「地域主権時代の自治体財務のあり方」で地方債の在り方を考える

【報告書】「地域主権時代の自治体財務のあり方―公的セクターの賃金生産性の向上」

自治体の地方債についての政策提言を読んだ。いろいろ興味深かったのでメモ。いくつか気になったポイントを挙げると、

  • 自治体は安全性の観点から固定金利が多いが、公的事業を行っている民間企業と比較すると、資金調達コストは高い傾向にある。これは、バブル崩壊以降の傾向。
  • 地方債の発行には国の同意が必要であり、地方債は自治体によって金利がほとんど変わらず、かつ国債の1~2%程度高い状態を維持している。これは地方債でありながら政府保証が組み込まれている状態と見ることができる。
  • より柔軟で、かつ低く資金を調達するためにも、事業それぞれに合わせたレベニュー債の導入や、CFOの設定による変動金利の導入、債権の短期間化、コマーシャルペーパーの活用など、資金調達コストを低減してく仕組みが自治体には求められる。

 

地方債の残高は未だ高止まりの状態であり、税収に対して債務が多いというアンバランスな傾向にある。一方で、公共財であるインフラの更新需要がちょうど今高まる時期でもあり、このままでは債務を圧縮するか、あるいはインフラなどの都市事業サービスが削られていくのか、という結果になる。

そういう状態に脱するためにも財政再建が必要であり、地方債の調達コストを下げることは必要な手立てのひとつなんだろう。

 

だけど、どうやったらこういう観点でのガバナンスを市民は求めていけば良いんだろう。というか、そもそも市民はここまで考えないよ。民間でも株式会社の場合、株主がチェックするし、その代わりとして監査役が置かれている。市民の場合、どうすれば良いんだろうか。「毎日生きるだけでも忙しいのに、そんなのみてらんないよ」というのがちょっとした本音だったり。そういうことを代理するためにオンブズマンなんかがいるのだろうし。

オバマ政権が誕生したときに話題になった、公約をチェックする「The Obameter」。久々に覗いたらまだ続いていたよ。こういうのはわかりやすいし、判断基準のひとつにはなる。情報の要点を捉え、わかりやすく伝達するスキルというのは、今後はもっと重要になっていくんだろうな。

 

論文の最後にも書いてあるけれど、間接金融から直接金融へシフトしていくことも、チェックを働かせるひとつの手段なのかもしれない。とりあえず、自分のお金と事業との関係性がもっとわかれば、関心を持つだろう。自分が市町村に払っている税金の額を把握することからスタートだな。。。。

クリエイティブな発想を養うために

¥ 1,200

今回のブレーンの特集は「アイデアが出る!習慣と発想法」。

たまにこういうクリエイティブ系の雑誌を読むと、この職種の人たちは本当に「新しい発想を生み出す」ことに心血を注いでいるような気分になる。(本当にそうかどうかは知らない。)

人の心に響くメッセージは何か。そのためにはどういう言葉で、どういう映像で、どういう音楽で伝えれば最も効果的なんだろうか、というのを複合的に組み上げていく。こう考えると、コンサルタントだって似たような職業なのかもしれない、と毎回思う。

 

で、クリエイティブな発想するためには、ロジカルシンキングだけではだめなんだろうな、と最近は痛感する。ロジカルシンキングには、何かを分析したり検証するにはとても効果的だけど、新しい発想を導き出すにはやはりちょっと向いていない。ロジカルだけでないアプローチも自分の引き出しとして備えておかないと、発想を求められたときにアイデアが出てこない。

 

最近は、「こういう問題があるんだけど、どうしたらいい?」という具体的な問題に対する解決策をひねり出すレベルから、「今後のことを考えた場合に、今何をやったらいい?」みたいな、そもそも課題を設定し、幅広い世界から多面的なアプローチを繰り出すような、問題のレベルが一段上がった話に取り組む機会が増えている。自分が階段を登っているからなんだろうか。

