2019年度J2チームデータを可視化して勝つための要因を探ってみた

FC岐阜がJ3に降格する危機が迫っています。

明治安田生命J2リーグ第40節のアルビレックス新潟対FC岐阜戦が9日に行われ、ホームの新潟が2-0で勝利を収めた。この結果、FC岐阜はJ3自動降格圏の21位以下が確定している。
FC岐阜、J2で21位以下が確定。J3上位の成績次第で来季降格へ | フットボールチャンネルから引用

 

ずっと降格圏内を毎年さまよいながら、なんとかJ2に生き残ってきましたが、ついに本当のピンチのようです。

FC岐阜の年度別成績一覧 – Wikiwand

で、改めてJ2のクラブの状況を可視化してみながら、FC岐阜についても理解を深めようと思います。

ちなみに内容は、こちらの記事をほとんど踏襲してデータの取得や分析をしています。丸パクリさせていただきました。すみません。感謝です。pythonで自分でやりたい方は、こちらのソースコードを確認ください。

Pythonを使って2019年度J1チームデータを可視化してみた|Hana|note

改めて、J2順位の確認です。

順位チーム勝点試合得点失点得失点差
1柏レイソル78402398693237
2横浜FC734021109634023
3大宮アルディージャ734020137603822
4モンテディオ山形6740191011553619
4水戸ホーリーホック674018139553619
6徳島ヴォルティス6740191011624418
7ヴァンフォーレ甲府6540181111593920
8京都サンガF.C.6540181111574314
9ファジアーノ岡山654018111149454
10アルビレックス新潟5840161014685018
11ツエーゲン金沢5740141511554510
12V・ファーレン長崎5640175185658-2
13東京ヴェルディ52401313145356-3
14レノファ山口FC4740138195264-12
15FC琉球46401210185577-22
16ジェフユナイテッド千葉43401013174662-16
17愛媛FC4240126224558-13
18アビスパ福岡4140118213759-22
19FC町田ゼルビア4040816163455-21
20鹿児島ユナイテッドFC3740107233971-32
21栃木SC3440616183153-22
22FC岐阜304079243170-39

現在最下位です。残念。なんでこうなったのでしょうか。

勝点との関係

Jリーグが公開しているデータから、勝ち点に関係ある要因を可視化したいと思います。それがこちら。小さくてわかりづらいですが、勝ち点と正の相関が高いのが「得点」、負の相関が高いのが「失点」です。まあ、言われてみれば当然なのですが。

そして、得点と正の相関が高いのが「シュート」です。さらにシュートと「CK」はちょっと正の相関が高めです。

逆に、失点の負の相関が高いのが「被シュート」です。これも言われてみれば当然ですよね。

 

得点と失点の関係

次に得点と失点の関係を見てみましょう。

右側ほど得点数が多く、上側ほど失点数が多いです。右下ほど得点が多く失点が少ない、左上ほど得点が少なく失点が多いということです。FC岐阜は左上・・・。

ちなみに、得点がやや多めで失点が多い、失点が少なめだけど得点も少ないなど、各チームによって傾向が違います。ただ、簡単にいえば「得失点差」が重要なので、得点が多くても失点がそれ以上に多ければ負ける可能性が高く、その逆も然りです。勝ち点と得失点差の相関関係も0.9あります。

 

得点とシュート数の関係

得点とシュート数に正の相関があると書きましたが、これもチームによって違いがあります。それを示したのが以下のグラフです。

得点数が多い順に並べましたが、シュート数は違っています。決定率が違うということですね。それを実際に計算したのがこちら。

この2つのグラフをみるとわかるのですが、FC岐阜はシュート数が下から3番目ですが、決定率が下から2番目です・・・。

 

失点と被シュート数の関係

失点と被シュートも相関関係が高いのですが、これもグラフ化しました。

FC岐阜は失点数がリーグで上から3番目です。こちらも決定率を見てみましょう。

こちらはリーグ5番目です。

 

