Googleが新しいモバイル用広告フォーマットを発表

Googleが新しいモバイル用の広告フォーマットを発表したそうです。

AdSense がスマホ用追尾広告「モバイル アンカー広告」の提供を開始

内容自体は、モバイル画面の下部に広告を表示して、スクロールしても追尾してくるものです。少しだけ驚きなのは、Googleはこれまで追尾型の広告を否定していたはずで、自らそれを発表してきたことでした。

ただ、モバイル広告はまだまだ成長市場で、費用対効果を含めて手探りの状態です。Googleは今後も様々なフォーマットを試して、データを分析して効果を図ろうとしているに違いありません。

米広告市場でモバイル広告と動画が成長 – モバイルは倍以上の成長に | マイナビニュース

 

ちなみに、Googleは全インターネット広告市場の1/3のシェアを占めています。モバイル広告だけでみれば50%以上です。本当に、インターネット広告業界の巨人ですね。

世界モバイル広告市場シェア過半を占めるGoogle、2位はFacebook

なので、出稿する側も出稿される側も、こういう広告サイズ等のフォーマットについては、把握しておく必要があるでしょう。

オープンデータは政府や自治体だけのものではない

オープンデータというのが、中央省庁や自治体で注目されています。Googleトレンドでみても、一目瞭然です。

オープンデータのメリットは、データを持っている主体と開発する主体を分けることで、それぞれが得意分野に注目することができる点です。

オープンデータを提唱したティム・バーナーズ=リーが、政府に対してデータの公開を求めたことから、政府を中心にした公共機関へのオープンデータが着目されがちではありますが、「オープンデータ」という概念は政府だけが対象ではありません。民間企業でもデータをオープンにしていく流れが生まれています。

 

ローソンの「HackaLawson 2013」

HackaLawson (ハッカローソン) 2013|ローソン
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ローソンが持っているデータやAPI、キャラクターの利用を公開し、アプリを作成する取り組みです。テーマに「ソーシャルチェンジ」を掲げていて、自社では生み出せない価値を創出したり、社会への貢献を企業単独ではなく外部と恊働することに、この取り組みの意義を見出しています。

ニュース – ローソン主催のハッカソン、ユーザー視点の「ソーシャルチェンジ」アプリが続々:ITpro

【ハッカソン編】コンビニ業界初!ローソン主催ハッカソン「HackaLawson 2013」開催【@aco220】 | TechWave

ハッカソンの波が企業にまで。ローソンがハッカソンでソーシャルチェンジ。 【in the looop】

 

リクルートの「ReHack」

ReHack | まだ、どこにもないものをつくる。リクルートのハッカソンイベント
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リクルートのハッカソンイベント。

リクルートの事業課題を解決せよ。- ハッカソン「ReHack(リハック)」で生まれた、世の中を変える9つの種 | U-NOTE【ユーノート】

 

ホンダの「インターナビ・フローティングシステム」

Honda│internavi│フローティングカーシステムとは
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フローティングカーシステムとは、日本中のインターナビ装着車の走行データ(フローティングカーデータ)を集め、ルート案内などに活かすシステムです。

ホンダが蓄積しているデータは、道路行政にも利用されています。(上記HPに道路行政への活用の説明動画があります。ぜひ見てください。)

 

プラットフォーム化する企業

データを提供し、いろんな人にデータを利用し、自社の取り組みに参画してもらうということは、自社をプラットフォーム化していく、ということです。多くの人に参画してもらいやすい仕組みを作る必要があります。

一方で、上記のような事例を見て考えるのは、民間企業がオープンデータを行うためには、「公共性を感じる」ものが必要なのかな、という気がします。公共性を感じさせることで、データを利用する意義を設け、いろんな人が参加する意義を見出しやすいと思うのです。

ただ、公共性だけでは持続が難しい、モチベーションを創発し続けることも難しい、という面もあります。つまり、大きな収益や事業インパクトを与えるようなところに結びつけることが、「公共性を感じる」面と相反するのではないかという気がするのです。

 

要は何を目的とするのか、ということなのですが、「CSRの一環」と捉えれば、ローソンのように公共性を前面に出すことが、企業のブランドを向上させるでしょう。こういう形のCSRが今後増えると思いますし、IT系のデザイナーやプログラマーは、新しい社会貢献や事業収益の機会が与えられるでしょう。

