ユニクロとしまむらの違いをGoogleトレンドからデータ分析したよ

最近、ユニクロの業績が落ちており、四半期決算で純利益が予想より大幅に低下したというニュースがありました。

カジュアル衣料品店チェーン「ユニクロ」の成長神話の陰りが鮮明になってきた。ユニクロを運営するファーストリテイリングは2016年4月7日、業績予想を大幅に下方修正し、16年8月期の純利益は従来予想を500億円下回る600億円とした。2015年8月期に比べ45.5%の大幅減だ。

「業績は不合格」柳井氏も認めるユニクロの「陰り」「値上げ」引き金の客離れが止まらない : J-CASTニュース

原因のひとつとして、値上げがフォーカスされています。一方で、しまむらは値上げによって業績を回復させているという記事がありました。両社は価格に対する反応が随分違うんだな、と不思議に思いました。

ユニクロのように「値段が安い」というブランドイメージが定着している場合には、あまり値段をいじらないほうが良く、逆に、ユニクロほどイメージが定着していないなら、値上げが上手くいくケースもあります。

東洋経済オンラインは6日「しまむら、V字回復の理由は「値上げ」にあった」と題する記事を掲載しました。2015年の秋冬シーズンに売り出しヒットした「裏地あったかパンツ」は、同社にしては高価格帯にも関わらずヒットし、3年ぶりの営業増益を牽引したとのことです。

ユニクロは対前年比でマイナスになることが多いですが、しまむらは対前年比マイナスが非常に少なくなっています。
同じように値上げ戦略をとりながら対照的な結果になっているユニクロとしまむら。この違いに注目することが大切だと思います。

KON617「訪日外国人客・ホテル稼働率・ファーストリテイリング・しまむら~政府は数字遊びではない現実的な問題解決を考えよ」

勝手に、両社とも安いというイメージがあったので、値上げに対して反応が異なるというのは意外でした。

なぜユニクロとしまむらで、値上げに対する反応が違うのか?

改めてユニクロ(ファーストリテイリング)としまむらの業績を比べると、しまむらの方が季節変動が少なくなってる気がします(iPhoneアプリの「ポケットIR」から拾ってきたのですが、ちょっとファーストリテイリングの値が怪しいかもしれません。)

FR_しまむら

あと、過去のファーストリテイリングのIRインタビューが公開されていて、顧客は価格感応度が高いことが語られています。

Q3: 原油価格の低下により、最近では素材関係も下がり気味だと思いますが、今後の価格戦略についてコメントをください。
A3: 岡崎CFO:
足元の1品単価が上がっているのは、一部の商品の値上げをさせていただいた影響もあるとは思いますが、それより大きいのが比較的価格の高い商品の売れ行きが好調だということです。例えば、ボトムスや、ヒートテックエクストラウォームのような価格が比較的高い商品の需要が強く、販売は好調です。お客様の志向としては、価格感応度はまだ高いと感じています。

質疑応答の概要 | FAST RETAILING CO., LTD.

また、過去をみると人件費高騰でも価格を上げていますし、今回が初めてのことではありません。

ユニクロ、今期2度目の下方修正が映すもの | 専門店・ブランド・消費財 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

で、ここで仮説として思い浮かんだのが、「ユニクロとしまむらは、季節変動のインパクトが違うのではないか?」ということです。季節変動が大きいということは、セールなどと組み合わせて価格反応度が高いと思いますし、季節変動が小さいということは、価格反応度がそれほど大きくなく、コンスタントな売上・利益を出すということになるのでは、と。

Googleトレンドのデータで季節変動を確かめる

では、ユニクロとしまむらについて、季節変動の違いをどう調べようかと思ったときに、Googleトレンドを使ってみようかなと思いました。Googleトレンドだと検索件数の相対的な傾向が2004年から月単位で取れます。

実際にみてみましょう。赤が「ユニクロ」で、青が「しまむら」です。

ユニクロ_しまむら

ここから言えるのは、ユニクロの方が検索回数が多いってことと、ユニクロの方が変動が大きいということです。このグラフを見ても、ユニクロの方が季節変動が大きいのよね?と思いますよね。

で、ユニクロとしまむらが、どれほど季節変動になっているのか、Googleトレンドの値をもう少しデータ分析して推測しようと思います。

ここからは、R言語を使ったデータ分析になります。細かいことは省略しますが、時系列データから季節変動要素を取り出してみます。

その結果がこちらです。4つグラフがありますが、生データ、季節変動、トレンド、残差(ランダム成分)になります。季節変動を見たければ、2番めを確認しましょう。見事に繰り返しになっていて、5月に小さな山、11月に大きな山というトレンドです。

