「反原発」の不都合な真実

震災から1年が経過して、原発に関していろんな情報が報道されてきた。それでも、社会は今も原発を再稼働するかどうか、将来的に原発を撤廃するのかどうかに揺れている。

この本では、震災後起こった出来事に対していくつかのアンチテーゼが含まれていると思っている。

 

いろんなものに対する不信と、そこからくる漠然とした不安

震災によって政府や電力会社やメディアや専門家の情報が錯綜したり、迷走したりしたので、様々なものを対象に不信が起こり、そして不安感情が高まったと思う。自分もそうだった。

これに対しては、これまでの過去の議論を振り返り、事実を積み重ね、今の現状を認識することから始まる。まず、圧倒的に原子力技術や放射線に関する知識が足らなかったんじゃないだろうか。実際、僕は震災後よくわからなかった。放射線とガンの関係も分からなかったし、少し調べて大人は大した影響がなさそうだと思ったけれど、子供についてはどの程度影響があるのかさっぱりわからなかった。実際に震災地域にいたら、どう判断していただろう。

そのときに重要なのは、政府やマスメディアが信ぴょう性の高い情報を提供することなのだと思うが、それが機能不全になったように感じる。僕らは自分で考え、自分で情報を取得する必要性が高まっているのだと思う。

 

科学神話の限界とリスクの捉え方

科学が万全な答えを出せない、正確にはリスクが「残る」ということについて、うまく整理できていない印象がした。科学は何か明確な答えを出す万能なものではないし、逆に答えが導かれないからといって科学が無能なわけでもない。

しかし、今回は基準値が急に変更になったことに驚いたり、人体への影響に統計や確率が入り込んだために、「リスクゼロでないなら、違う産地の野菜を食べよう」とか、リスクに対して過剰反応と思えるような考えをする人がいた。

低線量被曝の人体への影響のように、複数の要因が混在して因果関係を明確にできなかったり、事例そのものが少なく、分析が難しい事柄についてはどうしても、「リスク○%」というような表現になるのだが、やはり人間は確率やリスクについてうまく事象を捉えるのが苦手なのだろうか。

 

この本を読んでから、改めてこのビルゲイツの動画を見直したが、すごいわかりやすかった。動画の最後の方に原子力発電所の廃棄物処理についても言及されていて、人が作業するような複雑さを取り除く必要があると言っているのが印象的。

最初に入った会社が自分に与える影響は大きい

社会人としての経験を積み重ねている自分は、どんどん会社に染まってしまっているのかもしれない。

 

自分が社会人として経験を重ねるようになると、だんだん誰かからちゃんと指導してもらうような機会はほとんどなくなる。自分で学習して成長していかなければいけない。そうなるとは知っていたけどね。

 

最近、自分は入社して最初に経験したスキルや物事の考え方みたいなもので今は生きてるなって感覚がある。逆に、数年経験を積むと、その会社の思考にどっぷり浸かってしまって、新しい価値観や考え方を受け入れづらくなってしまっている自分がいる。

入社して数カ月後に、新人の頃の教育担当だった先輩に会って飲んだのだが、そのときに「気づいていないだろうが、お前たちも既に会社に染まり始めている」というコメントをいただいた。結構ショックだったというか、「ああ、確かにそうだな」と自覚したのを覚えている。

 

最初に入った会社は、学生とは違う世界で初めて教えられることばかりだ。だから、いろいろ受け入れやすいし、吸収も早い。逆にいえば、ある程度経験してしまうと、これらのメリットは全部裏返しで自分にやってくるのだ。どんどん自分は硬直的になり、多様性を認められなくなる。少しずつそうなっているのかもしれない。なんて恐ろしいんだ。

 

というわけで、新社会人で会社勤めになる方は、そこで学べるものをできるだけ学んでください。ただ、それが社会のすべてではないし、最初の会社で必死に身につけた仕事に対する考え方や姿勢は、その先長い間も残るもの。それを忘れずに頑張れば良いんじゃないかと。

都道府県幸福度ランキング

@tsuda のメルマガで知ったんだけど、ブータンのGNHをモデルにして、日本の都道府県幸福度ランキングを法政大学が発表していた。

www.hosei.ac.jp/documents/koho/photo/2011/11/20111110.pdf

 

担当教授は、「日本でいちばん大切にしたい会社」の坂本教授。

評価方法は、「生活・家族部門」「労働・企業部門」「安全・安心部門」「医療・健康部門」で合計40指標を定めた上で、ランキングを得点に変換して、最終的に平均して算出したものだそうだ。

