Googleアナリティクスでアクセス急増したと思ったら、スパムでした

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Webサイトやブログを運営している人向け。先日GAIQとりましたが、またアクセス解析に関連したネタです。

このブログではないですが、急にロシアからのアクセス数が伸びる、という事象がありました。日本語のサイトなので、なんでロシアから?と気になって調べたら、やはり原因がありました。

答えは、スパムです。

 

例えば、あるサイトに自社サイトのリンクが貼ってあって、そのリンクから自社サイトへアクセスがあると、Googleアナリティクスなどのアクセス解析では、「このサイトからのリンクでアクセスがあったよ」ってのを教えてくれます。これを「参照元(リファラー)」といいます。

で、アクセス解析しているとよくあるのですが、「お、このサイトからアクセスあったんだ。どういうサイトなんだろ」って、サイトのURLへアクセス解析者がアクセスすることがあるんですよ。そういうアクションで、アクセスされることを狙っています。これをリファラースパムといいます。

Googleトレンドでみると、最近注目されている手法のようです。

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事象を理解するために、こちらのサイトを参考にさせていただきました。

ロシアからのアクセス増加に注意: アプリ作ってる人のブログ in PikodonCompany
ロシアから招かれざる客がやってきた!リファラースパムを除外しよう。 | tomokimatsubara.net

 

わかってしまえば、対策できます。Google Anayticsで怪しいリンクを見つけたらアクセスしないようにすること。また、怪しいサイトだとわかれば、そもそもGoogleアナリティクスで表示しない、ということもできます。こちらは解除の仕方。

リファラスパムに困っている人必見!対策方法の設定を紹介します

気になるサイトが見つかったら、アクセスする前にこちらでURLを確認してください。僕が見つけた怪しいドメインも、全部このリストにありました。

[見つけ次第更新] リファラースパムリスト Google Analytics – NAVER まとめ

ドメインの評判を調べるなら、引用符をつけて検索するのも有効です。

目的のサイトを直接見るのではなく、そのドメインの評判を知りたいときは ‘social-buttons.com’ などと引用符で囲んで検索しましょう。引用符をつけると文字列として渡されるので、「いつもの検索画面」が出てくるのと同時に「目的とするサイトについて言及してる別のサイト」も表示されるようになります。

sharebutton .orgなどリファラスパムが狙う3つの行動と対策

 

放っておくと、アクセス数が不正な水増し状態になるので、除外設定しておいた方が良いです。スパムもあの手この手で、アクセスを集めたり情報を盗んだりするので、気をつけないといけませんね。

Googleアナリティクス試験(GAIQ)を受験して合格した

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Webサイトやブログを運営するなら、Googleアナリティクス等のアクセス解析をみて、随時改善を図っていく必要があります。結構、作ってからそういうアクセス解析をせずに放置しているサイトとか多いんですよね。。。。

さて、アクセス解析でメジャーなのはなんといってもGoogleアナリティクスですが、独学ということもあり、改めてGoogleアナリティクスの勉強を一回ちゃんとしようと思って、Google公認の資格GAIQ(Googleアナリティクス試験)をとりました。

 

以前ブログで書きましたが、「資格をとって何になるの?」ということに関していえば、自分の勉強のため、ということと、自分を知らない第三者に「最低限、こういう知識は持っていますよ」ということをわかりやすく提示するため、だと思っています。

資格は何のために取得するのかという話

なので、資格とれば飯が食えるとか、そういう時代でもないと思うので、資格に対して過剰に期待してはいけない時代です。ちなみに、弁護士や税理士など、資格によって「専業」が保護されていましたが、それも状況が変わってきています。

弁護士の年収が悲惨なことに…もはや年収200~300万円は珍しくない – NAVER まとめ

成熟した業界でも、これまでは規制に守られてきた部分もあったかもしれませんが、規制が開放されると競争原理が働き、年収にもバラつきが生じます。

 

というわけで、今回GAIQをとるにあたって、参考にしたサイトです。なんだかんだで、公式の学習ガイドを少しずつ読んでいくのがわかりやすくてよかったと思います。

文系女子大生が24時間でGAIQ(Googleアナリティクス試験)合格してみた。 | 未来電子テクノロジー

Google アナリティクス IQ 学習ガイド – アナリティクス ヘルプ

Digital Analytics Fundamentals: Course Schedule

 

テキストや問題集もあります。

 

