良品計画(無印良品)の業績みたら、グローバルカンパニーになってたという話

最近の無印良品の動向が気になったので、業績をチェックしてみました。無印良品を展開する良品計画は、生活雑貨をメインに取扱い企業としては、国内トップシェアです。

全体の業績

まず、過去5年の売り上げと営業利益を見てみましょう。

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ここ3年は売上が順調に伸びてきているのが分かります。ただ、営業利益は最近落ち込み気味ですね。

次に最近の四半期決算を見てみましょう。

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多少凸凹していますが、右肩上がりになっています。

最新の決算発表説明資料を見てみると、売上は増えていますが、販管費も増えているので営業利益としては減少しているようです。

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で、販管費の内訳を見てみると、一番売上高に対する比率が変わっているのは人件費です。資料下部の説明でも、「売上高人件費率の前期差は、海外事業で+0.4ポイント、国内事業で+0.5ポイント増加」と書いてあります。

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それ以外も増加が積み上がり、最終的に利益が減ったようです。

国内事業と海外事業の関係

日本の人件費上昇はわかるのですが、海外事業はどうなっているのでしょうか。ということで、国内と海外の売上割合を見てみましょう。以下が、売上高(厳密には営業収益)を表したグラフです(その他事業は除いてあります)。

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国内が底堅く伸びる一方で、アジアが大きく伸びています。ヨーロッパなイメージがなんとなくありましたが、アジアの方が多いんですね。アジアの店舗数を見てみるとわかりますが、伸びている大きな要因は中国です。

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そして、営業利益も見てみましょう。これを見ると、また違う景色が見えてきます。

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国内がどんどん小さくなってきている一方で、アジアの利益比率が大きくなっています。これを見ると、国内と中国で売上は伸びているが、国内は利益が下がり、海外(アジア、特に中国)の利益が増えているという構造になっていることがわかります。

まとめ

  • 全体でみれば、増収。利益はちょっと伸び悩み。
  • 利益の減少は、人件費の高騰と思われる。
  • 海外事業はアジア、特に中国が中心。売上・利益がどんどん増えている。
  • 国内は売上は伸びているけど、利益は減少傾向。

ということで、国内事業は苦戦している一方で、海外展開で成長しているようです。ということで、すでにグローバルに主軸が移っているんだな、ということを認識した分析でした。

無印といえば、MUJIGRAMというマニュアルによって店舗を効率化していった話が有名ですね。

[kanren postid=”2475″]

Google Photosが自動アルバム作成機能投入したので期待したい

Google Photosが自動でアルバムを作成する機能を投入したことを発表しました。

ニュース – Google Photosが進化 ベストショットのアルバム自動作成:ITpro

これを見て思ったのは、次のようなことです。

  • この機能は良いアプローチだな
  • GoogleはPhotosの強化に本気なんだな

良いアプローチだと思った理由

皆さんも心当たりがあると思うんですが、スマホで写真を撮っても、なかなかきれいに見返したりとか難しくないですかね?それでそのままとりあえずGoogle Photosなどのフォトサービスに写真はストックされていくけれども、昔の写真はあまり見返さなかったりとか、誰かとアルバムごとシェアするのもちょっと面倒くさかったりとかします。そうなると、撮ってGoogle Photosにアップした写真も単なるバックアップでしかなくなりますよね。

これは、今のフォトサービス全体の課題として、写真を撮影→アップロードは非常に簡単なんだけど、アルバムごとに整理したりするのが非常に面倒ということが挙げられます。

で、今回Googleが投入しようと言っているのは、顔写真、ロケーションや撮影日時などの情報から、自動的にアルバムを作ろうっていうのが機能です(もともとはGoogle+ Photosでもあったと思うので、機能自体はとても驚くものと言う訳では無いのですが)。そして、アルバムには地図や店舗情報なども付与されるようです。

アルバムはただ良い写真やビデオが並ぶだけではなく、様々な連携機能を有する。自宅から何処へ旅行に行ったのか表示され、旅先の詳細な地名などが記載される。これによりドライブ中にふらりと立ち寄ったレストランや真っ暗になってからたどり着いたキャンプサイトが何処にあったのかなども把握することができる。

もう写真の撮りっぱは無しに、「グーグルフォト」がベストショットで自動アルバム作成 – Ameba News [アメーバニュース]