結果は、北陸3県がベスト3という状況。都市部はあまり評価が高くなく、大阪府は最下位になっている。

幸福度1位は福井県、2位は富山県、3位は石川県でした。一方、45位は兵庫県、46位は高知県、47位は大阪府でした。上位は北陸3県が独占しました。
1位は福井、47位は大阪 都道府県別幸福度調査 – はてなブックマークニュース

 

「理不尽な給料」でも書いてあったけど、地価や就労率、子育て環境、実家との共生など、条件によって経済的な裕福さは変わってくるし、都会=裕福ではない一面がある。この結果はそれを表しているんだろう。

今でも東京などの都市部が経済的に稼いで、地方に地方交付税で分配する仕組みがあるし、そういう意味で都市と地方は表裏一体な面もある。こういう指標やランキングには賛否両論がつきものなんだけど、どうせ完璧な指標なんてないのだから、いろんな角度からの指標があるっていうのは良いことなんじゃないかね。

 

過去にロバート・ケネディもGNPという指標の不完全さについて、こうスピーチしている。

Yet the gross national product does not allow for the health of our children, the quality of their education, or the joy of their play. It does not include the beauty of our poetry or the strength of our marriages; the intelligence of our public debate or the integrity of our public officials. It measures neither our wit nor our courage; neither our wisdom nor our learning; neither our compassion nor our devotion to our country; it measures everything, in short, except that which makes life worthwhile. And it tells us everything about America except why we are proud that we are Americans.
Robert F. Kennedy on GNP quote

 

幸せの尺度はいろんな観点から検証されて良いんじゃないかと思う。このランキングは、今後3年ごとに更新されるんだそうだ。

嵐の櫻井くんが解く人間関係の考え方がわかりやすくて素晴らしい

先日「ひみつの嵐ちゃん」をちょっと見てたんだが、すごい櫻井くんが真っ当で人生のためになることを言っていた。うろ覚えだけどメモっておく。

 

学生から質問を受ける形式だったのだけど、ある生徒が「嵐の仲良しの秘訣を教えてください」っていう質問があった。これの答えが、すごい人間関係の真髄を表している気がした。櫻井くんは「遠慮と我慢の設定」と答えたのだ。

いくら仲良しだとは言っても、自分の苛立ちや不機嫌さを簡単にぶつけてしまうのはナンセンス。しかし、我慢し続けると悪い部分も何も変わらないので、本当に信頼できる関係にはなれない。だから、遠慮と我慢のラインをどこに設けるかを考えて付き合うことが重要だと言うのだ。

 

これを聞いて、感心してしまったよ。すごい人間関係の妙を端的に表現してるんじゃないかと。

いろんな人といろんな関係があるが、すべてこの「遠慮と我慢」のラインをそれぞれ引いている。あまり関わりが薄い人に対しては、ほとんど自分に実害がないから一時的に高い我慢を強いられても耐えられるけど、距離が近くなるほどそうもいかなくなる。だからといって感情をぶつけすぎても関係性は壊れる恐れが高まる。

 

どこまで遠慮や我慢をすることが、お互いの関係性によって良い方向に向かうのかを考えるのは、とても良い示唆だと思う。

自治体にPPS導入は広まるのか

自治体の電力調達として、PPSが注目されているらしい。

PPSからの電力購入と自治体のコストマネジメント | 社会 | PHPビジネスオンライン 衆知|PHP研究所

PPSとは「特定規模電気事業者」のことで、地域独占の電力会社ではなく、1995年から始まった電力自由化によって参入した企業のことを指す。下記経産省のページに事業者一覧があり、53社が掲載されているが、実際に電力の小売を手がけているのはその半分程度だそうだ。PPSの電力供給量は、全体の4%程度と言われている。

資源エネルギー庁 施策情報 電力・ガス・熱供給事業政策について 電気事業制度改革 我が国の電気事業制度について 特定規模電気事業者連絡先一覧

知りたい!:新電力人気に落とし穴 供給量わずか3% 希望殺到、価格急騰 PPS模索、東海でも – 毎日jp(毎日新聞)

 

世田谷区がPPS導入で話題になったけれど、PPSはまだ全体からみると供給量が少ない。供給能力が過小のため、安いはずのPPSも値段が向上していたり、供給力そのものが不足していて応札できない、という事例も発生しているんだとか。買い手市場であれば、競争性を導入することでコストを下げることが期待できるのだが、供給量の問題からまだ十分な買い手市場とは言いづらいのだろう。