試験を受ける過程で、いろいろ知らない機能があるのを知ったので、復習という意味で良いきっかけになりました。普段触っている人であれば、少し知識を補完するように勉強すれば、比較的簡単に合格できると思います。

なんとなく使っている人は、ぜひ。

音楽ストリーミングサービスが群雄割拠。これで音楽業界は衰退するのか

Apple Music、AWA、LINE MUSIC、Spotifyなど、音楽ストリーミングサービスが熱いですね。これについて、ちょっと書いておこうと思います。いろいろな論点がありますが、ここで取り上げるのは「音楽ビジネスの今後」について、です。

 

音楽市場のバリューチェーン

音楽市場をバリューチェーンで表すと、次のようになります。

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参考:バリューチェーンで見る(2): 内田和成のビジネスマインド

これまで、製作のところでメディアがレコード→CDと変わってきました。また、デジタルになってからはハードとしての製作部分が抜けて(パッケージデザインなどはありますが)、流通がインターネットプラットフォームに変わりました。AppleがiTunes Storeを発表したのも随分昔ですが、そのときはこのバリューチェーンが大きく変わる、という意味で大きな衝撃でしたね。

 

デジタル音楽の躍進

iTunesなどのデジタルミュージックがプラットフォームで売られるようになったのは、ナップスターの登場が大きいと言われています。デジタル化された音楽は、インターネットを通じて簡単に共有できるようになりました。そうなると、これまでお金を払っていた音楽が無料で入手できるようになります。音楽の価値観が根底から揺さぶられた出来事でした。

Napster – Wikipedia

この動きに目を付けたのがAppleであり、スティーブ・ジョブズでした。買いやすいインターフェース、CDという物理的媒体からの解放という消費者の利便性を向上させると同時に、音楽を提供するアーティストやレコード会社にも「音楽は有料」という形を成立させました。

そうなると、バリューチェーンとしてはこうなります。ハードの製作部分が中抜きする感じですね。パッケージのデザインなどの製作は残っていますが。

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そうやってデジタル音楽の割合が高くなっていきました。そして、2014年にはデジタル音楽がCDなどの音楽ソフトの売上を上回ります。

国際レコード産業連盟(IFPI)は4月14日、「デジタルミュージックレポート2015」を発表し、2014年のインターネット等を介したデジタル音楽配信の売上が、初めてCDなど音楽ソフトの売上を上回ったことを明らかにした。

2014年世界のデジタル音楽配信、CD等の売上を抜く、IFPI発表 2015/04/17(金) 14:22:26

そして、ストリーミング配信の登場。これは、消費者マインドの変化と関係あります。

 

消費者のマインド変化

スマホが普及し、YouTubeなど無料で聴ける音楽が多く利用されることで、「時々、好きな音楽を買って楽しむ」から「いつでも好きな音楽がタダで聴ける」ものに変化します。

これを、佐々木俊尚氏は「電子書籍の衝撃」で、「音楽のアンビエント(環境)化」と説明しました。つまり、環境に溶け込むほど音楽が自然なものになる、ということです。

これは消費者マインドを変化させ、音楽の「所有欲」を低下させます。自分の経験で言うと、昔CDを買うと、所有欲が満たされ、とても大事に音楽を聴いていましたが、今はそういう感覚がだいぶ薄くなってしまいました。別に所有しなくてもいいかな、と。そういう流れから、ストリーミング配信による音楽サービスが登場します。

バリューチェーンでみれば、「流通」にあたる業者が交代する状況です。

 

消費者のニーズがそのように変わったので、各社がこぞってストリーミングサービスを開始しています。当たり前ですよね。客の多くがストリーミングに移っていくのに、乗り遅れれば衰退していくのを待つばかりです。

日本市場はその中の大きな例外ですけどね。CD販売が成立する稀有な市場です。

日本でストリーミング型音楽サービスが普及しない3つの理由 | ライフハッカー[日本版]

それでも、日本は大きく売上が減少しているようですが。

世界規模の音楽売上をまとめた年次レポートをIFPIが公開、2013年は音楽売上が3.9%ダウン、音楽ストリーミング売上は50%以上拡大

 