こうやって写真をアルバムとしてパッケージ化したり、地図などの情報を付加することで、写真に新しい価値を見出そうとしているわけですね(そして、Googleはそれによって写真をきっかけにGoogleサービスへのアクセスや依存度を高めようとしているわけです)。

まず前提として、Googleフォト子はスマホでの利用をある程度想定していて、ライトユーザー向けと言えるんじゃないかと思います。

このあたりは、機械学習や地図サービスを持っている強みを活かした、良いアプローチだな、と思った次第です。あとは、実際の精度次第ではありますが。

 

Flickrがんばれ

フォトサービスってちょっと不思議で、デファクトスタンダードっぽいサービスがいまだにないような気がするんですよね。だからGoogleもまだいろいろやれる余地があると判断して、Google Photosを投入してきたんだと思うんですが。

で、この勢いでGoogleは本気で写真サービスのシェアを拡大しようとしてるんだな、って感じてます。Photoshop向けのプラグインを投入してきてますし、ライトユーザーだけでなくプロユーザーも取り込もうって気配を感じます。

Google Nik Collection

僕はFlickrのプロアカウント持ってるんですが、インターフェースも好きですし、検索も良い感じなので、頑張って欲しいんですよね。他のサービスに移行するのも大変だし。。。。

ただ、Yahooの業績が芳しくないという状況になっていますし、今後Flickrはどうなっちゃうんだろうなっていう不安は少なからずあります。こういう記事も出てますしね。

さらば、ぼくらが愛したFlickr « WIRED.jp

 

まあ、とりとめのない記事になりましたが、Google Photosは新しい機能の投入などいろいろ力を入れているし、機械学習などを活かしながら、今の写真サービスの課題を解消させようとしているのは良いな、と思うわけです。写真って容量も大きいし、一度取り込んでしまえばスイッチするのが比較的難しいサービスなのですが、今後どうなるんでしょうかね。

電子書籍サービスはKindle一択になっているのかもしれない

電子書籍の利用は増える一方で、紙媒体で買うなんてことはほとんどなくなってしまいました。

で、電子書籍サービスもメジャーなもので言えば、

  • Kindle
  • 楽天Kobo
  • Booklive!

あたりかと思います。電子書籍が日本で普及し始めた頃からこの3つを並行して使ってきたのですが、最近はKindle一択になりつつあります。今日はその話を書こうかな、と。

 

電子書籍はすでにレッドオーシャンになっている

まず前提として、電子書籍というサービスは、基本的にはどこも同じ商品を扱っているので、差別化の要素が非常に低くなっています。簡単に言えば、商品そのもので差別化することが難しいので、価格競争になっているわけです。

最近の調査では、電子書籍を利用する人は頭打ち感が出ています。

電子書籍の利用率が2割弱で頭打ち、「利用意向なし」が増加、「関心なし」と合わせると6割以上に -INTERNET Watch

また、楽天Koboは世界全体で電子書籍市場の立ち上げが遅れていることが影響し、損失を計上しています。

Kobo関連では、連結ではのれんの減損として78億円の減損損失を計上。Koboは2011年に買収し、電子書籍ストアや端末を展開しているが、「世界の電子書籍市場の立ち上がりが当初の想定よりも遅れ、それに伴う事業計画の遅れが要因」という。

楽天、電子書籍子会社のkobo株式を減損処理 「事業計画に遅れ」 – ITmedia ニュース

 

ということで、市場がそれほど拡大していかない中で、各サービスはセールをやったりクーポンを配ったりして、どんどん値引きしています。

Kindleは全体的に価格が安く抑えられているし、積極的な割引はあまりしない感じがありますが、他社が割引セールをすると、だいたいは追随して価格が引き下げられているので、Kindleで買おうと思った時に他社よりも高いよねって思うことが少ないですね。

 

差別化のポイントは品揃えや価格ではなくなってきている

以上から考えると、すでに電子書籍の差別化は品揃えや価格ではなくなってきており、別の差別化ポイントが生まれてきていると思うってます。そして、それについてAamzonが積極的に差別化ポイントを積み重ねてきてるんじゃないか、ってのが今回の主旨です。

 