以上、簡単にJ2の傾向を可視化してみました。FC岐阜の絶望的な感じが可視化されて、やりながらつらかったですが・・・。

他にもFootball LABにもデータがあるようなので、いろいろ分析できると面白いかなと思いました。

データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB[フットボールラボ]

デジタルトランスフォーメーションを推進するために理解すべきこと

最近DX推進室の設立などをよく聞く。デジタルトランスフォーメーションとは何で、どう推進すべきなのかを理解したくて、調査レポートや書籍をあたってみました。

なぜデジタルトランスフォーメーションに取り組む必要はあるのか?

デジタルトランスフォーメーションはなぜ様々な企業に求められているのでしょうか。それは、この本を読むとわかりやすく書いてあります。

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特にスピーディーにどう取り組むか、という問題意識は、本書の最初のあたりが非常に有益でした。

例えば、こういう記述です。

技術が生まれてから多くの人がそれを利用するまでの時間が急速に短くなっているということです。たとえば、新しい技術が生まれてから 50%以上の人々が使うようになるまでの年数では、自動車は 80 年以上かかりましたが、テレビは 30 年、インターネットは 20 年未満となり、携帯電話は 10 年ほどと言われています。アップルの初代iPhoneが日本で発売されたのは2008年春ですが、スマートフォンの世帯保有率が 50%になるまでには5年しかかかっていません。

 

つまり、デジタルというのはスピードを高めるため、事業の変化やディスラプターの脅威が急速に高まるリスクがある、ということです。そして、スピードを高めるということは、内製に限界があるため、他社との連携や買収など、外部にも目を向ける必要があるということにもつながります。

新しい領域に投資を増やせるか?

無料で充実した内容になっているのは、経産省のDXレポートです。

DXレポート 〜IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~

DXの必要性や問題点などがきれいにまとめられています。50ページを超えるボリュームなので、まず手始めに読むなら、このレポートが良いのではないでしょうか。

特に前半で語られている「既存システムのレガシー化」の問題は、日本企業においては根強く、その運用コストに比重が多く割かれ、チャレンジングな戦略的投資の割合が少ないというのは、デジタルトランスフォームを進めづらい一因になっていると感じます。

つまり、デジタルトランスフォーメーションというのは、既存システムの改革も必要になってくるんですね。コストを下げ、柔軟性のあるシステム環境を作り、新しい領域に投資する必要があるからです。

面白かったのは、組織的な構造やカルチャーにも踏み込んで記載されているところでした。例えばユーザー企業(発注 側)の役割・責任やスタンスについて、アメリカとの対比でこう表現されています。

それに対して、我が国の CIO は有名なベンダー企業に頼んだから大丈夫という考えに陥 りがちである。しかも、ユーザ企業側の選定責任は不明確で、ベンダー企業側の責任となり がちである。要求仕様や指示に抜け漏れや曖昧さがあっても、トラブルが起きると我が国で はベンダー企業の責任とされることが多い。開発を主導するのが CIO の責務であることか ら CIO 責任という考え方が定着している米国とは異なっている。

このあたりは、日本市場特有の、昔からある構造的な問題だと思います。

DXは結局、組織改革の問題

デジタルトランスフォーメーションの本をもう一冊読んだのですが、いずれもデジタルトランスフォーメーションを組織改革の問題ととらえ、その組織改革をどう実現するのか、という点が語られています。

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デジタルトランスフォーメーションは各業界や企業によって実施する内容は変わりますが、全般的に言えるのは、組織のマインドや仕組みを変えていく必要がある、ということです。しかも、大掛かりに。

一般的に言われる「業務改革」とデジタルトランスフォーメーションの違いについても本書では書かれており、大きく変えていくためには、その重要性や大変さを経営層が理解し、その環境を全社的に構築していく重要性が述べられています。

