Pythonで簡単に使えるAutoML「PyCaret」で機械学習をクイックに試す

AutoMLでまたひとつ便利なものが増えていました。PyCaretというのが最近話題になっていたので、試してみました。

Home – PyCaret

分類、回帰、クラスタリング、異常検知、自然言語処理、関連性探索ができます。

データ登録

データの前処理としては、One-Hot Encodingなど、基本的なことは勝手にやってくれるようです。ただ、特徴量自体を抽出したり、組み合わせるなどは、どこまで細かくやってるかはもう少し使ってみないとわからないです。恐らく細かい特徴量エンジニアリングをするなら、自分で前処理する必要があると思います。クイックに試すなら、超簡単です。

PyCaretでは、様々なデータも取得することが可能です。今回はワインの赤白を分類する例で、試してみました。

[python]
from pycaret.datasets import get_data
dataset = get_data(‘wine’)
[/python]

 

データをPyCaretに登録します。

[python]
from pycaret.classification import *
exp_clf101 = setup(data = data, target = ‘type’, session_id=123)
[/python]

 

これで終わり。ただ、Enterを押さないと処理が完了しないので、それだけ注意。

もう少し細かい設定もできます。具体的な内容は、こちらの記事が詳しく書かれています。

PyCaretでできる前処理について調べてみた – Qiita

 

モデルの比較

様々なアルゴリズムで学習させたモデルの比較はこれだけ。こちらも超簡単。これだけで、対応しているアルゴリズムが一斉に検証されます。

[python]
compare_models()
[/python]

 

特定のアルゴリズムで検証したい場合はこちら。

[python]
lightgbm = create_model(‘lightgbm’)
[/python]

 

モデルの精度改善

グリッドサーチでハイパーパラメータのチューニングをやってくれるようです。ターゲットとする精度指標をオプションで指定することも可能です。

[python]
tuned_lightgbm = tune_model(‘lightgbm’)
[/python]

モデルの可視化

可視化も簡単にできます。一括に出すならこちら。

[python]
evaluate_model(tuned_lightgbm)
[/python]

 

Confusion Matrix、AUC、Feature Importanceなどを選択すると、それぞれが表示されます。

他にもモデルをアンサンブルさせることもできますし、クイックにモデル検証や精度改善もできそうです。それ以外にも、予測・クラスタリングなどもできます。用途も結構ありそうですね。

自分みたいな俄かには、こういうAutoMLは勉強にもなりますし、細かな処理に煩わされることもないので、ありがたい限りです。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ(2020年版)

去年に書いた、AI活用のための本も、一年経ったのでアップデートしようと思います。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ

 

ビジネスサイド向け

ディープラーニング G検定テキスト

昨年に引き続きこちら。機械学習やディープラーニングを理解する上で必要な知識が、体系的にまとまっていると思います。ボリュームはそれなりにありますが、いろんな知識を習得するには良いでしょう。

試験自体も受験者数が増えており、いろんな企業や個人で活用されている機会が増えているようです。

 

投資対効果を最大化する AI導入7つのルール

Aidemyが出した、AIのプランニングに重点を置いた一冊です。PoC開発をやって失敗する事例が山ほどあるAI業界ですが、どうやったらそういうものを回避できたり役に立つAIを作れるのか、様々ポイントが示されています。

投資対効果をちゃんと考えたプランニングをしたいと言う方にはお勧めです。

 

失敗しない データ分析・AIのビジネス導入: プロジェクト進行から組織づくりまで

去年に引き続き、相変わらずこちらが、AIプロジェクトを本格的に立ち上げる際には、とても参考になる良い本だと思ってます。

 

AI活用事例

AI活用地図

事例を幅広く集めるなら、この1冊があれば充分なのではないかと言っています。それぐらい、業界別に幅広い活用事例が掲載されています。しかも、技術的な難易度と合わせて。

ただし、AIの世界はスピードが速いので、新しい事例に関しては個別にネットなどで探索した方が良いでしょう。

 

ディープラーニング実践編

去年は「ディープラーニング活用の教科書」 を取り上げていたのですが、新たに「実践編」が出ました。その名の通り、実例が詳しく書かれているのが本書の特徴です。業務の適用領域や技術内容の説明もあるので、具体的に知りたい人には良いと思います。

 

技術にも触れてみる

Udemy

実際に開発もしてみましょう。開発すると、どのような原理で動いているのか、実際に理解できるようになります。

特にAIに関してはライブラリも豊富で、なければいけないコースを比較的少ないので、そんなに負担なく試すことができます。

 

Pythonで機械学習:scikit-learnで学ぶ識別入門

【Kaggleで学ぼう】PythonとKerasで学ぶディープラーニング開発入門

 

Machine Learning実践の極意 機械学習システム構築の勘所をつかむ!