ユニクロ

次は、同様にしまむらでもGoogleトレンドのデータを分析してみたいと思います。その結果がこちらです。

しまむら

ユニクロと同じように、2番めのグラフでは季節変動が生じています。これだと「ユニクロと一緒で季節変動あるじゃん?」となりますが、右側にある変動幅の数字が違います。しまむらの方が変動幅が小さいんですね。なので、季節変動という点でみると、しまむらにも季節変動はある。ただ、ユニクロよりは小さいということが言えます。

あとは、4番目にある残差(ランダム成分)の値が全体としてユニクロより小さいのが特徴ですね。

ということで、ユニクロの方が季節変動が大きいため、セールや価格値引きなどを組み合わせて売る調整が必要になっているように思われます。しまむらは、変動要素が高くないため、値上げしてもそれほど大きく顧客離れを引き起こさないモデル(ブランドイメージ)になっていると考えられます。

こちらからは以上です。

効率化の鬼である僕が、最近やってる効率化の手段を書く

皆さんはどれぐらい日々の生活を効率化していますか?

僕は昔から効率化を考えることが好きでした。改めて、最近自分がやっている効率化の手段のご紹介を。

 

電子書籍で本を読む

もう散々このブログでは書いていますが、読書の時間を増やしたければ、電子書籍を買いましょう。スマホで読めるようになると劇的に時間が増えます。

もうKindle買おうよ。僕が電子書籍をすすめる理由

 

お風呂で本を読む

読書はどうやって時間を確保するかが重要な問題ですが、その一つは風呂だと思ってます。Kindleを防水ケースに入れてお風呂で読んでます。ジップロックがあれば完全に水没させない限り、大丈夫です。

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音声読み上げで移動中に本を「聴く」

AmazonがAudibleを日本でも開始しましたが、KindleとiPhoneがあれば、電子書籍をオーディオブックにすることができます。これなら、いろんなところで読書することができます。

Kindleの電子書籍を無料でオーディオブックにする方法(2016年版)

 

音声だと速度を調整できるので、それも効率化の面で良いですね。

 

Podcastで移動中も勉強・情報収集する

Podcastは日本ではあまり使ってる人が多くないかもしれませんが、移動中に聴くと勉強になるものもたくさんあります。英語、時事ニュース、ITテック系など幾つか聴いています。

NHK ラジオポッドキャスト | NHK WORLD RADIO JAPAN News
ザ・ボイス そこまで言うか! – AMラジオ 1242 ニッポン放送
Rebuild – Podcast by Tatsuhiko Miyagawa

これも速度を調整して聴いてます。日本語は倍速で、英語はノーマルかちょっと落として。

 

タスクはTodoistで管理する

タスクを管理するにはタスク管理ツールを使いましょう。昔はRememberTheMilkを使っていましたが、今はTodoistで管理しています。タスクを整理することで自分の優先順改めて考えることができるようになります。

タスク管理ツールはToDoistで決まりで良いんじゃないかと

 

パソコン側で主に作業する方は、タスクシュートなんかもいいかもしれません。

タスク管理ツール・TaskChute2(PayPal決済)

 

カレンダーアプリで時間を管理する

時間を管理するためにカレンダーアプリを使いましょう。Googleカレンダーは最近どんどん便利になっています。家族とも予定を共有して、家族の時間と調整しやすくなりました。また、出張などでGmailに宿泊予約メールを受け取ると、宿泊予定が自動でGoogleカレンダーに登録されるようになってます。

Googleカレンダー
カテゴリ: 仕事効率化

また最近発表された「Goal」という機能を使うと、自分の時間を有効に使うことができそうです。

モバイル版Googleカレンダーに目標達成サポート機能「Goal」 – ITmedia ニュース

 

自分の習慣を記録する

いろんな偉人が、習慣によって人は作られるということを言っていますが、確かにそう思います。ということで、自分の習慣を少しずつ作っていく「仕組み」が重要です。そのために、このアプリを使って、定着させたいアプリを記録しています。定着しないものは途中で見直したり、定着したものは削除したりしています。こういうのは、可視化して自覚するのが重要だと思ってます。