デジタルトランスフォーメーションというのは、組織改革なのです。

ちなみに、日本版解説でリクルートの事例が出てきていたのが印象的でした。リクルートのデジタルトランスフォーメーションが、どのように行われているのかは本書が参考になると思います。

リクルートの手法から学ぶ新規事業の作り方・育て方

 

「すべての企業はテクノロジー企業になる」という言葉もあります。テクノロジーの活用がいろんな企業で進みますように。

今日はこのへんで。

【書評】課題解決とサービス実装のためのAIプロジェクト実践読本

「AI開発がPoCから進まない」など言われることが多いですが、どうしてそうやって失敗してしまったり、実用化に至らないのでしょうか。

それには、AI開発特有の難しさがあるのですが、まだまだその知識や方法論が十分に確立されているわけではありません。しかし、それが体系的に整理されているのがこちらの本になります。

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AI開発のバイブルといって良いのでは

内容が超具体的。AI開発の難しさ、特有さが丁寧に書かれています。著者は株式会社オプティムでの実際のAI開発経験から書かれているので、説得力が違います。

また、企画検討から運用化、契約関係まで、検討しなければいけないこと、注意しなければいけないことが幅広く書かれているので、AI開発に関わる人はみんなバイブル的に読んだ方が良いです。

説明や注意点だけでなく、フレームワークや一覧表がちゃんと整理されているので、実務にもすぐに活用できる点もありがたいです。

AI業界はこれから成熟していく

AI自体はガートナーのハイプサイクル上は幻滅期に入っており、「何でもできる」「AIが今の業務や社会を大きく変える」といった漠然とした期待は失われつつあります。

一方でAIを使った新しいビジネスも着実に増えてきており、現実的に「どこにどうAIを使うか」を見極めることが重要になってきていると言えます。そういうときに、AIの特性やプロジェクトの進め方が本書のように整理されているのは、とても重要です。

今のAI業界は、一時のIT業界と似ていると個人的には思っていて、新しい技術が普及しようとしているときには、期待と幻滅が繰り返されたり、業界慣習や法整備、人材育成などが進みながら、業界が成熟していきます。

ITの場合も、システム開発の方法論が確立されたり、プロジェクトマネジメント手法が普及したり、IT技術者の分類・定義づけなどが業界全体で行われていきました。

AIも国や任意団体がガイドラインを整備したり、ディープラーニング検定が作られるなど、業界全体の成熟化が進んでいます。

AI系のガイドラインを調べてみた

ということで、よりリアリティを持って、AIは今後様々なビジネスに普及していくことでしょう。そのときに、こういうプロジェクト特性を知っておくことは、発注者・受注者ともに重要なことだと思います。

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今注目されている「ディープテック」とは何か

ディープテックという本が注目されているようだったので、読みました。

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ディープテックとは何で、なぜ注目されているのかを知ることで、今後のビジネスにトレンドが少し理解できた気がします。

ディープテックとは何か

ディープテックという言葉は、Googleトレンドでみるとここ1年ぐらいで増加してきているのがわかります。

これまでだと、よくFinTech、EdTech、MedTechなど、様々な言葉が登場し、メジャーになっていきました。しかし、この「ディープテック」という言葉は、これらと概念が違います。本書で紹介されているディープテックの定義がこちらです。

これに対して本書では、ディープテックを以下のように定義づけたいと思っている。
1.社会的インパクトが大きい
2.ラボから市場に実装するまでに、根本的な研究開発を要する
3.上市までに時間を要し、相当の資本投入が必要
4.知財だけでなく、情熱、ストーリー性、知識の組み合わせ、チームといった観点から参入障壁が高いもの
5.社会的もしくは環境的な地球規模の課題に着目し、その解決のあり方を変えるもの

