三ツ矢サイダーって最近コンビニでいなくなった気がします。気のせいでしょうか?
少し気になったので、炭酸飲料のトレンドと合わせて調べてみました。
清涼飲料水・炭酸飲料のトレンド
まず、清涼飲料水全体のトレンドを見てみます。こちらの全国清涼飲料工業会の調査結果をみると、いくつか清涼飲料水の種類によって傾向が違うのですが、ここ20年で炭酸飲料が非常に大きく伸びています。
清涼飲料水品目別生産量推移(1997年~2016年) | 統計 | 全清飲
また、別の調査では炭酸飲料の健康についてこのように述べられています。
2.炭酸飲料
自販機の減少に加え、炭酸入りのミネラルウォーター類との競合や、健康志向の高いユーザーによる無糖飲料への需要流出もあり、無糖タイプは伸びるが、市場は前年割れが続くとみられる。
ということで炭酸飲料の市場としては伸びているものの、味覚に対する嗜好が変わってきています。
そのような状況の中で、少し甘い三ツ矢サイダーがどうなっているのかは気になるところです。
三ツ矢サイダーの販売量
では、三ツ矢サイダーの販売量を見てみましょう。
三ツ矢サイダーは、アサヒ飲料のひとつのブランドで、アサヒ飲料はアサヒホールディングスの子会社になります。アサヒ飲料自体はIRなどの公開資料はありませんが、個別に事業方針と販売実績はホームページに掲載されていたので、そこから数字を拾ってみました。
アサヒ飲料が抱えている6つのブランドを合わせてグラフで表示しています。
実際の数字は、下記のニュースリリースから拾いました。
アサヒ飲料株式会社2017年度事業方針「カテゴリーNo.1、No.2ブランドの育成」|アサヒ飲料
アサヒ飲料株式会社2016年度事業方針|ニュースリリース 2016年|会社情報|アサヒ飲料
「アサヒ飲料株式会社 2015年度事業方針」のご案内|ニュースリリース 2015年|会社情報|アサヒ飲料
2014年アサヒ飲料株式会社事業方針|ニュースリリース 2014年|会社情報|アサヒ飲料
この数字を見る限り、三ツ矢サイダーは大きく伸びているとは言いづらいですが、減少してもいません。ただ、逆に最近コンビニでよく見かけるようになったウィルキンソンは非常に伸びています。
さてさて、僕が三ツ矢サイダーをコンビニで見かけなくなったと言うのは、気のせいだったのでしょうか。
別の要因があるのかも
ここからは完全に推測になりますが、考えられる要因を述べていきます。
1つは商品開発にあります。
三ツ矢サイダーは、新しい商品として健康飲料にシフトしたものを発売しています。
なので三ツ矢サイダーというブランドを拡張しながら、冒頭で述べたような健康志向に対してのシフトを図っていると考えられます。この辺は他の飲料でもそのような傾向が見られますね。
もう一つ気になるのは、飲料の流通ルートです。
ありがたいことに、キリンが市場データブックを公開してくれています。
市場データ|データ集|企業情報|キリン
清涼飲料水のチャネル別の数量比を見ると、以下のようになっています。
コンビニは意外にそれほど多くなく、最も多いのが量販店です。そして、それが伸びていますね。確かにスーパーに行くと、1.5リットルの三ツ矢サイダーが大量に置いてやることがあります。これも主観ではありますが、流通ルートを変更したことでコンビニでは見かけなくなったものの、スーパーでは見かけるようになったと考えられなくはありません。
よくよく調べてみると、1.5リットルとか2リットルのサイズって、ブランドによってあるものとないものがありますね。もちろん三ツ矢サイダーはありますが、ウィルキンソンやいろはすなどは、1.5リットルのバージョンを見たことがありません。
Amazonで検索してみたら、一応ありました。
[amazon_link asins=’B07MQCMCSR’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’a9d7f37f-24dc-4bd0-a83e-fad161519f1a’]
ただ、1.5リットルの顔ぶれをみると、甘めな商品が多いので、こういう商品を好む層が量販店で大きめなサイズを買っていくんじゃないでしょうか。
なので、三ツ矢サイダーを今の嗜好にアレンジしたり、あるいは販売チャネルを量販店に大きく割くことで、マーケティングを構築してるんだと推測します。
というわけで、色々調べた割に明確な答えはありませんが、これを調べる過程で飲料のトレンドや思考の変化、流通ルートの影響などを知ることができました。面白いですね。
とりあえず、サザンのCM、かっこいいですね。