売り手市場であれば、今後それを機会と捉えて参入する新規事業者が増えて、市場経済のメリットを享受できるようになると思うんだけどね。

 

岐阜県の市町村でも一部導入を検討している。自治体の検討状況の中で、「災害時の復旧に不安」ていくつか書いてあるけど、どういう意味なんだろう。

電力購入先、変化の兆し 県内20市町村PPS予定・検討 - 岐阜新聞 Web

 

今回世田谷区の電力契約を落札したエネットのHPを見ると、電力会社を変えるにあたって特別な設備投資などは不要とのこと。また、万一PPSで電力供給が困難になった場合は、電力会社との補填契約によって契約者には停電などはない状態で電力供給されると書いてある。

弊社の発電設備等に万一のトラブルがあり発電が行えない場合、弊社と電力会社間で事故時補填契約のようなものを締結しており、お客様が停電するなどの影響は一切ない、安定した電力供給がお約束できます。ただし、送電網は電力会社の設備をお借りしていますので、万一、送電網にトラブルがあった際には仮に弊社発電所が正常でもお客様に影響を与える恐れがあります。
電力供給設備|新たなエネルギーの電力会社エネット:ENNET

これを読む限りは、災害によってPPSが電力を供給できなくなった場合は、電力会社が電力供給を行うことが契約で担保できるようにみえる。なので、災害時の復旧リスクもヘッジできるんじゃないのかな。違うのかな。

 

今は契約電力50kW以下の小規模施設にはPPSは導入が認められていないので(これはコンビニ1店舗ぐらいが目安らしい)、PPSが大きく普及するような兆しはまだ小さい。個人がPPSから電力を買ったり、個人が集まってある程度の消費規模を見込んでPPSから買う、ということもできない。(例えばマンション構築時にPPSを想定した送電線の設置をしていればPPS導入は可能。)また、一般家庭は大口契約より相対的に電力料金が高く設定されていると言われている。

今ある制度の参入障壁を減らして、PPSの供給力を高めていくことがまず必要だと思われる。自治体からみれば、PPS導入にあたっては、競争相手が常にいるような競争性が確保されること、安定供給や災害時のリスクヘッジを契約面などで確保することが必要条件になるだろう。今の電力市場では、これらが十分に満たされている状況とは言えないようだ。

それにしても、今回でエネットってすごい知名度上げたんじゃないかな。

自治体名をネーミングライツで売却するとどうなるか

やっぱりこれは触れておかないといけないネタかな。

大阪府の泉佐野市が、自治体名をネーミングライツにすることを検討しているというニュース。まだ検討段階であって、応募しているわけじゃないんだが、結構話題になってるね。

 

泉佐野市の財政事情

泉佐野市は、平成21年度から財政健全化団体に指定されている。財政健全化団体というのは、財政上危ない状態になりつつあり、早急な健全化が必要と判断された団体。泉佐野市以外にも、他に5団体が指定されている。(参照:財政健全化団体 – Wikipedia

関西国際空港の開港による人口増や税収増を見込み、債務を増やしながら投資を行ったが、景気低迷などによって財政が悪化したようだ。

 

自治体のネーミングライツ事情

一時期流行ったけれど、今は少し下火な印象。ただ、自治体も財源確保を行う必要があり、広告収入やネーミングライツなど税以外の財源を増やすのは未だ有効手段のひとつになっている。

球場のような大規模なイベント施設や文化施設は人が名称に触れる機会が多く、またイメージも良いため高額になる傾向にある。味の素スタジアムとか京都会館とか。それ以外にも、森林なんかにもネーミングライツが適用される事例もあるそうだ。企業の環境イメージ向上に寄与するんだろうな。

失敗というか難しい状況もたくさんあって、金額がどうしても企業の景気や経営状態に左右されたり、企業が倒産するリスクがあったり、企業が短期契約を好むため名称がコロコロ変わったり、名称が定着しなかったり、ネーミングライツの募集をかけたものの応札がなかったり。まあ、ネーミングライツを導入するにも考える要素はたくさんある。

 

自治体の名称がネーミングライツで変わったらどうなる

建物のネーミングライツなどは公共施設の処分に該当しないため、議会の議決は不要。しかし、自治体の名称については議決が必要。この場合、広域自治体や管轄省庁の大臣に承認を得る必要はない。市町村合併でも議会の議決で新しい名称を決めているし、ネーミングライツで名称変更する場合も、各自治体の判断に委ねられる。