そういうときに、経験というのはとても力強い支えになるとともに、自分が経験したことなんて狭いフィールドだなとも痛感する。もっと知識を獲得しないといけないだろうし、もっと発想を柔らかくして、いろんな解決策やアプローチを提案できる人間になりたい。

 

これ、読み返そうかな。
これからの思考の教科書 酒井穣 | Synapse Diary

インプットしない時間をつくる

今年の目標のひとつに、インプットをしない時間をつくろうと思っている。できるだけアウトプットするでもなく、インプットするでもなく、「何となく考える」時間をちょっとずつつくろうかな、と。

 

そう思ったのも、ちきりんがライフハックのインタビューに答えてたことが印象的だったからだ。

みんな細切れの時間に携帯を使っていると思うんですが、電車を待つ時間、電車に乗っている時間、私にとってはそこが考える時間なんです。1日出かけて帰ってくると、なんだかんだ移動やら待ち時間やらで1時間ぐらいあると思うんですが、その時間に考えています。家じゃなくて外にいる、圧倒的に視野が広い時間なのに、その時間に携帯の画面にかぶりつきはないなと。
突撃! 隣のライフハックvol.15:ちきりんさんに聞くライフハック : ライフハッカー[日本版]

 

何かの本か忘れてしまったけど、何事に対しても「思考量」を増やさないといけない、という主旨のタイトルがあった気がして、それだけで「ああ、そうだな」と思ったことがある。クリエイターとかコピーライターとかコンサルみたいに「考えることが仕事」と思われてる職業って、あんまり時間感覚が想像されないけど、「考える時間」というのはとても重要で、集中して思考を深めたり、考える時間を増やすことで、いろんな発想を広げたり深めたりできるようになる。だから、いろんな物事に対して「考える量」を増やすことは、クリエイティビティを発揮するためにとても重要なことだ。

ただ、これに経験や知識など、個人が持っているバックグラウンドによって答えを出せる時間に大きな個人差が生まれるから、時間感覚が信用されないんだと思うけど。

 

もちろん本を読んでいるときも、考えながら読んでるから新しいアイデアが出てくるときも結構あるけど、やっぱり「何もしていないとき」に考えると、全く新しい発想だったり、「なんでこんな簡単なこと思い浮かばなかったんだろう」みたいなことがよく訪れるんだよね。不思議と。

今年は、そういう時間を意識的にもう少し大切にしたいと思っている。

地方行政に対してITができる5つのこと

電子行政なんていう単語が出てきてから、だいぶ行政の電子化は進んだんだろうか。地方行政は効率化され、多様なサービスが生まれ、活性化されたんだろうか。それでも、まだITには行政に対してできることがあるんじゃないかと思う。何ができるかを考えてみる。

 

行政CRM(Customer Relationship Management)

民間が顧客と長期的視点に立って関係を築くことを目指すのと同じように、行政が市民を顧客とみなして、効果的に情報やサービスを提供するための仕組み。結構昔からある概念なんだけど、如何せん横断的な情報連携がうまくできていなくて、所得が低い人に社会保障を手厚く、みたいな特定だったり、イベントに合わせてプッシュ型で情報を通知することがうまくできていない。今議論されている国民IDや番号制度が、現状打破のきっかけになると期待されている。

 

オープンガバメント

行政が積極的に情報を公開し、Webサービスなどで市民との双方向性を実現する。これによって、市民の声を政策に反映したりできるし、何より行政の透明性が向上する。日本だけの問題ではないけど、行政に対する漠然とした不信感みたいなのが募っている。それを打開するために、ITを駆使して行政の透明度を向上させることで、信頼性を高めることになる。

なにもCSVとかでデータ提供するだけがオープンガバメントじゃなくて、予算編成過程を詳細に公開するなど情報の公開度を高めたり、UstreamやYouTube、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアを活用して、マルチ・メディアで多様な情報を公開していくことが、オープンガバメントなんじゃないだろうか。

 

民間が利用できるプラットフォーム構築

震災でも、公共機関として、情報を集約したり信頼性を高める役割が求められた。Gov2.0のように、プラットフォーム化することで、民間の重複投資を避けたり、情報探索のコストを下げることができるようになる。

