町工場がテーマのハゲタカ外伝「スパイラル」を読む前に知っておくべきこと

経済小説として有名な「ハゲタカ」に、中小企業をテーマにしたストーリーがあるって知ってましたか?

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中小企業診断士を持つ僕としては、これは読んでおこうと思って読んでみた次第です。

あまりネタバレになるのは良くないので、読む上での前提知識として知っておくと、より一層面白く読めるだろうと思う情報を書いておきます。

 

まずはあらすじから。(Amazonから拝借しました。)

2007年9月、東大阪の中小メーカーマジテック創業者にして天才発明家の藤村登喜男が急逝する。通称“博士”の彼こそ、芝野健夫に事業再生家として歩むきっかけを与えた恩人だった。芝野はマジテックを救うべく、大手電機メーカー・曙電機から転じて奮闘する。しかし、後継者問題やクライアントからの締め付けなど、ものづくりニッポンを下支えする町工場に降りかかる難題と、自己の利益を優先する金融機関の論理に翻弄され、苦境の渦に飲み込まれていく。再生浮上のきっかけをつかんだと思った矢先、リーマンショックが発生。想定外の余波に襲われ、絶体絶命のピンチに陥る。捨て身の最終戦を前にして、鷲津をも巻き込んで、芝野は決死の反撃を決断する―。『ハゲタカ』シリーズ本編の裏に秘められてきたストーリー。

というわけで、東大阪の中小メーカーが舞台です。

 

舞台となっている「東大阪」はどういうところか?

東大阪というのは、大田区と同じように、製造業を営む中小企業が集まる場所として有名です。「中小企業白書」でも、その動向が記載されているほどです。そういう中小製造業が集まる場所として、大田区、浜松市、東大阪市が代表的で、それらの事業所数、従業者数は、こうなっています。

ohtaku

hamamatsu higashiosaka

(出所:2010年版 中小企業白書

 

どんどん事業所数も従業者数も減少していっているのがわかります。東大阪市でいうと、20年の間に3000ほど事業所数が減少しています。

「スパイラル」は、そういう減少傾向に歯止めがきかない状況の中で、どうやって生き延びていくのかというのがテーマにあるのです。

 

創業者の高齢化に伴う事業承継の問題

「スパイラル」は、マジテックという企業の創業オーナーが亡くなるところからストーリーが始まります。中小企業の場合、経営者が亡くなった後にどうやって事業を継続していくのか、というのが大きな課題になっています。戦後から高度経済成長を通じて勃興してきた数々の中小企業も、創業者が高齢化し、引き継ぐ先を考える時期に来ているのです。

ただ、候補者が見つからない、準備をちゃんとしていないなどの問題で、うまく引き継げず途方に暮れる企業がいるのです。

 

またしても中小企業白書から引用しますが、中小企業では後継者の決定状況として、ちゃんと後継者が決まっているのは3~4割です。また、「候補者がいない」というのも2割弱あるのが現状です。

koukeisha

経営者候補を育成するのにも期間が必要です。候補者をちゃんと見定め、しかるべきタイミングに備えて準備をしておかないと、いきなり創業者と同じ振る舞いを求められても難しいので、経営が一気に傾いてしまうリスクがあります。

とはいえ、すぐに都合よく候補者が見つかるわけでもないので、国も様々な支援を行っていますが、苦しい状況を抱えているのが中小企業の問題というわけです。

 

製造業をとりまく新しいパラダイム

製造業は、グローバル化の進展によって大きく状況が変化しました。

かつて、高度な摺合せと技術が必要とされる「垂直統合型」を得意としていた日本は、高い品質と安い価格で成長しました。しかし、グローバル化とIT化の進展に伴い、製造部品をモジュール化し、それを組み合わせる「水平分業型」が隆盛してきました。

「水平分業型」では、どんどん製品が陳腐化するサイクルが早い世界でも負けない開発力と、安い製造コスト、それを実現するための大きな資本力が求められます。日本の製造業、特に中小企業は、そのパラダイムシフトに置いていかれた格好になっています。

上記の構造について、参考になる資料がありましたので、リンクを貼っておきます。

製造業のグローバル競争構造の変化と産業政策への課題(PDF)

 

本書では、そのような苦しみの状況から、さらに新しいパラダイムシフトを迎えようとしている流れが描かれています。著者は、恐らくそこに活路を見出したのでしょう。

これ以上はネタバレになるので、本書を読んでもらえばと思います。

 

最後に、著者のこの「スパイラル」に関するインタビューから引用しておきます。

今、日本に最も足りていないのは、職人技ではなく、技術や自分たちがかつて開発した特許をもう一度よみがえらせ、全く別のものを作り出せるプロデューサーです。若い職人を育てるために技術を継承したとしても、実はそれだけでは何も生まれません。

『ハゲタカ』著者・真山仁さん「中小企業再生の難しさを描きたかった」|THE PAGE × DIAMOND ONLINE|ダイヤモンド・オンライン

中小企業は難しい状況に置かれているのですが、そこに必要なものはオリジナルなものを生み出せるプロデューサーである、ということです。

 

