シリコンバレーで採用されている「1 on1ミーティング」とは何か

1on1ミーティングとは、シリコンバレーを中心に、最近定着してきている上司と部下のコミニケーション手法です。そしてその手法を詳しく書いたのがこの本です。

なぜこの手法が注目されているのかを理解したくて読んでみましたが、たしかに今の時代に合ったものだと思えました。

特に本書を読んで、なぜ1on1が注目されているかを理解するのが重要だと思いました。人事評価制度や、上司と部下の関わり方は大幅に見直さなければいけない時代に突入してきています。

1on1ミーティングとは?

1on1ミーティングというのは、次のように表現されます。

「1on1」とは、上司と部下が1対1で定期的に行うミーティングのこと。米国シリコンバレーでも“1on1 meeting”は文化として根付いており、人材育成の手法として今、世界的に注目を集めています。部下は上司に仕事で経験したことや悩みなどを伝えて内省し、上司は部下が成長するようにアドバイスを与え、気づきを促します。会議や査定といったかしこまった場とは異なり、お互いに自然体で話す場を定期的に設けることで、部下の内省による成長や、社内のコミュニケーション活性化が期待されています。

引用元:「1on1ミーティング」とは? – 『日本の人事部』

特徴なのは、1週間から1ケ月という短い頻度で実施することと、できるだけオープンな雰囲気で話すことです。

これがなぜ、新しい方法として注目されているのでしょうか。

ビジネス環境の変化がスピードを増している

ビジネス環境の変化は大きく、人々の役割は流動的になっています。多くの企業が、一年目標決めて振り返って評価する、というのはサイクルを採用していると思いますが、いざ評価しようと思ったら状況も役割も一年前に目標決めたときから乖離していた、ということはないでしょうか。

最近上場したメルカリは、素早い戦略の変更に対応するため、組織構造をファジーにして、3ヶ月ごとの成果サイクルにしています。

ー他にメルカリの組織の特徴はありますか

組織構造をあえてファジーにしているのが特徴であり、良さだと思っています。
戦略や目標も3ヶ月ごとに変わるので、それに応じて組織も変えることができるようにしています。同時に、そのような組織変更をスピーディに行えるような人事制度をとっています。具体的には、3ヶ月ごとに成果を評価できるように人事評価のサイクルを回しています。そうしておけば、3ヶ月毎に組織が変わっても対応できます。

引用元:メルカリの組織は達成型?ティール型?これからの社会における組織開発とは – メルミライ – 未来を見るメディア

素早く変化に対応するためには、組織もそれに合わせて変更できるようにしておかなければいけません。

これだけ見ても、一年目標決めて振り返って評価する、というのはサイクルとしては長すぎるのではないでしょうか。

また上司と部下が評価について話すのも一年に数回で、自分のフィードバックを得る機会が限られています。これでは、役割や意識をこまめに見直すことも難しいでしょう。

組織よりも個人のほうに力がシフトしている

もう一つ重要だと思ったのは、総じて組織よりも個人の方に力がシフトしてるんじゃないかということ。

今は日本も世界も人材の流動性が高まっています。なので、企業は優秀な人材をつなぎとめていく力を高めないといけません。

それは報酬や福利厚生もそうですが、働きやすい環境という点でも同じです。入社した人材を育成し、繋ぎ止めておくためにも、個人との密なコミュニケーションはメリットがあります。突然辞職宣言されるケースが未だにあると思いますが、そういうのをできる減らす効果も期待できます。

また、特定の個人によるイノベーションやブレイクスルーが重要になってきており、タレントをつなぎとめることが企業の肝になっています。

これまでも、新しいビジネス環境に合わせて企業の人事制度は進化してきました。1on1ミーティングはこれからの新しい人事制度を考えるきっかけになると思います。本書を読んで新しい潮流を感じてください。

新規事業を成功させる組織に必要な要素とは?