こちらは、具体的なデータ分析の進め方を確認しながら、自分で手を動かしてみることができます。データの前処理、特徴量エンジニアリングなど、具体的な作業を知ることができるでしょう。

 

その他

シン・ニホン

今世界において気になっているのか、その中でAIの技術がどういう位置づけになってるのかが示されている本です。

AIを学ぶ重要性を理解できると思います。

「シン・ニホン」を読んで日本の現状と未来を考える

 

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AIという技術が、教育や人間の役割とどう関係するのか、よくわかる本です。発売されてから時間が経ってきていますが、それでも色あせない本質がありますね。

 

ということで、今年も勉強しましょう。AIが普及しますように。

「説明可能なAI」の現状とこれから

こちらの記事を読んで、いろいろ思うところがあったので、書いておきます。

機械学習の説明可能性(解釈性)という迷宮 – 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ

注目される説明可能なAI

説明可能AIはひとつの注目領域で、ガートナーのハイプサイクルでは「説明可能なAI」として、これから「過度な期待」のピーク期に位置付けられています。

ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2019年」を発表

AI、特にディープラーニングは、その判断根拠がブラックボックスになりやすく、何か問題が起こったときに、検証や改善が難しいという特徴があります。

例えば、自動運転などにおいても、事故が起こってもなぜ事故が起こるような判断をAIがしたのか、を検証できないわけです。

それを解消するため、AIの判断根拠を見える化しようというのが、説明可能なAIです。

説明可能なAIは本当に人間が理解できるのか

冒頭紹介した記事を読んでいただければわかるのですが、今まさにAIの判断プロセスを可視化するためのいくつかのアプローチが登場してきています。

機械学習の説明可能性(解釈性)という迷宮 – 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ

この記事の最後のあたりを読むと、「なるほどな」という気持ちと同時に、少し寂しいというか虚しい気持ちも生まれてきます。

簡単にいえば、「説明可能AI」のアプローチは限界がある、ということです。

基本的には「ヒトが直感でも解釈できそうなところを一部取ってくる」もしくは「ヒトが直感でも解釈できそうな別のモデルに何とかして当てはめる」ということをしているに過ぎず、悪い言い方をすると「優れたブラックボックスのMLモデルに対して見かけだけは分かりやすい劣化コピーの代用品を持ってきているだけ」だからです。

 

「人間では認識しづらい複雑なパターンまで学習して予測する」のが機械学習なのに、それを「人間が説明可能にする」ということは、AIモデルを簡素化の方向へ進めることになるため、機械学習のメリットがないのでは、ということです。

一方で、可視化が全く意味がないかといえばそうではなく、決定木系などは可視化することで解釈がわかりやすくなりますし、

画像系であれば、AIが画像のどこを注目したのかを示すことができれば、あとから人間がAIの判断根拠を類推することもできそうです。

つまり、説明可能になるにはAIのアルゴリズムの特性によって変わったり、参考情報として示すにとどまる場合がある、というのが現状のようです。

 

ガートナーのハイプサイクルで紹介したように、技術的には注目領域ではあるのですが、「なんでも説明可能になる」というのは、「過剰な期待」なのではないでしょうか。

個人的には、全てをホワイトボックス化するのに固執するのではなく、リスクの明確化、業務全体でのリスクヘッジなども考えるのが現実解では、と思います。

 

今、これを読み始めました。AIが社会にどう浸透していくのか、各国の考え方などを踏まえながら書かれているのが面白いです。

【書評】課題解決とサービス実装のためのAIプロジェクト実践読本

「AI開発がPoCから進まない」など言われることが多いですが、どうしてそうやって失敗してしまったり、実用化に至らないのでしょうか。

それには、AI開発特有の難しさがあるのですが、まだまだその知識や方法論が十分に確立されているわけではありません。しかし、それが体系的に整理されているのがこちらの本になります。