今日はこのへんで。

電子書籍サービスの囲い込み戦略を考える

電子書籍サービスのうち、楽天のKoboが割引たくさんやっているので、お買い得ですよって話を書きました。ただ、こうやって割引をたくさんやっていった先に何があるんでしょうか。Koboは、ちゃんと顧客を囲い込んでいけるんでしょうか。

そもそも電子書籍といっても、同じ書籍なので、どこで買っても同じ内容です。そうであれば、スイッチングコストはとても低い気がします。2台持ちとかすればいいじゃん、ってことですね。

ただ、王者Kindleはそのあたりをよく考えていて、囲い込みを強化する策をどんどん打っています。

 

Kindleの顧客囲い込みサービス

Kindle端末で月1冊無料で電子書籍を読める

Amazon.co.jp: Kindleオーナー ライブラリー
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Amazonプライム会員でKindle端末を持っているユーザーは、月に1冊、電子書籍を無料で読むことができます。品揃えがアレなのが欠点ではありますが、Kindle端末を持つ理由にはなります。端末を買って、ロックインしようとしてるんですね。

 

紙の書籍を買うと、同じ本の電子書籍を格安で買える

Amazon.com: Kindle MatchBook
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今のところアメリカ限定サービスですが、Amazonで紙の本を買うと、同じ本の電子版を格安で入手できるというサービスです。過去の本にも適用される、ということで、ますますKindleへの依存を高めようということです。

 

文字だけでなく、音声でも「読む」ことができる

Whispersync For Voice
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アメリカではオーディオブックが普及していて、AmazonはAudibleというオーディオブックサービスを昔買収しています。で、Kindleを使うと、文字と音声を同期して、シチュエーションに合わせてどちらも「読む」ことができます。移動中はオーディオブックで、室内になったら文字で、といった感じで。

 

電子書籍はこれから成長する市場

書籍の市場でみると、日本の電子書籍比率は8%という数字があります。先行しているアメリカは20%程度であり、今後は50%までいくだろうと言われているようです。

つぎの業界的な関心はいつ電子書籍の売上構成比が50%を超えるか、つまりプリント版の出荷を電子書籍が超えるのはいつかということであろう。これに関して、米国の大手のコンサルティング会社であるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が2013年6月に“2017年に電子書籍がプリント版書籍を逆転”するという予測を発表している。日本が米国から3年遅れで進行していると考えると、日本で50%、つまり4000億円規模(書籍市場規模が今年の規模を維持した場合)に到達するのは2020年ごろといえるかもしれない。

書籍全体に占める電子書籍の割合は約8%に−米国市場動向と比較しながら今後を見る | OnDeck

なので、電子書籍サービスはまだまだ成長していくはずです。そして、ここでシェアを勝ち取って勢いに乗らないと、競争がもっと激化したときに耐えられる体力がないかもしれません。

Kindleはリーダー的位置づけなので、割引に積極的に参戦するよりも、上記に挙げたような差別化・付加価値向上の取り組みが王道ですし、Amazonらしいいろんな複合サービスが今後も登場するんだと思います。

挑戦者であるKoboは、今はシェアを勝ち取るフェーズなのだと思いますが、市場の成長が鈍化し成熟したときに、電子書籍を割安で販売するのではなく、プラットフォームとしてサービスを複合的に組み合せることで囲い込みを強化するような、違うアプローチが必要になるんじゃないでしょうかね。

 

というわけで、僕はKindleをうまく利用しつつ、安く買えるKoboをメインにするという戦略を、しばらくは続けようと思います。

今日はこのへんで。

セマンティックウェブによるウェブ世界の未来

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photo credit: Stuck in Customs via photopin cc

今後のウェブはどうなっていくんでしょうか。

最近、やたらと「セマンティックウェブ」という言葉を見るようになりました。他にも、関連して「リッチスニペット」とか「schema.org」などの言葉も。これらは、ウェブの新しい流れです。

 

セマンティックウェブとは?