いろんな企業の方と話したり、調べたりすると、業績が落ちていく要因は、環境の変化に対応できなくなることです。

特に最近はビジネス環境の変化がはやく、これまでのビジネスモデルが通じなくなったり、あるいは製品やサービスの寿命が短くなっていることから、新規事業開発の重要性は年々高まっています。

以前記事を書いた、リクルートの新規事業に関する本では、継続的に新規事業を開発していくための社内の仕組みやカルチャーが書かれていました。

リクルートの手法から学ぶ新規事業の作り方・育て方

今回読んだ本は、特定の企業ではなく、幅広い業種を対象にした調査に基づき、その結果から新規事業を創造する人の特性、新規事業を進めるときの困難の種類、組織として新規事業を成功させるために求められることなどが書かれています。

これからの組織に求められるものがわかる「ティール組織」

年に何冊か骨太で価値観揺さぶられる本に出会うわけですが、今年もそんな本に出会うことができました。

久々に読んだ自己啓発書。ありきたりじゃない「残酷すぎる成功法則」

もう2017年も終わろうとしていますね。なかなかブログを書けませんでした。本は読んでいるんですが、感想などをアップできず、という状態でした。今日ご紹介する本も、少し前に読んだのに、ちょっと温めていただものです。

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アメリカで人気の自己啓発ブログの書籍化。自己啓発はもう既にありふれたものと思っていましたが、この本の違いは科学的な根拠を積み重ねている事です。

その結果、これまで言われていたようなことが実は科学的に見ると違っていた、というのが何個も出てきます。

例えば、「自信があるように感じると仕事がうまくいく」と言う考え方がありますが、これについても、確かに自信がある方が仕事がうまくいくという結果を本書では示しています。

カリフォルニア大学バークレー校の研究によれば、自信過剰な振る舞いを見せると、他者はあなたを有能で高い地位にある人だと見なすという(ちなみにほかの研究で、眼鏡をかけた人は知的に見られることが裏づけられた。ただし、やや魅力的でなくなるという)。

一方で、過剰な自信による振る舞いは、大きな過ちを起こす可能性もあるという結果も紹介しているのです。

自信があると、自分が強くなったように感じる。だが、自分に力があるように感じると、現実の否定や傲慢さにつながりやすいことは、多くの調査で示されている。

このように、一つの側面だけでなく、物事を多面的に捉えながら、人間の特性や組織、仕事のあり方などを様々考察しています。

世の中は複雑で、絶対の解などありませんが、多面的な物事を通すことで、重要なあり方が見えてくることを本書は示してくれています。

 

それ以外にも、こういう示唆がたくさん登場するんですね。

私たちは「最良」になろうとしてあまりに多くの時間を費やすが、多くの場合「最良」とはたんに世間並みということだ。卓越した人になるには、一風変わった人間になるべきだ。そのためには、世間一般の尺度に従っていてはいけない。世間は、自分たちが求めるものを必ずしも知らないからだ。むしろ、あなたなりの一番の個性こそが真の「最良」を意味する。

 

こういう人間の実態を知り、どういう考え方や振る舞いが、自分にとって良い結果をもたらす可能性を高めるのかを知ることは、当然自分にとっても良いことですし、組織の中で部下に諭す時にも、自分の経験談だけではなく科学的な裏付けがある知識をで話す方が、説得力が増すことでしょう。

本の元ネタは、こちらのブログです。

Barking Up The Wrong Tree – How to be awesome at life.

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Amazonのサイバーマンデーセールで、Bluetoothイヤホンを買いました。完全ワイヤレスイヤホンが欲しかったのですが、値段が高く、まだ時期尚早かなと。こちらは音も良いですし、音が飛んだりしないので、コスパ最高です。

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【書評】モチベーション革命

今や「ブラック企業」という言葉が当たり前になったように、人々が企業に求める内容も変わってきています。もうお金の為だけに働く時代ではなくなりました。働き方改革、ワークライフバランスなど、個人のニーズ変化に合わせて、企業も変わろうとしている状況です。

「物欲なき世界」でも書きましたが、物質が豊富になるにつれて、人々のニーズは確実に変化してきています。所有欲はなくなり、経験やふれあいなどが新しい価値観として重要視されてきています。

【書評】物欲なき世界

人々の価値観が変わってきて、もちろんそのモチベーションの源泉も変わってくるはずです。本書は、そのモチベーションの変化について考察した一冊です。

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著者の以前の本を読んだんですよね。ITビジネスの原理。

経営を志す人なら読むべき。「ITビジネスの原理」

 

その時も端的にITビジネスが整理されていて、わかりやすい内容になっていました。著者の尾原さんは、わかりやすく本質をえぐり出す内容を書いているんですよね。

さてその尾原さんの最新作が、この「モチベーション革命」です。

 

モチベーションはどう変化したのか?