 

AI開発のバイブルといって良いのでは

内容が超具体的。AI開発の難しさ、特有さが丁寧に書かれています。著者は株式会社オプティムでの実際のAI開発経験から書かれているので、説得力が違います。

また、企画検討から運用化、契約関係まで、検討しなければいけないこと、注意しなければいけないことが幅広く書かれているので、AI開発に関わる人はみんなバイブル的に読んだ方が良いです。

説明や注意点だけでなく、フレームワークや一覧表がちゃんと整理されているので、実務にもすぐに活用できる点もありがたいです。

AI業界はこれから成熟していく

AI自体はガートナーのハイプサイクル上は幻滅期に入っており、「何でもできる」「AIが今の業務や社会を大きく変える」といった漠然とした期待は失われつつあります。

一方でAIを使った新しいビジネスも着実に増えてきており、現実的に「どこにどうAIを使うか」を見極めることが重要になってきていると言えます。そういうときに、AIの特性やプロジェクトの進め方が本書のように整理されているのは、とても重要です。

今のAI業界は、一時のIT業界と似ていると個人的には思っていて、新しい技術が普及しようとしているときには、期待と幻滅が繰り返されたり、業界慣習や法整備、人材育成などが進みながら、業界が成熟していきます。

ITの場合も、システム開発の方法論が確立されたり、プロジェクトマネジメント手法が普及したり、IT技術者の分類・定義づけなどが業界全体で行われていきました。

AIも国や任意団体がガイドラインを整備したり、ディープラーニング検定が作られるなど、業界全体の成熟化が進んでいます。

AI系のガイドラインを調べてみた

ということで、よりリアリティを持って、AIは今後様々なビジネスに普及していくことでしょう。そのときに、こういうプロジェクト特性を知っておくことは、発注者・受注者ともに重要なことだと思います。

 

AIはどうやって社会に浸透していくのか?「予測マシンの世紀」を読んで理解する

AIという言葉はすっかりいろんなところで使われるワードになりましたが、実際どのように世の中を変えていくのか、というところでいえば、まだまだ実感できる人は少ないんじゃないでしょうか。

ソフトバンクの孫さんが「AIは予測」と言っていましたが、

孫社長は「AIの一番得意なことは予測だ。何でもかんでもやらせるべきではない」とも指摘。需要と供給を適切に予測することで、ビジネスでは在庫の回転率や販売効率の劇的な改善が期待できると説明した。

「日本、AI活用に目覚めよ」ソフトバンクG孫社長  :日本経済新聞より引用

この本を読むとその意味がわかるでしょう。

本書は、第三次AIブームのきっかけとなったトロント大学の経済学者が書いたAIの現状を示した一冊です。経済学の観点から書かれた本書は、AIがビジネス活動などに使われたときに、どういう効果をもたらすかを具体的に示してくれています。

基本的なAIの知識を理解したら、ぜひこの本を読むことをおすすめします。

AIはこれから幻滅されていく?どうしたらビジネスの現場で使われるのか

ガードナーのハイプ・サイクルによると、AIはこれから「幻滅期」を迎えるようです。

AIやブロックチェーンは幻滅期へ–ガートナー、日本の最新ハイプ・サイクルを発表 – ZDNet Japan

ディープラーニングで始まった第3次AIブームによって、いろんな場面でAIは使われて、どんどん世の中を変えていくというイメージを持たれているかもしれませんが、実際には様々な制約や限界があり、どのようなテーマでも万能に使えるわけではありません。そのことにいろんな人が気づき始めています。

 

本書ではAIが出す結果は基本的には「予測」であると言っています。そして「予測」とは次のように表現されています。

予測とは、欠落している情報を補充するプロセスである。予測においては、しばしば「データ」と呼ばれる手持ちの情報に基づいて、新たな情報を生み出していく。

 

なので、単純に「未来を予測する」ということだけでなく、様々な用途に対する「予測」が意味合いとしては含まれます。例えば、直近の顧客の行動を「予測する」であったり、何等かの行動を行った結果がOK/NGなのかを「予測する」であったり。

AIはこのような「予測」をコンピュータ上で実現することで、予測コストを低下させていきます。この予測コストの低下に対して、AIの投資額がバランスされれば、AIの導入されることになります。まずここで重要なのは、AIには適用領域の向き・不向きがあるので、適切にその領域を見極めることが重要だということです。

どういう条件を満たしたら、AIが人間を置き換えるのか?