流通業者が業界発展の鍵を握る

ストリーミング配信への流れが加速していく中で、これが音楽業界全体の発展になるか、というとどうでしょう。

以下の記事に書いてある通り、音楽の単価はどんどん下がっています。ストリーミングによってもっと下がる可能性が考えられます。

LINE MUSICやAWA、Apple Musicに見るストリーミングのその先と所有欲 – Jailbreak

バリューチェーンでみると、プラットフォームを支配する流通業者が強くなる、という構造です。こうなると、製造する人(=音楽を作る人)たちにとって良くないのではないかと思えてきます。売る方が力が強くなり、製造する方の力が弱まってしまうからです。すると、業界全体が価格志向のユーザーニーズに引っ張られ、業界全体が縮小してしまう恐れがあります。

 

これを解消する手段のひとつとして、流通業者が上流(コンテンツ作成)に踏み込むというアプローチがあります。動画配信のHuluやNetFlix、Amazonがオリジナルコンテンツを作成してますね。

Hulu、独自コンテンツ配信へ–第1弾は木梨憲武さんのアートバラエティ – CNET Japan
フジテレビと米・Netflix(ネットフリックス)がオリジナルコンテンツの制作で合意 – とれたてフジテレビ   AmazonもNetflixに対抗し、今月からオリジナル作品の配信を本格化

別業界でも、セブンイレブンはプライベート製品を作っていくことで成長させています。

流通業者が自らリスクをとって製品をつくり、販売していくことで、製造する側にもお金が多く流れるようになりますし、品質の向上も期待できます。

 

デマンドサイドだけでなく、サプライサイドもWinにならなければ、業界全体は発展しません。そういう流れを音楽業界がどう作っていけるかは注目です。

ニトリの通販サイトが5日以上ダウン。機会損失はどれくらいか?

ニトリの通販サイト「ニトリネット」が、数日間ダウンしています。

ニトリは、公式通販サイト「ニトリネット」で6月17日にリニューアルを行ったところ、リリース時に一部のプログラムでエラーが発生し、不具合が起きたと発表した。サイトはメンテナンスが続いており、5日経った22日午後4時時点でも再開していない。同社によると、23日午前10時の復旧を目指して作業を続けているという。

ニトリ通販サイト、リニューアルで不具合5日経っても再開できず – ITmedia ニュース

スクリーンショットもとっておきました。

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17日から23日の午前なので、ざっくり計算しても6日間はニトリネットにアクセスできず、もちろん買うこともできない状態でした。

SimilarWebでみると、ニトリネットは月間で100万アクセスぐらいはあったようです。

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また、ネット通販の売上の伸びも好調で、4年の間に2倍以上に成長しています。

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参照:ニトリHD、通販売上が100億円突破、送料無料サービスなど奏功通販新聞

結構力を入れてきていて、売上も伸びていたんですね。この状況でざっくり計算すると、今回の通販サイトの障害は、1~2億円ぐらいの機会損失になるかもしれません。

サイト停止が長引いてしまった原因はどのあたりにあるのか

リニューアルの目的は、主に配送側の業務効率化にあったようです。つまり、ちょっとした画面やUIなどの更新だけではなく、業務管理側の情報連携がメインだったんですね。

リニューアルは、サイトのグローバル対応やレビュー機能の実装、店舗在庫の閲覧機能、配送との連携機能などを追加するものだったが、リニューアル作業を委託した外部企業のプログラムに問題があったほか、サーバのCPU不足が原因で不具合が発生。サーバを入れ替え、CPUを強化するなどの対策を行った。

ニトリ通販サイト、リニューアルで不具合5日経っても再開できず – ITmedia ニュース

リニューアル前のニュース記事はこちらですね。

ニトリが6/17ECサイトをリニューアル、配送計画の自動化を実現へ | ネットショップ担当者フォーラム

注文状況に応じて配送計画を自動で作成することで、注文後の配送業務を効率化する狙いがあったようです。原因は、この配送自動化のクラウドサービスではないと報道されているので、今回の障害には関係ないようですが。

テストや移行検証はどの程度やったのか、とか本当の原因まではわかりませんが、システム更新などを知っているIT界隈の人たちは、「現場は徹夜で寝てないんだろうな」という、なんともいたたまれない気持ちになる案件です。

6/23復旧見込】ニトリネットショップ障害 6/17から週をまたいで対応中 – Togetterまとめ

ニトリだと、スラックス用のハンガーを愛用してます。激安で、しわにもなりにくいので良いです。

毎日ポッドキャストを聴く人はOvercastを使おう

Podcastを日頃聴いてるんですが、iPhoneの標準アプリである「Podcast」の動きがちょっと不安定なので、これを機に新しいPodcastアプリを試してみることにしました。

