これからはキャッシュレスの時代だから、お金の使い方を見直そう

暑いですね。色々面倒なことはしたくないと思う今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

キャッシュレスな人ほど、貯蓄が多いという記事を見かけました。

昨年1 年間で増やせた貯蓄額を最近のキャッシュレス化状況(現金離れ状況)によって分けたタイプ別にみると、キャッシュレス派の平均貯蓄増加額は51.8 万円で、現金派の30.5 万円よりも高い。貯蓄を多く増やすことができるのは、現金派よりもキャッシュレス派のようだ。

支払いのキャッシュレス派と現金派、お金がたまりやすいのはどっち?|@DIME アットダイム

 

もう二年前に書いた記事になりますが、電子マネーの取り扱いが非常に伸びているという結果がありました。

クレジット決済や電子マネー決済の導入メリットはあるか?

自分でも、Apple Payを導入してから、めっきり現金を使う機会が減ってきたので、改めて最近の電子マネー等の動向を調べてみたいと思いました。

 

世界でキャッシュレスが進んでいる

まず大きなトレンドとして言えるのは、世界中がどんどんキャッシュレスに向かって進んでいると言うことです。

こちらは最近、大前研一氏がプレジデントで書いていた記事なのですが、

日常生活に現金を必要としないキャッシュレス社会が世界的に進展している。もともとクレジットカードなどのカード社会に同調して緩やかに広がってきたものが、電子マネーやスマートフォンなどのモバイル端末が急速に普及して、お金のデジタル化が進んだおかげで、キャッシュレス経済は一気に加速した。いち早くキャッシュレス社会を実現した先進国は北欧で、スウェーデン、ノルウェー、デンマークはいずれもGDPに対する現金の使用比率が5%を下回る。スウェーデンに至っては現金使用率2%。つまりキャッシュレス率が98%で、決済現場で現金はほとんど使われないのだ。

世界で加速する「キャッシュレス革命」 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

ということで、技術的な要因も相まって、世界中でキャッシュレスが進行していると書いています。その中で、日本は少し遅れているようですね。

 

日本では、国を挙げてキャッシュレスを推進しています。こちらの経済産業省の資料を読んでいただくと、世界情勢や日本の政府の考え方がよくわかるでしょう。

キャッシュレスの推進とポイントサービスの動向(PDF)

2015年のデータになりますが、日本は米国をはじめ、中国や韓国よりもキャッシュレス決済比率は低くなっています。

キャッシュレスの現状

また、キャッシュレスのメリットもこのように説明されています。

キャッシュレスのメリット

これを見ると事業者側、消費する個人などそれぞれにメリットがあり、ひいては経済全体にプラスの効果が期待されていることがわかります。

 

今後、どういう変化が起こるか

大きなトレンドとして、キャッシュレスの流れは今後加速していくでしょう。

そうなると、店側はこれらの決済の多様化に追随していく必要がも出てきます。

自分がApple Payを使うようになってよくわかるのですが、現金よりもはるかに早くストレスがありません。このようなユーザの利便性と言うものは何にも変えがたいので、事業者側これらの決済の利便性をユーザに提供する必要が出てくるでしょう。

そういえば、最近どんどん電子マネーをはじめとして、様々な決済方法に対応しているお店が増えていますね。

マクドナルドや、

マクドナルドが「Suica」「nanaco」決済に対応、8月1日から – Engadget 日本版

モスバーガーも。

ついにモスバーガーが電子マネー&クレジットカード払い導入へ!現金払いが主だったファーストフードでもカードが使える時代になりそうです。 – クレジットカードの読みもの

ビックカメラは、ビットコインの支払いに対応しています。家電量販店は外国人客も多く、さらに国内にも利用者がいることから、ビットコインへの対応を拡大しているようですね。

ビックカメラ、全店でビットコイン決済に対応  :日本経済新聞

 

個人で見た場合も、キャッシュレスの影響はいろんなところで得られそうです。まず、キャッシュレス決済にすると記録が残るので、可視化が要因になります。

例えば、マネーフォワードの下記のインタビュー記事から抜粋すると、

何をいつ買ったのかが、これまで以上に見える化されることで、自然と収支が改善する方向に進んでいます。例えば、利用率が低いにも関わらず、払い続けているサービスを見直す機会などが生まれるわけです。まさにお金を払うことに対する見方がより厳しくなっていき、消費者の本質的な支持を得ているものだけが生き残っていくと言えるかもしれません。

FinTechで「キャッシュレス化」が進むと、消費者の意識や行動はどう変わる? マネーフォワード秋山芳生氏に聞く #宣伝会議 | AdverTimes(アドタイ)

 

冒頭に紹介した、「キャッシュレスだと貯蓄が増える」というのは、まさにこのような可視化による消費意識の変化によるものですね。

私もマネーフォワードを使っていますが、確かにお金を把握できると、意識が変わります。少し今月は引き締めよう、とか、無駄なお金を払ってるところがあるな、とか気づくようになりました。あと、常に使用状況がわかっていると、「今月はお金足りるかな」というような不安もなくなりました。

今後も、家計簿サービスに限らず、キャッシュレスによるデータの可視化をトリガーにした、様々な金融サービスが誕生するのでは、と期待します。その時、自分のお金の使い方をキャッシュレスにしておいた方が、そのようなサービスの恩恵を受けやすくなるかもしれません。

というわけで、個人の面でも、キャッシュレスが一つのマネーリテラシーになってきていると感じています。

 

先日、Kindleの日替わりセールになっていた「人工知能の核心」を読みました。将棋の羽生さんがNHKのドキュメンタリーをベースに書籍化したものなのですが、非常にわかりやすく、かつシンプルに本質を捉える内容になっていてよかったです。読みやすいので、興味がある方はぜひ。

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三ツ矢サイダーからみる、今の清涼飲料水や炭酸飲料のトレンド

三ツ矢サイダーって最近コンビニでいなくなった気がします。気のせいでしょうか?