Kindle Fireの破壊力

差別化のポイントとして挙げられる一つは、まず読書端末ですね。Kindle Fireが1万円を切る価格で売っているというのは、驚異的なコストパフォーマンスです。

Kindleの新しいFireタブレットが5000円とかコスパ高すぎ | Synapse Diary

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Kindle Fireは去年発売されましたが、それまでもKindle端末自体は発売されていました。もっとも廉価なKindle Fireを発売することで、端末の購入者を増やすことに成功したんじゃないでしょうか。

KoboやBookliveも端末を販売していますが、映画も見れるし、ゲームもできるし、読書もできるKindle Fireに勝るのは、結構難しいんじゃないでしょうか。

 

Kindleアプリは細かな点で使い勝手が良い

僕はiPhone、Kindle Fire、iPad、Kindle paperwhiteと、様々な端末で読書します。その時に一番嬉しいのは、端末間の同期の精度が非常に高いことです。他のサービスだと、なかなかうまく同期しなかったりしますし、Bookliveの場合、AndroidとiPhoneでは同期できない制約があります。

・現バージョンでは、.Book形式の書籍および雑誌について、Android端末とiOS端末/WindowsPCとの間で、しおりの同期ができません。

すべての作品が同期できますか? | BookLive FAQ

あまり困らない人が多いのかもしれないですが、僕は複数の端末を分けて使うことが多いので、端末間で同期がうまく行われないと結構ストレスになるので、自ずとKindle以外のサービスを敬遠するようになってるんですよね。

後は、辞書やマーキングのするときの操作性が、1番なめらかなのもKindleです。これも結構主観的なものなのかしれないですが、1番スムーズでストレスが少ないです。あとは、辞書を呼び出すスピードとか。そういう細かい操作性が良いですね。

最後は、音声読み上げにキンドルは対応していること。移動中に時間があるときは、音声読み上げ機能を使って聞いています。音声読み上げ機能を使うことで、読書量を増やすことができているのですが、KoboやBookliveはこれができないんですね。

Kindleの電子書籍を無料でオーディオブックにする方法 | Synapse Diary

 

というわけで、端末やアプリを改善し、差別化のポイントが明らかにハードウェア・アプリケーションになってきていて、アマゾンのKindleサービスがその強さを発揮してきている、というのが現状なんじゃないかと思います。

とはいえ、Amazon一強だと競争環境として健全ではないので、他の電子書籍サービスも頑張ってほしいですね。

Night Shiftモードよりも目に優しいiPhoneの設定を教えるよ

AppleがiOS 9.3を発表されました。その中の目玉機能の1つが「Night Shft」モードです。

iOSのアップデート – Apple(日本)

これは液晶画面の色を変化させることで、ブルーライトを減少させる効果があります。ブルーライトは体のリズムに影響があると言われており、これを抑制することで睡眠に良い効果があるのではないかと言われています。スマホによって、長い時間液晶を見るようになった現代人とっては、目に優しい機能というのは魅力的なんじゃないでしょうか。

最近だとZoffやJINSなど様々なメガネメーカーがPC専用メガネを発売していますし、僕も使っています。

 

あとスマホのフィルムでブルーライトカットもありますね。さらにアプリでもそういう類のものがあります。

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で、確かに今回発表されたNight Shiftモードはよさげなのですが、それよりももっと寝る前に目に優しいiPhoneの設定があります。それが白黒反転です。画面を表示してる時にその文字の通り白と黒が反転します。

 

やり方は簡単です。最初に設定におけば、あとはいつでもホームボタンのトリプルクリックで白黒反転を切り替えることができます。最初の設定は、

設定⇨一般⇨アクセシビリティ⇨ショートカット

で、「色を反転」を選べばOKです。

アクセシビリティ

 

夜暗くしたベットの上で白黒反転をやってみるとわかるのですが、明らかにiPhoneから放たれる光の量が変わります。なので、眩しさもあまり感じなくなります。ちなみに、白黒反転すると、画像などは見づらくなるのですが、文字だけであれば全く問題ありません。

というわけで、ぜひ試してみてください。Night Shiftモードも良いですが、暗くなったベッドでは、白黒暗転の方が僕が目に優しくて良いです。

それにしても、iPhoneでこういう機能が搭載されてくると思いませんでした。以前からこういう色を調整するアプリとして有名な「F.lux」があったのですが、iPhone版が公開停止されて、そのあとにiPhoneに標準搭載されてしまいました。