Good Habits
カテゴリ: 仕事効率化, ライフスタイル

テレビは極力見ない

テレビはなんとなく時間を使ってしまうものなので、興味あるもの以外は見ないようにしています。ビジネス系とか本当に好きなものだけ、録画して空いた時間で見る感じです。本当はガラポンTVが欲しいのですが。

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アウトプットする

アウトプットというのは、自分の知識を補充したり、記憶を定着させるという意味で、効率的な手段です。調べて書く、という行為がそうさせてくれます。このブログも、そういう意味で続けていますね。

 

文章を書くには音声入力を使う

iPhoneの音声入力の便利さに気づいてからは、ざっと文章を書くときにまず音声入力を使ってますね。そして、それをキーボードで整形してます。文章を書くのが早くなりました。

iPhoneの音声入力が素晴らしい

 

文字を書くときは万年筆を使う

パソコンを使うことが多いのですが、やはり打ち合わせなどはペンとノートです。書くのが結構面倒だなって思っていたのですが、こういう時にお気に入りの文具を使うと、文字を書いたり何か作業をするのもストレスが減ります。万年筆を使うようになってから、圧倒的に文字を書く量が増えました。軽くて指に負担がかからないのと、気分的にストレスが少ないからだと思ってます。

初めての万年筆なら3000円以下で買えるパイロットのコクーンがおすすめ

 

生産性が上がると、自分がやれることが多くなるし、ストレスも減っていきます。こういう手段は、日頃から常に実行して見直して、ということを繰り返していこうと思います。

今日はこのへんで。

Kindleの電子書籍を無料でオーディオブックにする方法(2016年版)

iPhoneのKindleなら、読み上げ機能で本を読み上げてくれます。2年以上前にそのことをこのブログに書いたのですが、この機能をまだ知らない人も多いです。

Kindleの電子書籍を無料でオーディオブックにする方法

 

そこで、設定や操作方法も変わってきているので、最新の情報で改めて書いておこうと思います。

 

iPhoneには画面の文字を読み上げる機能がある

iPhoneには、画面で表示された文字を、機械の音声で読み上げてくれる機能があります。

アクセシビリティ – iOS – VoiceOver – Apple(日本)

これは、文字を読みづらい人もコンテンツを楽しめるための機能だと思うのですが、これを利用すると、Kindleの電子書籍を読み上げてくれます。そうすることで、電子書籍はオーディオブックになるのです。

 

読み上げ機能の使い方

最初に、設定画面で読み上げ機能を利用できるようにしておく必要があります。

設定方法は、「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」→「スピーチ」→「画面の読み上げ」をチェックします。これで、画面の読み上げ機能を利用できるようにします。

voiceover

次に、読み上げの始め方です。読み上げを開始するには、Kindleを起動してから、画面の上部から2本指で下へスワイプします。これで読み上げがスタートします。さらに、ページ送りも自動で行ってくれますので、ずっと読み続けてくれます。

voiceover2

ちなみに、英語を読み上げるときは、言語環境を英語にする必要があります。設定方法は、「設定」→「一般」→「言語環境」→「言語」です。ここで英語を選択します。

 

機械での読み上げはどこまで使えるの?

読み上げ機能はどこまで実用的なのでしょうか?結論から言えば、十分使えます。もちろん完璧ではありませんし、以下の挙げる通り注意すべきこともいくつかありますが、全然実用レベルですね。

やや注意することがあります。

  • 当然ですが、漫画など画像として扱われるコンテンツは読み上げてくれません
  • 漢字の読み方はそれなりに間違えますが、類推して脳内変換すればだいたいは理解できます
  • ページ送りの前後は、単語が変なところで切れた状態で認識されてしまうためか、うまく読んでくれないことが多いです

まあ、いろいろ書きましたが、あまり困らないですね。

もうこれがあれば、オーディオブックを買う必要もないですし、移動中歩いている時も読書することができるようになります。ぜひ、お試しあれ。

移動中は、両耳がふさがらない片耳イヤホンがお勧めです。Bluetoothだとケーブルも邪魔にならないですし。

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集中力を高めるiPhoneアプリ「Focus Timer」が良い感じ

昔から、いろいろ集中力があまりないことを気にして、ためになりそうなことがあれば試しています。

集中力の欠如が気になる今日この頃

 

というのも、集中力が高い状態を作ると、やはり作業の生産性が非常に上がるので、生産性を上げたければ、「いかに集中力が高い状態を自分で作れるか」が重要になると思うからです。