本書の中で象徴的なフレーズは以下でしょう。

生まれたときから十分なモノに囲まれて育った彼らは、「ないものを勝ち得るために我慢する」という上の世代の心理は理解できないのです。さらに言えば、彼らは上の世代に対し、「達成」にこだわることのアンバランスさを感じてもいます。

「確かに、何か大きなことを『達成』して飲む極上のワインは美味しいかもしれない。でも、『達成』する前に飲んでもよくない……? てか、友達とサイゼリヤのワイン(マグナム)で気楽に乾杯するほうが楽しいんだけど」というのが本音です。

本書でも書かれていますが、ものがない時代に生きていた人たちは、給料を稼ぎ、達成することに意欲を燃やしてきました。しかし、今の人たちはすでにものが溢れており新しいライフスタイルを探しているのです。

これも、物欲が低下し、経験や信頼感を醸成することに重きを置く価値観からきていると言えるでしょう。

 

組織内で発生するギャップ

この世代間による価値観のギャップは、いろんな組織で起こりえます。最近の「若いもんは・・・」的な話は昔からあるのですが、どこにギャップのポイントがあるのかはちゃんと理解しておく必要があるんじゃないかと思います。

特に年齢を重ねるほど、自分の価値観が固まってしまうものです。組織を変革するためには、自分から歩み寄り、理解し、自分を変えていく必要があります。組織間でのギャップを感じる方は本書を読んでみると良いでしょう。

 

自分を知り互いが助け合う組織づくりが必要になる

本書を読みながら、「もうすでに、ある程度画一的なキャリアモデル」と言うのはもう通じなくなってるのかもしれないなぁと思いました。自分が持つパーソナリティーやそこから発生する強みをどこまでフォーカスできるか、そしてそれをビジネスに転換できるかが求められています。

そんな仕事をするうえで最もハッピーなことは、「自分にとっては好きで楽にできることと、相手にはできないこととが嚙み合うこと」です。「こんなに楽で楽しくできることで、相手にお金ももらって、感謝をされるなんて!」と思えることです。仕事をしていて、これほど幸せな瞬間があるでしょうか? ということは、これからの仕事で大事なのは、自分にとって得意なことで、いかに相手にとって「有ることが難しいこと」を探し当て続けるか、ということなのです。

年齢にかかわらず、地域や職業にかかわらず、自分が得意で、やるべきことを深く考えるべきかな思います。

本書は、最近読んだ「オリジナルズ」や「残酷すぎる成功法則」などと同じ系統ではありますが、「オリジナルズ」や「残酷な成功法則」は非常に科学的なアプローチをとっています。論文等の実績を参考に検証されたものが多いです。

それに比べれば本書は科学的アプローチは少ないけれど、考察としては注目に値します。ライトで読みやすいのも特徴です。

さらっと、世の中のモチベーションに対する変化を理解するのに良い一冊です。

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【書評】ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

「オリジナリティが大事」だと言われていますが、それってどうやって発揮するんでしょう。

情報化社会によって、情報の非対称性などではオリジナリティが生み出しづらくなっていて、独創的な発想やイノベーションが重要視されています。妖怪ウォッチが作られたときも、「普通であること」が主人公のコンプレックスになっていて、「人と違うこと」は「普通であること」よりも上位であるという価値観になっているんですね。

かといって、「どうやったら自分や自社は『オリジナリティ』を発揮できるか?」と問われると、よくわからないのではないでしょうか。

ということで、今回読んだのは、どういう人が「独創的な発想や行動ができるのか」を示した一冊です。

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本書は、様々なアプローチから科学的な検証を積み上げながら、個人や組織にオリジナリティをどうもたらすかをまとめたものです。ちなみに、前書きがFacebook COOのシェリル・サンドバーグ、日本語版あとがきが「ストーリーとしての競争戦略」で有名な、経営学者の楠木建という贅沢さです。

独創的な発想や行動をもたらす要素を知る上で、いろんなヒントが盛り込まれていて、楽しんで読めました。

 

独創的な発想を持つは特別か?