画面の色温度を調整するアプリ『f.lux』が公開停止に。代用するなら『Gamma Thigny』か。 | ライフハッカー[日本版]

プラットフォーム側に取り込まれてしまうと、アプリ制作側としてはいきなり窮地に立たされてしまいますね。

 

Zoffでブルーライトカットメガネを買いました。個人的には、ナイトシフトモードよりこちらの方が、目の疲れに対して効いた気がしました。個人の体感ですが。

Zoffでクリアレンズのブルーライトカットメガネを買った

ニュースアプリと地方新聞の行く末

スマートニュースもYahooニュースも、LINEニュースも、地方ニュースに対象を広げてきているんですね。

スマートニュースも、

スマートニュース株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:鈴木健/浜本階生)は本日、当社が提供するスマートフォン・タブレット向けニュース閲覧アプリ「SmartNews(スマートニュース)」において、地方紙11紙のチャンネルをオープンいたしました。

SmartNews、地方紙11紙のチャンネルを同時にオープン|スマートニュース株式会社のプレスリリース

LINEニュースも、

LINE(ライン)は17日、全国紙やテレビ局が参加しているニュース配信事業に、新たに17のブロック紙・地方紙が加わると発表した。配信は22日からで、参加する媒体は60に広がる。

上毛新聞ニュース:【全国ニュース】LINE地方ニュース配信 17紙が参加、22日から

そして、Yahoo!ニュースはテレビCMで地方ニュースが見られることをアピールしています。

この辺の戦略が似通ってくる時というのは、大きなトレンドが発生していると思うので、ニュースアプリでどういう状況なのか笑貯めて考えてみたいと思います。

 

地方新聞の衰退

地方新聞は衰退しているし、発行部数も低下しています。

新聞
日本の新聞業界にネットの嵐—止まらぬ部数減 | nippon.comを元に作成)

発行部数が全体で低下している一方で、日経電子版やニュースアプリが増えているので、ネットやスマホにシフトしなければいけないのは当然の流れなのですが、そこまで投資に踏み切れるほど経営資源もないのかもしれないですね。

というわけで、歯止めがきかない部数減少に対して、新しい収益源を探しているのが地方新聞の現状なのだと思います。

 

ニュースアプリの新たなニュースソース

ニュースアプリがどんどん台頭してきています。確かに、自分で使ってみても、リアルタイムで様々なニュースを読める点で、とても便利です。

そのニュースアプリは、「ニュースソースを確保し、キュレーションなどを駆使してユーザーに役立つ情報を提供する」というところがビジネスモデルの根幹になります。そのような中で、様々なニュースソースを獲得してきているんだと思いますが、それもある程度飽和してきていて、まだ未開拓だったニュースソースとして、地方新聞が注目されてるんじゃないか、と。

ローカルニュースはニーズがあります。住んでいる地域のニュースは、みんな興味ありますよね。そのニュースソースとして、地方新聞をニュースアプリは取り込んでいってるのです。

 

地方紙の将来

今、各アプリがしのぎを削って、ニュースプラットフォームを確立しようとしています。日経新聞など自社でプラットフォームを作っているところもありますが、自社で魅力的なサービスを作れなければ、他社のプラットフォームに配信することがメインになるでしょう。

今後、地方紙がどうなるかと考えてみると、今台頭してきているニュースアプリなどに、配信していくことがメインになっていくんじゃないでしょうか。これまでは自社で新聞を発行していましたが、紙のニーズが低下し、ネットやスマホにチャネルが移っているからです。

ただ、そうなると自社の収益源が減ってしまうことになるので、取材したりニュースを造る力が失われてしまうかもしれません。そうなると、ローカルニュースが消えてしまうことにもなってしまいます。

あと、今フリーペーパーというのがありますね。それが地元情報を獲得する一つの手段になっているのですが、それも飽和気味な気がします。数年前に記事を書きましたが、状況は変わってないですね。ブームが過ぎて、安定しているといえばしているのですが。

ローカルフリーペーパーの生きる道 | Synapse Diary

ということで、ニュースアプリというプラットフォームでローカルニュースが取り扱われるのは良い傾向だと思うのですが、あとは本当に役にたつ情報を発掘し提供していけるビジネスモデルが必要なのではないでしょうか。

iPhoneの音声入力が素晴らしい

最近、文章を書こうと思う時に、iPhoneで音声入力を使うことが増えてきています。

以前から、とりあえずメモしようと思うとiPhoneのEvernoteに残すのが習慣になっているのですが、これまではフリック入力でやってきました。最近、音声入力の便利さに気づき、どんどん使うようになっているのです。

 

音声入力はすごい速い!

