人工知能の現在地とこれからを知る。「誤解だらけの人工知能」を読んで

もうAI、機械学習、ディープラーニングなど、様々な用語を聞き飽きたぐらい、いろんな場面で聞く機会が増えました。

Googleトレンドでみると、人工知能という言葉は、検索キーワードとして年々使われる機会が増えているのが分かります。

では実際に、人工知能がビジネスや社会の構造、生活にどういう風に影響与えるのか、正直ピンと来てない人も多いのではないでしょうか。「機械がなんでも自動で考えて、人の代わりに働いてくれるのかな?」ぐらいのイメージの人も多いのではないでしょうか。

ということで、人工知能が現状どのレベルにあって、どこまでできそうなのかを理解するために、本書をお勧めします。

 

「これからはAIが何でもやってくれるよ」と思っている人は、AIの技術がどこまで進んでいるか、本書を読んでもう少し正確に理解されると良いでしょう。

対談形式で進むのでフランクに読めますし、技術的な説明は、ほとんど出てきませんのでご安心を。

人工知能は期待され過ぎでは?

人工知能=ディープラーニングと著者は言っています。そして、ディープラーニングは技術的ブレイクスルーを果たしましたが、ガートナーのハイプ・サイクルによると、過度な期待の状態にあるようです。

過度な期待のピーク期にきているのが自律モバイルロボット、ブレインコンピュータインタフェース、スマートワークスペース、バイオチップ、デジタルツイン、ディープニューラルネット、カーボンナノチューブ、IoTプラットフォーム、バーチャルアシスタント、幻滅期にあるのがコネクテッドホーム、自律走行(レベル4)、複合現実(MR)、スマートファブリック、拡張現実(AR)となっています。
ディープラーニング、IoTプラットフォームは「過度な期待」の時期に ガートナー、「ハイプ・サイクル2018」を発表 – ITmedia エンタープライズから引用

つまり、「今は騒がれ過ぎで、これからは一旦幻滅されていくだろう」ということです。まずは、そういう構造的な状況にあることを大まかに捉えると良いでしょう。

人工知能の研究分野が急速に進んでいるのは間違いありませんが、本当に実社会で使われていくのは、まさにこれからという段階です。

ディープラーニングは何が凄いのか

本書では、現時点では人工知能=ディープラーニングであると説明されています。それぐらいディープラーニングが画期的なブレイクスルーだったということです。

ディープラーニングは、人間でいう「目の獲得」であると例えられます。これまで、画像や映像を取り込んでもうまく物事を認識できなかったプログラムが、ディープラーニング技術を使うことで、外界の情報をうまく取り込み、理解をし、それに応じてリアクションを変えることができるようになったからです。

AIが研修・活用されている領域は画像認識だけに限りませんが、とはいえ今非常に注目されている領域はやはり画像認識や、そこから派生するロボットだということです。

本書では、ロボットの領域に関しても解説されており、まだまだ難しい部分があるものの、これから発展していく領域であると書かれています。

そうなると2020年代はロボット産業が面白いと思いますね。おそらく2年くらいかけて人工知能とロボットの融和が起き始めて、2030年代後半には巨大産業化していくのではないでしょうか。

ロボット技術の難しさは、以下のようなところにあるようです。

ロボットの機能として「蓋を回す」という行動はできるのですが、加減して回して開ける、加減して回して閉めるのが難しい。 「人間の力加減の再現は意外と高いハードルになっています。手先の再現と なると、まだ5年以上のスパンで考えなきゃいけないでしょう。 人間は、脳が凄いのではありません。細かい手先の動きや、ちょっとした 力加減、そういった「当たり前」だと思われていることが凄いのです。当た り前すぎて、我々が認識できていないだけです。

最近ソフトバンクのペッパーが、発売当初に比べてどんどん使われなくなってしまっているというのがニュースになっていましたが、中長期で考えればやはりロボット領域で先端にいるというのは、ソフトバンクにとっては重要なポジショニングなんだな、と改めて理解しました。

ペッパー君さようなら 8割超が“もう要らない”〈週刊朝日〉(AERA dot.) – Yahoo!ニュース

ちなみに、AI白書でも同じようにロボット領域に関しての言及がされています。物理的な問題はまだまだあるものの、これを解決すべくいろんな研究者や企業が取り組んでいることは間違いありません。社会に当たり前のように普及するレベルはもう少し先のことかもしれませんが、「確かに来る未来」という感じです。

人工知能は万能になれるか?