普段聴いている「Rebuild」で、Overcastが紹介されていたので、これに切り替えました。

Overcast: Podcast Player 1.2.2(無料)
カテゴリ: ニュース, ミュージック
販売元: Overcast Radio, LLC – Overcast Radio, LLC(サイズ: 5.5 MB)
全てのバージョンの評価: (55件の評価)
+ iPhone/iPadの両方に対応

まさに、毎日Podcastを聴くような人に向けたアプリです。今使ってるPodcastアプリに不満がある人は、ぜひ乗り換えを検討してください。

ちなみに、アプリ自体は無料で使えますが、ほとんどの優れた機能は有料版でないと全部は使えません。無料版の段階で、時間限定で試すことはできるので、そこで試してから有料版を購入されると良いでしょう。無料版は機能が制限されており、標準アプリとあまり変わらないので、せっかく使うなら有料版にされることをおすすめします。

聴きやすくする工夫がたくさんある

Overcastには、Podcastを聴きやすくするためのたくさんの機能が用意されています。

細かい速度調整

標準アプリに比べて、速度調整が細かくできます。標準アプリは、0.5→1.0→1.5→2.0の4段階でしたが、それ以上に細かくできます。ので、もう少し遅く、もう少し速く、という感じで、自分が聴きやすい速度に調整しやすいです。

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また、登録してるPodcastごとに速度を設定できますので、日本語のPodcastでは速く、英語のPodcastは遅く、という設定をしておくことで、快適なスピードで聞き流すことができます。わざわざ速度を毎回変える必要はありません。

無駄な「空白」時間を除去する「Smart Speed」機能

Smart Speed機能というのがあり、それをONにすると、Podcast中にある微妙な間などで発生した空白時間を取り除くことができます。これで、時間の節約にもなりますし、聴きやすくなります。

声をより鮮明にする「Voice Boost」機能

声をより強調して、ボリュームも標準化してくれます。これで、より音がより鮮明で聴きやすくなります。

ポッドキャストごとに設定を行うことができる

速度調整でも触れましたが、ポッドキャストごとに各種設定を行うことができます。これが結構地味に便利です。例えば、ニュース系のポッドキャストは保存を「最新3エピソード」に限定し、じっくり聴きたいものは「全て保存」にする、などです。

iPhoneの標準アプリだと、全てのポッドキャスト共通でしか設定できないんですよね。

PCとiPhoneで同期できる

Overcastを利用する場合、アカウントをつくる必要があります。これによって、Webサイトからでも登録したPodcastを聴くことが可能になります。もちろん、既聴/未聴は当然のこと、途中まで聴いたものは聴いた位置まで同期してくれます。

PCで作業することが多い人にとっては、この機能も良いと思います。

以上です。かゆいところに手が届くアプリなので、使い始めると手が離せなくなります。ぜひ、お試しあれー。

上司から部下への権限委譲は勇気。それでみんなが幸せになる

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組織を円滑に動かすために管理者が考えることのひとつに、「権限委譲」があります。部下ができること、やるべきことは積極的に権限を委譲し、自分がやるべきことに専念するとともに、部下の成長を促します。

言葉で書くと簡単ですが、これが結構難しいのです。これまで見てきた人の中で、うまくできている人とそうでない人がいました。

 

仕事の内容に不安があるほど、自分でやってしまう

昔あるとき、部下が作った資料を確認しなければいけないときに、心理的に困ったことがありました。自分の経験や知識が不足しているせいかもしれませんが、資料をみても何が正しいのか自信がなくなってしまったのです。そうすると、結局自分でやってみないとわからない、と自分で調べ直したり、考えなおしたり、時には自分で資料を作ったりしていました。壮大な無駄です。

しかし、あるとき、「その資料が何を目的に作られているものなのか」をよく理解しないで確認しているので、「こんなこと書いて大丈夫だろうか。このグラフの書き方で伝わるかな。」など、いろいろ迷いが生じているのだと気づいたのです。

それに気づいてからは、作業を思い切って任せられるようになりました。細かい点を考えるのではなく、ビジネスとして達成させなければいけないところをちゃんと考えて、そこを外さないようにチームを動かしていけば良いのだと、と。