音声入力のメリットは劇的に文章を書くスピードが速くなることです。喋ったことがどんどんテキストになっていくので、タイピングがどんだけ早くても比べられないぐらい速いです。

音声入力は、文字を入力する画面ところでマイクボタンを押すだけで、音声入力を開始することができます。

音声入力

認識精度は完全ではないけどね

認識精度は、完全とは言えません。声が小さかったり滑舌が悪いと当然誤認識するし、読み方が同じで漢字が違う場合などは、ちゃんと認識されないこともあります。ただ、そんなにストレスにはならないぐらい、正確です。

あと、最近音声入力を使って気づいたのは、文脈を意識して漢字を変換していることです。最初は喋りながらどんどん文字が入力されていくのですが、文章に区切りができると、その内容を踏まえて文章が自動で変更されるのです。つまり、音声をそのままテキストにしているだけではなく、単語の前後関係を理解し、自然な文章になるよう変換しているのです。これはなかなか凄い機能だと思います。

どうやら認識が良くなったのは、iOS8からのようですね。

iPhone音声入力すごすぎて笑いが止まらなくなった – 週刊アスキー

多少の誤認識については、最後に文章を推敲するときに修正すればよいので、とりあえず思ってることを書き出すのであれば音声入力が非常に早くて便利です。

 

喋って書くという行為はドラッガーもやっていた

音声入力のもう一つのメリットは、しゃべりながらの方が考え方を明らかにしやすいと言う点があります。昔読んだ本でドラッカーは、原稿を書くときに、まずテープに自分が考える内容を録音して、内容を整理すると書いてありました。そうすると自分がどこまで頭を整理できてるから気付けるので、何度も繰り返してテープに話し、自分の言いたいことをはっきりと主張できるようになるということでした。確かにそれは、音声入力をしてみて、実感としてわかりました。普段でも、喋りながら自分の思考がはっきりクリアしていくことがありますよね?

 

改めて考えてみると、テキストと音声の境界線がどんどんなくなっていくように感じます。テキストを音声に変換する、逆に音声をテキストに変換するという行為が、特に違和感なくできるようになっているんですよね。なので、プログラムというテキストでできたロボットと会話したり、人間が話す内容がテキスト化されてビッグデータで解析されるんですよね。この流れは今後もどんどん進んでいくと思います。

 

というわけで、いろいろ文章書きたい人は音声入力を試して欲しい。欠点としては、公衆の面前で音声入力するとビックリされるかもしれないので、結構場所が限られるってことですね。

ちなみに、この記事も音声入力で書きました。

SEO対策としてWebサイトのテキスト量はどの程度であるべきか

SEO対策としてテキストの量をどの程度にするかというのは、時々ウェブサイトの構築において議論になるたりします。結論を先に言ってしまえば特に決まりはありません。しかし、テキストをどのようにコンテンツに盛り込むかと言うのは、非常に大切な考え方になります。

前提として、コンテンツを作成するにあたっては、SEOの観点と人間が読むという観点の両方が必要です。

 

SEOの観点でみた場合

まずSEOとして見た場合に、Googleのような検索エンジンでは画像や動画等を解析してコンテンツとして把握すると言うのはまだ難しい状況です。そのため画像は多いけどテキストは少ないというのではなく、ある程度はテキストを設ける必要があります。

さて、テキスト量をどの程度にするか正解はない、と述べましたが、ある程度目安になる材料もあります。「SEO対策のためのWebライティング講座」という本には、テキスト量について以下の通り言及されています。

SEO対策の観点からは、文章量は800文字以上が良いとされています。一般的に、Webページはページごとのコンテンツが表示されるメイン領域と、メニューやコンテンツ一覧、コピーライトが表示される全ページ共通の領域で構成されます。メインのコンテンツ量が共通領域より十分に多くないと、ページごとの差が小さくなり、検索エンジンに複製ページからできているWebサイトと判断される可能性があるのです。