人工知能が人間を超える「シンギュラリティ」という言葉も有名になりましたが、本当に人工知能が人間を超えることができるようになるのでしょうか。

それについても本書に言及されていますが、「現時点ではまだハードルが高い」ということです。シンギュラリティ自体も、2045年頃と言われているので、いずれにしてもまだ時間がかかるということでしょう。

本書を読んで「なるほど」と思ったのは、コンピュータが本当の「意味」を理解するのが難しい、という点です。例えば、本書の中でこういう記述があります。

意味を理解している人工知能を「強い人工知能」と言います。 「弱い人工知能を統合して、何でもこなせる高い汎用性がある人工知能が強い人工知能だと紹介している人が結構いるようですが、それこそ意味を理解 していないですね(笑)。 「意味を理解している」と言うのと、「汎用性が高い」と言うのは全く別です。

いろんな物事や出来事に意味を紐づけて、考えたり発想することが人間の思考の特徴でもあるのですが、その点はコンピュータに理解させるのは難しいのですね。ディープラーニングでも、これまでできなかった解析ができるようにはなっていますが、それでもあくまで「人間が与えた情報に基づき、一定の回答を出力する」という行為のままです。

例えば、「意味を理解する」というのはこういうことです。

無い状態を想像できるようになって、それは初めて「意味を理解してい る」と言えます。何々して無いという否定の状態が想像できれば、意味を理解していると言えます。無い状態の理解こそ絶対条件なんですよね。 人間が凄いのは、無いときに想像力と言うか妄想力で「ある状態」をイメージして、何かを作れてしまう点だと言えます。

確かに、こういう思考パターンは人間は可能ですが、今の人工知能では難しいでしょう。本当に人間を超えることができるのか、というのは興味をそそられるテーマではありますが、まだハードルはあるということです。

それよりは、実用的なAIがいろんな場面で普及していくことが先行しそうです。

ということで、これだけブームになっている人工知能を、さらっと理解するためには良い本だと思います。とにもかくにも、理解しやすく読みやすい。

 

それ以外にも、最近は人工知能をちゃんと理解しようと、AI白書も読みました。こちらは白書なので分厚く、お世辞にも読みやすいとは言えませんが、それでもしっかりと書かれているので、理解を深めたい人にはおすすめです。

Windows環境でBIダッシュボードを構築できるOSS「Metabase」が手軽すぎて良い

データの分析や共有するのにBIツールやダッシュボードが流行っています。小規模なデータであればExcelでもできなくはないです。

Udemyでエクセルでのダッシュボード作成を学習した

ただ、複数人でリアルタイムで共有したり、データの件数が多くなるとExcelでは当然難しくなります。そこでデータベースを構築して、ダッシュボードを作ろうということになるのですが、これまでWindows環境で気軽に使えるものがありませんでした。

しかし、Metabaseの存在を知ったので試してみたところ、すごい手軽で見やすいダッシュボードを作れると思いました。

Metabase

MetabaseをWindowsにインストール

基本的には、こちらの記事に書かれている通りです。

MetabaseをWindowsにインストールする

 

まずJavaがインストールされていることが前提です。環境で必要なのはそれだけ。あとはインストールしましょう。

公式サイトからjarファイルをダウンロードします。あとは以下のコマンドを実行するだけ。

java -jar metabase.jar

本当に簡単。しばらく待って、http://localhost:3000/にアクセスすると、このような画面が表示されます。

案内に従ってセットアップを進めます。とりあえず動きを試したい方は、「データはあとで」を選べばよいでしょう。

これで初期セットアップが終わりです。

 