少し気になったので、炭酸飲料のトレンドと合わせて調べてみました。

清涼飲料水・炭酸飲料のトレンド

まず、清涼飲料水全体のトレンドを見てみます。こちらの全国清涼飲料工業会の調査結果をみると、いくつか清涼飲料水の種類によって傾向が違うのですが、ここ20年で炭酸飲料が非常に大きく伸びています。

清涼飲料水品目別生産量推移(1997年~2016年)

清涼飲料水品目別生産量推移(1997年~2016年) | 統計 | 全清飲

また、別の調査では炭酸飲料の健康についてこのように述べられています。

2.炭酸飲料
自販機の減少に加え、炭酸入りのミネラルウォーター類との競合や、健康志向の高いユーザーによる無糖飲料への需要流出もあり、無糖タイプは伸びるが、市場は前年割れが続くとみられる。

清涼飲料の国内市場を調査 2016年の市場分析と2017年の市場を予測

ということで炭酸飲料の市場としては伸びているものの、味覚に対する嗜好が変わってきています。

そのような状況の中で、少し甘い三ツ矢サイダーがどうなっているのかは気になるところです。

三ツ矢サイダーの販売量

では、三ツ矢サイダーの販売量を見てみましょう。

三ツ矢サイダーは、アサヒ飲料のひとつのブランドで、アサヒ飲料はアサヒホールディングスの子会社になります。アサヒ飲料自体はIRなどの公開資料はありませんが、個別に事業方針と販売実績はホームページに掲載されていたので、そこから数字を拾ってみました。

アサヒ飲料が抱えている6つのブランドを合わせてグラフで表示しています。

アサヒ飲料ブランド販売実績

実際の数字は、下記のニュースリリースから拾いました。

アサヒ飲料株式会社2017年度事業方針「カテゴリーNo.1No.2ブランドの育成」|アサヒ飲料
アサヒ飲料株式会社2016年度事業方針|ニュースリリース 2016年|会社情報|アサヒ飲料
「アサヒ飲料株式会社 2015年度事業方針」のご案内|ニュースリリース 2015年|会社情報|アサヒ飲料
2014年アサヒ飲料株式会社事業方針|ニュースリリース 2014年|会社情報|アサヒ飲料

この数字を見る限り、三ツ矢サイダーは大きく伸びているとは言いづらいですが、減少してもいません。ただ、逆に最近コンビニでよく見かけるようになったウィルキンソンは非常に伸びています。

さてさて、僕が三ツ矢サイダーをコンビニで見かけなくなったと言うのは、気のせいだったのでしょうか。

別の要因があるのかも

ここからは完全に推測になりますが、考えられる要因を述べていきます。

1つは商品開発にあります。

三ツ矢サイダーは、新しい商品として健康飲料にシフトしたものを発売しています。

2017年「三ツ矢」ブランド戦略|アサヒ飲料

2017年「三ツ矢」ブランド戦略|アサヒ飲料

なので三ツ矢サイダーというブランドを拡張しながら、冒頭で述べたような健康志向に対してのシフトを図っていると考えられます。この辺は他の飲料でもそのような傾向が見られますね。

もう一つ気になるのは、飲料の流通ルートです。

ありがたいことに、キリンが市場データブックを公開してくれています。

市場データ|データ集|企業情報|キリン

清涼飲料水のチャネル別の数量比を見ると、以下のようになっています。

DATA BOOK 2016

コンビニは意外にそれほど多くなく、最も多いのが量販店です。そして、それが伸びていますね。確かにスーパーに行くと、1.5リットルの三ツ矢サイダーが大量に置いてやることがあります。これも主観ではありますが、流通ルートを変更したことでコンビニでは見かけなくなったものの、スーパーでは見かけるようになったと考えられなくはありません。

よくよく調べてみると、1.5リットルとか2リットルのサイズって、ブランドによってあるものとないものがありますね。もちろん三ツ矢サイダーはありますが、ウィルキンソンやいろはすなどは、1.5リットルのバージョンを見たことがありません。

Amazonで検索してみたら、一応ありました。
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ただ、1.5リットルの顔ぶれをみると、甘めな商品が多いので、こういう商品を好む層が量販店で大きめなサイズを買っていくんじゃないでしょうか。

1.5リットルの炭酸飲料

なので、三ツ矢サイダーを今の嗜好にアレンジしたり、あるいは販売チャネルを量販店に大きく割くことで、マーケティングを構築してるんだと推測します。

というわけで、色々調べた割に明確な答えはありませんが、これを調べる過程で飲料のトレンドや思考の変化、流通ルートの影響などを知ることができました。面白いですね。

とりあえず、サザンのCM、かっこいいですね。

機械翻訳が発達している今、本当に英語学習は不要になるのか

Google翻訳もディープラーニングを導入し、翻訳ツールがどんどん精度が良くなっています。

ディープラーニングの導入でパワーアップしたGoogle翻訳にサポート言語がさらに増加 | TechCrunch Japan

これを受けて、これからは日本人も英語を学ばなくたっていいんじゃないかという声も聞かれます。

でも本当にそうでしょうか?