そして、今試しているiPhoneアプリはなかなか良いかもしれないので、ここで書いておきます。そのアプリが「Focus Timer」です。

Focus Timer:集中力アップアプリ – フォーカスタイマー
カテゴリ: 仕事効率化, ライフスタイル

これまでも、いろんな時間計測ツールやアプリを試してきましたが、このアプリの特徴は「iPhoneの画面を下に向けたら、カウントが始まる」という点です。

この物理的な行為が、良い気がするんですよね。画面が下に向いたときしか時間がカウントされないので、当然iPhoneを操作しているときはカウントされなくなります。また、iPhoneを伏せたときに「集中した時間がカウントされている」という意識が明確になるので、自分の中でスイッチが切り替わった感じがするんですよね。

というわけで、集中力を高めたい、生産性を上げたい、という方はぜひお試しあれ。

ちなみに、以前Kindleの日替わりセールで買った孫正義の伝記「志高く」を読むと、成果を残すすごい人と言うのはやはり集中力が高いんではないのかと感じますね。

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飲食業でITが活用されると日本が元気になる理由

飲食業はITをもっと活用しなければいけない、という記事がありました。

飲食業界がブラック化するのはITの恩恵を受けていないから|飲食店を救う「ITサービス」ガイド|ダイヤモンド・オンライン

僕は飲食サービス業の生産性がITによって効率化されれば、日本社会はとてもよくなると思ってます。統計から、その理由を書いておこうと思います。

 

飲食サービス業は、他の業種に比べてIT活用率がとても低い

中小企業白書に、業種別のIT投資の比率が統計として掲載されています。2013年でちょっと古いですが、現在も傾向はそれほど変わっていないでしょう。

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(出所:中小企業庁:中小企業白書(2013年版)全文 P.208)

わかりますでしょうか?「宿泊業、飲食サービス業」の項目だけが、全体としてどの業界よりもIT導入の割合が低くなっています(全ての項目で最下位ではありませんが、ほとんどそれに近いものがあります)。

 

飲食サービス業は、日本の事業所数で2番めに多い

「宿泊業、飲食サービス業」というのは、企業数でみると日本で小売業に次ぐ多さで、中小事業所は70万もあります。

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(出所:中小企業白書 2014年 付属資料

ということは、飲食業はIT活用という意味ですごい伸びる余地がありますし、数が多い分、そのインパクトは大きいと思っています。

なにより、レストランやホテルでの生産性は、アメリカの4分の1しかないという現状は、解決すべきなんじゃないかと思います。

ブルームバーグの主張はこうだ。「おもてなし」には時間も努力も必要ながら、日本ではその高いサービスに対して、客が対価を支払うことも、サービス従事者がそれを受け取ることもよしとしない文化がある。つまり高いサービスに対して経済的な還元性が低い、ということであり、実際、レストランやホテルでの生産性がアメリカの26.5%とかなり低い数字として出ている。

「おもてなし」が原因?日本の飲食・宿泊業の生産性、米国の4分の1 客の要求水準高く | ニュースフィア

 

最近、タブレットを使ったレジを見かけることも出てきましたし、いろんな場面で浸透している気がします。安くて利用しやすいサービスも増えているので、どんどん普及して欲しい!

 

さて、Kindleで2冊読み終わりました。

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知識を幅広く持つってのは、本当に重要だなーと感じますね。両方とも新しい視点をもらえると思うので、オススメです。

電子書籍サービスはKindle一択になっているのかもしれない

電子書籍の利用は増える一方で、紙媒体で買うなんてことはほとんどなくなってしまいました。

で、電子書籍サービスもメジャーなもので言えば、

  • Kindle
  • 楽天Kobo
  • Booklive!

あたりかと思います。電子書籍が日本で普及し始めた頃からこの3つを並行して使ってきたのですが、最近はKindle一択になりつつあります。今日はその話を書こうかな、と。

 

電子書籍はすでにレッドオーシャンになっている

まず前提として、電子書籍というサービスは、基本的にはどこも同じ商品を扱っているので、差別化の要素が非常に低くなっています。簡単に言えば、商品そのもので差別化することが難しいので、価格競争になっているわけです。