一般的に人は、独創的な発想や行動ができる人というのは、何か特別な才能を授けられたものだと思ってしまうようです。

私たちは、創造性を発揮して世界を変えようとするオリジナルな人たちを見て感心しつつも、彼らは私たちとは異なる才能をもった人たちなのだろうと考えるものだ。遺伝的にがんや肥満、HIVになりにくい幸運な人たちがいるように、創造性に優れた人たちは生まれながらにリスクに対する免疫が備わっているのだと思っている。

不安に強く、社会に受け入れられなくても平気な性質なのだ、と思っている。  因習を打破し、反抗し、我が道を行き、人とは反対のことをするように自然と運命づけられていて、恐怖心や拒絶や嘲笑に惑わされないのだと思っている。

でもやはり同じように生まれた人間なので、決してそういう才能だけで片付けられるものではなさそうです。本書から引用します。

私は本書で、オリジナリティには徹底的にリスクを冒すことが必要だという通説をくつがえし、オリジナルな人たちは私たちが思うよりもずっとふつうの人たちなのだ、ということを示していきたいと思う。

逆に、小さいころから天才と言われる人には、オリジナリティが欠けることも多いのだと述べています。成果を残す人=才能がある人、ではないことは、別の本である「GRIT」でも書かれています。

才能や学歴ではない。仕事で結果を残せる人は、何が違うのか

生まれつきというもので済ますのではなく、どういう要素がオリジナリティを生み出すのかを詳細に分析したのが本書の素晴らしいところです。

 

成功する起業家はリスクテイカ―か?

会社が成長するにあたって、創業者や引っ張っていくリーダーの存在は重要です。それらの人々は、一般的にはリスクテイカ―と見られます。他の人々には取り柄ないリスクを平気で取るように見えるからです。

しかし本書によると、そのような人も実際にはいるものの、現実的にはリスクを好まない人も多く存在し、最終的にリスクテイク(例えば起業)していることがわかっています。

調査をまとめると、起業に専念することを選んだ人は、自信に満ちたリスク・テイカーだった。  一方、本業を続けたまま起業した人は、リスクをなんとか避けたがっており、自信の程度も低かった。  たいていの人は、リスク・テイカーのほうが明らかに有利だと予測するだろう。だが研究の結果はその逆だった。

つまり、リスクを取るにしても、安全な策を自分の中で用意した上で実行に移しています。ポートフォリオバランスをとっていると言えるでしょう。

驚くべきは、そのような考え方をする人たちの企業での成功率です。

本業を続けた起業家は、やめた起業家よりも失敗の確率が三三パーセント低かったのだ。  リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に疑問をもっている人が起こした会社のほうが、存続する可能性が高い。そして、大胆なギャンブラーが起こした会社のほうがずっともろいのである。

長期的な継続と言う意味では、確かにこの説明に納得感があります。必ずしも「大きな成功をしたければリスクをとれ!」という安直なものではなく、「自分のバランスの中でリスクの幅を調整する」というのが、正しいスタンスではないでしょうか。

 

組織にオリジナリティをもたらすには何が必要か?