今回自治体の名称が変わるのだとすると、いろんなところの看板や標識を変える必要があるし、市の名前が使われているあらゆるものの変更が求められる。さらに、これが3年契約とかになると、3年ごとに変更作業が必要になるので結構大変そう。

あと、自治体名にしたい企業というのも、どういう狙いなんだろうか。住民は何となく気持ち悪いかもしれない。どんな名称にも愛着を持っている人はいるけど、市の名前とかになると結構そういうのを気にする人が多そうだし。そういうネガティブなイメージがつくと、それでも命名権を買おうという企業も出てこないんじゃないかな。

 

最近話題の「うどん県」とか「さぬきうどん駅」とか、愛称のレベルなら良いかもしれないけどね。そうなると企業からのお金も入ってこないかもしれないけど。とりあえず、今回のニュースで泉佐野市は財政難であるという現状をアピールすることはできたんじゃないかな。

 

20120401
建物のネーミングライツが公有施設の処分に該当「する」ため、議会の承認が不要と書いたが、該当「しない」が正しいので、修正。

閉じこもるインターネット

僕がGoogleで検索した結果は、もうみんなと一緒じゃない。

最近感じていたネットに対する何となく気持ち悪い感じが、この本で少しわかった気がした。GoogleやAmazonは広大な情報から効率的に各個人に合った情報を届けるためにパーソナライズをしている。それが、類似した情報しか提示しなくなることで、僕らは気付かない間に狭い世界に閉じ込められているのかもしれない。

 

「無知の知」をどう自覚するか

人間は、自分が知っている世界のことは理解できるけど、全く知らない世界については認知することもできないし、知りようがない。僕らが刺激を受けながら、知識を増やし、世界を広げていくためには「知らないこと」を知ることが必要になる。

だけど、過剰なパーソナライゼーションは僕が興味を持ちそうな似たような情報しか提示してくれなくなる。人は同じような情報に多く触れれば、それを信じる傾向がある。パーソナライゼーションは確かに便利だけど、知らない間に自分が取得している情報が「閉じている」という自覚を持つ必要があるのかもしれない。

僕らは何かに偶然出会うことで、刺激を受け、新しい何かを生み出している。音楽のプレイリストと同じで、ある程度傾向は似通って欲しいけど、似過ぎていると新鮮さがなくなって、面白みに欠けてしまうのだ。情報についても、セレンディピティを生み出すような仕組みが、今後のネットではもっと重宝されていくのかもしれない。

 

共通認識をどうやってつくるか

新聞やラジオ、テレビが登場してきたこれまでの時代は、マスメディアが情報を提供し、民衆はそれを元に考えてきたのかもしれない。だけど、今マスメディアの力はインターネットによって相対的に低下している。インターネットはたくさんの情報が溢れているし、かつそれは各個人に適したコンテンツになっている。

一見それは心地よいのかもしれないけれど、一方で僕らはどうやって共通認識をつくっていくんだろう。どういう社会をしていくのか。どういう国にしていくのか。政治に何を求めるのか。バラバラでそれぞれが適したコンテンツを消費していく時代に、何かを変えていくための勢いをもたらす、コンセンサスをつくるための「場」みたいなものが求められているんじゃないだろうか。

結局のところ、民主主義が機能するためには、我々国民が狭い自己の利益以外のことまで考えられなければならない。そのためには、我々が共同生活をしているこの世界について全体像を共有している必要がある。P.199

 

企業の役割が見えづらくなっている

インターネットは情報を個人の側に引き寄せることで、行政などの権力構造から個人へのパワーシフトが行われていると言われた。確かにそれはその通りかもしれないけれど、その中間にもっと違う変化を引き起こした。これまでは、各企業がバラバラに情報を取得していたり、行政機関が保持していたデータよりはるかに多い情報を、特定の民間企業がプラットフォームの利を活かして取得するようになった。

これまでは行政機関やマスメディアの免許制など、わかりやすい権力構造だったのかもしれない。でも、これからはイチ民間企業が膨大な情報を握り、それを元にサービスを組み立てたり、逆にどこか別の企業に売買したり、警察権力などの法権力に知らない間に提供しているかもしれない。

 