最近の調査では、電子書籍を利用する人は頭打ち感が出ています。

電子書籍の利用率が2割弱で頭打ち、「利用意向なし」が増加、「関心なし」と合わせると6割以上に -INTERNET Watch

また、楽天Koboは世界全体で電子書籍市場の立ち上げが遅れていることが影響し、損失を計上しています。

Kobo関連では、連結ではのれんの減損として78億円の減損損失を計上。Koboは2011年に買収し、電子書籍ストアや端末を展開しているが、「世界の電子書籍市場の立ち上がりが当初の想定よりも遅れ、それに伴う事業計画の遅れが要因」という。

楽天、電子書籍子会社のkobo株式を減損処理 「事業計画に遅れ」 – ITmedia ニュース

 

ということで、市場がそれほど拡大していかない中で、各サービスはセールをやったりクーポンを配ったりして、どんどん値引きしています。

Kindleは全体的に価格が安く抑えられているし、積極的な割引はあまりしない感じがありますが、他社が割引セールをすると、だいたいは追随して価格が引き下げられているので、Kindleで買おうと思った時に他社よりも高いよねって思うことが少ないですね。

 

差別化のポイントは品揃えや価格ではなくなってきている

以上から考えると、すでに電子書籍の差別化は品揃えや価格ではなくなってきており、別の差別化ポイントが生まれてきていると思うってます。そして、それについてAamzonが積極的に差別化ポイントを積み重ねてきてるんじゃないか、ってのが今回の主旨です。

 

Kindle Fireの破壊力

差別化のポイントとして挙げられる一つは、まず読書端末ですね。Kindle Fireが1万円を切る価格で売っているというのは、驚異的なコストパフォーマンスです。

Kindleの新しいFireタブレットが5000円とかコスパ高すぎ | Synapse Diary

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Kindle Fireは去年発売されましたが、それまでもKindle端末自体は発売されていました。もっとも廉価なKindle Fireを発売することで、端末の購入者を増やすことに成功したんじゃないでしょうか。

KoboやBookliveも端末を販売していますが、映画も見れるし、ゲームもできるし、読書もできるKindle Fireに勝るのは、結構難しいんじゃないでしょうか。

 

Kindleアプリは細かな点で使い勝手が良い

僕はiPhone、Kindle Fire、iPad、Kindle paperwhiteと、様々な端末で読書します。その時に一番嬉しいのは、端末間の同期の精度が非常に高いことです。他のサービスだと、なかなかうまく同期しなかったりしますし、Bookliveの場合、AndroidとiPhoneでは同期できない制約があります。

・現バージョンでは、.Book形式の書籍および雑誌について、Android端末とiOS端末/WindowsPCとの間で、しおりの同期ができません。

すべての作品が同期できますか? | BookLive FAQ

あまり困らない人が多いのかもしれないですが、僕は複数の端末を分けて使うことが多いので、端末間で同期がうまく行われないと結構ストレスになるので、自ずとKindle以外のサービスを敬遠するようになってるんですよね。

後は、辞書やマーキングのするときの操作性が、1番なめらかなのもKindleです。これも結構主観的なものなのかしれないですが、1番スムーズでストレスが少ないです。あとは、辞書を呼び出すスピードとか。そういう細かい操作性が良いですね。

最後は、音声読み上げにキンドルは対応していること。移動中に時間があるときは、音声読み上げ機能を使って聞いています。音声読み上げ機能を使うことで、読書量を増やすことができているのですが、KoboやBookliveはこれができないんですね。

Kindleの電子書籍を無料でオーディオブックにする方法 | Synapse Diary

 

というわけで、端末やアプリを改善し、差別化のポイントが明らかにハードウェア・アプリケーションになってきていて、アマゾンのKindleサービスがその強さを発揮してきている、というのが現状なんじゃないかと思います。

とはいえ、Amazon一強だと競争環境として健全ではないので、他の電子書籍サービスも頑張ってほしいですね。

Night Shiftモードよりも目に優しいiPhoneの設定を教えるよ

AppleがiOS 9.3を発表されました。その中の目玉機能の1つが「Night Shft」モードです。

iOSのアップデート – Apple(日本)

これは液晶画面の色を変化させることで、ブルーライトを減少させる効果があります。ブルーライトは体のリズムに影響があると言われており、これを抑制することで睡眠に良い効果があるのではないかと言われています。スマホによって、長い時間液晶を見るようになった現代人とっては、目に優しい機能というのは魅力的なんじゃないでしょうか。

最近だとZoffやJINSなど様々なメガネメーカーがPC専用メガネを発売していますし、僕も使っています。

 