セマンティックWebとは「情報リソースに意味を付与することで、人を介さずに、コンピュータが自律的に処理できるようにするための技術」のこと。そのためには「メタデータ」と呼ばれるデータを識別するための情報と、「オントロジー」と呼ばれる標準化された分類体系が必要となる。

Facebook Open Graph ProtocolとセマンティックWebの進化を探る:In the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ

簡単にいえば、ウェブにあるあらゆる情報を「データベース化」して、機械でも理解できるようにしよう、ということです。(具体的な例は、上記リンクを読むと良いです。)

これまでは、例えばGoogleで検索するにしても、人間が検索ワードを想像して入力して、その検索結果から有益そうな情報を判断してきました。ウェブ上にある情報も、載せる人によってそれぞれ意味は違っていて、バラバラな情報だったのです。

しかし、セマンティックウェブの世界では、ウェブ上にある情報について、具体的に意味を持った検索を行うことができるようになります。

参考:
セマンティック技術と検索エンジンの進化、SEOへの影響 | SEO Japan
検索3社が協力してセマンティックウェブを促進、schema.orgイニシアティブを発表::SEM R (#SEMR)

 

進んでいくウェブの標準化

セマンティックウェブによって、「オントロジー」と呼ばれる標準化体系が整備されようとしています。また、同じ流れとして、HTML5が今後普及していきます。

HTML5とセマンティックウェブの関係は、以下の記事が詳しいです。
HTML5が引き寄せる近未来を、9つの「○○ウェブ」で理解する。(後編) – ZDNet Japan

これによって、ウェブの世界は一層標準化が進んでいます。データの意味の持たせ方、それを読み取るブラウザの仕様など、いろんな変化が生まれています。その一方で、IEに代表されるように、レガシーな仕様は捨てられていく運命にあります。

 

これからのウェブの世界は、もっと標準化されていき、機械が判断できる幅を増やそうとしています。結果として、それが人間にとってもっと便利で、効率的に情報を扱うことができるようになるからです。

 

オープンデータとセマンティックウェブ

セマンティックウェブは、データを共通項目で構造化することで、多くの人に共通で理解できるようにしよう、という意味合いがあります。今、流行ワードであるオープンデータにも、少なからずこの構造化データは関連があります。

このLinkDataのように、オープンデータを構造化して、広く利用できるようにする取り組みがあります。

オープンデータをつなげて共有しよう|オープンデータ共有&ダウンロード|LinkData
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これによって、様々な組織・団体がデータをオープン化し、共通な意味合いを持たせることで、利用する側の利便性が大きく向上する、というわけです。

 

というわけで、「情報の意味」が共通化される、というのは大きなトレンドとして進んでいきます。企業のウェブサイトだろうが、個人のブログだろうが求められますし、オープンデータのような「データそのもの」にも構造化して意味付けする取り組みが必要になる、ということです。

お買い得だから、KindleじゃなくてKoboで電子書籍を買おう

kobo_vs_kindle
photo credit: neeravbhatt via photopin cc

電子書籍サービスは、何を利用していますか。

僕はKindleから入りましたが、今のメインはKoboです。なぜなら、Koboはクーポンを配りまくっていて、いろんな電子書籍を安く購入できるからです。金額の面から考えれば、Kobo一択だと思っています。

Koboはなぜ安く購入できるのか

本当の理由は楽天に聞いてみないとわかりませんが、僕には20~30%Offのクーポン券がバンバン送られてきます。サイトに行っても、しょっちゅう割引しています。なんでこんなことをしているか、というのにはいくつかありますが、前提としては、次の3つが大きいと思います。

  • 電子書籍市場は今後も成長する
  • 電子書籍サービスは囲い込みのビジネスモデル
  • 楽天Koboの立ち位置

ひとつずつみていきましょう。

電子書籍市場は今後も成長する

以下の記事に書いてありますが、電子書籍市場は、今後5年間でみると、年平均成長率が20%を超えています。すごい成長市場です。

ソーシャルゲームと電子書籍市場が拡大へ–2018年予測 – ZDNet Japan

電子書籍サービスは囲い込みのビジネスモデル

今のところ、各社の電子書籍サービスは基本的に囲い込みです。他社で買った電子書籍を、別の電子書籍端末やアプリで読むことはできません。今は初期なのであまりたくさん買う人も少ないので、他社へのスイッチングコストが低いですが、長く利用すると、どんどん囲い込まれて、他社から買うのが面倒になる可能性があります。

楽天Koboの立ち位置

どのデータもやや怪しいところではあるのですが、楽天KoboはAmazon Kindleに大きな溝を開けられていると思われます。国内シェアでみれば、Kindle40%、楽天Koboは7%程度です。