画面イメージ

セットアップが完了すると、こんな感じの画面が表示されます。何もデータを登録しなくても、テストデータが閲覧できるようになっています。

テストデータの「自動探査」をすると、こんな感じでレポートが表示されます。自動探査の意味が正直まだよくわかっていませんが、データが登録されていると、そのサマリーを自動でレポート化してくれる機能のようです。

これらのグラフや数字をクリックして、ポップアップメニューを選ぶと、データをドリルダウンで表示できます。

 

「質問」でデータを取り出す

BIツールとしてデータを取り出すのは、「質問」という機能で行います。「質問」という言葉が直感的にわかりづらいですが、クエリーのことのようです。

画面の右上にある「質問する」ボタンを押すと、データの取り出し方法を選択できます。

これで、真ん中にある「カスタム」を選びましょう。すると、対象データからどのような条件で取り出すかをクリックだけで選んで指定することができます。SQLは不要です。

得た結果をダウンロードしたり、ダッシュボードに追加することができます。さらに、実行した内容をSQLとして取り出すこともできます。

 

ダッシュボードにグラフなどを追加する

「質問」で取り出したデータ画面から、「ビジュアライゼーション」というところをクリックすると、グラフを選択することができます。

このグラフをダッシュボードに追加することもできます。

ダッシュボードには、グリッドが配置されており、グラフの大きさを自由に設定することができます。

 

まとめ

  • Windows環境で簡単にダッシュボードを構築できる
  • 見た目もスタイリッシュで操作性が良い
  • SQLを使わなくてもデータを取り出せる
  • ドリルダウン分析なども簡単

ということで、無料でここまでできるなら試してみる価値あるんじゃないでしょうか。

BIツールは市場が拡大しており、データの可視化、分析の効率化、高度化は、どの企業も注目を高めています。

国内BIツールの市場規模は?ビッグデータ・アナリティクス予測 | 注目ツールも紹介 – BIツール | 【ボクシル】法人向けSaaSの比較・検索・資料請求サイト

BIツールやダッシュボード構築に興味ある方はどうぞ。

このブログにアンケートを設置して2週間経過してわかったこと

MBAに関する知識を学べる本を、以下のページで紹介しているのですが、

MBA・経営学を独学するためのおすすめ本を集めました

最近、アンケートを設置しました。

お知らせやキャンペーンをポップアップで簡単に表示できる「GetSiteControl」

自分で読んで、良いと思った本をまとめているのですが、実際どれくらい役に立っているのかを知りたくなって設置したアンケートです。

こちらの設置から2週間経過して、傾向がわかってきました。

アンケートとってみてわかったこと

まず、アンケートの回答率は3%ぐらいです。このように、割合がある程度収斂していくのは面白いですね。

もう少し回答率を上げたいところですが、それは今後の課題ということで。

また、回答結果を見ると、目当ての本が見つかった・見つからなかったが、だいたい半数ずつです。

半分は目当ての本が見つかっていることは、思ったより好意的ですが、やはり半数は期待された本が見つからなかったという答えを見ると、もっとニーズに応える内容を考えないとな、と思います。