 

文化はやがて一つに収斂されていく

最近読んだ「サピエンス全史」では、長い歴史で見ると人間の文化はどんどん多様性をしない統一化されています。

人間はアフリカを出て、世界中に広がり、そこで生物や原住民を絶滅に追い込んできました。そのようにして、どんどん人間がとらえる世界が広がっていき、結果として文化がどんどん収れんしています。

マジでおすすめ。「サピエンス全史」は人間の本質や今の社会の仕組みを新しい視点で理解できる | Synapse Diary

 

言語も同じで、やはりネットワーク効果も考えると、同じ言語を使った方が効率が良いので、この先もどんどん言語は集約化されていくのだと考えられます。

まぁそうは言っても、自分が生きてる間にまさかそこまで求められることにはならないかもしれませんよね。でも最近はそうも言えなくなってるのかなと感じています。

 

英語と日本語の言語の壁

言語の習得はほんとにクリティカルな要素になってきてるんだなと感じたのは、最近2つの記事を読んだからです。

1つは、こちらです。

AI時代には英語学習がますます重要になる3つの理由| 藤沢数希(特別寄稿) | フィリピン語学学校|フィリピン留学、セブ島留学ならサウスピーク

詳しくは記事を読んでいただくとして、要点は翻訳の精度が向上したとしても、その結果として英語が様々な言語のハブになることで、英語の重要性が増していくということです。その結果として、英語という言語の理解有無が格差の拡大を招く、というもの。

 

もう一つはこちら。

音声アシスタント市場を英語と中国語に席巻され、居場所を失いかねない日本語の今後(山本一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース

音声アシスタント市場は、これから活発化されると思いますが、日本語は英語に対しての壁が大きく、市場への投入が遅れると予想されています。

日本語であるということが理由で、こうやって技術的な恩恵を受けることも、遅れてしまうわけですね。これまでも様々な情報やサービスは、ワンテンポ遅れて日本に入ってきました。これからもその傾向は続いていき、さらにその幅は大きくなっていくんじゃないかと感じています。(そういう意味では、日本語対応のスマートスピーカーを投入するLINEには、ぜひ頑張って欲しいところですが。)

 

これらを読むと、日本語だけを理解する人というのは、少しずつ技術的な恩恵を受けることができなくなり、規模が大きくネットワーク効果も大きい英語や中国語の市場に押されていくのかな、という懸念が深まってくるんですよね。

日本が戦っていくためには、海外での言語を真面目に理解できないとやばいのかなと思った次第です。そして、語学ビジネス市場がどうなっているのか調べてみたところ、このような調査結果がありました。

語学ビジネス市場に関する調査を実施(2016年) – 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

これをみると、語学学習市場はまだ全体的に伸びています。オンライン英会話などの新しい学習サービスが登場したり、学生等の教育投資が拡大していますが、一方でビジネス目的に英会話スクール等も縮小していません。

英語を学ぼうと言う意欲がある人はまだまだたくさんいると言う証拠でもあります。

というわけで、英語を勉強しましょう。

あなたのiPhone写真をグレードアップさせてくれるカメラアプリ3選

最近改めて、iPhoneで使うカメラアプリを整理しています。

bitplayのsnap7!を買ったこともあり、カメラアプリもいろいろ用途に合わせて、使い分けるようになりました。

iPhoneを本格カメラに変身させるbitplayのSNAP!7とHDワイドレンズを買ってみた

 

というわけで、シーンに分けて、カメラアプリも使い分けて使うようになりました。この記事では、iPhoneの標準カメラアプリではなく、写真をグレードアップさせるカメラアプリを紹介します。

 

Microsoft Pix

 

Microsoftが提供する、AI搭載のカメラアプリです。以下の公式サイトを見ていただくとわかりますが、発色を最適化したり、人の動きを検知してベストショットをチョイスしたりと、様々な補正を自動でしてくれるのがウリです。

Microsoft Pix App – a Smart Camera and Photo App from Microsoft

シャッター音が消せるのと、通常のカメラアプリより発色が結構よく出るので、普段遣いはこのカメラアプリが一番多いですね。さっと撮影したいときに使っています。

 

Camera+

Camera+開発元:tap tap tap LLC
価格:¥360App Store

 

有料アプリではこれを使っています。iPhoneのカメラアプリとしては、ProCameraと並ぶ老舗かなと思います。標準のカメラアプリよりも様々なパラメータを調整できるので、本格的にカメラ撮影したい人に向いてます。

Camera+ ~ 究極のフォトアプリ

使いやすいUIでフォーカスと露出を調整できるので、自分のカメラの練習も兼ねて、ちゃんと構えるときはこのアプリで写真を撮ることが増えてきています。

 

Lightroom for iPhone

Adobe Photoshop Lightroom for iPhone開発元:Adobe
価格:無料App Store

 

AdobeがiPhone向けに出してきた、RAWデータの現像ソフトです。RAW現像がメイン機能ではあるのですが、カメラ機能もついていて、これが非常に優秀で高機能です。UIにこだわりがなければ、前述のCamera+でなくても、こちらでもいろいろパラメータを調整して撮影できます。多機能であることは、以下の公式サイトの機能紹介を見てもらえばわかると思います。