電子書籍の世界シェアは Amazon Kindleが55% 楽天 koboが20% : キジトラ速報

これらを考慮すると、成長市場においてマーケットシェアを早期に拡大する戦略をとっているため、楽天Koboは割引によってどんどん安く販売しているのだと推測できます。

まだあります。この記事に詳しく書いてありますが、楽天とAmazonでは利益のポイントや占める割合が違うため、価格を下げたときのインパクトが違う、という観点です。Kindleを疲弊させるためにKoboはどんどん割引を行っていて、Amazonは仕方なく追随して顧客の流出を回避する行動に迫られています。「きんどう」をフォローしていると、「Kobo追撃!」のセール情報がたくさんやってきますから。

Kobo追撃!コミック1巻50%還元セール「蒼き鋼のアルペジオ」「のんのんびより」「動物のお医者さん」「海街diary」「デトロイト・メタル・シティ」「銀の匙」ほか! | きんどるどうでしょう

いやーこういう攻防って、本当面白いですよね。

実際にKoboを使ってみてどうか

Koboはメールでクーポンを送ってきます。20~40%というのが多い感じです。クーポンの利用期間は限定されていますが、期限が切れるとまた送ってくるので、結果的に途切れないですね。このあたりは、CRMによって分けているとすると、人によって違うのかもしれません。

また、Koboのクーポンには、こういうサイトも登場しています。

WM×LI: 楽天koboイーブックストアで使えるクーポン一覧

単純なクーポンなので、知ってしまえばどんな人でも使える、というわけです。恐らく、こういうことも折り込み済みというか、承知の上でクーポンを配っているんだと思いますが。

アプリに関しては、iPhoneアプリを使っていますが、使い勝手は正直改善の余地有りです。ハイライトや辞書を使うときに文字選択するのですが、この誤差が大きい。使いづらい。それ以外は、少し挙動が重い以外はあまり不満があるわけでもないですが。

以上から、最近はもっぱら和書はKoboを利用しています。Kindleは、洋書のラインアップが豊富なのと、Instapaperとの連携など、Kindleで買った電子書籍以外の文書などを読むことができるので、洋書とその他文書用になっています。

Koboも端末が充実してきたし、ここらで買おうかなーと思う今日このごろです。

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価格:7,980円(税込、送料込)

広報担当者が様々なコミュニケーションツールを使いこなせなければいけない理由

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photo credit: laffy4k via photopin cc

現在「USERS」という本を読んでいるのですが、これを読んで、コミュニケーションの在り方というものがまた大きく変わっているんだなーと思いました。この記事では、いかに変化していて、企業はどういう対応が必要かという点を考えたいと思います。

コミュニケーションツールの発展

コミュニケーションという観点でいえば、昔は伝令などを通じた手紙から始まり、1876年に電話が開発されました。その後、IT革命が起こってメールがコミュニケーションの主要な手段になりました。

IT革命では、音声も含めて全ての情報はIT機器上のアプリケーションとして取り扱われることになりました。これによって、コミュニケーションツールは機器などの物理的な制約から解放されて、多様化していきます。メール以外にもチャットやSNSなど、新しいコミュニケーションの形が登場し、普及していきました。

 

Facebookの存在

SNSでみると、勃興期にはいくつかのSNSが注目されては消えていきました。世界的に広く普及したのは後発組のFacebookでした。Facebookは、ユーザーが書き込みや写真のアップロードなどを行いやすく、かつ友人の状況を効果的に確認できるものとして、汎用的なコミュニケーションツールの存在を獲得していきます。進化の過程で、メッセージ機能やタイムラインなど様々なコミュニケーション方法を吸収・統合していきました。

ちなみに、Facebookは2004年にサービスが開始され、2013年8月時点のFacebookのアクティブユーザー数は、全世界で11.1億人、日本では2200万人です。

ニュース – アジア各国のFacebook推定ユーザー数を発表、日本は2000万人を突破し5位:ITpro

Facebookは、劇的に人々のコミュニケーションコストを低下させた、という意味で非常に大きな存在だと思います。

 

新しいコミュニケーションの台頭

Facebookの普及から後を追うように、日本では2011年にLINEが登場しました。そして、日本をはじめアジアで急速に拡大しています。つい最近登録ユーザーが3億人を超えました。