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【書評】マインドフル・リーダーシップ

最近流行りの「マインドフルネス」ですが、それをリーダーシップに当てはめたて述べられた本ということで、久々にリーダーシップものを読みました。

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「マインドフルネス」という新しい健康ムーブメント

「マインドフルネス」というのは、なかなか日本語であてはまる表現がないのですが、どうやら「集中力」と近い関係にあるようです。

マインドフルネスの状態にある時は、自分のまわりで起こっていることに、意識を完全に集中できています。

記憶力や免疫力をも上げる? 「マインドフルネス」とは結局何なのか | ライフハッカー[日本版]

これが、瞑想などの様々な行為が、人間の集中力を高めたり、ストレスを軽減する効果があることが、科学的に証明されてきているというのが、最近のムーブメントの背景にあります。

あとは、シリコンバレーで発生している健康ブームも重なっています。日本でも、様々な本が翻訳されて登場しています。

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こちらも、会社における従業員のパフォーマンスを高めていくには、従業員が健康になるのが重要だという考えが高まるとともに、健康を科学的にアプローチしている点が、新しい流れのようです。

 

リーダーシップをマインドフルネスで解釈する

本書のテーマがこれですね。流行っている「マインドフルネス」をリーダーシップに当てはまて解釈したものです。とはいえ、著者は元GEクロトンビル・マネージャーですので、GEでの内容が中心になっています(クロトンビルは、GEのリーダーシップ開発研究所です)。

なので、マインドフルネスという観点だけでなく、そもそものGEを中心とした著者のリーダーシップ論が書かれているので、非常に体系だってわかりやすい内容になっています。

例えば、リーダーシップの定義については、こう述べられています。

マインドフルなリーダーの具体的な行動について考えるにあたり、まず、そもそも「リーダーシップ」とは何か、私なりの解釈をまとめておきます。私はいつも、「自分の職位に付随した権限を行使して人を動かすのがマネジメントで、その権限を行使しないで人を動かすのがリーダーシップである」と教えています。

 

どうでしょう。わかりやすくないですか?

管理職になってくると、いろいろタスクが分散してしまい、マルチタスクが激しくなります。そういうときに、いかに「マインドフルネス」、簡単に言い換えれば集中力を発揮し、クオリティの高いリーダーシップを発揮していくか、が本書のテーマになっています。

個人的に気になったところを挙げておきます。

 

自分を振り返る時間を持つ

別にマインドフルネスでなくても言われていることではありますが、改めて本書を読んで「大事だな」と思いました。スティーブ・ジョブズが座禅など東洋思想の影響を受けていたことは有名になっていますが、瞑想や座禅など内面を見つめる行為は、自らの気付きを促し、自分の進むべき方向を深く考えるきっかけになります。

該当する部分を少し引用しておきます。

「多くのマインドフルな思考や行動からいくつかのセルフ・アウェアネスが得られ、その多くのセルフ・アウェアネスの積み重ねによって本物のリーダーシップ要素がいくつか得られる」

今の自分は一年前の自分とどう違っているか。三年前と比べてどうか。自分が進もうとしている方向は本当に正しいのだろうか。さまざまなチェック・ポイントがありますが、大切なことは少しの時間でもよいので、自分を客観的に振り返ることを習慣化することです。

 

日記を書こう、手帳に振り返りを書こうとかいろいろ言われていますが、自分を振り返る時間を集中的に持つ習慣が、自分を強くしてくれるのだと思いますね。

 

メールチェックという病魔を克服する

メールというのは、コミュニケーション手段を劇的に変えたという点で革新的でしたが、逆にたくさんのメール処理に追われるのが当たり前になってしまっています。ですが、四六時中メールをチェックしていると、気になってしまって何かを考えたり作業するのに集中できません。

そういう時は、こうしましょう。

「高い集中力が必要な作業をするときには、メールソフトをシャットダウンし、作業の切れ目となる六〇分から九〇分ごとに休憩を兼ねてメールをチェックする。その際、緊急で重要なメールだけに返信し、あとはざっと目を通すだけにする。作業が終わったら優先順位の高い順に返信する。  中程度の集中力が必要な作業をするときについても同様で、メールソフトは立ち上げないまま。休憩を兼ねたメールチェック時に返信をするものは、緊急性が高く重要なものに加えて、緊急性が高くて重要度が中程度なものに拡大する。あとは目を通すだけ。  あまり集中力を必要としない作業をしているときであれば、メールソフトは立ち上げたまま」

 

メールなんて、実はそんなに頻繁にチェックしたり返信しなくても、案外困らないものです。なので、思い切ってメールソフトをシャットダウンして、ひと段落したら息抜きがてらチェックする。そういうサイクルに切り替えてみましょう。

僕も試してみましたが、結構気持ちが良いものです。ずっとメールを確認していると、内容によってはずっと気になってしまって返信するまで他の作業に手がつけられなくなります。そういうのから解放された感じで、少し集中できる環境になったと実感しました。

 

それ以外にも、部下への接し方、成長をどう促すか、組織の課題をどう解決していくかなど、様々な示唆がありました。時々こう言うリーダーシップものを読むと、改めて自分を振り返るきっかけになるな、と思いましよ。

 

ちなみに、最近マインドフルネスを取り入れたiPhoneアプリを買ってみました。

PAUSE – Relaxation at your fingertip
カテゴリ: ヘルスケア/フィットネス, ライフスタイル
指を画面にタッチし続けることで、集中しながらリラックスを促すものです。何回か試してみましたが、確かに集中できますし、だんだんリラックスしてきて眠たくなってきます。夜、やるとオススメです。

太極拳とマインドフルネスを応用したiPhone用瞑想アプリ「Pause」 | BUZZAP!(バザップ!)