つまり、産業などを特定するのではなく、技術そのものの新規性・難易度・社会性に注目したものです。

代表的なディープテックの例として挙げられているのが、ユーグレナです。

株式会社ユーグレナ | 公式ホームページ

栄養素が豊富なミドリムシを大量培養することで、食糧や燃料に用いることに成功しています。栄養不足や燃料不足に対して、貢献する技術ですね。

このように、インターネットビジネスなどに代表されるような技術・サービスではなく、もっと社会課題に直結するような技術を指すようです。

ディープテックを推進するNPOであるHello Tomorrowによると、以下10領域でディープテックを追跡しています。

10 Technology Tracks of Hello Tomorrow

WHAT IS DEEP TECH – HELLO TOMORROW JAPAN

 

なぜディープテックが注目されるのか

有名なアクセラレータのYコンビネータをはじめ、VCなども投資領域をディープテックに広げてきています。

Corporations such as Google, Facebook, Amazon, IBM and Apple show increased interest towards deep tech applications in AI, virtual reality, drones, self-driving cars. Business accelerators also shift focus from narrow digital startups towards deep tech. In 2016 Y Combinator’s batch there were 32 deep tech startups including 9 in biotech, 4 in drones and 3 in advanced hardware.[8]
Deep tech – Wikipediaから引用

 

ディープテックが注目される理由として、短期的な成長・収益をベースにする近視眼的な起業やビジネス成長に対する反動、社会的な価値観の変化などが要因としてはありそうです。

アプリやウェブサービスなど、比較的資本がかからずアイデア勝負な、いわゆる「ライト」な領域は、ネタが枯渇してきたのかもしれません。

個人的に発見というか気づきを得たのは、ディープテックの動きというのは、以前からある「サスティナブルグロース」や「サーキュラーエコノミー」などの価値観ともつながってきていること。例えば、SaaSやMaaS、シェアリングエコノミーなどが普及してきていますが、これも買い替え需要という社会にとってはマイナスの作用も生むビジネスではないので、生産者やサービスプロバイダーは、モノを長持ちさせながらサービスを向上させるインセンティブが生まれるスキームになっています。

「本郷バレー」という言葉も生まれ、日本でも研究機関が持ってる技術にフォーカスされているようです。本書でも、日本は課題を多く抱える東南アジアに対して、地理的にも技術的にも貢献できる良いポジションにいる、と書かれています。

そういえば、最近の週刊ダイヤモンドの特集も、ディープテックと関連するものでした。

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世界的なトレンドが生まれていて、日本でも様々な動きが出ているということが、理解できてきました。

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Zoffでクリアレンズのブルーライトカットメガネを買った

最近PCやスマホの画面の見すぎで、目の疲れや、移動時のめまいを感じることが多くなってきました。

その対策として、ブルーライトカットのメガネを買いました。クリアレンズ(レンズの色が目立たない)で、カット率が高いZoffのものにしました。

 

メディアの接触時間からみるスクリーンを見る時間の増加

総務省の調査によると、既に20-30代は、テレビよりもインターネットから情報を取得する割合が高くなっています。

総務省|「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表

年代に限らず、明らかにPC・タブレット・スマホに接する時間は増えているでしょう。自分を振り返ってみても、常にスマホの画面を見たり、デスクワークだとパソコンをずっと眺めていることが多くなっています。

常にスクリーンを見ている状況ので、なんとなく疲れやすい気がしますね。

ブルーライトカットの効果

パソコンやスマートフォンのディスプレイで使われているLEDからは、ブルーライトが発せられていて、これが目の疲れなど健康を害するのではないかといわれています。具体的には、体内時計への影響(起きやすくなる)や、目の乾き、疲れなどに影響があることは科学的な事実のようです。

アメリカ眼科学会(AAO)のブルーライトに関する声明の完訳(PDF)

ただ、どの程度影響があるのかは個人差があるでしょうし、生活環境などにも関係するので、ブルーライトカットのメガネがどの程度効果があるのかは、人それぞれということではないかと思います。

Zoffのブルーライトカットメガネを買った

ブルーライトカットのメガネはたくさん登場していますが、まず「度なし」でよければアマゾンでたくさん安く手に入ることができます。

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「度あり」だと大手メーカーが選択肢になってくると思うのですが、いろいろ調べてみると、Zoffのブルーライトカット率は50%で、さらにクリアレンズでできるとあるので、普段遣いとしては1番よさげな気がしました。