あとスマホのフィルムでブルーライトカットもありますね。さらにアプリでもそういう類のものがあります。

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で、確かに今回発表されたNight Shiftモードはよさげなのですが、それよりももっと寝る前に目に優しいiPhoneの設定があります。それが白黒反転です。画面を表示してる時にその文字の通り白と黒が反転します。

 

やり方は簡単です。最初に設定におけば、あとはいつでもホームボタンのトリプルクリックで白黒反転を切り替えることができます。最初の設定は、

設定⇨一般⇨アクセシビリティ⇨ショートカット

で、「色を反転」を選べばOKです。

アクセシビリティ

 

夜暗くしたベットの上で白黒反転をやってみるとわかるのですが、明らかにiPhoneから放たれる光の量が変わります。なので、眩しさもあまり感じなくなります。ちなみに、白黒反転すると、画像などは見づらくなるのですが、文字だけであれば全く問題ありません。

というわけで、ぜひ試してみてください。Night Shiftモードも良いですが、暗くなったベッドでは、白黒暗転の方が僕が目に優しくて良いです。

それにしても、iPhoneでこういう機能が搭載されてくると思いませんでした。以前からこういう色を調整するアプリとして有名な「F.lux」があったのですが、iPhone版が公開停止されて、そのあとにiPhoneに標準搭載されてしまいました。

画面の色温度を調整するアプリ『f.lux』が公開停止に。代用するなら『Gamma Thigny』か。 | ライフハッカー[日本版]

プラットフォーム側に取り込まれてしまうと、アプリ制作側としてはいきなり窮地に立たされてしまいますね。

 

Zoffでブルーライトカットメガネを買いました。個人的には、ナイトシフトモードよりこちらの方が、目の疲れに対して効いた気がしました。個人の体感ですが。

Zoffでクリアレンズのブルーライトカットメガネを買った

iPhoneの音声入力が素晴らしい

最近、文章を書こうと思う時に、iPhoneで音声入力を使うことが増えてきています。

以前から、とりあえずメモしようと思うとiPhoneのEvernoteに残すのが習慣になっているのですが、これまではフリック入力でやってきました。最近、音声入力の便利さに気づき、どんどん使うようになっているのです。

 

音声入力はすごい速い!

音声入力のメリットは劇的に文章を書くスピードが速くなることです。喋ったことがどんどんテキストになっていくので、タイピングがどんだけ早くても比べられないぐらい速いです。

音声入力は、文字を入力する画面ところでマイクボタンを押すだけで、音声入力を開始することができます。

音声入力

認識精度は完全ではないけどね

認識精度は、完全とは言えません。声が小さかったり滑舌が悪いと当然誤認識するし、読み方が同じで漢字が違う場合などは、ちゃんと認識されないこともあります。ただ、そんなにストレスにはならないぐらい、正確です。

あと、最近音声入力を使って気づいたのは、文脈を意識して漢字を変換していることです。最初は喋りながらどんどん文字が入力されていくのですが、文章に区切りができると、その内容を踏まえて文章が自動で変更されるのです。つまり、音声をそのままテキストにしているだけではなく、単語の前後関係を理解し、自然な文章になるよう変換しているのです。これはなかなか凄い機能だと思います。

どうやら認識が良くなったのは、iOS8からのようですね。

iPhone音声入力すごすぎて笑いが止まらなくなった – 週刊アスキー

多少の誤認識については、最後に文章を推敲するときに修正すればよいので、とりあえず思ってることを書き出すのであれば音声入力が非常に早くて便利です。

 

喋って書くという行為はドラッガーもやっていた

音声入力のもう一つのメリットは、しゃべりながらの方が考え方を明らかにしやすいと言う点があります。昔読んだ本でドラッカーは、原稿を書くときに、まずテープに自分が考える内容を録音して、内容を整理すると書いてありました。そうすると自分がどこまで頭を整理できてるから気付けるので、何度も繰り返してテープに話し、自分の言いたいことをはっきりと主張できるようになるということでした。確かにそれは、音声入力をしてみて、実感としてわかりました。普段でも、喋りながら自分の思考がはっきりクリアしていくことがありますよね?