 

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【書評】Kindleのまとめサイトでどうにかこうにか1000日間生計をたてた話

Unsplash / Pixabay

散々、このブログでは電子書籍を読もうって書いています。

https://synapse-diary.com/?p=2329

その電子書籍のセール等の情報を紹介するブログとして、「きんどう」があります。

http://kindou.info/

Kindleの日本上陸と合わせて、個人でやっている一大メディアになった「きんどう」は、Amazonアフィリエイトで生計を立てているのですが、その運営ノウハウがまとめられたのがこの本です。

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この本に書かれている内容は、あらゆるWebメディアに関わる人に役立つものになっています。特に、企業ホームページと合わせてブログやSNSを始めたものの、塩漬けになっている、あるいはあまり役に立っていない中小企業経営者にとっても有意義な内容になっています。

 

きんどう本から得られるメディア運営のヒント

入念な下調べとメディア戦略の作成

「きんどう」は、Kindle日本上陸から考えると、後発組でした。そういう中で、勝てるメディアにするため、様々な施策を打っていきます。特に参考になったのは、事前に下調べして、海外等のメディアを調べて、「きんどう」をどのように育てるかの戦略を入念に練っていた点です。

企業ブログなどを見ると、あまりそういう明確なメディア戦略があるわけではなく、日々の出来事を書いているのが多く見られます。ただ、ユーザーが興味を持つ情報を提供する、という点を意識しないと、結局内輪でしか見られないものになってしまうわけです。

自分が消費者として、ついついチェックしてしまうような企業ブログが、どういう内容で書かれているのか、ぜひ分析してみましょう。

 

信頼を得るアプローチ

自分のサイトを介して買ってもらうためには、サイトを信頼してもらわないといけません。自分が消費者の立場であれば、おのずとわかりますよね。信頼を得るというのは、いろんな方法がありますが、きんどうさんの場合は、こう書かれています。

さて話を戻して、わたしがとった読者に近いメディアづくりは中の人感を前面に押し出すことで成立させています。ツイッターを使ったリアルタイムの返信や、積極的なコミュニケーション、記事のリード文で喜びやボヤキをいれて、良い意味で読者から親しみやすい信頼できそうという立ち位置にいます。

 

「中の人」感を出すというのはそうですね。よく言われることでもあります。ただ、実行するのはそう簡単ではありません。コミュニケーションを図る積極性を持ち、小さな工夫の積み重ねを行う必要があります。

 

片手間でやるのではなくて、全力投球を

結局、ここに落ち着くのですが、片手間でやっている企業が多いのが実情です。もちろん、本業があるのはわかります。ただ、投入したエネルギーに応じた見返りがある、と思うわけです。

きんどうさんの場合はメディアですので、立ち上げから勢いをもって成長させていきました。その部分について、こう書かれています。

二、三日に一記事? 土日は休み? 何年かけてメディアを成長させる気ですか。一日でも早い成長ペースに乗せるために、序盤に地獄を見たほうが後からサイト運営は楽になります。息をするように更新しましょう。更新こそが人生です。

 

企業の場合はなんでも更新しろ、というわけでもありませんが、でも最終更新が半年前、とかざらにありますし、「明らかにエネルギーが投入されてないな」というのは、サイトからにじみ出ます。逆に、ちゃんといろんな更新や改善が図られているのも、サイトからにじみ出ると思うんですよね。

だから、サイトから顧客を勝ち取りたいのであれば、それ相応のエネルギーを投入しましょう。

 

とても電子書籍に対する愛が詰まった一冊です。150円と安いですし、すぐに読めてしまうぐらいのボリュームなので、ぜひ読んでみてください。

 

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「いきなり!ステーキ」の勢いに陰りがあるらしいので、本当なのか調べてみた

「いきなり!ステーキ」の業績が好調な一方で、「陰りが見えてきているのでは?」という記事がありました。

人気に陰り見え始めた「いきなりステーキ」辛い内部状況とはライブドアニュース

実際に記事で指摘されていた箇所が、こちらです。

「1号店オープンから2年近く経過して需要が一巡した今、“立ち食いステーキ”という真新しさはすでに薄れ、店前に行列はできているものの、列の長さは徐々に短くなってきているのが現状です。人気に陰りが見え始めた焦りからか、運営会社(ペッパーフードサービス)の一瀬社長は社員に『いきなりステーキ』のメニューだけを食べさせて減量させる“肉ダイエット”を挑戦させたりと話題作りに必死です(苦笑)」

人気に陰り見え始めた「いきなりステーキ」辛い内部状況とはライブドアニュース

つまり、「ビジネスモデルの鍵は、高い集客と回転効率なわけですが、集客に陰りが見えているのでは?」というわけです。

気になったので、四半期ごとの「いきなり!ステーキ」の売上と利益を調べてみました。決算短信にセグメントごとの売上と数値が公開されているので、確認することが可能です。