一方、あまり文章量が多くなりすぎると利用者も読むのが大変になり、結論まで読んでくれません。日本人の平均読書速度は1分間に600字程度なので、ストレスを受けない3分ほどで読める1,800文字以内に調整し、コンテンツが長くなりすぎるようならテーマを細分化しましょう。

 

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もちろん、無駄に長い文章を書けばいいってものでもないですし、ブランドイメージや売る商材によっても違うでしょう。

ただ、中小企業のサイトをみると、テキストが少ないことの方が多い気がします。シンプルに考えれば、検索で自社サイトを見てもらおうと思うのであれば、それに関連するキーワードがサイト内に書かれていないといけません。なので、テキスト量はある程度あった方が良い、というのがセオリーになります。

 

人間の観点でみた場合

人間の目から見ても、テキストや画像動画等を効果的に配置して、ウェブサイトの内容を理解してもらう必要があります。非常にわかりやすい表現だな、って思うのは、「ウェブサイトに必要なものは「香り」と「説得力」」という表現です。

コンバージョン率を上げるために必要なものは何か。ティベイダー氏は、それを「匂い(scent)」と「説得力(persuasion)」という言葉で表現した。これらはそれぞれ、「お客が探しているものがページに含まれていて存在感を放っているか(=関連性)」「商品の購入までにいたるストーリーの提示」と言い換えられる。

ウェブサイトに必要なものは「香り」と「説得力」/ジョン・クワルト-ヴァン・ティベイダー | Web担当者Forum

 

今回フォーカスするのは「説得力」という点です。購入するかを判断するためには、いろんな説得材料を用意しておく必要があります。Webサイトの場合、セールスマンが説明するわけではないですから、それと同じ内容をWebサイトに書いておきます。

楽天の商品ページや他のランディングページと言われるページがとても長くなっているのは、テキストや画像、動画を使って、あの手この手で「説得」しているからです。

つまり、買い手にしっかりと説得するためには、そのための材料を文章や画像などで書いておく必要があります。特にWebサイトの場合、人間のように相手によって柔軟に話し方を変えるわけにはいかないので、いろんなタイプの顧客に有用になるように、複数の説得材料を持っておくことも検討する必要があるでしょう。そうなると、おのずとテキスト量も増えていくというわけです。

というわけで、自分のサイトのテキスト量は、ちゃんと人を説得できるだけのものになっているのか、考えてみましょう。そして、アクセス解析の結果から、継続的に見直すのが有用です。

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映画「陽はまた昇る」でプラットフォーム戦略を学ぶ

Amazonプライムで映画をどんどん見ていますが、最近「陽はまた昇る」を見ました。

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これは家庭用のホームビデオが丁度普及しようとしている時で、ソニーのベータマックスとビクターのVHSが開発・発売され、「家庭用ビデオの統一規格」という覇権争いを繰り広げた時の様子が映画化されていたものです。

今やITではいろんな場面で見られるようになったプラットフォームの覇権争いですが、古くからある有名なプラットフォーム競争の事例はこの「ベータマックス vs VHS」ですね。

最終的には、知っての通りVHSが勝利するわけですが、最初有利だったはずのソニーのベータマックスに対して、様々な努力によって優勢を勝ち取るVHSのストーリーが、胸を熱くさせます。リーダーがかっこいいんですよねーーー。

 

VHSが結果的に勝利したことは、プラットフォーム競争で勝利する要因として、今でも普遍的に通じるものがあります。WikipediaにVHSが勝利した要因がまとめられていますが、

ビデオ戦争 – Wikipedia

プラットフォームを形成するためには、様々なステークホルダーの満足度を高めないといけないことがわかります。

  • コンテンツ製作者
  • エンドユーザー
  • 流通業者

これらをバランス良くできると、プラットフォームとしての形成を有利に進められるということですね。

上記のWikipediaを見ると、それ以外の規格でもずっと競争は繰り返されてきて、これを読むだけでも非常に面白くて読み応えがありました。笑

 