面白では、個人の特性だけでなく、組織としてはオリジナリティーをもたらす要素についても分析されています。

企業段階では同じ価値観を持つ人たちで集まった方が、方向性が剥きやすく成長すると言う結果が分析されています。しかし一旦成長した後は同じような組織構造では停滞してしまうと言うのです。

組織が成熟すると、献身型の企業文化にはどんな問題が生じるのだろうか? 「献身型の企業では、多彩な人材を引きつけて維持すること、あるいはそういった多彩な人材を融合させることがよりむずかしくなる」と、先述の社会学者バロンはいう。  それを裏づけるデータもある。組織は時間の経過とともに均質になる傾向があることを、心理学者のベンジャミン・シュナイダーが発見している。似たような人々を引きつけ、選び、互いを知る場を設け、同じ人材を維持し続けるなかで、多様な考えや価値観が薄れていくのだ。

そうではなく、他の組織が成熟してきたら多様な人材を確保しないといけません。組織の中に多様性をもたらすことで、新しいアイディアが生まれ、組織全体のオリジナリティーが高まっている。

そしてそのためには組織全体が多様性を受け入れ、新たなアイディアを素直に評価し、何事業に転換させていくカルチャーも重要になってきます。

移り変わりの激しいビジネス環境の中で生き残っていくためには、企業や人間自体も常に変化を求められます。その中で、オリジナリティをどう発揮するか。本書を読めば、そのヒントがたくさん見つかるはずです。

 

この本も、他の著名な海外本と同じく、TEDで著者のスピーチを見れます。さくっと確認されたい方はこちらをどうぞ。

 

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自分の体のためだけでなく、組織のためになる。健康リテラシーを高めよう

最近、立て続けに2冊ほど健康に関する本を読みました。

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一冊目の「脳を鍛えるには運動しかない!」を読むと「これまでは適当にさぼってきたけど、これはもう運動するしかないな」と思いますし、二冊目の「SLEEP」を読むと「毎日早く寝なきゃな」と思うはずです。

本を読みながら考えたのは、こういう健康に関する知識って、いろんな人に今後どんどん重要になるだろうな、ということです。

その理由を説明したいと思います。

 

最近の健康ネタは科学的

ここ最近こうやって登場してきている運動や睡眠、マインドフルネスなどは、ほぼ全て科学的なアプローチによるものです。

年末年始にこそ考えたい。あなたの生産性を上げる休息法とは?

 

つまり、なんとなく良いというものではなく、科学的な検証を積み重ねたものです。

例えば、前述の「脳を鍛えるには運動しかない!」では、次のような研究結果が引用されています。

脳と体の両方に負荷をかける運動は、有酸素運動だけするより効果が高いのだ。ホフストラ大学のある大学院生が小規模な研究でそれを証明しようとした。八歳から一一歳までのADHDの少年のうち、週二回武術の稽古に通っている子どもは、普通の有酸素運動をしている子どもに比べて、行動と成績がいくつもの項目で大きく改善した(どちらのグループも、まったく運動をしないグループに比べると劇的な改善を見せた)

 

「SLEEP」でも同じように、科学的な研究結果が示されています。

ノースカロライナ州ブーンにあるアパラチア州立大学の調査から、最高の睡眠を得るには午前に運動するのが理想的だということが明らかになった。彼らは、被験者を午前7時、午後1時、午後7時に運動する三つのグループに分けて睡眠パターンを調べた。 すると、午前7時に運動したグループの睡眠時間がいちばん長く、眠りも深かった。実際、身体の回復にあてられる「深いノンレム睡眠」の段階は、最大で75パーセント多かったという。

 

取り上げた二冊を読めばわかりますが、様々な箇所で研究結果の引用が行われています。最近の人体に対する研究は進んでおり、それらの積み重ねから有効と考えられる方法が検討されているのです。

 

なぜ健康がこれほど世界的に注目されているのか?

以前から健康ブームというものはありましたが、最近はシリコンバレーが特に健康に注目しているようです。その理由を考えてみましょう。

日本は人口減少ですが、世界的にも人材獲得競争が激化しています。その中で、経営者と労働者のパワーバランスは崩れて、労働者の方が強くなってるんじゃないかと思うのです。つまり、人材獲得競争というのは売り手市場であり、労働者が働きやすい環境が整備されるインセンティブが働きます

また、物質が満たされていくことでシェアリングエコノミーが発達したように、労働者が企業に求める要素も単純な金銭だけでなく、健康的な労働環境など別の価値観が醸成されてきているようにも感じます。

 

