MBAに行くと、投資に関心を持ちます。なぜなら、経済や株式市場の仕組み、企業の財務や資金調達などを勉強するからです。そうなると、企業を分析し、市場でどう評価されるかにもおのずと関心が向くことになります。
ご多分に漏れず、自分もそうなったわけです。これまで投資はあまり手を出さずに来ましたが、もう少し勉強しようと思い、読んだのはこの2冊。投資をはじめたばかりの自分が読むには非常に良い内容でした。これを参考に、投資活動を考えていこうと思ったぐらい教科書的なことが書かれています。
何はともあれ損切りが重要
特に1冊め「投資の正しい考え方には、嫌というほど「損切り」について書かれていました。これをうまくできるかが、投資において結果を出すために一番重要になります。
一番ダメなのは、利益確定は早く行い、損失は「いつか上がる」と思って抱え込むパターンです。まさにこれにハマっていましたね。心理経済学を地で行っている自分に驚きました。
人の心理は利益と損失に対する感度が違うようで、損失を「確定」させるのを嫌がる傾向にあるんですね。ただ、それをやってしまうと投資においては塩漬けになってしまうとか、不安になって結局底値で売ってしまうなどしてしまいます。
自分のシナリオを持つ
では、損切りをうまく行うためにはどうするか。そこで重要になるのが「自分のシナリオを持つ」ということです。「上がるはず」という予想を立てて、その逆を行った場合は、予想が外れているので速やかに損切り処理をすべき、ということです。
自分のシナリオをあまり持たずに売買すると、何となく上がったので素早く利益確定する、予想と反して下がったけれど、また上がるかもしれないからホールドする。そういうことを繰り返してしまうわけです。
というわけで、知ってしまえば当たり前かもしれないことですが、本を読んで自分の失敗を理論として理解することができました。
あとは、2冊めの「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」は上記のような投資の考え方に加えて、バリュー投資やグローバルでの経済状況が書かれていて、これはこれで非常に参考になりました。
ちなみにこの本の中に、「初心者はポジティブ思考で投資して痛い目を見る。少し学習した中級者はネガティブに思考して失敗が少なくなるが勝どきに乗ることもできなくなる。上級者は勝どきを見極めて勝つことができる」という成長ステップが書かれていました。今後も、いろいろ試して成長していきたいな、と思います。
というわけで、投資をはじめる初心者には非常に良い2冊だと思います。