それにしても、映画の中での登場人物がタバコめっちゃ吸ってるんですよね。時代ですね。

Amazonプライムは、おすすめです。無料で映画見放題なのですから。

プラットフォームが長期的に繁栄するために必要なこと

【書評】決定版 インダストリー4.0―第4次産業革命の全貌

この間、日本のIT業界が稼げない業界になってしまっていることを書きました。

なぜIT業界が「稼げない業界」になってしまっているのか

 

この記事の最後に、ICTがメインビジネスに組み込まれることで、IT業界は再度見直されるという希望を書いています。

そして、そのひとつが製造業に登場した「インダストリー4.0」だと思っています。というわけで、最近話題のインダストリー4.0を読んでみました。

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ICTが製造業に入り込む「インダストリー4.0」

ドイツ発祥のインダストリー4.0は製造業を新しい領域に進展させようとしています。

平たく言ってしまえば、最近のITトレンドであるIoT、ビックデータ、データアナリティクス、人工知能を活用し工場生産をさらに向上させようとしていることになります。これによって、多様化するニーズに柔軟に応えつつ、大量生産と同じ効率性を維持することが可能になります。

さらに、工事生産をサービス化しそのスキーム自体を売ろうとしています。

製造業は、製品を売ったら終わりの従来のビジネスモデルから、センサーやビッグデータ分析を駆使したアフターサービスで付加価値を高める新しいビジネスモデルにシフトしていくと考えられています。ちなみに、GEは、IT企業と連携してビッグデータ分析をしてきた従来の方針を転換し、ソフトウェア会社を設立して、ビッグデータ分析ソフトを自社開発しました。他の企業に、IT企業としてこのソフトウェアを提供し、クラウドサービスを販売するというビジネスも始めているのです。

 

これって農業や物流でも似たような流れになっていて、IoTやビックデータ、データアナリティクスなどの活用によって、生産性の向上、付加価値の向上、サービス日が注目されています。

例えば、農業だとこんな事例があります。

「農業IoT」が日本の農業を変革。栽培状況をクラウド管理は常識に:次世代農業EXPO – Engadget Japanese

 

物流はこんな感じ。

「IoT」は今後、サプライチェーンや物流業界に約226兆円規模の利益をもたらす|DHLジャパン株式会社のプレスリリース

こうやってどんどんICTがビジネスに直接関わっていく比率が、全体のトレンドとして増えています。

 

国家戦略として取り組むドイツとアメリカ

ではなぜ、インダストリー4.0と言う言葉が注目されているのかといえば、ドイツやアメリカなど国家が率先して製造業をレベルアップさせようとしているからです。

日本も製造業の比率は非常に高いのですが、どうやら国家戦略と言う意味では遅れをとっているようです。本書の中でもグローバルスタンダードができつつあり、日本は高い技術力を生かし、グローバル標準に乗って行こうと述べられています。

これからグーグルをすぐに日本独自で作ることができるでしょうか。かなり難しいです。同じように、「日本が独自にやるぞ」と始めても、質量とも大きくなっている世界のテクノロジーは待っていてはくれません。中央図書館だけでやろうとしてもうまくいかないのです。  それならば、日本の得意とするものづくりの技術をもって、世界ネットワークができつつあるプラットフォームに謙虚な気持ちで乗っていく。これが得策じゃないでしょうか。

 

ドイツの戦略で感心したのは、中小企業の底上げをインダストリー4.0で狙っていることです。ドイツも中小企業の比率が多くなっており、全体の底上げによって生産性を向上させることが必要になっています。そういう意味で、国家が主導して製造業をレベルアップさせていくのは非常に効果的な気がします。

「ドイツの企業は、ほとんどが中小企業です」と聞くと意外に思われるかもしれません。  自動車メーカーのダイムラー、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、自動車部品のボッシュ、発電、医療、ファクトリー・オートメーション(FA)で有名なシーメンス、ERPで世界トップのIT企業SAPなど、ドイツの大企業は、世界的に活躍し、日本でもよく知られています。  ところが中小企業数の全企業数に占める比率は99%。実は、ドイツは日本とよく似ていて、企業のほとんどが中小企業なのです。

 

いろいろ調べてみると、日本の製造業は海外投資の比率がドイツに比べて低かったり、利益率も低い状況にあるようです。

中小企業のうち輸出を行っている中小企業の比率は、ドイツが20%なのに対して、日本は3%です。次に、中小企業の中で対外直接投資を行う割合を確認します。ドイツの17%に対して、日本は0・3%にとどまっています。これは、製造業のグローバル化を受けてドイツの中小企業が海外との貿易取引や企業進出に積極的に取り組んできたことを表しています。