【LINE】LINE、登録ユーザー数が世界3億人を突破

LINEの普及には目を見張るものがあります。Facebookとの関係にも興味がありますが、共存できるものなのでしょうか。

最近、元TechWave編集長・湯川鶴章氏のメルマガで、興味深い考察を読みました。一部引用させていただくと、

もし本当に10代のFacebook離れが進んでいるのであれば、世界の10代は今、どのようなサービスを利用し始めたのだろうか。globalwebindexによると、1-3月期から7-9月期までで中国を除く世界各地で最も10代のアクティブユーザーが増えたのはWeChatだった。同期間中に1021%も伸びている。中国以外の地域のユーザーに対する質問にもかかわらず、中国のメッセージングアプリWeChatが伸びていることろが興味深い。 あとは、Twitter社の写真アプリVineが639%の伸び、Flickr、Skype、Facebookメッセンジャーなどのモバイルアプリもユーザー数を伸ばしている。

ついに若者がFacebook離れ?時代が再び動き始めたか – 湯川鶴章メルマガ ITの次に見える未来 – BLOGOS(ブロゴス)メルマガ

というように、様々なコミュニケーションに関するサービスが登場してきています。全てがFacebookに置き換わるもの、というわけではありませんが、Facebookという巨大で汎用的な存在以外にも、コミュニケーションに多様性が生まれ続けているということです。

 

企業と顧客のコミュニケーションの変化

これまで、企業と顧客(あるいは顧客見込み)とのコミュニケーションは、広告などほとんどが一方的でした。しかし、上記でみてきたように、IT革命によって様々なコミュニケーション方法が生まれ、そして広く普及してきています。企業からみれば、これらの手段を駆使して、もっと顧客とコミュニケーションをとりたいと思うでしょうし、ユーザー側も便利なツールによって企業に言うことを聞いて欲しいとか、企業から効果的に情報を引き出したいと思うようになっています。

企業によるFacebookページなどが流行っているのは、そういう流れから来ているんですね。ただ、うまく運用できるとは限りませんが。

 

これからの企業と顧客のコミュニケーションの在り方

「USERS」のメインテーマでもありますが、顧客だけでなく、その周辺にいる「ユーザー」とコミュニケーションを円滑にとることが必要になってきています。

「USERS」で書かれているのは、「デジタル・コア」という考え方です。これは、コミュニケーションプラットフォームを社内に構築することで、例えば社員がユーザーとコミュニケーションを簡単に取れるようにするためのものです。企業のFacebookページのように、企業と一般ユーザーと広くコミュニケーションできるものが該当します。

そして、今も昔も変わらない原始的なルールとして「顧客の問題を解決する」という点が重要です。つまり、ユーザーは問題を抱えていて、新しいコミュニケーション方法によって企業に解決を求めてきます。それを、情報提供やユーザーの手間削減など、いくつかのアプローチから、ユーザーの問題を解決する必要がある、ということです。

 

まとめ

  • コミュニケーションコストは一層低下しているし、コミュニケーション方法は多様化している
  • ユーザーは新しく登場するコミュニケーションツールを使いこなしている
  • 企業は、ユーザーが利用しているコミュニケーション方法を駆使して、ユーザーの問題を解決する必要がある
  • 企業は、複数のコミュニケーションツールを統合して、統一したコミュニケーションを行う必要がある

今であれば、学生にアプローチしたければLINEは必須でしょうし、少し年齢が高ければFacebook、Twitterなど、いろんなツールに合わせてコミュニケーションを図ったり、ブログなどで積極的にユーザーが役立つ情報を提供することが重要です。

 

書いてみると至極当たり前な結論になってしまいました。ただ、こういうツールが流行るばかりで、企業はうまく使いこなせていないと言われています。その理由は結構シンプルだと思っていて、「ユーザーの問題を解決していない」からだと思います。なので、こういう話になるんじゃないか、と。

発信するのがソーシャルと思ってるダメダメ運用が多すぎる | More Access! More Fun!

想定したユーザーがいないのであれば、無理して流行りのサービスを使う必要もないと思うんですが。

いくつかのアプローチと事例が「USERS」には書いてありますので、興味があればぜひ手に取って読んでみてください。

Chromeが重いと感じたら、拡張機能「The Great Suspender」を試そう

僕はChrome愛用者ですが、Chromeって重くないですか?