 

価格は、度なしのパックであれば5,500円、違うフレームでPCレンズにするなら、+3,000円でできます。消耗品として考えるぐらい、安いんじゃないでしょうか。

Zoffのブルーライトカットは、クリアレンズとありますが、一応近くでみるとやんわり色がついています。ただ、目立たないですし、これまで周囲に気づかれたことはありません。

 

ちなみに、JINSもクリアレンズでエルライトカットのメガネを出していますが、こちらはカット率が25%。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【JINS SCREEN 25%CUT】-JINS(ジンズ)
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1カ月使った感想

完全に体感的なものになるんですが、Zoffのメガネに変えてから、頭痛やめまいは減ったような気がします。あまり目が疲れなくなりました。

前述した通り、環境にも依存すると思うので、あくまで個人の感想です。試してみたい方は、良いんじゃないでしょうか。

 

AIはどうやって社会に浸透していくのか?「予測マシンの世紀」を読んで理解する

AIという言葉はすっかりいろんなところで使われるワードになりましたが、実際どのように世の中を変えていくのか、というところでいえば、まだまだ実感できる人は少ないんじゃないでしょうか。

ソフトバンクの孫さんが「AIは予測」と言っていましたが、

孫社長は「AIの一番得意なことは予測だ。何でもかんでもやらせるべきではない」とも指摘。需要と供給を適切に予測することで、ビジネスでは在庫の回転率や販売効率の劇的な改善が期待できると説明した。

「日本、AI活用に目覚めよ」ソフトバンクG孫社長  :日本経済新聞より引用

この本を読むとその意味がわかるでしょう。

本書は、第三次AIブームのきっかけとなったトロント大学の経済学者が書いたAIの現状を示した一冊です。経済学の観点から書かれた本書は、AIがビジネス活動などに使われたときに、どういう効果をもたらすかを具体的に示してくれています。

基本的なAIの知識を理解したら、ぜひこの本を読むことをおすすめします。

AIはこれから幻滅されていく?どうしたらビジネスの現場で使われるのか

ガードナーのハイプ・サイクルによると、AIはこれから「幻滅期」を迎えるようです。

AIやブロックチェーンは幻滅期へ–ガートナー、日本の最新ハイプ・サイクルを発表 – ZDNet Japan

ディープラーニングで始まった第3次AIブームによって、いろんな場面でAIは使われて、どんどん世の中を変えていくというイメージを持たれているかもしれませんが、実際には様々な制約や限界があり、どのようなテーマでも万能に使えるわけではありません。そのことにいろんな人が気づき始めています。

 

本書ではAIが出す結果は基本的には「予測」であると言っています。そして「予測」とは次のように表現されています。

予測とは、欠落している情報を補充するプロセスである。予測においては、しばしば「データ」と呼ばれる手持ちの情報に基づいて、新たな情報を生み出していく。

 

なので、単純に「未来を予測する」ということだけでなく、様々な用途に対する「予測」が意味合いとしては含まれます。例えば、直近の顧客の行動を「予測する」であったり、何等かの行動を行った結果がOK/NGなのかを「予測する」であったり。

AIはこのような「予測」をコンピュータ上で実現することで、予測コストを低下させていきます。この予測コストの低下に対して、AIの投資額がバランスされれば、AIの導入されることになります。まずここで重要なのは、AIには適用領域の向き・不向きがあるので、適切にその領域を見極めることが重要だということです。

どういう条件を満たしたら、AIが人間を置き換えるのか?