ただ、AIはそれだけでは実はうまく使われないことが多いです。

AIは万能的な何かだと思っている人もまだいる気がしますが、実際はそうではありません。間違った判断を下すケースもあります。具体的には、AIは正解を不正解と言う場合もあれば、その逆で正解を不正解と言ってしまうケースもあります。その確率がどの程度かによって、実際の経済的な効果がわかるのです。

本書ではクレジットカードによる不正利用の検出が例として出てくるのですが、クレジットカードのある決済データを「不正利用」とAIが判断したときに、それが正しい場合と誤っている場合があります。正しいときは問題ないですが、誤っている場合は「正しく使っている人を不正として、ユーザーの利便性を低下させている」となります。

誤検出が多くてユーザーの利便性を大きく低下させると、ユーザーが離反してしまうかもしれません。AIの使い方によっては、そういう経済的リスクを誘発する可能性があるわけですね。

機械の判断の正しさを確信できるときには、プログラム化された判断に基づいて機械が行動を決めても問題はない。しかし状況が不確かなときは、機械に判断を任せる前に予め、間違えた場合のコストを慎重に評価しておかなければならない。予測が正しい場合と間違っている場合のどちらに関しても、人間の判断が必要とされる。結局のところ不確実な状況では、特定の決断からどんな見返りが得られるか判断するためのコストが高くついてしまう。

 

こういう、AIがどういうリスクを考慮し、導入を考えなければならないかがちゃんと書かれているのが、本書が良いなと思うポイントです。

AIが導入されると、その業務はどう変化するのか?

本書では、Googleやアマゾンが台頭してきたときに、経済的な価値としてどういうことが起こったのかが述べられています。

例えばGoogleが情報探索コストを著しく低下させたことで、調べる行為そのものではなく、得られた結果からどう判断するかが、人として重要な価値になりました。

ビジネスにAIが導入されることで、様々な業務プロセスの一部に大きなコストの低下が生じる可能性が高いです。そうやって価値が低下した部分にフォーカスするのではなく、その周辺の変化に注目すべきでしょう。

スクールバスの運転手の例が挙げられていました。

「スクールバスの運転手」と呼ばれる人物が、子どもの自宅と学校を往復するバスの運転をしなくなったら、給料を支払う必要のなくなった自治体はそのぶんを別の支出にまわすべきなのだろうか。いや、そうはならない。バスが自動運転になったとしても、現在のスクールバスの運転手は運転のほかにもたくさんの役割を引き受けている。まず彼らには、大人として大勢の学童の集団を監督する責任があり、バスの外で発生する危険から子どもたちを守らなければならない。同じように重要な役割が、バスのなかの規律を維持することだ。子どもたちを管理して、お互いにトラブルを起こさないよう配慮するためには、人間の判断が未だに必要とされる。バスが自動的に動いても、こうした補足的なタスクが消滅するわけではない。むしろ、バスに同乗している大人はこれらのタスクにもっと集中できるようになる。

 

何か新しい技術やサービスが出てきても、すぐに置き換わることの方が少ない。そして、改めてAIが代替する価値や、置き換えられない要素を考えるきっかけになるでしょう。

 

技術的な理解も重要ですが、ビジネスや社会に浸透していくことを考えると、経済学的なアプローチからAIを理解することが非常に有効ですね。新しい技術のきらびやかさに目を奪われるのではなく、冷静に俯瞰してとらえることで、惑わされることなく本質的な理解ができるということです。AIは万能なものではなく、あくまでツールです。今のところは。

AI系のガイドラインを調べてみた

AIの開発が盛んになってきていますが、こうなると業界自体が標準化されて、ルールが形成されていくのが、どこの業界でも常です。

いろんなプレーヤーが参加してきたときに、発注者、受注者ともにトラブルを回避して、win-winになるためには、過去の知見などをまとめたものが有効です。

どんなガイドラインを誰が出しているのか、調べてみました。

戦略系

経団連:AI活用戦略

経団連:AI活用戦略 (2019-02-19)