上記は労働者の目線になりますが、経営者の目線でも考えてみましょう。最近の人材獲得競争では、いわゆるブルーカラーと呼ばれる単なる労働力ではなく、創造性など人間らしい高度な能力が求められるホワイトカラー人材が対象になっています。そうなると、不健康では力を発揮できず、結果として経営者が損をする要因になります。

人材獲得競争の激しさもありますが、創造性などは人数を増やせば単純に倍になる、というものではありません。そうなると、各個人の才能を最大限発揮してもらうことが、生産性の向上や、ひいては競争力の向上につながります。

このように、労働者サイドからも、経営者サイドからも、人が健康的な生活を送りながら労働する理由が生じていると僕は考えます。

 

健康リテラシーが求められる

上述してきたように、時代の流れとして、今は生産性を上げて、健康的に働く時代になっているのです。これは両者にとって良いことではないでしょうか。

また、このような価値観を理解し、組織で実行していくリテラシーが求められます。組織で働くのであれば、体と心のバランスがどう発生するのか知っておくのは良いことです。例えば、不機嫌な態度をする人がいたとして、それが個人の資質ではなく、寝不足やプライベートでの精神不安定か?など、いろんな可能性に気づくことができます。

メンタルヘルスケアは現代人には必須の知識

 

それ以外でも、健康的なチームを形成し、生産性を上げる方法を考えるために、健康に関する知識はこれからもっと重要になると思うのです。

と思っていたら、同じような考え方として「ヘルス・リテラシー」という言葉は従来からあるようです。

ヘルス・リテラシー(health literacy)とは、健康面での適切な意思決定に必要な、基本的健康情報やサービスを調べ、得、理解し、効果的に利用する個人的能力の程度を意味する[1]。医療リテラシーとも称される。

引用:ヘルス・リテラシー – Wikipedia

 

ヘルスリテラシーについては、こちらの記事も詳しくてわかりやすいです。

自分の意思で健康を手に入れる! 日本の“ヘルスリテラシー”の今とこれから|PR会社|電通PR

 

ということで、健康に関する知識を持ち、それを実践することは、自分の体のためだけでなく、自分の組織に対してもよい影響をもたらすはずです。ぜひ、健康に関心を持ちましょう。興味を持った本からどうぞ。

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Kindle fire HD8で、ついにカバーを買いました。Kindle fireは安いのがメリットなので、カバーなどをつけずガシガシ使うことをポリシーにしていましたが、机に置いて映画を観たりしたくなったので、立てかけられるカバーを買いました。純正は高いのでこちらです。結構良い感じですよ。

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管理職は必読。インテル経営者の組織管理ノウハウ「HIGHOUTPUT MANAGEMENT」

「高いアウトプットを管理する」という、すごいタイトルですが、インテル3番目の社員であり、社長にもなったアンディ・グローブの著書で、組織管理に関する本です。

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もともとは、「インテル経営の秘密」として、初版は30年前、改訂版は20年前に発売されたものです。ベン・ホロヴィッツの「HARD THINGS」の中で紹介されていた本で、僕も読みたくなって当時探していたのですが、絶版になっていたようです。しかし、HARD THINGSをきっかけに再度注目されて、復刊したのが本書です。(本書の序文もベン・ホロヴィッツが書いてます。)

 

管理職に必要な考え方と作業を深く理解したい人におすすめ

インテルの例が出てくるものの、汎用的にいろんな業種や組織において、ミドルマネジメントに求められる考え方やアプローチについて語っているのが特徴で、正直そこまで深く期待せず読みました。しかし、内容は本質的なエッセンスと非常に具体的な内容が満載で、読んでいて新しい視点がたくさんありました。アンディ・グローブがここまで細かく組織マネジメントについて書いていると思いませんでした。結構びっくりです。

例えば、最初は朝食工事という例えから始まります。朝食を作る工場の生産をどう捉えるか。アンディローブはこう書いています。

この仕事には、実は生産に関する基本的要件が含まれている。その要件とは、顧客の要求に応じて、あらかじめ決められた〝一定の〟時間に、客に、納得してもらえる品質水準の製品を、できるだけ〝安い〟コストで、つくり上げて提供するということである。生産の基本原理や約束事とは、顧客が要求するものならなんでも、要求するときはいつでも、すぐに提供するということではない。