ただ、AIはそれだけでは実はうまく使われないことが多いです。

AIは万能的な何かだと思っている人もまだいる気がしますが、実際はそうではありません。間違った判断を下すケースもあります。具体的には、AIは正解を不正解と言う場合もあれば、その逆で正解を不正解と言ってしまうケースもあります。その確率がどの程度かによって、実際の経済的な効果がわかるのです。

本書ではクレジットカードによる不正利用の検出が例として出てくるのですが、クレジットカードのある決済データを「不正利用」とAIが判断したときに、それが正しい場合と誤っている場合があります。正しいときは問題ないですが、誤っている場合は「正しく使っている人を不正として、ユーザーの利便性を低下させている」となります。

誤検出が多くてユーザーの利便性を大きく低下させると、ユーザーが離反してしまうかもしれません。AIの使い方によっては、そういう経済的リスクを誘発する可能性があるわけですね。

機械の判断の正しさを確信できるときには、プログラム化された判断に基づいて機械が行動を決めても問題はない。しかし状況が不確かなときは、機械に判断を任せる前に予め、間違えた場合のコストを慎重に評価しておかなければならない。予測が正しい場合と間違っている場合のどちらに関しても、人間の判断が必要とされる。結局のところ不確実な状況では、特定の決断からどんな見返りが得られるか判断するためのコストが高くついてしまう。

 

こういう、AIがどういうリスクを考慮し、導入を考えなければならないかがちゃんと書かれているのが、本書が良いなと思うポイントです。

AIが導入されると、その業務はどう変化するのか?

本書では、Googleやアマゾンが台頭してきたときに、経済的な価値としてどういうことが起こったのかが述べられています。

例えばGoogleが情報探索コストを著しく低下させたことで、調べる行為そのものではなく、得られた結果からどう判断するかが、人として重要な価値になりました。

ビジネスにAIが導入されることで、様々な業務プロセスの一部に大きなコストの低下が生じる可能性が高いです。そうやって価値が低下した部分にフォーカスするのではなく、その周辺の変化に注目すべきでしょう。

スクールバスの運転手の例が挙げられていました。

「スクールバスの運転手」と呼ばれる人物が、子どもの自宅と学校を往復するバスの運転をしなくなったら、給料を支払う必要のなくなった自治体はそのぶんを別の支出にまわすべきなのだろうか。いや、そうはならない。バスが自動運転になったとしても、現在のスクールバスの運転手は運転のほかにもたくさんの役割を引き受けている。まず彼らには、大人として大勢の学童の集団を監督する責任があり、バスの外で発生する危険から子どもたちを守らなければならない。同じように重要な役割が、バスのなかの規律を維持することだ。子どもたちを管理して、お互いにトラブルを起こさないよう配慮するためには、人間の判断が未だに必要とされる。バスが自動的に動いても、こうした補足的なタスクが消滅するわけではない。むしろ、バスに同乗している大人はこれらのタスクにもっと集中できるようになる。

 

何か新しい技術やサービスが出てきても、すぐに置き換わることの方が少ない。そして、改めてAIが代替する価値や、置き換えられない要素を考えるきっかけになるでしょう。

 

技術的な理解も重要ですが、ビジネスや社会に浸透していくことを考えると、経済学的なアプローチからAIを理解することが非常に有効ですね。新しい技術のきらびやかさに目を奪われるのではなく、冷静に俯瞰してとらえることで、惑わされることなく本質的な理解ができるということです。AIは万能なものではなく、あくまでツールです。今のところは。

Pythonを学ぶと単純作業を自動化できるので勉強しよう

最近、Pythonで久々にスクレイピングしていました。思い出しがてらいろいろ調べたので、メモがわりにここに残しておきます。本当に初心者級の基本を調べるところから始めましたが、2時間ぐらいで目的は達成しました。

スクレイピングの基本

BeautifulSoupでHTMLをパースする

HTMLの取得・パースは、BeautifulSoupが神です。これを使えばとりあえず問題ないです。

【保存版】Pythonでスクレイピングする方法を初心者向けに徹底解説!【サンプルコードあり】 | DAINOTE

 