いろいろ読書の幅も広げつつ、本のラインナップを充実したり、アップデートしていこうかな、と。

あと、未だに自由回答がないので、その点は寂しいというか、ヒントが少なくて残念です。こちらも回答しやすさなど、工夫が必要だと思います。

今後やりたいこと

回答結果はちゃんと統計でチェックしたい

今は回答が同数程度なので意味ないですが、今後回答に差が出てきたら、ちゃんと統計的に有意差があるかチェックしたいですね。

無料のオンラインアンケートツールであるサーベイモンキーでは、そういう機能が備わってるようですが。

統計的有意性

アンケートの回答率を上げていきたい

どうやったら回答率が上がるのか、考えながらテストしていきたいです。項目を見直す、文章を変えてみるなど、いくつか試すことがありそうです。

ほかの調査に使ってみる

今はMBAの本の紹介ページだけに設置していますが、それ以外にもいろんな自分の興味やブログの改善に有用な調査をしていきたいですね。

フィードバックを受けるのは大事

こうやって調査すると、実際のフィードバックを受けることができるので、ありがたいです。

やはり、自分の思い込みだけでは的を外していることも多々ありますし、フィードバックを得ることで、改善を考えるきっかけにもなります。

情報化の時代は、工夫次第で情報を取得しやすくなっていますし、それを活用してサービスを改善しやすい環境にあることを再認識します。

というわけで、このブログを少しずつ改善していこうと思います。

Udemyでエクセルでのダッシュボード作成を学習した

Udemyで面白そうなコースを見つけて、最近通勤などの空き時間に、このコースを見ています。

Visually Effective Excel Dashboards

エクセルで、リッチなダッシュボードを作るための講座なのですが、こういう動画タイプだと、実際の操作を知ることができるので、細かなところも含めて理解できるのが良いですね。

この講座は本当に丁寧に、かつ便利になることを教えてくれるので、エクセルのコマンドやショートカットなども登場してきて、今さらながら知らないことがたくさんあり、すごい勉強になってます。

データ分析ブームで、様々なツールがダッシュボード機能を搭載していますが、まだエクセルの汎用性は、いろんな場面で優位性がありますから、こういうダッシュボードを作る方法を知っておくと、いろんな場面で使えそうです。

こういう操作を伴う学習分野は、動画の方が相性良いですし、Udemyはセールだと1400円ぐらいで数時間分の講座を買えるので、大変お買い得に学習できます。ほんと、コスパ良いなって感じです。

次はUdemyでpowerbiを勉強しようかと思ってます。やはりこういうテクノロジー系のジャンルは、英語の方が講座が多いですね。字幕もつけれますし、操作を追っていけば、それほど英語でも辛くないので大丈夫です。

ちなみに、eラーニング市場は伸びてまして、特に法人向けより個人向けの方が大きいのが特徴です。

eラーニング市場に関する調査を実施(2018年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

 

勉強できない言い訳もなくなっていますし、人生長いので、自分の学習領域も広げていく時代です。さあ、勉強しましょう。

Visually Effective Excel Dashboards

新しいスキルを身に着けよう。Udemyは僕やあなたの技術を簡単に向上させてくれる

2017年に向けて読む一冊:100年ライフを読んで人生プランを考えよう

クラウドERPのトレンドと中小企業の向き合い方

ERPというのは、随分昔からあるシステムですが、対象はどちらかというと大企業向けでした。

企業の経営管理機能のほぼ全てをカバーし、リソースを最適化するためにはどうしても費用が高くなってしまうというのが根本的な原因です。

ただ、最近はクラウド化の波がERP市場にも訪れており、変化が生じています。

約一年前に調べたのですが、改めて状況をアップデートしていきたいとおもいます。

ERP市場の現状と今後の展開を調べてみた

ERP市場の全体トレンド

真っ先に見つかるERPの市場規模調査では、ITRが出している2018年の調査があります。

ITR Market View:ERP市場2018 | ITR

このデータから見えてくるのは、ERP市場全体の拡大と、クラウド比率の増加です。

もう少し細かくみると、オンプレミス型のERPが大きく減少していき、それに置き換わるようにIaaS型が増えていくと予想されています。これを見ると、

  • 大企業・中堅企業に導入されていたオンプレミス型のERPはIaaS型への置き換えが進む
  • 中小企業を対象にクラウド型のERPが新たに導入される

というシナリオが考えられます。

 

クラウド化と価格低下が導入ハードルを下げる

実際、調べてみるとクラウドERPというのは各社が提供し始めています。ボクシルで取り上げられていたのは、こちらのサービスです。

  • NetSuite
  • クラウドERP ZAC
  • SAP Business One
  • Oracle ERP Cloud
  • GLOVIA OM
  • Workday

ERPシェア・市場規模 | 世界調査と国内最新動向・注目クラウドサービスも紹介 – ERP(基幹システム) | ボクシルマガジン

それ以外にも、ALL-INというサービスもありました。こちらは金額も明瞭で、15人利用する場合であれば、ざっくり年間100万円程度です。年100万円で基幹系システムが導入できるというのは、すごい時代になってきた感があります。