今日から始める Lightroom mobile アプリ(iOS)

主にHDRで取りたいときにこのアプリを使っています。このLightroom for iPhoneのHDRは、通常のカメラアプリと次の点が違っているのが使う理由です。

  • RAW形式でHDRができる
  • 通常のカメラアプリは2枚ですが、このlightroom mobile は3枚のファイルを使って合成する
  • クラウドでAdobeならではの合成を行うので、処理が高度化して発色が良い

使うシーンにもよると思いますが、自分でも使ってみて確かに、発色が良いことが多いですね。

参考:
iPhone SEで「Lightroom mobile」のRAW HDR撮影モードを試してみる。HDR、DNG、JPEG画像の違いも比較する | かめらとブログ。
とにかくすごい! 「Lightroom for iPhone」のHDR撮影を試してみる【追記あり】 (1/2) – ITmedia Mobile

 

これらのカメラアプリを使っていると、カメラの標準アプリはもう使わなくなってしまいましたね。あと、iPhoneを本格的なカメラに変身させるケースである、bitplayのSNAP!7を購入したので、iPhoneでカメラ使って写真を撮ることがとても楽しくなりました。

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これからは三脚も買って、夜景の撮影にも挑戦してみたいです。

Amazon・楽天・Yahooの流通総額からみるEコマース市場

先日、Eコマース全体の規模を調べて記事にしました。

ネット販売の市場規模とEC化率の動向を調べてみました(2017年版)

2016年時点で、BtoC向けのEC市場は15兆円程度の規模になっています。

今回は、楽天、Yahoo、Amazonの流通総額を調べて、それぞれがどういう動向になっているのか、シェアはどの程度かを確認してみました。ネットショップで販売する方は、参考にしていただければと思います。

楽天の流通総額

IRの説明資料から、2016年の流通総額を計算しました。合計でちょうど3兆円程度です。

楽天 流通総額

2017年度決算短信・説明会資料|楽天株式会社

ヤフーの流通総額

こちらも、IRの説明資料に2016年の流通総額が掲載されていました。Yahoo!ショッピングとASUKLを合計すると、9562億円です。

Yahoo! 流通総額

IR情報ヤフー株式会社

Amazonの流通総額

一番難しいのはAmazonの流通総額です。Amazonは日本の流通総額を公開していないので、正確な数字が分かりません。ただしアメリカの決算報告には日本の売上高は公開されているので、そこから日本の流通総額を設定した数字を発表している記事がありました。

ネッ担編集部ではこの数値を前提に、アマゾン日本事業の流通総額を推測してみる。2015年度については、第三者による流通額は約6200億円、直販による流通額は約9300億円と推計。2016年は、第三者による流通額は7200億円、直販による流通額は約1兆800億円となり、流通総額は少なくとも合計1兆8000億円規模まで広がっている推計できる。

引用:アマゾン日本事業の2016年売上高は約1.1兆円【Amazonの2016年販売状況まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム 

以上の数値によれば、Amazonは合計で1.8兆円の流通総額はありそうです。

では、BtoCの市場全体における、楽天・Yahoo!・Amazonのシェアを確認してみます。

Eコマースの流通総額シェア

このように、3社で1/3を超えていました。ネットショッピングを出店する際には、これらの状況を踏まえて考える必要がありそうです。

ちなみに、意外と「その他」が多いと思われたかもしれません。調べてみたら、洋服のネットショップで有名なZOZOTOWNは、1595億円でした。Yahoo!の1/5ぐらいの規模になります。

ZOZOTOWN」の年間流通額は23.6%増の1595億円 | ネットショップ担当者フォーラム

それでも十分大きい方だと思うのですが、大手3社がいかに巨大かがわかりますね。

RSSリーダーはもう「枯れたツール」なのかな

国産RSSリーダーの老舗であるLDRがサービス終了すると発表されました。

【重要】Live Dwango Reader/LDR Pocketサービス終了のお知らせ|LDR / LDRポケット 開発日誌

僕は、Livedoor Reader(LDRの前身)→Googleリーダー→Feedlyと乗り換えてきており、今でも毎日RSSリーダーを使ってる自分としては、こうやってサービスが終了していくのは少し寂しい気持ちです。

 

もうRSSリーダーは使われなくなるんでしょうか

RSSリーダーは、自分が気になる情報を積極的に取得するという意味では、非常に有益なツールだと思うのですが、万人向けと言うには使うハードルが高いのか、昔からあるツールの割にメジャー感がないのも現状かなと思います。

最近だと、ソーシャルメディアやニュースアプリが新しい情報手段として登場してきており、メールも利用頻度が落ちてきていることを考えると、ますますRSSリーダーなんて使われないんだろうなっていうこともよくわかります。

Googleも、Googleリーダーを2013年に終了させましたし、その当時からユーザーは減少傾向にあり、多くのユーザーを引き込めるツールにはなりえないと判断されたのでしょう。

参考:高い人気を誇る「Googleリーダー」はなぜ終了するのか? | AppBank – iPhone, スマホのたのしみを見つけよう

 

結局、スマホにうまく最適化できていないのが原因かな?

