これを書くと、自分も年をとっているんだな、と感じてしまいますが、あまり仕事で無理がきかない体になってきました。一時的に無理してパフォーマンスを上げるより、継続してコンスタントにパフォーマンスを維持する方が大切だな、という気持ちが高まってきています。
また、これまでも組織の中でうつ病で休職したりする人もいました。チームや組織を管理する立場になれば、こういう人を未然に出さない配慮や対応も求められます。管理職やナレッジワーカーは、メンタルヘルスに関する内容を知っておくべきだと思っています。
というわけで、この本を読み、メンタルヘルスに関する理解を深めようと重いました。
現代の人やナレッジワーカーに多いメンタルの問題がいろいろわかって興味深い内容でした。まずは個人的な問題ではなく、管理や対応を誤れば誰でもメンタルに問題を抱える可能性がある、というところを理解することから始めましょう。
少しずつ疲れて、いつの間にか取り返しがつかなくなる
昔からうつ病と言われた症状と、今現代人によく起こる症状は、本質的には変わらないのですが、微妙に出来事が違うようです。それは、少しずつ疲れていき、いつの間にか自分では冷静な判断ができなくなるのです。
そうなると、自覚症状があまりないのと、周囲も気づきにくくなる、という点が特徴です。そして、しっかり休んだり根本的な対応を行わず、少しずつ疲れていくのです。
これを防ぐためには、ちゃんと自分で疲れに気づく努力をすること、周囲もメンバーの小さな変化に気づいていくことが重要になってくるのです。そして、早めに休養などの是正措置を講じて、継続的にパフォーマンスを出せるようにするのです。
休むのも仕事だと認識する
僕も結構頑張ってしまう傾向にありましたが、やはり「仕事を頑張ってなんぼ」という考えが根底にありました。しかし、一度からだを壊してから考えが変わりました。体を壊してしまうと、働けなくなるし、気持ちも沈んでくるし、全く良いことはありません。その時反省したのは、「こうなる前に日頃から対応が必要だ」ということです。
本書でも同じような主張をしています。
途中で仕事を止めることに抵抗する隊員もいる。しかし、長期戦を戦うためには、短期的な感情に流されず、しっかり疲労をコントロールしなければならない。隊員にとって、休養することは、頑張ることと同じ、いやそれ以上に必要な「仕事」なのだ。
ということで、自分の状態を理解し、適宜ストレスコントロールすることがポイントです。
本書を読んで、改めていろんな人にこういう知識を理解しておくことが重要だな、と思いました。組織をうまく機能していくためには、人の構造も理解しなければいけないと思うのです。
大人は、体力・知力の飛躍的な伸びはない。今の「自分」を愛し、認め、上手に使いこなす能力が必要になる。また、世の中は、不公平や不平等、理不尽にあふれ、努力しても報われないことが多い。それでも、めげずに、生きていかなければならない。
というわけで、完璧さではなく、現実をうまく受け止めながら、継続的にパフォーマンスを発揮できるようにしましょう。