変化が劇的に生じている中で、社会における企業の役割が変わってきている。こういう事例が出てくるのも、そういう一環だと思う。

米グーグル:検索予測差し止め命令…東京地裁仮処分

まだまだインターネットの世界は完璧ではないし、実社会とのリンクも濃密になっている。もっと変わっていくだろう。その変化の方向は、この本で提示された危惧を内包するのだろうか。

しかし、インターネット時代になっても事実をゆがめる力を政府が失うことはなかった。ただしやり方は変わった。ある種の言葉や意見を禁止するのではなく、キュレーションや文脈、情報の流れ、注意力の方向性などを操作する2次的な検閲が増えている。そして基本的にごく少数の企業がフィルターバブルをコントロールしている現状から考えると、このような流れを一人ひとりについて調整することも難しくないはずだ。インターネットは中央集権を破壊するものと草創期に期待されたが、ある意味、中央集権を助ける働きも持つようになってしまったと言える。P.172

 

20120823追記:

この本のサマライズみたいな動画がTEDにあった。

行政機関で普及が広まっているコンテンツ管理オープンソース「Drupal」

アメリカの行政機関で、Drupalなるコンテンツ管理のオープンソースが広まっているという記事を目にした。恥ずかしながら、初めて知ったよ。

More federal websites adopting Drupal for content management — Federal Computer Week

Wikipediaによれば、

Drupalは、プログラム言語PHPで記述されたフリーでオープンソースのモジュラー式フレームワークであり、コンテンツ管理システム(CMS)である。昨今の多くのCMSと同様に、Drupalはシステム管理者にコンテンツの作成と整理、提示方法のカスタマイズ、管理作業の自動化、サイトへの訪問者や寄稿者の管理を可能にする。 その性能がコンテンツ管理から、幅広いサービスや商取引を可能にするにまで及ぶことから、Drupalは時々「ウェブアプリケーションフレームワーク」であると評される。Drupalは洗練されたプログラミング・インターフェースを提供するものの、基本的なウェブサイトの設置と管理はプログラミングなしに成し遂げることができる。Drupalは一般に、最も優れたWeb 2.0フレームワークの一つであると考えられている。
Drupal – Wikipedia

というわけで、優れたデザインと双方向性の実現、管理の容易さなどが優れたポイントのようだ。

 

そして、Drupalのページでは世界でDrupalを採用している行政機関のリストも公開されている。

List of Drupal sites in government (state, provincial, or national) | Drupal Groups

アメリカはホワイトハウスを始め、多数が使われている。

The White House
The White House

 

日本は4つ。国立国会図書館のカレントアウェアネスとか。

カレントアウェアネス・ポータル | 国立国会図書館
カレントアウェアネス・ポータル | 国立国会図書館

 

行政機関の「中立的な立場」という性質上、オープンソースとは相性が良い気がするんだけどね。OpenOffice(今はLibreOffice)の導入とか、鳥取県が地場企業と共同で開発したオープンソース「Joruri」とか、いろいろオープンソースの導入を進める流れもあるにはあるんだけど。

やっぱりこういうトップダウンが必要になるんだろうか。

「ロシア政府はLinuxを導入せよ」プーチン首相が命令書にサイン – DNA

何かを選ぶときは消去法ではなくてポジティブな理由を考える

よく、ある課題について対応案を3つぐらいつくって、それのメリット/デメリットを比較した上で顧客に推奨案を提示する、という場面があるんだが、そのときの考え方で昔上司に言われたことが、今でも忘れられない。

例えば、A、B、Cの3案があった場合に「BとCはこういう理由で実現が難しい。よってA。」という結論の導き方で提案書をつくって上司に持っていったら、「これじゃダメだ」ってあっさり突き返された。「BとCがダメだからAじゃなくて、A自体を選ぶのが良い理由を考えろ」というのがダメだしの理由だった。

自分の中でその指摘がとても衝撃的で、今でもそのときの自分の脳みそが受けた刺激が記憶にこびりついている。確かに自分は消去法で選択肢をつくっていたし、その内容にはAの良さなど触れていなかったのだ。これは自分の中で大きな発見だった。

 

今回の例は3案だけど、これが無数にある場合はどうだろう。消去法は使えないし、そもそもどういう選択を行うのが良いのか見えないかもしれない。僕は、消去法というネガティブな選択ではなく、「これを選ぶのはなんて素晴らしいんだろう」というポジティブな理由が大切なんだと学んだ。

 