情報収集手段は、ネットの発達とともに変化してきてます。

総務省「平成27年度版 情報通信白書」に掲載されている調査結果では、自分が興味ある情報を収集する場合は、年代に関わらず7割ぐらいがインターネットで調べるのだそうです。

まず、何かを自発的に調べようとする際、どのような手段を最も頻繁に利用するかを尋ねた。「仕事や研究、勉強について調べたいことがある場合」、「商品やサービスの内容や評判について調べたいことがある場合」など、具体的な場面を提示してそれぞれ尋ねたが、いずれの場面についても「インターネットの検索サイト(Google やYahoo!等)で検索する」との回答が圧倒的多数(約7割)を占めた。年代による大きな傾向の差はみられなかった。何かを調べる際の最も一般的な手段として、年代を問わずインターネットが広く浸透していることがわかる4 (図表2-2-3-1)。

情報収集を行う際の手段(年代別)

総務省|平成27年版 情報通信白書|情報収集

もうひとつ、ニュースに関してはテレビから収集するのが、どの年代に関しても圧倒的に多くなっています。

ニュースを視聴する際の手段(年代別)

総務省|平成27年版 情報通信白書|情報収集

つまり、インターネットに馴染みがないわけじゃないですし、ソーシャルメディアやニュースアプリが台頭していることを考えると、便利なツールであれば使われるんだと思います。

RSSリーダーが使われていないのは、インターネットを使うメインがスマホにシフトしたことに対して、「RSSを取得する」→「RSSリーダーに登録する」という手間が煩わしいのと、そもそもRSSって何?というハードルを超えられないからではないでしょうか。

 

ニッチなツールとしては生き残るのかな

ということで、もともと使いづらいツールだったRSSは、スマホシフトにもうまく合わせることができず、置いてけぼりになった印象があります。

一方で、人々の興味・感心は細分化されていると言われていますが、一方でウェブでも寡占化が進んでいるように感じます。自分が読んだネットの記事を、友人も読んでる、みたいなことも最近では全然珍しくありません。

ネットのメディアが発達してきたことで、情報の流通が似たような感じになっているのだと思います。

そういう中で、自分が興味ある情報を効果的に取得し、ビジネスに活用することは、差別化のポイントにもなるのだと僕は考えます。そして、RSSリーダーは、自分が興味・関心ある情報を継続的にウォッチするには良いツールだと思いますし、うまく使えることができれば、周囲との差別化にもなる可能性があるんじゃないかなーと。

例えば、RSSリーダーとGoogleアラートを組み合わせれば、特定のキーワードを登録してチェックすることができますよ。

RSS好きな人向け。キーワードから情報を取得できるおすすめのRSS3つ

 

というわけで新しく情報収集を活性化させたい方は、RSSリーダーを試してみてはどうでしょうか。

ちなみに僕はFeedlyを使っています。

Welcome to Feedly

Feedlyは有料サービスが設けられていたり、最近でもいろいろ新しいサービスが導入されているので、一部のニッチな人に使われるツールとして、もうしばらくは残るんじゃないかな、というのが僕の感想です。

 

最近、こちらの本を読みました。人不足の中で、組織の生産性向上が強く求められていますが、こちらのRPAを使うと、システム費用を抑制しながら、自動化を促進できるというようなことが書かれています。注目の領域ですね。

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いつでも手軽にメモを書くならSimplenote。Evernoteから乗り換えた理由

僕は、Evernoteを長年愛用してきました。ウェブクリップや自分のメモなどたくさんの用途で使ってきたのです。

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2016年6月に、Evernoteがプランの改定を行い、端末の利用数が制限されました。

Evernote の価格プランの改定について – Evernote日本語版ブログ

無料プランはそれまで台数制限がなかったのが、2台までに制限されるようになりました。それを受けて、利用端末を制限して使い続けていましたが、最近Webクリップなどは利用頻度が少なくなってきていました。

最近では、ブログを書くためのネタ帳としてよく利用していましたが、ふと「ネタ帳ぐらいであれば別にEvernoteじゃなくても良いのでは?」と思うようになりました。

 

Evernoteの代替で探したのがSimplenote

ということで、Evernoteの代替になるアプリを探すようになりました。探す際の条件としては、「テキストをマルチプラットフォームで同期してくれる」ということでした。

いくつか検索し、上記を満たしたのが、Simplenoteでした。

Simplenote

Simplenote

Simplenoteはマルチプラットフォームに対応しており、Windows、Mac、Linux、iOS、Androidに対応しています。これだけ対応していれば充分です。もちろん、ブラウザからも利用できます。

リッチな機能はありませんが、テキストネタだけであれば、その名の通りシンプルで使いやすいです。書くという行為に集中できますね。

 

ブログのネタ帳に向いているのでは

使ってみてわかったのは、Simplenoteはブログのネタ帳に向いている要素がいくつかあるということです。

まずMarkdown記法が使えます。MarkdownはHTMLコードを素早く書けるので、ブログを書くときは必須になっています。

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Markdownで書いて、すぐに見栄を確認できるのは手軽で便利ですね。

また、文字数のカウントもできます。書いた記事がどれぐらいの文字数になっているかを簡単にカウントできるので、こちらも便利な機能です。

1つだけ注意が必要なのは、Simplenoteには二段階認証はありません。なので、安全に使いたいなら、2段階認証ができるEvernoteの方が良いでしょう。僕はあまり重要でない情報だけをSimplenoteに掲載することをようにしました。

 