料金プラン – ALL-IN(オールイン) | 中小企業・ベンチャー向けトータル経営システム

それ以外にも、オープンソースという選択肢も出てきています。昔からこの領域は存在していたようですが、最近ではOdooというOSSが勢いあるようです。

Open Source ERP and CRM | Odoo

こちらの会社様が、日本をはじめとするアジア圏での導入を積極的に展開されています。

オープンソースのクラウドERP Odooで業務改善 – コタエル/Quartile

これらを調べてみると、各社クラウド化に熱心になっており、特にALL-INのように中小企業向けを明確に示し、料金もわかりやすいサービスが登場してきていることからも、この領域は中小企業を中心に、これまでERPを使ってこなかった層を対象に市場を広げていくでしょう。

 

ということで、ざっくりとではありますが、ERP市場のトレンドを確認してみました。クラウド化の波が大きくやってきているので、中小企業も含めて幅広く浸透するのではないでしょうか。

参考:
ERPのトレンド:クラウドERPに移行するべきか?
6つのERPトレンド、AIやブロックチェーンなど(上) – 6つのERPトレンド、AIやブロックチェーンなど:CIO Magazine

経営管理・予実管理の最近のトレンドを整理してみた

企業経営やプロジェクト管理では、経営指標やKPIの予実管理をするわけですが、その作業に関するツール周りが最近どうなっているのかを整理してみました。

未だに存在感が強いエクセル

なんだかんだと言いながら、いまだにこの領域はエクセルが多いと思います。

こちらの記事は、経営管理の全体が書かれていて、非常に参考になります。

Wantedlyの経営管理のシステム&フローを図解してみた。 | Wantedly Blog

経費管理や会計管理など、様々なクラウドサービスが使われており、現代的だなーと感じています。一方で、管理会計の領域はエクセルになっているんですよね。

ここはなかなかハマるツールが見つかっておらず、広大なシートを毎月更新したり、関数もりもりのシートに日々フル稼働してもらったりしている状況です。
Wantedlyの経営管理のシステム&フローを図解してみた。 | Wantedly Blogから引用

企業ごとに管理する指標が違う、データ元も多様である、という点から、エクセルの自由度の高さには勝てないのが現状です。

ただ、最近はエクセル上でダッシュボード形式で管理するケースも増えているのではないでしょうか。

このようなスプレッドシートのテンプレートも公開されていました。

\無料公開/スタートアップ向け予算管理テンプレート|檜垣雄介 / NICOLY.incnote

あと、海外でもこのトレンドは同じのようで、udemyでこのようなトレーニングがあります。

Visually Effective Excel Dashboards | Udemy

エクセルも極めるとここまでできるんだなって驚きます。

クラウド系サービスの登場

ただ、このジャンルも最近は進んでる印象でして、例えばDiggleというサービスがあります。

DIGGLE | 予実管理に特化したクラウドサービス

まさに予実を管理するソリューションになっていて、ぜひ一度使ってみたいところです。経営管理としてハマれば、良い解決策になるんじゃないでしょうか。

また会計を中心にした分析であれば、Manageboardというサービスがあります。

Manageboard|会計で経営を分析・予測・共有する経営分析クラウド |

こちらは会計サービスと連携することで、それらの分析や予実管理ができるというものです。

このように、国産でも使いやすいサービスが登場してきているのが、今のトレンドです。

第三の選択肢としてのBIツール

エクセルなどのスプレッドシートの自由度と、クラウドサービスの手軽さの中間にあるのが、BIツールだと思います。

データ量が多くなるとエクセルでは扱いづらかったりしますし、BIツールは多様なデータ取り込み機能やダッシュボード機能があるからです。

手軽に使うなら、マイクロソフトのPowerBIとかでしょうか。デスクトップ版なら無料です。

無料でデータ分析するならMicrosoftのPower BI Desktopがおすすめ

実務だと、未だにエクセルが大活躍しています。ただ、やはりデータが大量にあるケースだとエクセルが重くなってしまって困るので、power queryなどの利用も少し混ぜてる感じですかね。

データを集める、分析して俯瞰するという行為は、経営判断に重要なのですが、経営者が必要なときに確認できる環境を作るためには、未だこういうゴリゴリした現場で回っている実態があります。