武雄市が最近始めた、Fun & Buyの取り組みも、ある種行政がプラットフォーム化することで、産業の初期投資を下げている。しかもこの場合、技術的にはフェイスブックに乗っかっているだけなんだから、技術ごとプラットフォーム化しなくても手段はたくさんあるんじゃないだろうか。

 

情報提供・データ分析

ビッグデータの波は、行政にも訪れるんじゃないか。行政が発表する統計情報などは、社会的に結構重要だったりすると思うわけで。市民の生活実態を正しく把握したり、それを民間が活用して新しいイノベーションを起こしたり、データが果たす役割というのはとても大きい。だけど、なかなか情報を取得するだけでも労力やコストがかかったりする。

道路にセンサーを取り付けて、センサーから送られてくるデータをサーバで分析して、効果的に劣化予測するとか、既に実現の域に達している。そうやって、いろんなところから情報を集めて、整理して公開したり、分析することに対してITが果たす役割は大きい。

 

電子投票

なかなか普及が進まない電子投票。少し前に導入する自治体が現れたんだけど、システムエラーで投票できなかったり、集計が行えないとかで、だいぶ空気が後退してしまった。しかし、iPadですぐに投票用紙を印刷するなど、いろんな工夫で投票の電子化・効率化は前進している。

iPads in Oregon Election a Success, Official Says

電子投票は、低迷が続く投票率向上の切り札として考える人もいるし、電子投票はIT技術の進展とともに、普及を迎えるタイミングが来ると信じている。

 

 

他にもネタあるかなー。まだまだ僕らの社会は変われる余地があるんじゃないだろうか。

都市および組織の意外な数学的法則

 

これは、都市事業に関する人たちは必見だろう。都市がどういう原理になっているかを、世界中の都市の統計データから法則として導き出している。

結論は至ってシンプルだ。人口が増えるに従って、インフラの利用効率も犯罪率も、あらゆる数値が15%ずつ増加していくのだ。つまり、人口が増えれば増えるほど都市として利用効率が上がっていくとともに、ネガティブな面も上昇してしまうという事実もある、ということだ。

 

これを日本に照らし合わせてみた場合、地方都市はほとんど人口減少に転換している。つまり、都市の効率性を考えると、都市の範囲を狭くして、都市内の人口密度を向上させることが答えになるんじゃないか。だから、郊外にある地方都市も、都市部分を集約していくようになるんだろう。

2011年を振り返ってみるよ

意味があるのかわからないけど、年末なので、2011年を振り返ってみる。

1年の中で一時期、イノベーションを継続的に生み出せる環境というのはどういう条件が必要だろうか、みたいなことを結構考えてたときがあった。岐阜に来て2年が過ぎたけれど、地方は人も減るし、雇用も減るし、お金がなくなって疲弊している感じが解消される気配はない。この状態から脱却するひとつの方法は、イノベーションを継続的に生み出す仕組みを作ることだろう、と。例えばシリコンバレーみたいな。

だから、こういう本を読んでしまうんだな。個人的には良かった2冊。

 

井上 健二¥ 2,100

 

東 一眞

あと、地方政治というのがどうやったら活性化していくのかということも考えてた。今のところ自分の中では、オープンガバメントを推進することと、地方におけるシンクタンクをつくることが有用なんじゃないかと考えるようになった。

鈴木 崇弘¥ 593

 

それと、生活における精神的なバランスみたいなのを強く意識する一年でもあった気がする。どうしたら精神的に強くなれるのか。一緒に働く人たちはどうやったら楽しく働けるか。いろいろ自分の中で迷いがあったんだろうな。精神的な弱さを痛感した一年だった気がする。だから、モチベーションを高めてくれそうな本を選んだな。

 

小山 龍介¥ 692

 

小山 龍介¥ 1,575

 