ということで、テキストだけを様々なデバイスで同期したい。しかも無料で。という方には、Simplenoteは非常におすすめです。

Simplenote

iPhoneを本格カメラに変身させるbitplayのSNAP!7とHDワイドレンズを買ってみた

すっかり夏になりましたね。旅行など、様々な機会でカメラが活躍する季節になってきました。

そして、僕はカメラの撮影手段を増やすべく、夏のセールだったこともあり、以前から気になっていたbitplayのSNAP!7を購入しました。iPhoneをカメラっぽく変身させてくれるケースです。

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今回買ったのは、ケースとワイドレンズのセットです。

日本の代理店だと、ここで買えます。

SUPER KOPEK

 

買った動機

まずそもそもの話として、コンデジはもう衰退しているのが実情です。

コンパクトカメラの台数激減。これからのカメラは何を買うべきか

 

これはスマホのカメラ機能の向上と関係してます。なので、みんな手軽に写真撮るなら、スマホで十分なわけですね。

一方で、スマホのカメラで満足できないときは、ミラーレス一眼を使ってます。一眼レフよりは軽くて持ち歩きに便利なのですが、やはり常に持ってるスマホで、もっと手軽に写真撮りやすくしたかったんですよね。

というわけで、iPhoneでもっと写真を撮りやすくするためにSNAP!7を購入することにしました。

 

SNAP!7のiPhoneケースはクイックに写真が撮れる

ケースは、以下で構成されてます。

  • ケース本体
  • グリップ
  • サムレスト
  • ストラップ

SNAP!7ケース

右手で握ったときに、シャッターボタンが配置されており、これがボリュームボタンと連動していて、右手で握った状態のまま、ボリュームシャッターを人差し指で押せるようになってます。このシャッターボタンは本当すごい写真撮りやすいです。

SNAP!7シャッターボタン

ケース本体だけでも、明らかに撮りやすくなります。そこからさらに、グリップやサムレストを付けるほど、握りやすくなるのでスナップに使いやすくなります。

日常使いなら、とりあえずケース本体だけでもつけておけば、出かけて気軽に写真を撮りやすくなりますよ。

ちなみに、ボリュームシャッターは、カメラアプリのcamera+とMicrosoft pixで使えることを確認しました。

 

HDワイドレンズは風景を撮影するのが楽しくなる

ケースだけでも楽しくなるのですが、SNAP!7の特徴は、様々なレンズを簡単に取り付けられることです。

そして今回、HDワイドレンズを購入しました。

HDワイドレンズ

広角レンズは普段のiPhoneのカメラとは違ってまた新しい切り取り方をできます。

一眼レフやミラーレス一眼で広角レンズを試すためには、数万円の投資が必要になりますが、HDワイドレンズでは、それと比べれば非常に格安で広角レンズを楽しむことができるようになります。

やはり特徴は風景を広くとらえられることでしょう。撮影例は、こちらのページでご覧いただけます。

bitplay SNAP! 7・物理シャッターボタン搭載iPhoneケース

歪みは確かに抑えられていて高性能なので、風景の横幅が広く、奥行きを与えることができます。しかし、使ってみた感想としては、それでも多少周辺は歪むので、あまりポートレートには向かないと思います。人を撮るなら中心あたりに含めると良いでしょう。

 

まとめ

  • iPhoneケースは写真を撮りやすくしてくれるので、休日やお出かけのケースとしておすすめ
  • HDワイドレンズは非常にきれいな広角レンズなので、風景などのスナップで威力を発揮してくれる

写真を撮るならいろんなパターンを自分の中で持っておいた方が楽しいし、撮るためのストレスを減らしてくれるこのケースは使い勝手が良いですよね。

というわけで、気軽にもっとスマホで写真を撮りたい方にはオススメです。

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【書評】生涯投資家

村上世彰さんが初めて本を書いたということで、非常に話題になっていましたので、読んでみました。

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かつで世間で話題になった「村上ファンド」の頃の話がたくさん書かれており、その当時ニュースを見ていたものとしては、とても懐かしく、そして当事者の思いや行動が語られているので、それだけでも読み価値があるというものです。

東京スタイル事件 – Wikipedia
ニッポン放送の経営権問題 – Wikipedia
阪急・阪神経営統合 – Wikipedia
村上ファンド事件 – Wikipedia

しかし、本書はそれだけじゃなくて、著者からみた経済社会全体が語られており、今の日本をはじめとする経済社会をどう捉えれば良いのかを理解する上で、とても参考になりました。

 

資金循環が経済を活性化させる

村上さんの主張は一貫しており、それは「資金は循環させてこそ経済が活性化する」というものです。

資金を循環させるということは、様々な形でお金を投資させる必要があります。しかし、過剰な安全のためにお金を貯めこみ、投資を控えると、経済の循環を阻害する要因になってしまいます。そのため、「村上ファンド」時代には、お金をたくさん持っているにも関わらず、具体的な投資計画を持っていない企業の株を買い、キャッシュの取り扱いを企業に確認していたのでした。

お金が循環していないことの弊害は、アメリカと日本で具体的な数値にはっきり表れています。

だから日本企業のPBRは平均で一なのに、アメリカ企業のPBRは平均三なのだ。日本の株式市場は五百兆円しかないのに、アメリカには二〇〇〇兆円ある。アメリカの年金の収入源は株式市場への投資で、きちんとリターンを得ている。

 

PBR(株価純資産倍率)は、株価の割安度合を示しており、低いほど割安ということです。逆に、日本企業は収益性が高くないため、アメリカ企業と比べて平均で大きく差がついているのです。