IRライブラリー | IR情報 | 株式会社ペッパーフードサービス

その前に、ペッパーフードサービス全体の売上と利益率を見てみましょう。

実際に、2014年に大幅に業績がアップしています。すごい。。。。

さて、「いきなり!ステーキ」ですが、四半期ごとの売上高と営業利益率はこのようになっています。6期分になります。

steak

売上はずっとすごい勢いで伸びているのがわかります。問題は営業利益率で、確かに2014年には10%程度だった営業利益率が、5%程度まで低下しています。

ちなみに、ペッパーフードサービスが手がけている「ペッパーランチ」事業の営業利益率は、16%程度です。

「いきなり!ステーキ」の業態は、低利益率と高回転率の組み合わせで利益を創出するモデルなので、利益率が低下するのは許容するとしましょう。その分、売上が伸びれば良いのですから。

そこで売上高の成長率を見てみましょう。

image (1)

明らかに成長率が低下しています。まだ始まったばかりの業態なので、これだけで評価するのも難しいのかもしれませんが、今年に入って、以前よりは売上の成長が鈍化しているのは間違いないようです。

今年の7月に発表された中間決算の発表資料をみると、「いきなり!ステーキ」は、今後地方へ進出すると書かれています。首都圏は飽和し、今後は地方へ開拓していくということのようです。

平成27 12 月期2四半期決算短信(PDF

地方は首都圏ほど人口も多くありませんし、ターゲット層も異なるため、高齢者やファミリー層を開拓するために座り席も導入すると発表されています。そう考えると、今ほど高回転率は維持できないかもしれません。

地方在住者としてはまだ食べていないので、一度試してみたいのですが。。。。

企業がブログやSNSを業績に直結させるためには

geralt / Pixabay

少し前から、ブログやFacebook、Twitterなどが企業の宣伝手段として活用する企業が増え、いろんな場面で使われています。こうやって企業が自ら宣伝手段を持つことは、大きなマーケティング戦略の変化と言えます。

また、これらが普及していることには、経済的な背景もあります。

 

企業のメディア化が重要な理由

角川インターネット講座の「第三の産業革命」で、企業がメディア化していく理由について、2つ書かれています。

その理由の大きなものは、テクノロジーの進歩によって企業が自らコンテンツを届ける力を持てるようになり、コンテンツへの反応を可視化して、顧客のターゲティングができるようになっていることだ。

企業がメディアを持つもうひとつの理由は、企業に顧客との「つながり」をつくるという方向が生まれていることだ。ほとんどの製品はコモディティ化のサイクルが速くなっており、だんだん製品やサービスが似かよってくる。それを差別化するために、これまではイメージキャラクターやインパクトのあるキャッチコピーを使ったマス広告が利用されてきた。これは今後も一定の役割を果たす。しかしネット社会ができて、製品やサービスには消費者個人の体験や評価が織り込まれて消費が連鎖していくようになった。それを情報発信により促進し、コミュニティをつくることが成功のカギとなる。これが、企業がメディア化していく背景だ。

これまで自社が消費者に情報を伝えるには、何らかのメディアを経由する必要がありましたが、主にWebで自社メディアを持つことで、消費者とダイレクトに繋がれるようになりました。また、特に重要なのは二点目で、製品の陳腐化が早くなっており、自社製品に関するコミュニティを育てることが、差別化の一つの手段になって行くのです。

それが、ブログやSNSなどを使った「メディア化」です。

 

オウンドメディアとは?

最近では、オウンドメディアという言葉がよく聞かれます。これまでもブログやSNSを活用しよう、ということを言われていましたが、それをもっと「メディア」として戦略的に情報発信しようとい考え方が生まれています。

オウンドメディアについては、このあたりの記事や本を読むと良いでしょう。

http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2015/07/15/20150

従来と一番違うところは、「ユーザー目線」でコンテンツを作成することにあります。これまでは、企業が流したい情報を一方的に流す企業が多かったですが、もっとユーザーが関心を持つ、役に立つ情報を流そうという考え方が強調されています。

言葉で言うだけでは分かりづらいと思いますので、実例を見てみると良いと思います。

http://liskul.com/wm_ownedmsp11-4514

http://web60.co.jp/ownedmedia_jirei.html

http://matome.naver.jp/odai/2142617516019848901

http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2015/07/30/20161

 

ブログやSNSを始めてみたものの…

経営者から「ブログやSNSはやった方がいいの?」と質問されたりしますが、あまりお勧めすることがありません。

ブログやSNSを真面目にやろうと思うと、とても労力がかかります。すぐに結果が出るわけでもありませんし、うまくユーザー目線で作らないと、結局自己満足になってしまいかねないわけです。

そういうところを勘案すると、無理に手を広げるよりは、ホームページの更新をちゃんとやったり、SNSを増やすのではなく、ブログの更新に力を入れたり、限られたエネルギーをどこに注ぐかは、ちゃんと考えた方が良いと思っています。

とはいえ、うまく運用すれば有効なマーケティング手段になりますので、自分の状況に合う手段を考えると良いでしょう。

 

というわけで、ブログやSNSがうまく機能してないなーと考えている人は、「ユーザー目線」を組み込んだ自社メディアとして、情報提供してみてはどうでしょう。

今日はこのへんで。

 

Amazonプライムの凄さを説明します

最近のAmazonの破壊力はすごいですね。AmazonプライムビデオとfireTVの発表は、Amazonの凄さを再認識しました。

特にAmazonプライムのサービス拡充がすごいです。いろんな施策を講じて、Amazonプライムの会員数を増やそうとしているのがわかります。

現在のプライム会員の特典はいくつかあります。

Amazon.co.jp: Amazon Prime

ざっと挙げると、こんな感じです。

  • 配送無料&お急ぎ便
  • Kindleオーナーライブラリー(毎月無料で1冊貸し出し)
  • 先行タイムセール
  • プライムビデオ

なんで年会費5000円で、こんなにサービスを受けられるのでしょうか?不思議に思いませんか?