こんな感じで、具体例を交えながら、端的かつ本質を突いた表現がどんどん出てきます。

 

対象範囲の広さも魅力的

経営者が書いたビジネス書だと、経験談が中心だったり、領域が偏っていたりしますが、本書は違います。

目次を見てもらえばわかるのですが、対象範囲も広いです。ミーティングの仕方、上司へのレポートの書き方、組織形態のあり方、人事考課の伝え方など、管理者が考えるべき、担うべき業務が広くカバーされています。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント | アンドリュー・S・グローブ, ベン・ホロウィッツ, 小林 薫 |本 | 通販 | Amazon

レポーティングがどういう観点で重要なのか、というのも示唆が含みまくりです。

だが、レポートにはもうひとつまったく別の機能がある。レポートが公式化されて記録されるときに、それを書く人は口頭でいうときよりも、厳密にならざるをえない。レポートの作成者はその説明の中で、トラブル個所を確認し処理せざるをえない。つまり、そういう規律と思考を自らに課さざるをえないところから、レポートの価値が生じてくるのである。レポートは情報を伝える方法というよりは、〝自己規律訓練〟の〝手段〟なのである。レポートを〝書くこと〟は重要だが、読むことは重要でないことが多い。

書くことが重要なのであり、読むことはあまり重要でないとバッサリです。

 

人事考課などは、マネージャーになると深く考えざるをえませんが、具体的な伝え方や人事考課が組織にどういう効果をもたらすのかを教えてくれる機会は少ないように思います。この本では人事考課の目的や会社への影響、本人への伝え方など詳細に書いてあるので、実践的で明日からでも取り入れることができるレベルです。こんな本は今まで読んだことがありません。

 

あるいは組織の形を述べる箇所では、組織にベストな解はないと書いています。この箇所の表現が、個人的にはとても好きです。

アルフレッド・スローンは、数十年間のゼネラルモーターズ社での経験を、こう語っている。「経営管理の成否は、集権化と分権化との調和にかかっている」と。つまり、即応性とテコ作用の最善の組合わせを求めてバランスを取る行為がカギだともいえる。

 

チームリーダーなど管理職を始めたばかりの人や、なかなか組織のパフォーマンスが上がらないと悩んでる方は、ぜひこれを読むとよいでしょう。逆にあまり組織管理に携わってない人、若手人材等はまだ読んでもあまりピンとこない部分が多いかもしれません。

20年も前の本なのに、なぜ話題になっているのかよく理解できました。経営管理の原則というのは、あまり陳腐化しないんだなと再認識した次第です。超おすすめです。

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相手に自分の主張をわかりやすく伝える重要な2つの考え方

仕事や生活の中で、なかなか自分の言いたいことが相手に伝わらない、ということはないでしょうか。「こんなに自分の主張をしているのに、相手は全く聞いてくれない」と思うことはありませんか。

人にわかりやすく自分の考えを伝えるためには、どうすればよいでしょうか。

僕が考える、わかりやすいメッセージの使い方と言うのは次の2点に集約されます。それは「要するに」と「具体的に」を相手に伝えることです。

 

要するに・・・

物事は常にいろんな事象が複雑にからみ、シンプルに表せないことが多くあります。そのためたくさんの要素を列挙し、あらゆる可能性を検討し、物事を決定していく必要があるわけです。

一方で、人間はそんなにたくさんの情報を同時に処理できないという特性もあります。さらに、複雑そうに見えても、要点がどこであるかを見極めれば、シンプルに行動しやすくなることもあります。

つまり、一見複雑そうな物事について人と話すときには、シンプルに伝えた方が相手に理解しやすくなるのです。当然ですよね。情報量を削り本質的な部分だけを削りとって伝えれば、何を重視しどう進めればよいのかが非常にクリアになるからです。

そういうときは、「要するに」と言い換えて何が言えるかを常に考えています。枝葉をばさっと切ったときに、根幹としてどの部分が残るかを考えると、相手に伝えるべきメッセージが見えてきます。