各国のPBR等の指標は、以下サイトで確認できます。

世界各国のPER・PBR・時価総額(毎月更新) |ETF・インデックスファンドなら!『わたしのインデックス』

 

これは企業数がそれほど変わらないですし、大雑把には純資産もほぼ同程度だそうですが、それだけ投資家からの期待がアメリカは高く日本は相対的に低いということを示しているのです。

 

企業は余った金を滞留させずに投資する必要がある

資金を循環させるとはどういうことを指しているのでしょうか。

本社の中ではアップルやMicrosoft等の、バランスシートの変化が示されていますが、当初は多くの投資を受けて純資産が多い状態になっていましたが、企業の成長とともに豊富な純資産は株主に還元していきました。その結果、借り入れを増やすことで純資産が減少し、ROEは非常に高くなっています。

一方の日本の株式市場は、なかなかそのような動きになっていないと著者は言っています。

しかし日本の多くの企業のバランスシートは、そのようになっていない。したがって、ROEも低いまま推移している。業績が急激に悪化した時にどう備えるのか、企業が倒産してしまったら社員はどうなるのか、などの議論もあるから、資本は小さければ小さいほどいいと一概には言えない。しかし純粋に投資の視点から見えると、資本効率を上げるには資本は小さいほうがいい。

確かに安全に経営するためには、自己比率が高い方が良いという見方が、日本では根強いような気がします。この辺のマインドを変える必要があるというのが、日本企業が置かれている状況なのでしょう。

そして、ROEを高めるためには、企業が投資に回す、あるいは株主に資金を還元するように動くことを促す必要があります。それこそが、株主から経営者に対するコーポレートガバナンスです。

 

伊藤レポートの重要性を理解する

2014年に、企業に対するコーポレートガバナンスを高めるためのコーポレートガバナンスコード、いわゆる伊藤レポートが発表されました。

伊藤レポート「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト「最終報告書」を公表します(METI/経済産業省)

僕は発表された当時、伊藤レポートの存在は知っていましたが、恥ずかしながらその本質がどういう点にあるのかがよくわかっていませんでした。ただ、非常に画期的でこれから株式市場は変わると騒がれていたのを記憶しています。

そして、この伊藤レポートがなぜ重要な内容であるのかは、本書を読めばよくわかります。

企業にとってのステークホルダーである株主、従業員、取引先について、それぞれのリスク内容を考えてみると、従業員の給料や地位は労働法によって保障されている。取引先は契約によって担保されている。ところが株主は、会社が倒産の危機に陥った時すべてのリスクを負わなければならず、場合によっては投資した資金の全てが戻ってこない。そういった意味で、企業が生む利益のみならずリスクも全部背負う株主が、投資した資産をいかに守るかということがコーポレート・ガバナンスの根源だ。

つまり投資家に対して、事業の内容や投資の方向性などを透明性ある形で説明するのが、コーポレートガバナンスコードです。

最終的には日本証券取引所でコーポレートガバナンス・コードが示されており、様々な企業でそれらが発表されるようになっています。

もっと詳細な内容や、歴史的な背景が本書の中に書いてあります。コーポレートガバナンスの考え方や歴史を学ぶためにも非常に良い本だと言えるでしょう。

 

本書の中で、著者の主張は一貫しており、投資家の面から見たときの市場の捉え方が非常にわかりやすい内容になっています。

さらに、非営利団体への投資や様々な取り組みも行っていることがわかり、昔の村上ファンドという名前に関連して、あまりよろしくないイメージを持ってる人は、この本を読めば、その印象はガラッと変わるのではないでしょうか。

この本を書こうと思ったきっかけがあとがきに書いてありますが、その内容を読んだ時も非常に胸が痛くなりました。さらに、個人的には以下の内容が非常に著者の人間性を表しているような気がしていて、印象に残りました。

かつて投資していた東京スタイルが、別会社と経営統合し、TSIホールディングスとして、経営改革行うために経営者と話していたときの一節です。

翌月、三宅会長と会食する機会があった。リストラで工場を閉鎖することについて考えを聞かれたので、私は答えた。 「人を切ることは、なるたけやってはいけない、特に地方では、その人や家族の生活を奪うことになるので、安易に検討しないでください。それよりも、もっといいブランドを作って、本業で利益を上げるように頑張ってほしい」

この部分だけ読んでも、著者が単にお金を儲けることだけを考えて、企業に投資を行っていたわけではないといえるんじゃないでしょうか。

今の市場に何が足らないのか、経営者はどういう姿勢で市場と向き合うべきなのか、様々考えさせられる良い本でした。

参考:
村上世彰×堀江貴文 初対談 #1「あの一言で僕は堀江を好きになったんだ」 | 文春オンライン
異色対談!「村上世彰氏vs伊藤邦雄教授」 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

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この週末で、「オデッセイ」を観ました。

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宇宙ものの映画が基本的に好きなのですが、ストーリーもマッドデイモンの演技もよかったです。時々挿入される音楽が微妙にミスマッチで印象的だったなってことと、GoProが頻繁に登場してきて、アクションカムがここにも!って思いました。

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マジでおすすめ。「サピエンス全史」は人間の本質や今の社会の仕組みを新しい視点で理解できる