プライム会員になると、Amazon以外から購入しなくなる

Amazonがプライム会員を増やそうとするのは、とても単純な理由です。

アマゾンの創業からの歴史を描いた「ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者」に、プライム会員について、こう書いてあります。

当時のアマゾン社内に詳しい人物によると、プライムの会員になると買う金額が平均で倍になったという。

すごくないですか?プライム会員は平均購入額が倍になるんです。

ちなみに、この記載はまだアメリカでプライム会員を始めた頃のようで、Kindleオーナーズライブラリーやプライムビデオなど、今ほどいろんなサービスが充実していなかった頃です。

同書では、ベゾスの発言としてこう書かれています。

「79ドルというお金が欲しかったわけではありません。ほかで買い物をしなくなるように人々の意識を変えることが目的だったのです。」

配送料が無料で、すぐに配送してくれるなら、購買体験が快適になります。そうやって、Amazon以外から購入する気をなくすことが、プライム会員の目的なのです。

プラットフォームとしての魅力が増していく

Amazonは、売り手と買い手を結ぶプラットフォームでもあります。その中で、フルフィルメントという、出品、在庫管理、配送を代行するサービスもあるのです。

Amazon.co.jp ヘルプ: Amazonフルフィルメントセンターの紹介

先ほどのベゾスの本によると、プライム会員が増えることで、Amazonのフルフィルメントセンターを使う出品者が増える、と書かれています。

たくさんのカテゴリーからたくさんの商品を買うプライム会員が増えると、商品をアマゾンに置き、フルフィルメントセンターから配送してもらおうと考える売り手が増える。この形ならプライムの2日配送が使えるからだ。

プライム会員が増える
→配送への要求が高くなる
→フルフィルメントセンターを構築
→出品者がフルフィルメントセンターを利用
→ユーザーが迅速な配送サービスを受けることができる

という好循環が生まれています。プライム会員というのが、Amazonというプラットフォーム全体の価値を高めるものとして、戦略上とても重要になっています。

ちなみに、同じようにプラットフォームを運営している楽天は、物流改革を行おうとしてきた経緯があり、自前で行うことを諦め、つい最近ヤマトと提携しました。

News & Trend – 楽天、独自物流構想の果てのヤマト提携:ITpro

無料サービスの増加による囲い込み

Amazonプライムは、どんどん新しい特典が増えています。日本で最近追加されたプライムビデオについても、競合に対する強力な差別化になるでしょう。

またも「ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者
」から紹介します。

無料とした理由を、ベゾスは、DVDの販売が落ちている状況で、年会費79ドルのプライムを支え、さらには補強するために必要だからと社内に説明していた。だが、プライム・インスタント・ビデオにはほかの役割もあった。ネットフリックスが月額5ドルから8ドルで提供しているものをアマゾンは追加特典として提供しているわけで、大きなライバルに圧力をかけ、エブリシング・ストアの重要なセクションを奪われないように守る効果が期待できる。

結局、プライム会員という枠の中で様々な特典を付けていくことが、ネットフリックスなどの個別サービスに対抗になっています。こうやって様々なジャンルをプライムでカバーしていくことで、ユーザー離れを防いでいく戦略になっています。

 

個人的には、最近Kindle Fire端末も購入し、ますますAmazonでの買い物、読書、映画の鑑賞が快適になっています。どっぷりはめられている感じです。

Kindleの新しいFireタブレットが5000円とかコスパ高すぎ

これもユーザーの利便性を追求していくことで、どんどん囲い込んでいくという、見事な戦略です。まだプライム会員になっていない方は、こちらからどうぞ。

【書評】角川インターネット講座 第三の産業革命 経済と労働の変化

ITが劇的に普及していて、いろんな領域に革新を与えている今は、「第三の産業革命」といえるんでしょうか。

 

角川インターネット講座」という、インターネットに関する様々な論考が特集されていて、シリーズ15巻が発売されています。

角川インターネット講座 (1) インターネットの基礎情報革命を支えるインフラストラクチャー
角川インターネット講座 (2) ネットを支えるオープンソース ソフトウェアの進化
角川インターネット講座 (3) デジタル時代の知識創造 変容する著作権
角川インターネット講座 (4) ネットが生んだ文化誰もが表現者の時代
角川インターネット講座 (5) ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代
角川インターネット講座 (6) ユーザーがつくる知のかたち 集合知の深化
角川インターネット講座 (7) ビッグデータを開拓せよ 解析が生む新しい価値
角川インターネット講座(8) 検索の新地平 集める、探す、見つける、眺める
角川インターネット講座 (9) ヒューマン・コマースグローバル化するビジネスと消費者
角川インターネット講座 (10) 第三の産業革命経済と労働の変化
角川インターネット講座 (11) 進化するプラットフォーム グーグル・アップル・アマゾンを超えて
角川インターネット講座 (12) 開かれる国家 境界なき時代の法と政治
角川インターネット講座 (13) 仮想戦争の終わり サイバー戦争とセキュリティ
角川インターネット講座 (14) コンピューターがネットと出会ったら モノとモノがつながりあう世界へ
角川インターネット講座 (15) ネットで進化する人類 ビフォア/アフター・インターネット