それでも何とか穏やかな生活を続けられていることは、ある種新しい発見だったりする。仕事以外の「場」というのが本当に大切なんだな、ということも発見した。

2012年もまた新しいことに挑戦していけそうだ。

精神的なバランスを保つために必要なのは気づくこととスルーすること

誰でも仕事で落ち込むことはあるでしょう。リセットする間もなく、次々と降りかかる無理難題をクリアし続ける必要がある現代のビジネスシーンでは、うつ病はどんなに強そうな人でもある日突然かかる病気です。人の心は弱くて脆いのです。
職場へ向かうすべての人へ送る、仕事がデキて「うつ病」にならない10のリスト

仕事でもプライベートでもいろんなことがあるけれど、うつになる原因って、人との関係性悪化と自信喪失なんじゃないかと思う。仕事ができない→上司に怒られる→周囲から冷たい目で見られる、みたいなスパイラルに入って、自信がなくなって精神的にダメージを受けていく。

だから、仕事の失敗については正しくフォローしてコミュニケーションの問題にならないように注意が必要だと思っている。事実に基づいた確認を行うとか、人間性でなく仕事内容に対して指摘するとか、失敗しても次の機会を与えるとか。

そして、一番重要なのは周囲が気づいてあげることだと思うんだよね。ちなみに、うつ病の初期状態というのは自覚症状がない場合が多いそうだ。そして、手遅れになるぐらい精神的なダメージを受けて、仕事に大きく支障が生じるようになってからやっと自覚する。

こういうことを知っていれば、周囲の人も気づけるんだと思う。逆に知ってないと、気づくのも難しい。遅刻気味なメンバーに対して、「あいつ最近遅刻ばっかでたるんでんな」と思うか、「何か仕事でうまくいってないことがあるんだろうか」みたいな兆候と捉えるかで接し方も全然違うし。早めに気づいて、問題を一緒に解消する努力をすることが、結果的に早めに回復できる。意外に、上司じゃないチームメンバーとかの方が気づきやすかったりするね。

 

あと、文句を言わずにはいられない人も世の中にはいるので、そういう人の言葉はスルーする。あまり気にしないようにする努力も必要なんだと最近は気づいた。自分に悪影響を与えそうな情報は、意識的に遠ざけてみたり。力が発揮できそうにない環境からは、ちょっと距離を置いてみたり。昔はそういう行為は逃げることだと思うし、負けを認めることだとも思っていたけど、自分が全てのフィールドで活躍できるわけではないし、逆に世の中にはたくさん場所がある。だから、意識的にそういう努力をすることで、自分の精神的なバランスを保つのって大切だなあと思う今日この頃。うまくできてないことの方が多いけど。

 

気づくこととスルーすることって、相矛盾するけど、いろんなことを意識することで気づくようになるし、気づいたとしても意図して思考から追いやることで、スルーできるようになる。そんな気がする。モチベーションを含めた精神的なバランス感覚というのは、結局、長い人生の中で、継続して自分の生産性を保ためにもとても重要だと思うのですよ。

今後は電子書籍をもっと買おうと思う

ふと、寝る前にだらだらネットサーフィンするぐらいなら、電子書籍でも読もうと思った。この記事で紀伊国屋がクロスプラットフォームで良い、と書いてあったので触発されてKinoppyをiPod touchへダウンロード。想像した以上に快適というか、新しい読書体験だった。

 

これから本を買う時はなるべく電子書籍で買おうと思う理由 – もとまか日記乙

 

 

メリット

・値段が安い
紀伊国屋でみたら、電子書籍はやはりちょっと安くなるようだ。「パブリック」は、ほぼ半額に近かった。あと、紀伊国屋はiTunesアカウントで買えるので、iTunesカードを事前に安く買えれば、もっと安くなるのかも。

・マークできる
マークしたところにコメントも書ける。これまで紙の本でも気になったところは折ったり付箋貼ったりしてたけど、「なんでそこが気になったか」をコメントで明確にする、という行為が新鮮。あと、マークしたところが一覧化されてジャンプできるので、どこに書いてあったか探す手間が省ける。

・キーワードで検索できる
これも楽。おぼろげな記憶だけで特定できたりする。

 