経団連が発表している、AI 活用を戦略的に進めるためのガイドライン。現在のAIに対する理解促進から始まり、世界の中で日本企業がどのようにAIを用いた勝ち筋を作っていくかが書かれています。経営におけるAIの位置づけを理解するためには、良いのではないでしょうか。

個人的に良いと思うのは、「AI-Ready化ガイドライン」ですね。AI活用に関して、組織の成熟度のステップが定義されていて、自社がどういう位置にいるのかを考える指標になるんじゃないでしょうか。

所感としては、進んでいる企業はレベル2からレベル3へ移行しつつあるな、という印象です。

開発系

総務省:AI利活用ガイドライン

総務省|AIネットワーク社会推進会議 報告書2019(案)に関する意見募集

総務省のAIネットワーク社会推進会議で検討されている、AIの利活用原則10個をまとめたものです。利活用する上で、どういうリスクがあるのか、実装する上での役割分担などが書かれており、開発を具体的に進める前の全体整理で役立つでしょう。

QA4AI:AIプロダクト品質保証ガイドライン

Download – QA4AI

AI プロダクト品質保証コンソーシアム(QA4AI)という団体が発表している、品質保証ガイドライン。QA4AIというのは、このような主旨で発足されたコンソーシアムです。

そこで我々は、AIプロダクトの品質保証に関する調査・体系化、適用支援・応用、研究開発を推進するとともに、AIプロダクトの品質に対する適切な理解を社会に啓発する活動を行うコンソーシアムを産学で設立することとする。
Concept – QA4AIから引用

これまでもシステム開発系のガイドラインは作成されてきましたが、AIは帰納的アプローチであったり、確率的ふるまいをするなど、従来のシステム開発と特性が異なる点が多々あります。それを踏まえて、どのように「AIの品質」を考えるかを整理したのがこのガイドラインです。

大きく5つのカテゴリーに分けて、AI の品質を評価する方法がまとめられています。

契約系

経済産業省:AI・データの利用に関する契約ガイドライン

「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」を策定しました (METI/経済産業省)

AIの場合、データの収集・利用・創出などが重要になってくるのですが、従来のシステム開発とは異なり、これらのデータの契約上の取り扱いや、データとプログラムの契約上の整理が必要になってきます。それをまとめたのがこのガイドラインです。全体編、データ編、AI編と分かれて構成されており、充実した内容になっています。契約を考える上では、これらの内容を読んでおくと良いんじゃないでしょうか。

 

ということで、新しい領域ではありますが、このようなガイドラインが各種登場してきているということは、みんな取り組みが進んでいるし、社会的なルールの整理が必要になってきているという証拠とも思えます。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ

人工知能やディープラーニングがメジャーな言葉として飛び交う中で、専門的な技術者ではない人間が、それらに関する知識を得てイメージを膨らませていくための本をまとめました。

これらを読むことで、実際に人工知能特性や、ディープラーニングがなぜこれほど騒がれているのかを自分は理解することができましたし、ビジネスにどう活用するのかもイメージを持つことができました。

誤解だらけの人工知能~ディープラーニングの限界と可能性~

ざっくりと今のトレンドを理解するのは、この本が良いかと思います。ディープラーニングがなぜこんなに騒がれているのか、そのポイントが人工知能研究の過去の歴史と照らし合わせて、わかりやすく説明されているのも特徴です。

 

人工知能の現在地とこれからを知る。「誤解だらけの人工知能」を読んで

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

こちらはどちらかと言うと教育目線にはなるのですが、人が人工知能とどういう違いがあるのかという対比の中で、人工知能の力と限界を理解することができます。当然、複雑な計算式なども出てこないので、読みやすいです。

 

AI時代にこれから求められる人間のスキルは「読解力」

ディープラーニング G検定テキスト

だんだん知名度が上がってきているディープラーニング検定ですが、人工知能のエッセンスが体系的によくまとまっているので、テキストを読むのがオススメです。多少計算式など技術的なことが書いてありますが、それが逆に一歩理解を深めることになると思います。

 

ディープラーニング活用の教科書

具体的にディープラーニングが活用されているケーススタディをまとめたものです。結局どういうところで利用されるの?という疑問は、この本を読めば解消されるでしょう。

人工知能の活用例を学ぶ「ディープラーニング活用の教科書」

失敗しない データ分析・AIのビジネス導入: プロジェクト進行から組織づくりまで

AI開発プロジェクトの進め方について、解説された一冊です。この本を読むと、プロジェクトの進め方のイメージが具体的になるでしょう。システム開発と似ているところもありますが、異なる点もたくさんあります。

 

Machine Learning実践の極意 機械学習システム構築の勘所をつかむ!

