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先日のGoogle I/Oで、Google Photosが発表されました。
無料で容量無制限に写真&動画を保存しまくれる「Google Photos」、本日から利用可能 – GIGAZINE
これが破壊力抜群です。一気に、写真サービスの本命になってしまう可能性があるんじゃないかと思います。
これまでGoogleは、PicasaやGoogle+フォトなど、いくつか写真サービスを展開してきました。しかし、いずれも本命になりきることができずにいました。
一方で、FlickrやDropboxなど競合の写真サービスも存在していますが、これらもなかなかブレークスルーしきれず、撮った写真をどこにストックし、どうやってシェアするかというのは、結構ユーザーを悩ませています。
ちなみに、僕は2009年からFlickrの有料ユーザーです。
Google Photosを使っておけば、とりあえずバックアップは心配ない
Google Photosのサービス内容として一番注目されるのは、容量が無制限だってことです。もちろん、写真は1600万画素、ビデオの解像度は1080Pという制限があります。それを超える写真や動画を保存したい場合には、容量が無制限ではなくなります。
ちなみに、iPhone6のカメラは800万画素です。一眼レフなどもっと解像度が高い写真を普段から撮っている人でもなければ、普段の携帯写真はGoogle Photosで十分でしょう。
[iPhone]カメラの画素数はどのくらいですか? | ソフトバンクモバイル
実際に、Google PhotosのアプリがiOS/Androidの両方で提供されているので、使ってみました。
Googleフォト 1.0.1(無料)
カテゴリ: 写真/ビデオ
販売元: Google, Inc. – Google, Inc.(サイズ: 53 MB)
全てのバージョンの評価: (178件の評価)
iPhone/iPadの両方に対応
アップロードも早いですし、撮影年月ごとに並んでみれたり(カメラロールと同じ感じ)、花や空など、写真を解析してそれぞれにまとめて閲覧することもできます。
さらに、連続写真と認識されるものは、自動でアニメーションも作成してくれるようです。気に入れば、自分のライブラリに保存することもできます。
Googleの狙いは膨大な写真情報
なんでこんなサービスを無料で提供するのか、という点についてですが、いくつか目的は考えられます。まず、写真に関するプラットフォームになること。先述した通り、いまいち写真を保存・共有するデファクトスタンダードとなるような強力なサービスが存在しない「空白地」になっています。
そこで、無料での保存、画像認識等による閲覧・検索しやすさを追求したサービスを提供することで、プラットフォームの覇権奪取を狙ってる。これは、Google+フォトを提供していた頃から、路線としてはあまり変わってないと思いますが。
あとは、ディープラーニングなどの画像解析を使うことで、高度なサービス実現をできる見通しがたったから。Picasaでは顔認識もやっていますし、Google+フォトでは画像を自動でコレクションして動画を作るなど、いろんなサービス提供を試みています。これらを活用して、いろんな楽しみ方を提供できることで、競合にも勝てると考えたんじゃないでしょうかね。
特に解析技術に関しては、情報が多いほど精度が向上します。サービスを無料で提供することで、一気に膨大な写真を集める。それによって、一層解析の精度が向上を図り、他社を寄せ付けない戦略じゃないでしょうか。
Flickrが先日「Magic View」という、画像認識技術を使った検索サービスを提供開始しましたが、Google Photosの登場でややかすんでしまいました。完全に同質化されてしまった印象があります。
Flickr、Dropboxのような自動バックアップや画像認識検索などの大規模アップデート – ITmedia ニュース
また写真は、個人の嗜好や特性などを解析するのに膨大な情報が含まれています。それによって、広告サービスにも活用するんじゃないかとみられています。
Googleには、ある。同社の持つコンピュータービジョン、機械学習、人工知能を始めとする高度な技術を活用すれば、写真に写っている人々、場所、物等を認識し、そのデータをユーザーの個人情報と結び付けることができる。お気に入りの炭酸飲料やオートバイと一緒に写っている写真から、そのユーザーに見せるべき広告がわかる。ランドマークから識別された位置から、何を探しているかを推測できる。
Google Photosの「無料無限ストレージ」は、Appleの高価なiCloudを打ちのめすかもしれない | TechCrunch Japan
写真サービスという市場の状況などを踏まえると、タイミングやサービス内容はよく考えられてると思います。メインの収益事業である検索広告があるので、こうやって別サービスで思いっきり無料にするという戦略は、競合にとってはたまったものではありませんね。
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個人的には、FlickrとGoogle Photosの併用で様子を見ようと思っていますが、どこかのタイミングでGoogle Photosに乗り換えることもありえそうだと思っています。特に写真を保存してこなかった人は、Google Photosを使ってみることをおすすめします。