つまりは自分にとってわからないことが多すぎて、「自信」がなかったのです。そういう不安が、権限移譲を阻害します。

 

最後は上司の「勇気」が現場を変える

いろいろ理屈はあるのですが、最後は「任せる勇気」なのだと思います。どちらかというと、組織がどういう大きさであっても、それを管理する立場にある人は、「組織を効率的に動かし、成果を生み出しやすい環境をつくる」役目があります。

プロセスやルールを設計し、現場の「雰囲気」を作り、最後はミスをしても許し、リカバリーする覚悟を持つ。そういう勇気が、組織を変えていくのだと思っています。

 

上司も部下も幸せになる 「権限委譲」の実践法 : プレジデント(プレジデント社)

仕事を円滑に進めるために「責任範囲」を理解する

 

Twitter経営不振でCEO辞任。SNS業界はどうなってる?

nominalize / Pixabay

TwitterのCEOが辞任しましたね。

ツイッターは過去5年間に経営陣の交代を繰り返しており、今回の人事は、製品の改善に重点的に取り組む同社の姿勢を示す。同社のユーザー数は当初の見通しほど伸びておらず、ライバルのフェイスブック傘下のインスタグラムやワッツアップ、フェイスブック・メッセンジャーなど後発のソーシャルアプリの成長で存在感が薄くなっている。ツイッターの広告戦略も広告主の大幅増に結びついていない。

ツイッターのコストロCEO辞任-利用者数や広告伸び悩む – Bloomberg

業績不振による、株主からの圧力だと言われています。

 

ここでTwitterがどういう状況に置かれているかを理解するために、SNS系で上場しているFacebook、Twitter、LinkedInで売上を比較してみましょう。

過去3年の各社の売上推移です。

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Facebookは着実に成長しているのがわかります。Twitterはどんどん離されていて、LinkedInの方が売上は高い状況です。

SNSではよくFacebook、Twitterが2大サービスというイメージがありますが、ビジネスとして売上に結びついているのは明らかにFacebookの方です。(この場合、単純にFacebookというサービスが強いというだけではなく、買収戦略も含めて効果が出ている、ということですが。)

 

営業利益率でもみてみましょう。

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ここでもFacebook圧勝です。3年目はあんまり伸びてないな、と思うかもしれませんが、営業利益率40%ですからね。IT企業として非常に高い利益率を達成しています。

LinkedInは営業利益率1%ぐらいなので、かろうじてという印象です。

Twitterはすごいマイナスです。基本的に赤字なんですよね、Twitterって。こんな赤字でもこれまで注目されていたのは、ユーザー数の増加と、その先にある大きなマネタイズの実現です。しかし、思ったほどユーザー数は伸びず、マネタイズにも苦戦しているのが数字でも見て取れます。

 

Twitterがこのまま弱体化していくと、広告メディアやコミュニケーションツールとしての価値も低下していくかもしれません。特にビジネス等で使われている人は、状況はよくみておいた方が良いかもしれませんね。

 

個人的にはTwitter、好きなんですがねー。なくなったらちょっと寂しいかも。ただ、Twitterって創業から今までの流れがちょっと複雑で、CEOも何回か交代しているので、組織的にうまく推進しづらいんじゃないかと思ってしまうんですよね。

5大総合商社の売上に差が出てきている

昔書いたこの記事で、総合商社を勉強しました。

知ってるようで知らない総合商社の過去と未来

久々に総合商社の動向を調べてみたら、少しびっくりしました。5大商社というと、三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事、伊藤忠商事ですが、それぞれの売上の推移がこんな感じになっています。

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三菱商事、丸紅が2強で、三井物産、伊藤忠商事が第2グループ、その後が住友商事になっています。特に丸紅がとても伸びているのがわかります。

この差はどうして生まれてるんでしょう?どなたか詳しい方、よろしければ教えてください。

経営者やリーダーは孤独。苦しみや悩みをどう解決するか

RyanMcGuire / Pixabay

この本は、苦しいときの、経営の教科書として。

例えば、この本にはリストラについて書いてあります。別の本として「ヤバい経営学」では、リストラは組織を活性化させることにつながらないため、やらない方が良いと書いてあります。確かにそのとおりでしょう。ただ、やらずに済むならやらないと思うんですよ。そういう場合じゃないときだからこそ、リストラに踏み切らないといけないわけで。