Chromeはタブひとつひとつが独立していることがメリットではありますが、そのせいで、タブを開きすぎたりず、ずっとタブを開きっぱなしにすると、メモリを大量に消費してしまいます。PCスペックにもよりますが、とても重くなってしまったりするものです。

何とかならないものかと思っていましたが、「The Great Suspender」という拡張機能を導入することで、あまり不便さを感じることなくメモリ消費を抑えることができるようになりました。

 

非アクティブになったタブを自動で停止する

「The Great Suspender」は、予め設定した時間に基づき、非アクティブになったタブを自動で停止します。こうすることによって、無駄に消費するメモリを抑えてくれます。

停止されたタブは、以下のように表示されます。「click to reload」で再読み込みするか、基本的に停止しないようにするには「add to whitelist」を選びます。

suspend

もう一度アクティブにするときには「click to reload」を押すなど、リロードする手間が発生しますが、PC全体がスムーズに使えるようになるというメリットに比べれば、僕は問題ありません。

一応、設定で「タブをアクティブにしたら自動でリロードする」ということもできます。個人的には、自動でリロードされるのもちょっと煩わしいので、設定していませんが。(以下の設定画面の、「Automatically unsupend when tab gains focus」が該当します。)

the_great_suspender_settings

Chromeの重さに悩む人はお試しください。ダウンロードはこちらから。

Chrome ウェブストア – The Great Suspender

就活生のための時間・タスク管理入門

todolist
photo credit: Great Beyond via photopin cc

そろそろ就職活動が本格化する時期ですが、今日はタスク管理の方法について考えようと思います。僕は、タスク管理というものを大学生の頃から意識するようになりました。それからいろんな変遷を経て、今に至っています。その内容をここで纏めようと思います。

 

「費用対効果」を意識する

就職活動あたりから、真剣にタスクを管理しないとまずいなと思い始めました。それまでは時間が無限にあるかのように生活していましたが、大学・アルバイトもあり、自分のキャパシティが一度限界を迎えようとしていたのだと思います。

ここで考えるべきは、時間の使い方なわけですが、単に「効率良くやろう」では続きません。明確な目的がないと飽きたり疲れたりしちゃうんですね。なので、費用対効果を意識するようにします。

いろんな作業について、「これにこれだけかける時間の価値はあるだろうか」ということを考えるようになりました。自分が得られるメリットに対して、時間があまりにもかかる場合は、思い切ってやめたりするようになったのです。そうすると、「何のためにこれをやっているのか」ということも意識するようになります。目的がクリアになると、少ししんどいことでも頑張ろうと思えるもんです。

時間は平等で有限です。社会人になるともっと忙しくなると思います。時間をどう使うか、何のために時間を使うのか、ということを意識して欲しいものです。

 

心理的に安定してモチベーションを高めることが重要

自分の反省なのですが、なんか「頑張って早くやろう」とか「きっちり時間決めてやろう」とか思って、できるだけ時間を有効に使おうと思って、無駄に急いでいたり、予定をびっしり詰めるみたいなことをやっている時期がありました。

ただ、そんなことをやっても続かないんですね。どこかで自分が疲れてしまう。そこで気づいたのは、体や気持ちが安定していないと、ちゃんと成果が出ないし、体や気持ちを安定させるためには、適度なリフレッシュや休憩が必要だということです。

自分にどんどん苦行を課して頑張らせても、ちっとも楽しくありません。自分のパフォーマンスを高く保つためには、自分の頑張るラインを見極めたり、心理的な状態を客観的に見れることが重要だと思っています。「ああ、疲れてきてるな」とか「精神的に余裕がなくなっているな」とか。そういうサインを自覚したら、積極的に休むようにしました。

自分ができるだけ楽しみながら、パフォーマンスを高めていくことが、時間を有効に使うことにもつながるのだと思います。

 

細かいテクニック論に陥らない

ネット社会の昨今、いろいろタスク管理とか時間の使い方に関する方法論が溢れています。自分もいろいろ試したりしました。

  • GTDをメールで実践してみたり
  • Excelでタスクを管理してみたり
  • 自分の作業時間を計測してみたり
  • ポモドーロ法でタスク時間をコントロールしてみたり

など、いろいろやってみました。正直、今でもやっていることはあまりありません。GTDをベースにしつつ、ゆるく自分のタスクを管理しているぐらいです。でも、それで良いと思っています。何かを試して、しっくりこなければやめる。良くなりそうならまた試す。その繰り返しです。完璧な方法なんてないですし、自分に合ったものがあると思います。また、時間とともに自分の考え方ややり方も変わるのが当然でしょう。

ということで、細かいテクニックなどはどうでも良いとは言いませんが、固執しすぎるのは良くないと思います。

 