 

改めて考えてみると、テキストと音声の境界線がどんどんなくなっていくように感じます。テキストを音声に変換する、逆に音声をテキストに変換するという行為が、特に違和感なくできるようになっているんですよね。なので、プログラムというテキストでできたロボットと会話したり、人間が話す内容がテキスト化されてビッグデータで解析されるんですよね。この流れは今後もどんどん進んでいくと思います。

 

というわけで、いろいろ文章書きたい人は音声入力を試して欲しい。欠点としては、公衆の面前で音声入力するとビックリされるかもしれないので、結構場所が限られるってことですね。

ちなみに、この記事も音声入力で書きました。

【書評】決定版 インダストリー4.0―第4次産業革命の全貌

この間、日本のIT業界が稼げない業界になってしまっていることを書きました。

なぜIT業界が「稼げない業界」になってしまっているのか

 

この記事の最後に、ICTがメインビジネスに組み込まれることで、IT業界は再度見直されるという希望を書いています。

そして、そのひとつが製造業に登場した「インダストリー4.0」だと思っています。というわけで、最近話題のインダストリー4.0を読んでみました。

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ICTが製造業に入り込む「インダストリー4.0」

ドイツ発祥のインダストリー4.0は製造業を新しい領域に進展させようとしています。

平たく言ってしまえば、最近のITトレンドであるIoT、ビックデータ、データアナリティクス、人工知能を活用し工場生産をさらに向上させようとしていることになります。これによって、多様化するニーズに柔軟に応えつつ、大量生産と同じ効率性を維持することが可能になります。

さらに、工事生産をサービス化しそのスキーム自体を売ろうとしています。

製造業は、製品を売ったら終わりの従来のビジネスモデルから、センサーやビッグデータ分析を駆使したアフターサービスで付加価値を高める新しいビジネスモデルにシフトしていくと考えられています。ちなみに、GEは、IT企業と連携してビッグデータ分析をしてきた従来の方針を転換し、ソフトウェア会社を設立して、ビッグデータ分析ソフトを自社開発しました。他の企業に、IT企業としてこのソフトウェアを提供し、クラウドサービスを販売するというビジネスも始めているのです。

 

これって農業や物流でも似たような流れになっていて、IoTやビックデータ、データアナリティクスなどの活用によって、生産性の向上、付加価値の向上、サービス日が注目されています。

例えば、農業だとこんな事例があります。

「農業IoT」が日本の農業を変革。栽培状況をクラウド管理は常識に:次世代農業EXPO – Engadget Japanese

 

物流はこんな感じ。

「IoT」は今後、サプライチェーンや物流業界に約226兆円規模の利益をもたらす|DHLジャパン株式会社のプレスリリース

こうやってどんどんICTがビジネスに直接関わっていく比率が、全体のトレンドとして増えています。

 

国家戦略として取り組むドイツとアメリカ

ではなぜ、インダストリー4.0と言う言葉が注目されているのかといえば、ドイツやアメリカなど国家が率先して製造業をレベルアップさせようとしているからです。

日本も製造業の比率は非常に高いのですが、どうやら国家戦略と言う意味では遅れをとっているようです。本書の中でもグローバルスタンダードができつつあり、日本は高い技術力を生かし、グローバル標準に乗って行こうと述べられています。

これからグーグルをすぐに日本独自で作ることができるでしょうか。かなり難しいです。同じように、「日本が独自にやるぞ」と始めても、質量とも大きくなっている世界のテクノロジーは待っていてはくれません。中央図書館だけでやろうとしてもうまくいかないのです。  それならば、日本の得意とするものづくりの技術をもって、世界ネットワークができつつあるプラットフォームに謙虚な気持ちで乗っていく。これが得策じゃないでしょうか。

 

ドイツの戦略で感心したのは、中小企業の底上げをインダストリー4.0で狙っていることです。ドイツも中小企業の比率が多くなっており、全体の底上げによって生産性を向上させることが必要になっています。そういう意味で、国家が主導して製造業をレベルアップさせていくのは非常に効果的な気がします。

「ドイツの企業は、ほとんどが中小企業です」と聞くと意外に思われるかもしれません。  自動車メーカーのダイムラー、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、自動車部品のボッシュ、発電、医療、ファクトリー・オートメーション(FA)で有名なシーメンス、ERPで世界トップのIT企業SAPなど、ドイツの大企業は、世界的に活躍し、日本でもよく知られています。  ところが中小企業数の全企業数に占める比率は99%。実は、ドイツは日本とよく似ていて、企業のほとんどが中小企業なのです。

 

