機械翻訳が発達している今、本当に英語学習は不要になるのか

Google翻訳もディープラーニングを導入し、翻訳ツールがどんどん精度が良くなっています。

ディープラーニングの導入でパワーアップしたGoogle翻訳にサポート言語がさらに増加 | TechCrunch Japan

これを受けて、これからは日本人も英語を学ばなくたっていいんじゃないかという声も聞かれます。

でも本当にそうでしょうか?

 

文化はやがて一つに収斂されていく

最近読んだ「サピエンス全史」では、長い歴史で見ると人間の文化はどんどん多様性をしない統一化されています。

人間はアフリカを出て、世界中に広がり、そこで生物や原住民を絶滅に追い込んできました。そのようにして、どんどん人間がとらえる世界が広がっていき、結果として文化がどんどん収れんしています。

マジでおすすめ。「サピエンス全史」は人間の本質や今の社会の仕組みを新しい視点で理解できる | Synapse Diary

 

言語も同じで、やはりネットワーク効果も考えると、同じ言語を使った方が効率が良いので、この先もどんどん言語は集約化されていくのだと考えられます。

まぁそうは言っても、自分が生きてる間にまさかそこまで求められることにはならないかもしれませんよね。でも最近はそうも言えなくなってるのかなと感じています。

 

英語と日本語の言語の壁

言語の習得はほんとにクリティカルな要素になってきてるんだなと感じたのは、最近2つの記事を読んだからです。

1つは、こちらです。

AI時代には英語学習がますます重要になる3つの理由| 藤沢数希(特別寄稿) | フィリピン語学学校|フィリピン留学、セブ島留学ならサウスピーク

詳しくは記事を読んでいただくとして、要点は翻訳の精度が向上したとしても、その結果として英語が様々な言語のハブになることで、英語の重要性が増していくということです。その結果として、英語という言語の理解有無が格差の拡大を招く、というもの。

 

もう一つはこちら。

音声アシスタント市場を英語と中国語に席巻され、居場所を失いかねない日本語の今後(山本一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース

音声アシスタント市場は、これから活発化されると思いますが、日本語は英語に対しての壁が大きく、市場への投入が遅れると予想されています。

日本語であるということが理由で、こうやって技術的な恩恵を受けることも、遅れてしまうわけですね。これまでも様々な情報やサービスは、ワンテンポ遅れて日本に入ってきました。これからもその傾向は続いていき、さらにその幅は大きくなっていくんじゃないかと感じています。(そういう意味では、日本語対応のスマートスピーカーを投入するLINEには、ぜひ頑張って欲しいところですが。)

 

これらを読むと、日本語だけを理解する人というのは、少しずつ技術的な恩恵を受けることができなくなり、規模が大きくネットワーク効果も大きい英語や中国語の市場に押されていくのかな、という懸念が深まってくるんですよね。

日本が戦っていくためには、海外での言語を真面目に理解できないとやばいのかなと思った次第です。そして、語学ビジネス市場がどうなっているのか調べてみたところ、このような調査結果がありました。

語学ビジネス市場に関する調査を実施(2016年) – 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

これをみると、語学学習市場はまだ全体的に伸びています。オンライン英会話などの新しい学習サービスが登場したり、学生等の教育投資が拡大していますが、一方でビジネス目的に英会話スクール等も縮小していません。

英語を学ぼうと言う意欲がある人はまだまだたくさんいると言う証拠でもあります。

というわけで、英語を勉強しましょう。