もう少し専門的に、具体的なプロジェクトやアプローチを知るのであれば、この本を読むと良いと思います。技術的な内容を書かれているのですが、数式が少なめで、どちらかというとデータをどのように分析しチューニングして実用につなげていくのかを、わかりやすくまとめているのが特徴です。エンジニアじゃない人こそ、この本を読むとデータ分析、AI開発のプロジェクトについて、具体的な作業のイメージが湧くと思います。

 

Udemy

知識や実践的な理論を学んだ後は、具体的な行動としてどのような面があるかを学ぶ意味で、Udemyがお勧めです。このコースでは、実際の機械学習を使ったデータ分析のアプローチが解説されています。

Pythonで機械学習:scikit-learnで学ぶ識別入門

【Kaggleで学ぼう】PythonとKerasで学ぶディープラーニング開発入門

AI時代の新・ベーシックインカム論

ちょっと番外編的にはなりますが、経済的アプローチからAIをどう捉えるかが書かれているのが本書です。これも、AIが今の社会のどの部分に置き換わるのかが示されており、経済的なインパクトを推し量ることができます。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ(2020年版)

様々な本が出ていますが、何冊か読むと、本質的な要旨が見えてきます。興味ある方は是非どうぞ。

AIで大量失業が発生したら、ベーシックインカムは必要になるか

すっかりブログを更新する頻度は落ちていますが、生きています。書評はこまめに書いていませんが、本も読んでいます。ということで、今日は久々に一冊紹介したい本について書きます。

先日書いた、「AI vs 教科書が読めない子供たち」でも触れられていたのですが、ベーシックインカムに対する関心が年々高まっています。

AI時代にこれから求められる人間のスキルは「読解力」

そのベーシックインカムについて、もう少し知りたくなったので、一冊読みました。

AIとベーシックインカムの関係

AIとベーシックインカムが結び付く筋書きは、僕が理解する限りでは、以下のような流れです。すごい単純化していますが。

AIが発展すると、人の仕事が奪われる

代わりに新しい仕事はうまれるが、全ての人がそれらの職に対応できるわけではない
対応できたとしても、賃金が低い職が多くなる(ホワイトワーカーの職が奪われるため)

失業者対策など社会安定のため、ベーシックインカムで最低限の所得を保証する

TEDでも、こちらの講演をみるとわかるのですが、AIとベーシックインカムがセットで語られています。

これからAIが普及していったとき、本当にベーシックインカムという制度は必要になるのでしょうか。どういうメリットがあるのでしょうか。

ベーシックインカムに関する幅広い論点を学ぶ

これだけ注目されているベーシックインカムを、わかりやすく解説してくれたのが本書です。

 

失礼ながら、新書だしクイックに浅く広く分かればいいなと思って読み始めたのですが、貨幣制度の歴史や問題点について語られていたり、「最低限の保証」と「勤労意欲」との関係を政治的イデオロギーから読み解いていたりと、幅広い角度からベーシックインカムの論点が整理されていました。

特に貨幣制度については、これまでちゃんと理解したことがなく、非常に新鮮でした。中央銀行の制度がいつ頃、なぜできあがったのか。ヘリコプターマネーの目的とリスクはどのようなものか。そういう点が説明されていて、ベーシックインカムだけでなく、経済における現行制度の限界も知ることができたのは、良かったです。

ヘリコプターマネーについては、こちらの記事もわかりやすかったです。

夢の政策かばらまきか。「ヘリコプターマネー」政策、その効果とリスク | ハフポスト

 

AIの普及でなぜ人々は貧しくなるのか?