いろいろ調べてみると、日本の製造業は海外投資の比率がドイツに比べて低かったり、利益率も低い状況にあるようです。

中小企業のうち輸出を行っている中小企業の比率は、ドイツが20%なのに対して、日本は3%です。次に、中小企業の中で対外直接投資を行う割合を確認します。ドイツの17%に対して、日本は0・3%にとどまっています。これは、製造業のグローバル化を受けてドイツの中小企業が海外との貿易取引や企業進出に積極的に取り組んできたことを表しています。

 

こうやって見ると、製造業は今後とても大きく変わっていくような予感しかありません。また、冒頭で述べたように様々な業種・業界が、今後ICTの活用によってこれまでのビジネスを大きく変えていくのでしょう。それはすでにグローバルレベルで変化しています。これを読まれている皆さんも、自分がいる業界がICTによってこれから大きく変わっていくことになるはずです。

と言うわけで、インダストリー4.0の概況を知りたい方はぜひこの本を読んでみてください。

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参考;政府は製造業に興味無し!?インダストリー4.0予算ゼロの実態 | 山田太郎

なぜIT業界が「稼げない業界」になってしまっているのか

経産省がIT業界の人材に関する報告書を発表しており、非常に興味深い内容になっていました。

特にそれがTogetterにまとめられ、「IT業界は本当ダメだな」という感想が多く寄せられており、なんとも言いようがない状況であることがわかります。

「情報システム産業では、2000年代後半から協力会社を中心として労働環境の悪化が相次ぎ受託開発ビジネスの限界に直面。丸投げ委託、多重下請けと人月ビジネスの横行等により、業界全体の魅力が低下した」という経済産業省の産業構造審議会の公式見解について – Togetterまとめ

確かにITゼネコンとかIT土方という言葉が生まれており、あまり環境が良くないと言われています。なんでこう言う状況になってしまったのでしょうか?

幾つかポイントがあると思うのですが、個人的に考えられる要素を並べておこうと思います。

 

IT業界を取り巻く負のサイクル

そのうちの一つは、日本の経営者におけるIT活用に対する興味のポイントです。経産省の資料に示されているのですが、日本の経営者は、極論をいえば「費用削減の手段」としてしかITを見ておらず、それが新しい付加価値を生み出す、収益を生み出すということの比重が小さいというのは、随分前から言われている話です。

IT1

で、業務合理化の手段としてITが活用されることになると、組織上にある傾向が生じてきます。それは、「業務の効率化=システムの導入が終了すると、IT人材は組織に不要になる」ということです。

それは、同じく経産省の資料に示されています。

IT2

ユーザ企業では、大規模なシステム投資は行うものの、あるプロジェクトが完了すると、システム系の業務がなくなるため、システム子会社など分社化するか、もともと外部から雇うなど、自社からIT人材はどんどんいなくなるのです。

また、「守りのIT」というのはどちらかというとチャレンジングな要素が技術的にも少ない傾向にあり、高い技術力が差別化になりづらい点も影響しているのではないかと推測します。

まとめると、以下のサイクルが発生しているのではないか、というのが僕の仮説です。

  • IT人材は一時的にはいるが、用が済んだら子会社化するなどして、社内にいなくなる
  • 社内にIT人材がいなくなった結果、次に必要になったときにはITベンダーに頼る比重が大きくなる
  • また、ユーザー企業が「枯れた技術」を好むため、ITベンダーの技術力はそれほど差別化要素にならない
  • ITベンダーがクライアントに対して引き受けなければいけない領域が広くなるため、差別化要素が低い技術領域をアウトソーシングする

 

でも、今後はこういう状況は変わってくるかな?

ただ、今後はメインビジネスの中にITが組み込まれることになるケースが増えていくんだろうと思っています。

例えば日本交通の社長だった川鍋さんは、2015年に社長から会長に退き、代わりというかJapanTaxiという情報サービス会社の社長に就任しています。

JapanTaxi株式会社(旧:日交データサービス)

UberなどIT技術の破壊力に危機感を抱き、このIT領域に非常に力を入れています。そのあたりは、以下の講演を見ると、よりわかると思います。

さらに、インダストリー4.0などITを使ったサービス化を実現する動きが製造業にみられています。コマツのコムトラックスが代表例としてよく挙げられますが、そういう動きも今後はもっと活発化していくのでしょう。

守りのITから攻めのITへ。そういう時代はもう来るんだと思っていますが、それがもっと盛り上がらないと、IT土方は量産され続けるんじゃないでしょうか。

今、これ読んでます。

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