以上が自分で普段使ったり調べた内容ですが、うちはこうやってるよ!って方がいたら、ぜひ教えていただきたいです。

どんどんいろんなツールが登場して、便利になって欲しいと思います。

パワポ資料の作成スピードを上げる方法まとめ(2018年版)

以前2012年に、パワポ資料の作成スピードを上げる方法を書きました。

パワポ資料の作成スピードを上げる方法まとめ

それからも自分なりにいろいろ方法を見直してきて、Tips等も更新できそうなので、改めて書いてみます。

心構え編

いきなり書き始めない

まず重要なのは、いきなりパワポに書き始めないことです。パワーポイントは、頭の中がまとまっていない状態で書くのはよくありません。全体のストーリー性が十分に成立しないまま、作ってしまって後戻りができなくなる、という状況に陥りがちです。

ということで、最初に全体構成を整理しましょう。簡単なものであれば、メモ帳の箇条書きでもよいと思いますし、マインドマップやアウトライナーもよい方法だと思います。個人的には、OneNoteで箇条書きを使って構成を考えることが多いです。

自分なりにやりやすい方法でどうぞ。

準備編

準備編の目的は、資料の作成スピードを上げるために、いくつか用意しておくべき作業です。

素材集をつくる

自分でよく使うクリップアートや図形などの素材集を、予めネタ帳として持っておきましょう。人物やオフィス用品など、使いたいイラスト・アイコンは、すぐに取り出せるようにしておくと作業が早くなります。

最近は高品質なものがネットに転がっていますので、そういうものを知ったら、ちゃんと保管しておくと良いでしょう。

最近だと、Googleのマテリアルアイコンが秀逸でした。Google自体が商用でも無料で利用できる形で公開してくれていますが、こちらのサイトでは、それをさらにパワポで使えるように変換してくれています。

もうアイコン探しで迷わない! パワーポイント用フリーアイコン942種類!

これがあるだけでも、アイコンセットには困らないと思います。

こちらの「iconsweet2」もおすすめです。

プレゼン資料の表現力が増す!ビジネス用途に使いやすいフリーアイコン(×331個)のご紹介|PowerPoint Design

こちらもいいですね。

商用無料のアイコン素材集|ICON BOX

ちなみに、デザイン系のWeb素材に関してはこちらのサイトをチェックしています。

コリス

よく使うフォーマットはテンプレート化する

提案書や報告書など、決まった形式にできるものはテンプレート化しておきましょう。あるいは、自分で説明しやすいパターン(現状→問題→解決策みたいな)があれば、そういうものをテンプレート化しておくのもよいでしょう。

パターン化・テンプレート化は、作業効率向上の鉄板です。

フォント・色使いを決めておく

自社のコーポレートカラーなど、テーマとなる色版のパタンやフォントは、あらかじめ決めておくと毎回悩まずに済みます。

複数人でいろんな資料を作る場合は、ばらつきが生まれず統一感が出やすくなります。

色の組み合わせについては、カラーパレットを使うと良いでしょう。Adobeのこちらのサイトがお勧めです。

カラーホイール | カラースキーム – Adobe Color CC

自分でカラーパターンを作ることもできますし、いろんな人が作ったカラーパターンの中から選ぶこともできます。

これらのカラーパターンをPowerPointに用意しておき、作成した資料のオブジェクトは、用意した色から選択していくようにすると、統一感を出しながら作業も早くなります。

操作編

ショートカットを覚える

オフィス系の操作全般に言えることですが、ショートカットを覚えると作業は格段に速くなります。僕もそんなたくさん知ってるわけでは無いですが、基本的なところを知っておくと、効率化できるでしょう。