 

どれも興味をそそられるのですが、特にインターネットが経済にどのような変化をもたらすか、という観点で、「第三の産業革命」を読みました。

 

冒頭からこんな記載があり、非常に刺激的です。

「インターネットと産業」というお題の本として、本書はネットがいかに産業、そして経済を変えるかを扱おうとしている。でもその前提として、まずはインターネットがいかに産業を変えていないか、いかに既存の産業の延長上にあるかを理解することが重要だ。それを押さえておかないと、目先の変化に踊らされる浮わっついた話のオンパレードとなってしまう。

その背景として、蒸気機関が生まれた産業革命では、生産性が何千倍にも上がったが、ITではそこまで至っていないのが現状です。ただ、蒸気機関でも電気でも、発明としては革新的でも、用途が確立されるまでには時間がかかっており、ITもまさにこれから「産業革命」に値する変化が起こるのではないか、というのがこれからの展開です。

確かに、いろいろ便利になってきているものの、まだまだ劇的に社会を変えるのはこれからだ!というネタが、この本にはたくさん書かれています。本当にたくさんの示唆があるのですが、今後の企業経営という面で2つほど取り上げておこうと思います。

ITは格差を拡大するものか、縮小するものか

ITはいろんな制約を飛び越えることが可能になるので、都市と地方、国内と海外、個人のレベルなど、様々な切り口で格差は縮小していくのでないかと言われていました。

しかし、ITが利用されるにつれて、格差を縮小するどころか、拡大するのでは?と言われてきています。

ITによって人は都市に一層集まるようになる

例えば都市で言えば、こういう論調ですね。

ICTが急速に浸透していった1980年代、 「都市の消滅」がさかんに論じられたが、実際には都市への集中も進んだ。 その理由は、情報利用産業は分散しても情報創造産業は集積するからだ。 情報創造産業の立地条件は、手頃な地代条件(オフ・ブロードウェイ)、若者文化などである。

いつでも情報を利用する、という面ではITは場所を選びませんが、それをクリエイトするためには、人々が集まる部分が存在しており、それが集積を高めている、ということです。「年収は「住むところ」で決まる」という本もありましたが、イノベーションは人が集まる都市で生まれやすくなってます。

https://synapse-diary.com/?p=2678

これを考えると、都市と郊外の格差を、ITは加速させてゆくでしょう。ただし、利用する側として立てば、クラウドソーシングなど様々なオプションは増えていきます。働き方に多様性は生まれるでしょう。

ITは大企業を強くする

さらに、企業の規模でも同じことが言えます。ITによって起業しやすくなったのは事実ですが、ITが進歩することで、必要な初期投資が増えています。それは、ITサービスの経済的特性に原因があります。

経済学者によれば、インフォメーション製品の生産には高額の固定費と低額の限界費用がかかることになっている。インフォメーション製品の最初のコピーの制作には莫大な費用がかかることもある反面、追加のコピーの生産(つまり再生産)コストは無視できるほどのものだ。この種のコスト構造からいろいろな意味が理解できる。たとえば、コストからはじき出した価格づけは機能しない。つまり単価に対する10~20パーセントの利益幅というのは、製品単価がゼロのときまったく意味がない。インフォメーション製品の価格づけは、消費者が認める価値に対応したものでなければならない。生産コストが基準ではないのだ。

つまり、製造業などと異なり、ほとんどが固定費で構成され、初期投資が大きくなるのが特徴です。

また、ITは大企業にも大きな力を与えています。

またネットは、一時は中小ベンチャーや低資本事業に有利だと思われていたけれど、一方では企業の大規模化を可能にしたし、大規模なデータが精度をもたらすビッグデータ分析にはデータ処理設備やソフトに大規模資本が要求される。結局、資本家がますます有利になって業績や所得を伸ばすことになり、既存の格差がさらに拡大しかねない。

初期投資が必要になり、さらに大企業を効率化するITは、大企業と中小企業の格差をこれから広げていくかもしれません。

 

他にも、例えば以下の点など書かれており、インターネットと産業がどう関わり、どう変化していくかが幅広い視点で書かれています。

  • 情報サービスではブランディングが重要
  • 企業が自社メディアを持つ理由
  • 新しい貨幣の在り方

このブログの「MBAおすすめ本」で経済学も取り上げていますが、経済は新しいステージを迎えていて、従来の経済理論に基づいた施策が効かない場面が増えてます。

インターネットやITは、今後ますます世界を変えていくでしょう。10年後、20年後の未来を感じたい人に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

 