最近話題になってるビジネス書、「サピエンス全史」を読みました。面白すぎて、最後まで退屈せずに読み切ることができました。

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長い本で、様々な示唆に富んでいたので、いろいろ感想はあるのですが、この本を表す端的な表現があとがきにあったので、まずはそこを引用したいと思います。

読書の醍醐味の一つは、自分の先入観や固定観念、常識を覆され、視野が拡がり、新しい目で物事を眺められるようになること、いわゆる「目から鱗が落ちる」体験をすることだろう。読んでいる本が、難しい言葉で書かれた抽象論だらけではなく、一般人でも隔たりを感じずに、すっと入っていける内容がわかりやすい言葉で綴られているものだと、なおありがたい。まさにそのような醍醐味を満喫させてくれるのが本書『サピエンス全史』だ。

銃・病原菌・鉄」を読んだ時も同じような感想を抱きましたが、普段捉えることのない時間軸で物事を捉えると言うのは、全く新しい示唆を与えてくれるものだなと思います。

文明の発達の違いはなぜ起こるのか

 

人は想像を共有することによって強くなる

本を読む前に、著者のTEDにあるスピーチをみると、概要がつかめると思います。

著者の素朴な疑問のスタートは、なぜホモ・サピエンスという種別がこれほど地球上で繁栄をし、様々な生き物の頂点に立ったのかところにあります。

そして繁栄の要因として挙げられるのが、人間が大多数で集まって共通の行動を取れることにあると述べています。またその集団行動には、柔軟性があることも重要なポイントです。つまり、とても大きな集団で、かつ柔軟性のある複雑な行動を規律を持って行えるのが人間だけだということです。

そのような大多数で柔軟性かつ規律ある行動取れるのは、実態がない虚構なものを「概念」として捉える想像力だと著者は説きます。

だが虚構のおかげで、私たちはたんに物事を想像するだけではなく、集団でそうできるようになった。聖書の天地創造の物語や、オーストラリア先住民の「夢の時代(天地創造の時代)」の神話、近代国家の国民主義の神話のような、共通の神話を私たちは紡ぎ出すことができる。そのような神話は、大勢で柔軟に協力するという空前の能力をサピエンスに与える。アリやミツバチも大勢でいっしょに働けるが、彼らのやり方は融通が利かず、近親者としかうまくいかない。オオカミやチンパンジーはアリよりもはるかに柔軟な形で力を合わせるが、少数のごく親密な個体とでなければ駄目だ。ところがサピエンスは、無数の赤の他人と著しく柔軟な形で協力できる。

 

こういう視点で物事を捉えたことがありませんでしたが、実際に考えてみるとたしかにそうで、人間の強さの本質を表しています。

 

社会の仕組みは信用の上で成り立っている

虚構を作り出すことで、人間同士が協力できるようになっています。そして、さらにある虚構を世界に広がることで、遠い他人も信用し、同一のルールで様々な交流や取引ができるようになっていきます。

その代表的なものが宗教やイデオロギーで、これらの言うなれば「虚構」として著者はとらえています。さらに、現在僕らが信じている「個人の平等や権利」なども、同じ「虚構」ということになります。

そして、最も強固な「虚構」が貨幣制度です。

したがって、貨幣は相互信頼の制度であり、しかも、ただの相互信頼の制度ではない。これまで考案されたもののうちで、貨幣は最も普遍的で、最も効率的な相互信頼の制度なのだ。  この信頼を生み出したのは、非常に複雑で、非常に長期的な、政治的、社会的、経済的関係のネットワークだった。なぜ私はタカラガイの貝殻や金貨やドル紙幣を信頼するのか? なぜなら、隣人たちがみな、それを信頼しているから。そして、隣人たちが信頼しているのは、私がそれを信頼しているからだ。

 

昔、竹中平蔵さんが小泉政権に時にテレビでに出演していて、そのときに「貨幣というのは信用である」と語っていたのを今でも覚えてます。そのときにはあまりピンときませんでしたが、この本を読むとまさに「貨幣は信用でできている」と納得できます。

こういう、全体が信用できる仕組みができたので、世界各地で貨幣経済を行うことができるわけですね。つまり、いろんな人が相互に信用し、協力関係を築ける概念や考え方を生み出すと、強力な組織を作り出せるんだな、と思います。

 

文化はひとつに収れんされていく

本書の衝撃的なことは、ホモ・サピエンスを神聖視するのとは逆で、人間がいかに残虐なことをしてきたか、生物をどのように絶滅させてきたか、家畜をどのように制御してきたかという、ネガティブな側面にも光を当てていることです。

人間はアフリカを出て、世界中に広がり、そこで生物や原住民を絶滅に追い込んできました。そのようにして、どんどん人間がとらえる世界が広がっていき、結果として文化がどんどん収れんしています。

グローバル社会、フラットな世界などの表現はありますが、長期的な人間の歴史でとらえれば、それは間違いないことのようです。であれば、それを前提に、個人単位でも世界を意識する必要があるのかもしれません。そして、グローバルスタンダードと呼ばれるような世界基準に合わせて、制度を理解していかないといけないんだな、とやや漠然とではありますが考えました。

 

上記以外にも、宗教の重要性、なぜ投資が世界を発展させたか、今の平和な時代はどういうロジックで形作られていて、これからの未来はどういう方向に向かっていくのか。興味深い分析が満載です。すごいおすすめ。

同じ著者が、今後の未来にフォーカスした作品も話題のようですね。日本語訳も出るようです。

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