ショートカットキー操作
Ctrl+ Cコピー
Ctrl+ X切り取り
Ctrl+ V貼り付け
Ctrl+ S保存
Ctrl+ D複製
Ctrl+ Z元に戻す

って言っても、こんな基本的なことぐらいです。

クイックアクセスツールバーを使いやすいように設定しておく

よく使うコマンドで、ショートカットキーでは使わないコマンドはクイックアクセスツールバーに設定しておきましょう。リボンタブの上にあるやつです。

Excel初心者必見!クイックアクセスツールバーの使い方とおすすめ機能

僕は書式のコピーやフォント設定などをここに配置しています。それだけでも、毎回上のメニューバーから切り替えてクリックするよりは早くなります。

良い環境整えて、素早く効率的に作業できるようにしましょう。

Excel2016で時系列予測が簡単にできるようになりました

以前R言語で、Facebookプロフェットパッケージを使った予測で他の作り方を紹介しました。

超簡単に時系列予測するデータ分析方法は知っておいて損はない

しかし、それよりもっと簡単に予測モデルを作れる方法を知りました。

必要なのは、これだけです。

  • Excel2016
  • 時系列データ

 

今回は日経平均株価のデータを使ってみます。試してみたい方は、こちらから日経平均の月次データを取得してください。2000年からのデータをダウンロードできます。

指数情報 - 日経平均プロフィル

ちなみに、日次データの場合、日付が平日だけになっていて「連続していない」ということで、Excelのデータ予測機能では使えません。ご注意を。

 

予測シート機能を使う

ダウンロードしたら、Excelに時系列データをセットします。取得した日経平均の日次データをExcelに貼り付けるだけです。

Excel2016からは、「データ」タブに「予測シート」という機能が追加されています。

予測シート

予測シートは、Excel上で与えられたデータの予測データを手っ取り早く作成できるものです。

シート上に貼り付けたデータを選択して、「予測シート」をクリックします。

クリックすると、以下のようなダイアログが表示されます。あっさりできましたね。

予測シートダイアログ

下のオプションのところで、信頼区間などを変えることができます。

「作成」ボタンをクリックすると、新しいシートに次のデータが作成されます。

  • 予測の元となった既存のデータ
  • 予測期間のデータ(中央値、信頼下限、信頼上限)
  • 既存データと予測データを組み合わせたグラフ

グラフだけでなく、予測期間のデータも計算されているので、それを使ってあれこれさらに分析することもできます。

 

予測シートで使われるアルゴリズム

ところで、時系列予測には様々なモデルがあります。文献やネット上の記事にもたくさん解説がありますが、ひとつリンク張っておきます。

時系列解析_理論編 | Logics of Blue

では、エクセルの予測シートで用いられる手法は何なのでしょうか。公式の説明ではこう書かれています。

数式を使って予測を作成すると、履歴データ、予測データ、グラフを含む表が返されます。 予測では、既存の時間ベースのデータおよび指数平滑化 (ETS) アルゴリズムの AAA バージョンを使って、将来の値が予測されます。

引用:Windows 版 Excel 2016 で予測を作成する – Excel

 

指数平滑化法ですね。移動平均法の一つであり、モデルとしては比較的簡単な方法の部類になります。

指数平滑法 – ORWiki

年間や数か月の規則性はあまり考慮されない、簡単な予測モデルなのでその点は注意してください。

 

ということで、エクセルでもさっくりと予測モデルを作れます。お手軽にお試し下さい。

 

時系列データの分析モデルを知りたい方は、こちらの本がおすすめです。

iPhoneでマインドマップ書いたら意外に良かった

すごい今更かもしれませんが、最近マインドマップを使い始めています。

以前から、アイデアを生み出し思考を整理する手法として知っていましたが、試した末に自分には向いていないと言って止めていました。

紙に様々な色ペンを使って書く、中央にイラストを書くなどのルールがめんどくさいなと思ってしまったのです。

しかし、最近iPhoneアプリでマインドマップを作ってみたところ、意外に使いやすく、なかなか使えるツールなんじゃないかと思い直しています。これこそデジタル時代だな、と感心しました。

iPhoneでマインドマップを作る便利さ

手書きのマインドマップは、紙を用意してイラストを描いたりカラフルに書くように推奨されていますが、正直この作業は面倒です。

しかしiPhoneであれば、どんどん枝が伸びるように言葉を登録していくことができ、勝手にマインドマップに仕上げてくれます。色も自動で変えてくれます。

それ以外は紙のマインドマップと同じです。画面が小さい、と思うこともありますが、それほど気にはなりません。簡単なものであれば、それほどマップの要素も多くないので、十分です。