損保ジャパンがワタミの介護事業を買収する理由

こんばんは。

ワタミが介護事業を売却しました。

生損保介護市場で競う損保ジャパン、ワタミから買収発表:日本経済新聞

そのおかげで、このブログで以前書いたワタミの記事へのアクセスが伸びています。

ワタミの居酒屋戦略が発表。業績の復活なるか

ワタミは飲食事業が不振に陥っており、事業再建するために介護事業を売却し、外食事業と宅食事業に絞り込むことにしたようです。ワタミはこれまで、外食・宅食・介護を事業の三本柱にしており、売上としては一番小さい介護事業を売却した形です。

こちらは、以前ブログでまとめたワタミの事業別売上高です。

watami_segment

今回疑問だったのが、なぜ損保会社が介護事業を買収するのか?という点です。その点を調べてみました。

介護市場は成長市場

まず大きな前提として、介護市場が成長市場であるということが言えます。

行政が行う介護保険給付額は、年々伸びています。単位は兆円です。2013年には9兆円を超えています。

kaigo-hoken

(厚生労働省「介護保険制度を取り巻く状況」より)

ちなみに介護保険とは、国が定めた公的な介護保険と、民間で行う介護保険の両方があります。上記の額は公的な方の介護保険の給付額ですね。

日本では公的介護保険と民間介護保険があり、民間介護保険の保障内容には介護一時金や介護年金などがある。介護保険適用対象となる介護サービスについて厚生労働省が定めた報酬が介護報酬である。

介護保険 – Wikiwand

介護保険の給付額が増えているということは、それだけ介護サービスが必要に成っているということです。やはり高齢化に伴い、介護ニーズが高まっているのがわかります。

保険会社としても、社会ニーズがあるところにビジネスチャンスがありますので、ここを強化しようと考えるのは当然かな、と思います。

保険会社による現物支給の規制緩和

2014年に、民間保険における現物給付が、規制緩和によって、認められることになりました。それによって、保険料を払う人たちに、お金以外にも現物支給としてサービスを提供することが可能になっています。

http://hokensc.jp/kaigo/genbutsu.html

これによって、市場で求められているサービスが

「民間保険会社が介護保険を取り扱うようになって8年もたつのに、具体的なサービスが法規制に阻まれて何ひとつできなかった。この分野は高齢化でまだまだ成長する余地があるため、あらゆるメニューを用意して契約者の信頼を高めたい狙いがあります。もちろん、他社との差別化が図れるという意味でも、現物給付が認められる意義は大きいのです」 要介護・支援者の認定者は膨れ上がって約540万人。にもかかわらず、公的介護保険の枠内では賄えない実費サービスも多い。生保がその補完役になろうというのだ。

生保が老人ホーム入居権販売へ 現物支給解禁で介護変わるか  | ガジェット通信

介護サービス市場はまだこれから伸びるところで、資金需要もありますが、サービスそのものが不足しているとみられているのでしょう。保険会社が現物支給として参画することで、お金以外にもサービス自体を発展させることを促すことが期待できます。

介護サービス市場の現状

介護業界のシェアランキングを見てみると、ベネッセやセコムなどの大手も進出していますが、それ以外の独自企業も多く、まだまだ市場全体が成長するでしょうし、これからもっと変動するでしょう。

http://gyokai-search.com/3-kaigo.htm

ワタミの介護事業は業界7位ですが、それほど上位と大差があるわけでもありません。それなりに良いポジションにつけている状態だと見ていいでしょう。これから市場全体が成長していく中で、買収した損保ジャパンとしてはいろんな保険サービスと親和性を生み出すことができるしょうし、ワタミとしても高く売れる今が売り時、ということだったのではないでしょうか。

以上となります。ワタミとしても、損保ジャパンとしても良いディールになったんじゃないでしょうか。まあ、お互いにこれからどうしていくかが重要だとは思いますが。

今日はこのへんで。

Kindleの新しいFireタブレットが5000円とかコスパ高すぎ

Kindleの新しいFireタブレットが4,980円ということで、買ってみました。(プライム会員なので、4000円値引きされてます。)

到着して思ったのは、「これが5000円とかコスパ高すぎ・・・」ということです。

いくつか簡単なスペックを書いておきます。

 

タブレットの大きさは7インチ

今回発売されたFireタブレットは7インチで、タブレットとしては小さい方です。ちなみに、iPad miniが7.9インチなので、iPad miniよりも少し小さい感じですね。

これは男性であれば、ギリギリ片手で持てるサイズです。なので、家でみんなで使うというよりは、外出先などで手軽に使う感じの方が用途としては合ってるかな、と。

 

解像度は1024×600

解像度を数字で示されてもピンとこないかもしれませんが、これは初代iPadぐらいの解像度です。

ここに解像度の一覧がまとめられていますが、最近のiPadは倍の解像度を持っているので、比較すれば劣るかもしれませんが、大きさがそれほど大きくないということもあり、映画などを見ても特に見づらいとかありません。
『スマホ・タブレットのサイズ/解像度一覧作ってやんよ!!!』 | ときどきWEB

ストレージは8GB

8GBとなっていますが、タブレットが必要な容量があるので、実際に使えるのは5GB程度です。これだと、映画や音楽などを格納していくとすぐに一杯になってしまいます。

ただ、iPhoneなどのApple製品と違い、FireはmicroSDを挿して容量を増やすことが可能です。microSDはすっごい安くなっていて、今だと64GBでも3000円ちょっとで買えます。