さて。少し話が変わって。どこで読んだのか忘れたけど、最近の大学生ぐらいに出会うと、「あれをやらなきゃいけない」とか「自分はこうあるべきだと思う」とかそういう強迫観念というか追いつめられたような印象を受ける、という記事があった。(ごめん、もうほとんど内容も覚えてない。。。)

最初のエピソードを思い出したのは、この記事を読んだからなのだ。いろんな社会通念に触れて、こうあるべきだなって学習したり向上するのは良いことなんだろうと思うんだけど、それってやっぱり消去法というか自分の中でポジティブな理由で選んでいないんじゃないかと思ったりするわけです。

だから、また新しい情報に触れて、自分の中でまた違うロールモデルとかルールを探し出して、「ああ、こうあるべきなんだな」という答え探しを繰り返すようなことをしてしまうんじゃないかと。そんなことを思った。自分がそうだった気がしたから。他の人は違うんだろうか。

 

今はたくさん情報があるし、逆に明確でわかりやすいロールモデルもない。だから、いろいろ情報に触れるたびに、ああでもない、こうでもないって模索する姿が正しいのかもしれない。そういう中で、「やりたいことがあるんだよね」ってはっきり言えることって素晴らしいよね。

だから、ネガティブな消去法で選ぶのではなくて、「BもCもいいけど、Aが○○だから良いに決まってるじゃん!」という選び方を出来る方が幸せだろうし、数ある選択肢の中に溺れたとしても、自分を見失わずにいられる気がするんだよね。何か選ぶ状況になったら、消去法ではなくてポジティブな理由を考えよう。

Googleアドワーズの無料券でDropboxの容量を7GB増やした

すっかり旬は過ぎたと思うけど、Googleアドワーズの無料券を使ってDropboxの紹介リンクを出して、容量を増やす方法が書いてあったので実際に試してみた。

Dropboxの追加容量をアドワーズ無料お試し券で増やす – NAVER まとめ

 

用意した無料券は7500円分。広告を掲載した直後からみるみるクリック数も増えるし、Dropboxから紹介の通知メールがたくさん来た。「ああ、すごいなーこれ。」と思って感心していたが、途中でそれもピッタリ止まる。恐らく、いろんなところで同じような記事も書かれていたし、試す人が増加して競争が増えたためだろうと思われる。。。。

無料券も期日があるし、どうしようかなーと思って試しにクリック単価を引き上げたら、また広告が掲載されるようになり、最終的には7GB分増加できた。最大は8GBまで増加できるのだけれど、あとちょっとで無料分7500円が尽きそうになったので、一旦終了。

 

いろいろ試してみた感想をダラダラと書いておく。

Googleアドワーズについては、なんて出稿が簡単なんだろうって思った。出稿した直後からどんどんクリック数が増えていく。そして広告料も増えていく。今回の場合、一日で数千円は消費していった。こんなにも簡単にいろんな人の目に触れられる、Googleのプラットフォームの大きさを改めて感じたよ。

 

ただ、広告システムが少しとっつきづらい。まあ、少し試してみれば慣れるし仕組みもわかってくるんだけどね。例えば、一日の上限額を設定できるけど、それを超える場合もあります、と言われてみたり。クリック単価の上限は自動で決めるのと手動で決めるのと何が違うのかわかりづらかったり。広告の品質ランクって何?とか。いろいろ要素があって、それが組み合わさって掲載が決まるので、そのポイントをつかむのにちょっとだけ時間がかかる印象。だから代行業者とかもいるんだな、と納得したよ。

あと、積極的にサポートメールが来る。普段Googleのサービスを利用するときには特に人の気配がないけど、広告では担当者からサポートの案内メールもくるし、人の気配を感じるというか、サービスの提供の仕方が変わるんだなと思って面白かった。

 

Dropboxの紹介枠は32人あるんだけど、今回の7500円の無料広告分で28人までは紹介できました。僕はきっとやり方が悪いから、32人コンプリートは無理だったけど、容量が増えていくのはゲームみたいで楽しかった。それでもこんなにどんどんDropboxに登録する人がいるっていうのは、単純に「Dropbox、やっぱすげえ!」って感じた。

同じように試そうと思っている人については、クリック単価を大きめにして短時間で勝負かけることをおすすめする。これだけ容量増えれば、とりあえずBox.netとか他のサービスを使う必要ないかもなー。

 

まあ、この記事を読んでいる人がこのリンクをクリックするとも思えないけど、一応Dropboxの紹介リンクを貼っておく。このリンクから登録すると、双方に250MBが増加します。