おススメアプリは無料で使えるSimpleMind

とりあえず無料で使うならシンプルマインドがお勧めです。

Home – SimpleMind

これだけで十分に、マインドマップを書くことができます。操作性も特に悩む事はありませんでした。

有料版なら、Dropboxなどを使って、ウィンドウズやMacなど他のデバイスと同期することができるようです。使っていませんが。もっとリッチなマインドマップを書きたいと思ったら、スマートフォンでは限界あるかもしれませんね。

知的ワークの生産性をどう向上させるか

今、Deep Workという本を読んでいるのですが、改めて知的活動の生産性をどう向上させるか、考える必要があるなと思ってます。

アイデアを生み出し、深く考えていくことが、アウトプットの量と質に関係していきます。

そのときに、こういう手段やツールを知っておくと、生産性も大きく変わるんじゃないかと思ってます。手元のiPhoneで手軽に「一人ブレスト」できるようになって、そう実感しました。

最近は移動中にiPhoneでマインドマップ書いたり、文章を書くことが増えてきましたし、こういうツールが充実していくと、生産性を上げていけそうです。

これを機に、マインドマップの本も読みました。

Kindle Unlimitedにあるので、ユーザーは良ければどうぞ。こういうとき、Kindle Unlimitedは読みたい本をさっと読めるのが良いですね。

参考:使える!マインドマップおすすめアプリ『SimpleMind』 │ Hayaoki-Note.com

Excelのテーブル機能でリレーショナルデータベースをつくる

この記事は週末プログラミングの一環です。

Excelでデータ分析が簡単になってきているという話を何度かしています。

Excelでピボットテーブル使う人に全力でPowerQuery(パワークエリ)をお勧めしたい

昔から使われている機能にピボットテーブルがありますが、標準で作成するとデータソースは一つの表でなければいけません。

しかし、データ分析を少し凝ったものにする場合、データソースが一つの表であるのは不便です。マスター情報など、データベースを分けた方が、データ管理という点では便利だからです。

この記事のテーマは、Excelで複数データを紐付けて、リレーショナルデータベースを構築し、ピボットテーブルで集計できるようにすることです。

 

Excelの標準機能で実現できる

Excelには「テーブル」という機能があります。

Excelのテーブル機能の使い方まとめ | あなたのExcelスキルが120%活かせるWebアプリ作成ツール -Forguncy(フォーガンシー) | グレープシティ株式会社

テーブル機能自体は、見栄えがよくなったり、値の指定がしやすくなるなどありますが、個人的に気に入っている機能があります。それがリレーショナル機能です。

 

リレーショナル機能の使い方

これを使って、複数のテーブルを作り、テーブル間のリレーショナルを定義すれば、Excel上でリレーショナルデータベースを作ることができます。

Excel のテーブル間にリレーションシップを作成する – Office サポート

データベース設計の観点からいくと、いくつかのテーブルに正規化で分けたくなるんですよね。そういう場合も、テーブル機能でリレーションを作成すれば、Excelでもちょっとしたリレーショナルデータベースが実現できます。

 

複数テーブルをまたいでピボットテーブルを作る

連結したテーブルは、ピボットテーブルでまとめて集計することができます。逆にそれ以外に利用方法はあるんでしょうか…

挿入からピボットテーブルを選び、「外部データソースを使用」を選択します。

外部データソースを使用

そして、「テーブル」タブで「このブックのデータモデル」を選びます。前述のデータのリレーションを設定していないと、この選択が表示されないので注意してください。

このブックのデータモデル

そうすると、フック内の全てのテーブルを対象にピボットテーブルで扱うことができます。

 

リレーション機能を使った場合の注意事項

ただ、リレーションを作ると、ピボットテーブルの集計フィールドやグループ化が使えなくなります。これはこれでデメリットですね。。。

リレーションシップで出来なくなること(集計フィールドの追加とグループ化) / ピボットテーブル / Excel2013: haku1569 Excel でらくらく データ分析!

 

以上、Excelでリレーショナルデータベースを構築して、ピボットテーブルで集計できるようにする方法でした。