CSV出力

URLリストの読み込みや、スクレイピング結果の出力にはCSVで。CSVを取り扱う基本的な操作を習得しましょう。データ処理するなら、pandasが良いです。

pythonでのcsvファイルの読み込み – Qiita

CSVにデータを書き込むときに、空行が勝手に出力されて困っていましたが、これで解決。

文字列演算

スクレイピングと関係ないといえば関係ないのですが、URLを加工したりCSV出力時のファイル名を生成するのに、文字列加工が必要だったので。

Pythonで文字列を連結・結合(+演算子、joinなど) | note.nkmk.me

 

Pythonなどのプログラミングを覚えるといろんなことができるようになる

Pythonとかプログラミング言語をちょっとでも覚えておくと良いのは、こういう単純作業を、効率的にできるからです。今回は2時間ぐらいかかりましたが、一方で手作業でページアクセスしてコピペしていたら3時間以上はかかったでしょう。

そして一度覚えれば、またコマンドを思い出したりは必要ですが、原理的なものはすぐに思い出せます。

こういう本でスクレイピング&クローリングを学ぶと良いです。

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あるいはPythonでの自動化という広い意味であれば、こういう本も良いのではないでしょうか。

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今回はスクレイピングの例だけでしたが、Pythonはデータサイエンスや機械学習も盛んになっています。データを分析するなら、こういうネタを勉強するのも良いと思います。

【世界で5万人が受講】実践 Python データサイエンス

Pythonで機械学習:scikit-learnで学ぶ識別入門

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個人のタスク管理ツールにAsanaを導入したら生産性が上がった

これまで自分の仕事のタスク管理はExcelでやってきましたが、最近そろそろ限界かなと思って、タスク管理ツールを導入しようと考えました。いくつかツールを選定した結果、Asanaを導入してみました。

チームの仕事、プロジェクト、タスクをオンラインで管理 · Asana

 

タスク管理ツールを導入しようと思った動機

タスク管理ツールを導入しようと思ったのは、複数のプロジェクトを同時進行で進めなければいけないのですが、シンプルなタスク管理では各プロジェクトでどういうタスクが残っているかが正しく管理できなくなったからでした。Excelだと、庶務系の軽いToDoとプロジェクト的にある複数タスクが混在してうまく管理できなくなり、困っていました。

なので、タスク管理ツールに求めていた要件は、プロジェクトを作り、プロジェクト内でタスクを管理できることです。あとは、それ以外にも基本的なタスク管理の仕組み(期限、繰り返し設定など)ができることも前提です。

Asanaを選んだ理由

Asanaの名前はrebuild.fmで聞いていましたが、いくつかツールを見てみた中で、Asanaが一番しっくりきました。Asanaであればプロジェクトを作成できて、プロジェクト内でタスクを登録できます。これで第一の要件は満たすことができました。

それ以外にも、リストビューやカレンダービューもできるので、期日が近いタスクが見やすいし、カレンダービューだとドラッグで期日を変更できるのも良いな、と思いました。それ以外にも、繰り返し設定も細かくできて、タスク管理ツールとして必要な機能は一通りある感じです。

Asanaは複数人で使うことを想定したツールではありますが、個人でも非常に使えるんじゃないかと思いました。個人レベルであれば、無料でも十分に使えるのがうれしい。

IPhoneアプリもあったり、マルチデバイスで使える点も良いです。Slackなどの機能連携もできるようですが、今のところそこまでは試していません。

 

タスク管理は、いかに自分を集中させる環境を作れるかが重要だと思っており、当日やることが明確になる、サブタスクも含めて登録できる、という機能的な面もさることながら、色使いなどインターフェースも使っていて気持ちいい、というのもAsanaを気に入ったポイントです。

 

プライベートで使っているTodoistからも移行するかもしれない

ちなみに、プライベートのタスク管理はTodoistを使っています。Asanaはワークスペースごとにタスク管理を切り替えることができるので、仕事とプライベートのタスク管理ツールをAsanaに統合しようか、悩み中です。