参考本

はじめてのGTD

「タスク管理」を手法として認識したきっかけは、「GTD(Get Thinds Done)」でした。デビット・アレンという人が唱えたタスク管理手法で、IT時代に適した内容でした。今でも考え方のベースはここにあります。

 

今日はこのへんで。

Jリーグは2ステージ制じゃなくてもいいけど、プレーオフが必要

Old School Football
photo credit: Oddgeir Hvidsten via photopin cc

Jリーグ2部制+プレーオフ導入を決定して、いろいろ議論を呼びました。少し前に、なぜ2ステージ制にするのか、という記事をこのブログでも書いています。

Jリーグはなぜ2ステージ制に移行するのか? | Synapse Diary

Jリーグでは、プレーオフ制度の欠陥が指摘されていましたが、いよいよ2部制+プレーオフの内容が固まってきたようです。

年間13位が優勝することも。これでいいのかJリーグの新ポストシーズン | フットボールチャンネル

「わかりづらい」「シンプルじゃない」「ヨーロッパなど主要リーグは1リーグ制」などいろいろ議論がありますが、プレーオフを導入するシンプルな理由として、「プレーオフは儲かる」という点があると思います。

 

ヨーロッパのチャンピオンズリーグはとても儲かる

ヨーロッパでは「チャンピオンズリーグ」という存在が大きいです。それは、この本を読んで強く思いました。

この本では、チャンピオンズリーグの発展の歴史が描かれているのですが、サッカー最高峰と言われる通り、有名クラブ・有名選手が一同に会して戦う場になっており、興行的にも出場するだけで非常に大きな収益を得られます。

Wikipediaによると、優勝クラブは賞金合計で3600万ユーロぐらいもらえるそうです。さらに、国の広告やテレビ放映権料の分配が加わります。

UEFAチャンピオンズリーグ – Wikipedia

各サッカークラブの収益金額をみてみると、一番稼いでいるレアル・マドリーで6.5億ドル。10位のリヴァプールで約3億ドルです。

スポーツチームの資産価値順リスト – Wikipedia

つまり、1位のレアル・マドリーですらCLで1位になれば年間収益の5%ぐらいを稼ぐことができるし、10位のリバプールになると10%以上です。それ以下のチームはいかほどクラブにお金をもたらすことができるんでしょう、ということです。

なので、ヨーロッパの主要リーグは事実上、自国で1リーグ制+チャンピオンズリーグによるプレーオフ、を行っているということです。

ちなみになんですが、今年の夏に本田圭佑の移籍話が出て見送りになりましたが、これにもCLの時期を控えていたからではないか、という話もあります。まあ、ここらへんは憶測の域を出ないわけですが。

CSKAモスクワが本田圭佑を移籍させないのも当然だと思えてしまうUEFAチャンピオンズリーグの賞金額事情 | サッカーコラム速報でろブロ

 

JリーグにおけるACLの位置づけ

ヨーロッパのチャンピオンズリーグと同じような位置にあるのが、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)です。アジア版ですね。いろいろ理由はあると言われていますが、ACLは儲からないし、過密日程で選手が疲弊する、というのでJリーグからみればメリットがほとんどない気がします。

今年出場するのはリーグ優勝したサンフレッチェ広島、2位ベガルタ仙台、3位浦和レッズ、そして天皇杯を制した柏レイソル。この4クラブに対し、JFAとJリーグはまず財政面でアウェー遠征の渡航費に対する支援を決定した。昨年までの財政支援(渡航費の全額負担)は準々決勝以降にとどまっていたが、今年はグループリーグ(以下GL)から決勝トーナメント1回戦までJリーグがその80%を負担することになった。準々決勝以降は50%となるが、それとは別枠でJFAが強化費として勝ち上がるたびにボーナスを支払うという。クラブ側にかかる財政面の負担を軽減することで、資金を別の部分に回せるようにしたのだ。さらに言えば、賞金を含めて勝てば獲得できる収益を増やすことでクラブのモチベーションを上げる狙いもあるようだ。

二宮寿朗「ACLを奪還せよ!」 | FOOTBALL STANDARD | 現代スポーツ | 現代ビジネス [講談社]

これを読む限り、資金面でメリットになりうるほど大きくはない。ACLの賞金に関するソースがこれぐらいしか見当たらなかったのですが、優勝賞金が1.2億円ぐらいのようです。