この本では、以下のように指摘しています。

コンサルタントが書く経営書のほとんどは、成功した企業の平時の経営スタイルの研究を基にしていることに注意しなければならない。

組織が苦しいときに、経営者やリーダーはどう考え、どう振る舞うかを、具体的に教えてくれます。

 

著者であるベン・ホロウィッツは、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストとして有名な一人です。が、そこに至るまでにベンチャーを経営し、いくつもの苦難を乗り越えています。本書は、その経験とそこから導かれる示唆で構成されています。ベン・ホロウィッツの詳細はこのTech Crunchの記事が参考になります。

書評:ベン・ホロウィッツの『HARD THINGS 』―「戦時の組織のリーダー」の必読書 | TechCrunch Japan

実際の経験から導かれる内容だけあって、読めば読むほど味がある文章になっています。

 

経営書全般でみれば、主に組織管理のジャンルに分類されるんじゃないかと思います。組織をどう意識統一するか、評価をどう設計し、社内政治とどう立ち向かうか。苦しい外部環境と戦いつつ、組織をどう作り上げていくか、その中で経営者としてどう振る舞うかが事細かに描かれています。

経営者の成功談などは多く存在しますが、苦難とそれに伴う指南が書かれた本は、あまりないんじゃないでしょうか。

 

たくさんしびれる言葉があるのですが、これが一番好きです。

困難だが正しい決断をするたびに、人は少しずつ勇気を得る。逆に安易な間違った決断をするたびに、人は少しずつ臆病になっていく。それがCEOの決断なら、勇気ある企業と臆病な企業の差となる。

経営者は孤独だとよく言われますが、本当そうだと思います。その苦しみは、自分ひとりだけではなく、経営者やリーダーみんなが抱える共通の悩みだってことです。

AppleのWWDC発表は期待ハズレだったかもしれないけど、別にいいと思う

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AppleがWWDCで、新しいOSやサービスの発表を行いました。watchOSの更新やApple Musicが目玉でしたかね。さくっと内容を理解するなら、こちらの記事をどうぞ。

1分でわかるWWDC、OS X El Capitan、iOS 9、watchOS 2、Apple Music:WWDC 2015 – 週刊アスキー

で、こんな記事を見かけました。

WWDC2015みて、Appleほんまに大丈夫かって思ってきた。:村上福之の「ネットとケータイと俺様」:オルタナティブ・ブログ

 

この気持ち、わかります。わかりますよ。確かに、MicrosoftやGoogleは新しい戦略を打ち出してますし、機械学習などの投資やGoogle Photosなどのサービスが発表されて、新しい世界への可能性を感じました。

Google Photosはスマホ写真の保存先として大本命になる

そろそろMicrosoftが戦略転換して本気を出すようです

 

で、せっかくなので、各社の財務状況をみてみようと思いました。そこから、Appleの立ち位置を考えようと思います。

 

売上高はAppleが圧勝

比較として、Google、Microsoft、Amazonを選びました。売上高で4社を比較したのが以下です。

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Appleが圧勝ですね。やはりiPhoneの威力はとてつもなくすごい、ということでしょう。そして、他社よりも成長率も大きいですね。

おまけとしては、Amazonの売上の伸びが強く、Microsoftを追い抜いています。

ここからいえるのは、GoogleやMicrosoftはたくさん挑戦していろんな取り組みをしていますが、新しい収益源の獲得には至っていない、ということですね。

 

利益率は全体的に軟調

次に、営業利益率をみてみましょう。

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Microsoftは少し踏ん張っていますが、AppleやGoogleは少し低下してきています。Amazonはほとんど利益を出しておらず、成長に投資しているのが際立ってますね。

収益源という意味でもそうですが、これらの企業は、これまで築き上げた収益源がやや成熟化していく中で、次の爆発的な収益源をまだ見つけられていない、という踊り場的な状況なんじゃないでしょうか。

 

もともとAppleは、最先端技術に投資するというよりは、少し「こなれた」技術をうまくデザインと組み合わせて、サービスや製品をつくることで成功してきました。機械学習はGoogleが先行しているような気がしますが、いろいろ今後の動向は考えているでしょうし、今は少し様子見な状況なのかな、というのが個人的な印象です。

 

だから、AppleのWWDC発表の内容は少し期待ハズレだったかもしれないけど、別にいいと思う。今は圧倒的に勝ってるし。今後の動向にまた期待、ということで。