 

具体的に・・・

「要するに」の反対として、具体的に物事を示すことも重要になります。人の思考というのは、ある意味適当というか柔軟にできており、曖昧な状態でもわかったつもりになって物事を捉えてしまうことが多くあります。

しかし、実際に物事を進めてみると、こんなはずではなかった、想定できない問題がたくさん見つかったなどうまく進まない要因が出てきてしまいます。

あるいは、物事が詳細にイメージできないために、意思決定できないということもあります。

そのため、あらかじめ具体的な問題や実行方法など、可能な限り詳細化して伝えます。そうすることで、「何となくわかったつもり」から、具体的なイメージに基づいた判断に変わるのです。

「神は細部に宿る」と言いますが、詳細な計画は非常に説得力を持つものです。特に実際の行動に移すフェーズでは、関係者がイメージを共有できるほど具体的な計画を持っておくと良いでしょう。

 

 

結論から言うと、その時々に合わせて、本質的な事項をとらえた抽象度が高いものを伝えるべきか、より具体的に物事を捉えてイメージを伝えるべきか、相手の理解度や目的に応じて使い分けることができると、相手にこちらの意図が伝わりやすくなるのではと考えています。

社会においてコミュニケーションが重要と言われています。僕は、それを端的に説明したこの記事の内容が大好きです。

就活で「コミュニケーション力」が重視される理由を簡潔に説明する。 | Books&Apps

これを意識して、これからも伝え方を考えていこうと思います。

今更だけど「WORK SHIFT」を読んで、これからの働き方を変えていかなきゃって思った

今日書く本は、正直もっとなんで早く読んでなかったんだろうと思いました。悔しいです。この本が発売された当時、知り合いが勧めてくれたのに。「LIFE SHIFT」があんなに面白かったのに。

というわけで、今更ながらではありますが、2012年に発売されたWORK SHIFTを読みました。

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様々な事実とそこから得られる示唆を組み合わせて、これからの働き方が提示されています。

 

既に価値観が変わっている現在

本書の中で、未来の変化に影響を及ぼす5つの要因が挙げられています。

  1. テクノロジーの進化
  2. グローバル化の進展
  3. 人口構成の変化と長寿化
  4. 社会の変化
  5. エネルギー・環境問題の深刻化

どれも興味深いですし、そのひとつである「人口構成の変化と長寿化」は次作のLIFE SHIFTに通じるものもあります。

特にその中で衝撃だったのは、「社会の変化」の要因に、次の項目が含まれていたことです。

4 バランス重視の生き方を選ぶ男性が増える
さまざまなデータによると、男性が自分の役割や人生の選択に関していだく認識も変わりはじめている。自分の父親の世代を反面教師に、所得を減らしてでも、家族と過ごす時間を多く取りたいと考える男性が増えるだろう

これを読んだときに、「ああ、2012年の時点で社会の価値観の変化は当然のこととして認識されていたんだな」って驚きました。確かに価値観の変化が徐々に起こっているのは何となく感じていましたが、数年前からこのようにはっきり言語化されていたことに驚いたのです。

今、働き方改革や残業規制、ワーキングマザーの支援など、様々な変化が起こっていますが、それも単なる思いつきや経済思考だけではなく、もっと大きな底流に社会心理や価値観の変化があったんだということです。

 

これから求められる「働き方」

これからの働き方に求められるものとして、3つのシフトが挙げられています。

  1. ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
  2. 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
  3. 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ

本書を読んでいない人は、これらがどういう意味を指すのかピンとこないところもあるかもしれませんが、そういう方はぜひ読んでください。

これを体現するのは難しいな、と思う一方で、多少のリスクテイクもしながら、働き方をシフトしていかないと、自分が面白いと思える仕事を続けることが難しいんだろうなあとも考えてしまいました。

旧来の働き方は、どんどん価値観の変化とともに見直されていくでしょう。その片鱗はすでに起こっていると感じてますし。

ということで、これからの働き方を考えるには必読の一冊です。

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合わせて、LIFE SHIFTもどうぞ。

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