針のようです。(コグニティブコンピューティングについては、ちょうど最近読んだ「ITビジネスの原理」で説明されていました。)

M2M、IoTと呼ばれるような、機器を「スマート化」して消費電力などリソースを最適化したり、情報伝達を効率的に行う事業や、ビッグデータからの分析など高度な解析技術が求められる領域が中心でしょう。

 

というわけで、個人的にはサーバーリソースに関してはクラウド利用がもっと普及する、というところと、ソフトウェアに求められる機能やサービスも高度化していくんだな、というところが注目です。

WordPressからTwitterへの投稿時間を最適にする

ブログからSNSへの投稿は、重要なプロモーションのひとつです。

このブログからは、過去記事を定期的にTwitterへ投稿していますが、それはWordpressプラグインである「Tweetily」を使っていました。その経緯は、以下の記事に書いています。

ブログからTwitterへリンクを投稿するなら、CTRを意識すべき | Synapse Diary

ただ、少し前から動きがおかしかったので、新しく「Buffer My Post」を使うことにしました。

 

SNSへの投稿を便利にするBuffer

Bufferの特徴は、投稿時間を指定してSNSへ投稿できることです。無料であれば、10個まで溜め込むことができます。

Buffer – A better way to share on social media

で、Wordpressプラグイン「Buffer My Post」は、WordpressからBufferへ連携して、過去記事のSNSへの投稿をBufferに溜め込むことができます。つまり、Bufferを経由するということです。プラグインの設定方法については、この記事が詳しいかと思います。

Tweetilyが使えなくなったのでBuffer My Post に乗り換えてみたよ。 | ちえなび

 

Bufferで投稿する時間を最適にする

SNSへの投稿時間とか頻度というのも、結構気になります。時間帯によってもクリックへの反応は変わると思うので。

というわけで、以下の記事を参考に、Googleアナリティクスでアクセスの時間帯を調査してみました。

Google Analytics新バージョンでの時間帯別の見方 | Web Marketing Blog

この分析からは、昼休みが一番多いので、その手間でTwitterにポストすることにしてみました。

 

しかし、上記はブログのアクセス数が多い時間帯であり、TwitterなどSNSからのクリックが多いというわけではありません。そこで調べてみたら、Twitterのフォロワーのアクティビティ度合いを分析してくれるツールがありました。

Tweriod – Dashboard
[browser-shot url=”http://www.tweriod.com/dashboard.php” width=”600″ height=”450″]

 

このTweriodの優れたところは、分析結果を自動でBufferに反映してくれるところです。具体的な手順などは、この記事で確認してください。

hsoyn: Tweriod を利用して、Buffer のツイートスケジュールをフォロワーの活動時間に合わせて最適化する

 

まとめ

  • SNSへ投稿するならBuffer
  • WordPressから過去記事を投稿するならプラグイン「Buffer My Post」
  • Bufferの投稿時間を最適化するなら「Tweriod」

ということです。

ちなみに、Bit.lyでクリック数を分析している限りでは、実際に効果あるかもなーと思えるぐらいはクリック数が増加しています。

Bit.lyって何?と思う方はこちらをどうぞ。

WordPressからSNSへの投稿リンクのクリック数を分析するならbit.lyを使う | Synapse Diary