デメリット

・全体像がイメージしづらい
紙の本だと、後から気になったところを少し戻って読み返したり、結論を先読みしたりするけど、そういうのはやはり苦手。全体像をつかみづらいから、そういうことができないのは、ちょっと違和感かな。

・中古本として売れない
まあ、どっちでも良いといえばそうなんだけど。スペースの問題だったり、また読むことはないだろうなと思う本は、これまでたくさん売ってきた。けど、電子書籍だとそうはいかないね。中古で売った場合は、買った値段と売った値段の差分が実質のコストだったけど、そういうことはできなくなる。

 

頭ではわかっていたけど、やっぱり電子書籍は便利。体験してみると違うな。これからは紙の本だけじゃなくて、電子書籍の比率を増やすよ。でも、紙の書籍はなくならないと思うけどね。紙で読むという体験は、それはそれでとても気分が良いし。

自炊代行業者が良いとか悪いとか議論されてるし、それはそれで大切かもしれないけど、読む側からすれば何でもいいからとりあえず選択肢増やしてくれよ、と思う。ユーザがどちらで読むかを選択できるように、電子書籍版がもっと増えるといいなー。

iPod touchはいろんなコンテンツを持ち歩くのに便利すぎるデバイス

Apple 新商品 iPod touch 8GB
アップル¥ 18,580

3年ぶりぐらいにiPod touchを買い換え。これまで使っていた第2世代から第4世代になった。安さにひかれて32GBから8GBに変更してしまったが、ちょっと容量が不安で後悔。。。。でもホワイトいいよ、ホワイト。

iPod touchは、携帯と一緒にほとんどずっと持ち歩いてる。音楽、動画、記事、電子書籍とかのコンテンツを持ち歩いて楽しむに、便利すぎるデバイスだと思っている。手放すとか今のところ考えられない。

 

TEDiSUBで事前にダウンロードしておけば、TEDの動画を字幕付きで持ち歩くこともできるし、Podcastもまとめてダウンロードしておけば移動中に聴けるし、音楽はGrooveみたいなアプリを使えばいろんなプレイリストを動的に作り出してくれる。家にAppleTVがあれば、iPod touchに入れた動画をAirPlayでテレビで再生できる。

Instapaperで後で読もうと思ってた記事も読めるし、Retinaディスプレイで見る写真はやっぱりきれいだ。Kinoppyで電子書籍持ち歩いてもいいよね。

 

スマートフォンは電源がすぐになくなるのに比べて、iPod touchは比較的電源は長持ちな気がする。携帯との二台持ちになるのはちょっと面倒だけど、コンテンツをiPod touchに集約しておくのはやっぱり便利だ。

あと、今回のケースはこれにした。薄くなったiPod touchの感触が損なわれない、見事なもの。

パワーサポート¥ 1,569

この世で一番おもしろいミクロ経済学

 

ヨラム・バウマン¥ 1,575

 

マンガで書かれているミクロ経済学。何となく知識があるだけに、これで本当に理解しやすいか、という点は自分ではよくわからん。だけど、入門編としてはとてもわかりやすく纏まっていると思う。

それぞれの個人が合理的に判断したときに、全体から見た場合に最適にはならない場合がある。そのとき、個人がどういう風に行動して、それが個人間でどう作用するか、ということを考えていくのがミクロ経済学。個人が合理的か、というところは行動経済学などで否定されてきているけれど、だからといってミクロ経済学が否定されるわけじゃない。

パレート効率性の説明から、取引の重要性に導かれるストーリーは、それぞれを知ってる自分であっても「ああ、なるほど」と改めて思考がつながった。それぞれの個別の事象の関連性をわかりやすくつないで説明してくれる本というのは、本当価値があると思う。

 

個人のそれぞれの利己的な行動が、全体の観点から最適になる場合とならない場合がある。それをいろんな視点から紐解いて、最適にならない場合はどういう仕組みやルールを導入すれば、最適な方向に転換できるかを考えるのがミクロ経済学だ。こうやって学べるなら、本当経済学は楽しい。

マクロ経済学編も準備中なんだそうだ。楽しみ。