ACLの賞金が安すぎwww こりゃやる気も出ないわなwww – サカ豚ニュース

ちなみに、Jリーグは2012年でみると浦和レッズの営業収益が53億円ぐらいです。だいたいJ1常連チームは30~40億円ぐらい。1.2億円ぐらいだとすると、営業収益の3%ぐらいでしょうか。

ただ、Jリーグも手をこまねいているわけではなくて、遠征費用などを補助することで、結果的に賞金総額を上げてJリーグクラブのモチベーションを上げようとしているようです。

【ACL奪還へ!総額最大1,2億円ボーナス・でも気になる大気汚染(ACLグループマッチスケジュール詳細)】 | GO’S Heaven’s Doorsoccer | スポーツナビ+

 

というわけで、ACLがドル箱であれば良いのですが、欧州CLと同じとはいかないようです。そうなると、結局「自分たちで国内でプレーオフを作るしかないのでは?」というのが今日の結論です。

なので、2ステージ制が良いかと言われると確かに気持ち悪いのですが、野球もセ・パ分かれていてプレーオフをやっているので、同じフォーマットならどうか、とか、ひとまずプレーオフを国内で行う必要がある、ということですね。

今日はこのへんで。

ビジネスマンのための「行動観察」入門

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photo credit: juhansonin via photopin cc

ビッグデータが新しい課題解決アプローチとしてビジネス上注目されていますが、課題解決アプローチはそれだけではありません。

「行動観察」というアプローチは、データ分析や論理的に考えるだけではなく、新しい発想によって課題を解決するためのひとつの方法です。IDEOというデザインコンサルタント会社が、行動観察によって問題を解決する手法をとっています。

地下鉄の自販機の売り上げをアップさせた、IDEOのユニークな行動観察調査手法 – Feel Like A Fallinstar

そして、行動観察をより理解するための一冊が本書です。

行動観察は仮説をつくるために行うもの

本書は行動観察のエキスパートが書かれた体験と、それを裏付けする理論やアプローチを説明するものです。行動観察というのが、なぜ注目に値するアプローチなのかは、この言葉から理解することができます。

では、なぜ行動観察という手法が注目されているのか?その理由は「経験を科学すること」が重要になっているからだ。

「経験を科学する」という表現が何となくピンときづらいかもしれませんが、行動観察は、人間が何となくやる行動をつぶさに観察することで、その理由や背景、解決策などの仮説を導くことを目的とします。単純に行動を観察して何かヒントを得よう、というだけではなく、行動を観察して得られた結果と、認知心理学や社会心理学などの知識を組み合わせて、「この行動を人々がとる理由はこうで、もっと良くするためにはこうすれば解決するはずだ」という仮説を組み立てることに、行動観察の目的があるわけです。

そこで必要なのは、人々の行動を「ストーリー」として捉える力です。「なぜ、この人はこういう行動をとるのか」ということを、理由や背景などを合わせてストーリーとして構築する力が求められます。

 

ビッグデータとはある意味対極的な課題解決手法

ビッグデータは、全量データを分析することで、因果関係ではなく相関関係で答えを導くことができると言われています。「なぜ起こるのか」を考えなくても、「実際起こっている」という関係性が導ければ良いという考えもできます。

一方で行動観察というのは、人が実際に行動を観察するわけですから、おのずと観察データに限界があります。統計学でいえばほとんど有意にならないぐらいのデータでしょう。しかし、それでもひとつの有効な手法と考えることができます。

それは、「深く知ることで、仮説をつくる」からです。対象を深く知り、人間の想像力を高めて、洞察を得ることで、新しい何かを生み出すことができます。少ないデータから仮説を組み立て、課題解決を図ります。

ビッグデータを否定するものではありません。アプローチが異なる、ということと、それぞれに得意とする分野が違うということです。行動観察は、データ化しづらい領域(店舗での人の動き)などに向いているのだと思います。実際、本書で登場してくる例も、それが多いです。

 

実際に「行動を観察することで、問題が解決できるのか?」と思っていましたが、本書では、ひとつひとつのアプローチや、著者の実際の悩み、解決するまでのプロセスが細かく書かれているので、「行動観察とはこういうものだ」ということが、読書を通じて理解できると思います。

ということで、いろんなことを課題意識を持って観察すること、それをストーリーとして想像することが、新しい課題解決手法を生み出すきっかけになるでしょう。