ベーシックインカムが議論されているのは、「今後人々の仕事はAIに奪われる」という可能性が高まっているからです。

ただ、楽観的な見方として「新しい技術は人々の雇用を奪うが、新しい仕事も作り出す。」というものもあります。僕もそういう考えが強かったのですが、「AI vs 教科書が読めない子供たち」や本書を読んで、ちょっと考えが変わってきています。本書でも、なぜAIが人を貧しくしてしまうのかが書かれています。

だが、AIを含むあらゆるITに当てはまることだが、ITが奪う雇用は、ITが増やす雇用よりも絶えず大きい。例えば、旅行サイトの構築・運営に携わる人員は、旅行代理店の人員より少ないはずだ。

AIはホワイトカラーの仕事を奪ってしまうので、一部のクリエイティブな人たちは高給な仕事を維持しますが、多くの人はブルーカラーに移ってしまう=賃金が低下するという構図です。つまり、AIはいろんな仕事を奪うのではなく、ある特定領域の仕事を奪う可能性が高く、それが賃金の「二極化」と「全体低下」を招くということです。

このような事態を防ぐための解決策として、ベーシックインカムが提唱されているわけですね。一人あたり月7万円ぐらいが目安のようですが、これによって生活も安定し、労働意欲も減退しないのであれば、試してみる価値はありそうな気がします。

ちなみに、Wikipediaの情報が豊富でした。

ベーシックインカム – Wikipedia

世界でも少しずつ試されているところがあるようです。

シカゴ、ベーシックインカムの導入実験を行うアメリカ最大の都市に | BUSINESS INSIDER JAPAN

 

貨幣制度や社会福祉制度、これまでの労働価値観などが変わる要素を含んでいるので、なかなか最初は「え?」という感じではあるのですが、こうやって勉強してみると、これからは社会構造全体が変わっていくと思うし、その中で有力な手段になるように思えました。

AI時代にこれから求められる人間のスキルは「読解力」

少しタイムリーではないですが、こちらの本を、読みました。

 

東大合格を目指すAIの東ロボくんの研究開発をされている数学者の方が著者です。その研究を通して得られた知見から、今後AIがどう人の仕事を変えていくのか、そのときに人に求められるスキルは何か、を書かれています。

AIの特性については、僕はディープラーニング検定で読んだテキストを読んでいたので、そうたよねって感じで納得しながら読みました。

 

「AIはこのまま進化すれば万能になり、いずれは人間の仕事はすべて奪われる」というイメージがありますが、AIを構成する技術には未だに結構制約は多いですし、少なくともAIが人間に替わって全ての作業に対応できるわけではありません。

 

ただ、本書の恐ろしさは後半にあります。

数学などのパターンに応じた問題は解けるのですが、読解が苦手なのですね。そこは今後も人間が活躍できる領域というわけですが、実は読解力は最近人間も低下傾向にある、というのです。

そうなると、やはりAIに仕事を奪われる人が多くなってしまうのでは?というのが著者の懸念です。

昔、読解力について記事を書きましたが、読解力というのは、文章を丁寧に読み、論理的に構成しながら意味を理解する力です。

読解力を高めたい!同じ文章を読んでも、深く読み取れる人は何が違うのか?

僕も苦手でした。幼少期からもっと本を読んで、読解力が身についていたら良かったな、とそのときは思いましたが、個人的な経験からすれば、訓練すれば何歳からでも、今よりはマシになります。

ルールに従った対応はAIは得意なので、抽象的な概念で捉える、コンテキストを理解するなど、人間にしかない能力を鍛えないと、これけらの人材は勝てないんだなーと、末恐ろしくなりました。

インターネットツールは、テキストから画像、動画へと、消費する負担が少ない方へシフトしてきていますが、これから求められる能力は逆に、複雑な文章を読み、コンテキストを理解できる人材だということです。

 

これから社会人になる人は大変ですね。すでに社会人の人も、自分のスキルが陳腐化するリスクは常にありますが。

子供や若手を育てる立場にいる人や、親世代の人にはご一読おすすめです。

 

人工知能の活用例を学ぶ「ディープラーニング活用の教科書」

人工知能やディープラーニングの現状を勉強したのですが、

人工知能の現在地とこれからを知る。「誤解だらけの人工知能」を読んで

「じゃあ実際どういうことができるの?」ということを知るために、実例が豊富に掲載されている本書を読みました。