 

こうやって見ると、製造業は今後とても大きく変わっていくような予感しかありません。また、冒頭で述べたように様々な業種・業界が、今後ICTの活用によってこれまでのビジネスを大きく変えていくのでしょう。それはすでにグローバルレベルで変化しています。これを読まれている皆さんも、自分がいる業界がICTによってこれから大きく変わっていくことになるはずです。

と言うわけで、インダストリー4.0の概況を知りたい方はぜひこの本を読んでみてください。

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参考;政府は製造業に興味無し!?インダストリー4.0予算ゼロの実態 | 山田太郎

なぜIT業界が「稼げない業界」になってしまっているのか

経産省がIT業界の人材に関する報告書を発表しており、非常に興味深い内容になっていました。

特にそれがTogetterにまとめられ、「IT業界は本当ダメだな」という感想が多く寄せられており、なんとも言いようがない状況であることがわかります。

「情報システム産業では、2000年代後半から協力会社を中心として労働環境の悪化が相次ぎ受託開発ビジネスの限界に直面。丸投げ委託、多重下請けと人月ビジネスの横行等により、業界全体の魅力が低下した」という経済産業省の産業構造審議会の公式見解について – Togetterまとめ

確かにITゼネコンとかIT土方という言葉が生まれており、あまり環境が良くないと言われています。なんでこう言う状況になってしまったのでしょうか?

幾つかポイントがあると思うのですが、個人的に考えられる要素を並べておこうと思います。

 

IT業界を取り巻く負のサイクル

そのうちの一つは、日本の経営者におけるIT活用に対する興味のポイントです。経産省の資料に示されているのですが、日本の経営者は、極論をいえば「費用削減の手段」としてしかITを見ておらず、それが新しい付加価値を生み出す、収益を生み出すということの比重が小さいというのは、随分前から言われている話です。

IT1

で、業務合理化の手段としてITが活用されることになると、組織上にある傾向が生じてきます。それは、「業務の効率化=システムの導入が終了すると、IT人材は組織に不要になる」ということです。

それは、同じく経産省の資料に示されています。

IT2

ユーザ企業では、大規模なシステム投資は行うものの、あるプロジェクトが完了すると、システム系の業務がなくなるため、システム子会社など分社化するか、もともと外部から雇うなど、自社からIT人材はどんどんいなくなるのです。

また、「守りのIT」というのはどちらかというとチャレンジングな要素が技術的にも少ない傾向にあり、高い技術力が差別化になりづらい点も影響しているのではないかと推測します。

まとめると、以下のサイクルが発生しているのではないか、というのが僕の仮説です。

  • IT人材は一時的にはいるが、用が済んだら子会社化するなどして、社内にいなくなる
  • 社内にIT人材がいなくなった結果、次に必要になったときにはITベンダーに頼る比重が大きくなる
  • また、ユーザー企業が「枯れた技術」を好むため、ITベンダーの技術力はそれほど差別化要素にならない
  • ITベンダーがクライアントに対して引き受けなければいけない領域が広くなるため、差別化要素が低い技術領域をアウトソーシングする

 

でも、今後はこういう状況は変わってくるかな?

ただ、今後はメインビジネスの中にITが組み込まれることになるケースが増えていくんだろうと思っています。

例えば日本交通の社長だった川鍋さんは、2015年に社長から会長に退き、代わりというかJapanTaxiという情報サービス会社の社長に就任しています。

JapanTaxi株式会社(旧:日交データサービス)

UberなどIT技術の破壊力に危機感を抱き、このIT領域に非常に力を入れています。そのあたりは、以下の講演を見ると、よりわかると思います。

さらに、インダストリー4.0などITを使ったサービス化を実現する動きが製造業にみられています。コマツのコムトラックスが代表例としてよく挙げられますが、そういう動きも今後はもっと活発化していくのでしょう。

守りのITから攻めのITへ。そういう時代はもう来るんだと思っていますが、それがもっと盛り上がらないと、IT土方は量産され続けるんじゃないでしょうか。

今、これ読んでます。

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