32GBであれば、もっと安いです。

 

それぐらいあれば、動画、音楽、写真をばんばん使っても大丈夫でしょう。それでも足りない、という人は128GBをどうぞ。

 

操作性もなかなか良い

FireはAndroidをベースに、Amazonが独自OSに仕上げています。最近はApple製品を多く使っていたので、Androidのユーザビリティがどうなのか、と思っていたのですが、全然遜色ないですね。

良い悪いは別として、AndroidはiPhoneと操作性が近くなっていて、初めて触っても特に迷うことはありません。

また、Amazon独自OSとして、ホーム画面から横スライドすると、簡単に本、動画、音楽などのコンテンツにアクセスできるようになっています。Amazonをよく使う身としては、これは使い易いですね。

 

 

というわけで、結構小ぶりながら使い勝手も良いですし、スペックも標準的で悪くないので、これが5000円で買えてしまうAmazonさん、怖い….という感じです。今後、外出するときに持って行って、いろんな用途で使うでしょう。

ビジネスでも、これだけタブレットが安くなると、とりあえず業務に使ってみるかな、と思えるんじゃないでしょうか。とてもタブレットが身近になっています。

吉野家がタブレットで研修していることが記事になっていましたが、動画やマニュアルなどをどこでも取り出し、業務に活用する事例が多くなっています。

「吉野家のオぺレーションはおよそ1000本の動画によって表現されます」 ジェネックスソリューションズ代表の高橋勇人氏は言う。 ただ牛丼をつくるだけでなく、接客を中心とした店員の動きをすべて動画に落としこんだ。つまり新人研修で見るタイプの教育ビデオだが、iPadの場合は店員が正しいオペレーションをしているかどうかの確認もできる。

ASCII.jp:吉野家がiPadを大量に必要とする理由

 

というわけで、この価格で買えるなら、タブレット一個持っておいて損はないと思います。いろんな用途が見つかるでしょう。

 

ちなみに、プライムビデオが始まったので、「勇者ヨシヒコと魔王の城」を見ています。面白すぎ。

プライム会員になると、Kindle本も毎月1冊無料で読めるし、映画見放題だし、ということでどんどんAmazonも思うままにはまってしまっています。プライム会員、なってない人にはオススメです。

効率的に情報収集する!僕が使ってるツールとアプリについて

 

情報収集には昔からいろいろ工夫してきました。ブログが流行り始めた頃からRSSリーダーを使い、Googleが登場して、SNSの流行、スマホの普及など、様々な変化を得て、情報収集の手段は変わってきました。

というわけで、今使っている主な情報収集手段を紹介しておきたいと思います。

ブログやメディアの更新情報はRSSリーダー「feedly」で

これが未だにメインの情報収集源です。livedoor Reader→Google Reader→feedlyと遷移してきました。

ブログなどの定期的に更新するメディアは、更新情報を配信しています。それが「RSS」と呼ばれるフォーマットです。これを取得して、更新があったものを読めるようにしてくれるのがRSSリーダーです。

RSSって何?と思う方はこちらを読んでみてください。
http://pc-technique.jp/rss/rss_01.html

今使っているのは、feedlyです。

http://feedly.com

これで自分が興味あるブログ等のメディアのURLを登録しておくと、更新があった分だけ効率よく読むことができます。僕は一日数百件は読んでいますが、これがなくなると、そこまで消化することは難しいでしょう。

ちなみに、iPhoneでは有料アプリの「Sylfeed」を使っています。国産で使いやすいので。

Sylfeed
カテゴリ: ニュース, ソーシャルネットワーキング

特定のキーワードに関する定期的に情報を探すなら「Googleアラート」で

Googleでは「Googleアラート」というサービスを展開していて、キーワードを登録しておくと、そのキーワードを含む新着コンテンツをメールかRSSで配信してくれます。

https://www.google.co.jp/alerts

配信にあたっては、頻度やソース、件数や配信先などを設定することができます。

googlealert

自分が興味あるキーワードを複数登録しておけば、それらの情報を見逃すことなくチェックすることができます。

Twitterで特定のキーワードに関するツイートを探すなら「egobird」で

Twitterは重要なメディアのひとつになっていますが、その中から特定のキーワードに関するツイートを効率的に探すことができるのが、iPhoneアプリの「egobird」です。

http://psoftmobile.net/jp/egobird.html

UIが優れており、細かい検索条件を簡単に設定できるのがお気に入りです。Twitterはリアルタイム性が高いので、最新の情報をチェックしたい場合は、こちらに登録しておくと便利です。

egobird – エゴサーチ・検索に特化したTwitterクライアント
カテゴリ: ソーシャルネットワーキング

RSS配信していないサイトのチェックは「ウェブチェッカー」で

時々、RSS配信していないサイトで更新状況をチェックしたい場合があります。そういうときは「ウェブチェッカー」を使います。

http://webchecker.biz/

URLを登録しておくと、更新があった場合にメールで教えてくれます。

 

 

以上です。

今の時代、情報は無限にありますし、その更新スピードも早いです。どうやって効率的に情報を収集し、消化するかはとても重要になっていると思っていて、それを実現するための仕組みづくり、習慣づくりが、少しずつその差を作っていくのだと信じています。