セマンティックウェブによるウェブ世界の未来

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今後のウェブはどうなっていくんでしょうか。

最近、やたらと「セマンティックウェブ」という言葉を見るようになりました。他にも、関連して「リッチスニペット」とか「schema.org」などの言葉も。これらは、ウェブの新しい流れです。

 

セマンティックウェブとは?

セマンティックWebとは「情報リソースに意味を付与することで、人を介さずに、コンピュータが自律的に処理できるようにするための技術」のこと。そのためには「メタデータ」と呼ばれるデータを識別するための情報と、「オントロジー」と呼ばれる標準化された分類体系が必要となる。

Facebook Open Graph ProtocolとセマンティックWebの進化を探る:In the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ

簡単にいえば、ウェブにあるあらゆる情報を「データベース化」して、機械でも理解できるようにしよう、ということです。(具体的な例は、上記リンクを読むと良いです。)

これまでは、例えばGoogleで検索するにしても、人間が検索ワードを想像して入力して、その検索結果から有益そうな情報を判断してきました。ウェブ上にある情報も、載せる人によってそれぞれ意味は違っていて、バラバラな情報だったのです。

しかし、セマンティックウェブの世界では、ウェブ上にある情報について、具体的に意味を持った検索を行うことができるようになります。

参考:
セマンティック技術と検索エンジンの進化、SEOへの影響 | SEO Japan
検索3社が協力してセマンティックウェブを促進、schema.orgイニシアティブを発表::SEM R (#SEMR)

 

進んでいくウェブの標準化

セマンティックウェブによって、「オントロジー」と呼ばれる標準化体系が整備されようとしています。また、同じ流れとして、HTML5が今後普及していきます。

HTML5とセマンティックウェブの関係は、以下の記事が詳しいです。
HTML5が引き寄せる近未来を、9つの「○○ウェブ」で理解する。(後編) – ZDNet Japan

これによって、ウェブの世界は一層標準化が進んでいます。データの意味の持たせ方、それを読み取るブラウザの仕様など、いろんな変化が生まれています。その一方で、IEに代表されるように、レガシーな仕様は捨てられていく運命にあります。

 

これからのウェブの世界は、もっと標準化されていき、機械が判断できる幅を増やそうとしています。結果として、それが人間にとってもっと便利で、効率的に情報を扱うことができるようになるからです。

 

オープンデータとセマンティックウェブ

セマンティックウェブは、データを共通項目で構造化することで、多くの人に共通で理解できるようにしよう、という意味合いがあります。今、流行ワードであるオープンデータにも、少なからずこの構造化データは関連があります。

このLinkDataのように、オープンデータを構造化して、広く利用できるようにする取り組みがあります。

オープンデータをつなげて共有しよう|オープンデータ共有&ダウンロード|LinkData
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これによって、様々な組織・団体がデータをオープン化し、共通な意味合いを持たせることで、利用する側の利便性が大きく向上する、というわけです。

 

というわけで、「情報の意味」が共通化される、というのは大きなトレンドとして進んでいきます。企業のウェブサイトだろうが、個人のブログだろうが求められますし、オープンデータのような「データそのもの」にも構造化して意味付けする取り組みが必要になる、ということです。