タスク管理ツールはToDoistで決まりで良いんじゃないかと

 

「時間術大全」を読んでから、スマホなどに奪われる時間が着実に減り、タスク消化や読書などに時間を作ることができるようになっています。

「時間術大全」を読んだら生産的で有意義な時間が増えた

Asanaを使って、さらにタスクにフォーカスしてどんどん作業を進めていきます。

「時間術大全」を読んだら生産的で有意義な時間が増えた

時間の効率化や、ライフハック系の本は時々読むのですが、最近読んだのがこれ。

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書いたのは、Googleベンチャーズで使われている新規事業の開発手法を著した「スプリント」の作者です。

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人の意識はスマホが無限に奪っていく

今回の「時間術大全」は、特に現代の事情を考慮して書かれているのが特徴で、原題の「メイクタイム」の通り、「自分の時間を作る」のがテーマです。

本書のシステム「メイクタイム」は、生産性とは関係ない。作業効率を高めるとか、やるべきことを早く終わらせる、生活をアウトソーシングするという話じゃない。 自分にとって大事なことをする時間をもっとつくるためのノウハウ だ。

現代の敵は「多忙中毒」や「無限の泉」と表現されており、多忙な毎日に追われるのではなく、本当に自分のやりたいことに時間を使うためのテクニック集が書かれているのが本書です。

時間を奪う大敵は、昔はテレビでしたが、今はスマホが意識や時間を無限に奪っていきます。それを意識して我慢したりするのではなく、無理なく実現する仕組みを提案してくれていますので、自分の時間を増やしたいと思う人にはおすすめです。

iPhoneはスクリーンタイム機能が無敵

いくつかあるテクニックのうち、スマホの整理は改めて考えるきっかけになりました。ダラダラ見てしまうアプリは、削除するか、iPhoneのスクリーンタイムで、時間制限を設けました。

iPhone「スクリーンタイム」とは – 使い方・オンオフ設定 | 機能制限で子供の利用時にも | Beyond(ビヨンド)

数日試した感想としては、良さげ。スクリーンタイムだと、アプリごとに1日の使用時間を決めたり、曜日まで指定できます。制限時間があると思うと、アプリをなんとなく使うのを思いとどまりますね。Kindleで読書する時間が増えました。

 

それ以外も様々なテクニックが書かれていますが、食事関係も書いてありました。健康的な食事については、こちらが詳細で科学的なのでおススメ。

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時間は全員の平等といわれていますが、「自分の時間」がちゃんと確保されているか、考えてみるきっかけになりました。

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Kindle Fireでの電子書籍読み上げで、劇的に読書量が増えた

以前から、iPhoneのKindleアプリで読み上げて読書してました。

Kindleの電子書籍を無料でオーディオブックにする方法(2016年版)

 

ただ、やはりどうしても本によっては途中で止まることが多く、イライラして最近はあまり読み上げ機能を使っていなかったのですが、Kindle Fireだと読み上げが止まらないというのを知って、試してみました。

やり方は簡単で、最初に「設定」で読み上げ機能をオンにする。あとはKindle Fireで電子書籍を開いたら、下の部分についてる再生ボタンを押すだけ。

Amazon.co.jp ヘルプ: 読み上げ機能を使用する

ただし、Text to Speechに対応している本に限ります。(固定レイアウトになっていないものであれば、だいたいは対応している気がします。)

持ち歩くのは面倒なので、家で家事など作業するときに聞いています。最近全然読書ができていなかったけど、これですごい進めるようになりました。素晴らしく快適。

これを実現するためだけにでも、Kindle Fireを買ってよいのでは?という感じです。すごい安いし。一番小さい7インチだと6000円・・・。

 

ちなみに、外出時は完全ワイヤレスイヤホンを使っているのですが、複数端末とつなぐときは毎回つなぎ直さないといけないので、Kindle Fireを読書端末として使うのを理由に、プライムセール時に新しいものを買いました。