【書評】気仙沼ニッティング物語:いいものを編む会社

地方で事業を行う上で、どういう要点が必要なのかという点に興味を持っています。そこで、以前から知っていた「気仙沼ニッティング」のことをもっと知りたくなって、この本を読みました。

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気仙沼ニッティングとは

気仙沼ニッティングとは、気仙沼に本拠地を置く、手編みセーターを販売する会社です。

気仙沼ニッティング
気仙沼ニッティング

震災の後に、ほぼ日のプロジェクトとして始まり、法人化しました。

気仙沼ニッティングは、気仙沼を拠点とし、 お客さまに手編みの商品をお届けする会社です。 2012年6月にほぼ日刊イトイ新聞で 震災支援のプロジェクトとして始まり、 2013年6月に株式会社として独立しました。

気仙沼ニッティング – 気仙沼ニッティングが目指すこと

 

立ち上げ時期の内容についても、ほぼ日のウェブサイトに掲載されています。

ほぼ日刊イトイ新聞 – いいものを編む会社。ー気仙沼ニッティング物語

優れたデザインと、手編みならではの味わいが特徴で、価格もなかなかに高級になっています。

本書はその創業ストーリーであります。

 

戦略ストーリーができている

最近「ストーリーの競争戦略」を読み返しているせいではありますが、この気仙沼に行ってイングも非常に戦略としても1人を感じるんですよね。

気仙沼で手編みニットを作る理由、価格、商品ラインナップ、販売やマーケティングの手法。それらひとつひとつが密接に絡まっていて、1つのストーリーを構築しているように感じてなりません。

たとえば気仙沼ニッティングの商品は、一般的なセーターから考えれば非常に高額ですが、それをこのような理由で述べています。

「とりあえず気仙沼の人たちがすぐ簡単に編めそうな商品をつくって、手ごろな価格で出してみて、売れるか売れないか見てみよう」という姿勢だったら、きっといつまでたっても気仙沼ニッティングの商品の品質は上がらなかったことでしょう。それに、きっと売れなかったとも思います。「気仙沼の人たちがすぐ簡単に編めそうな商品」というのは、「日本中の人たちが誰でもすぐ自分で編めるもの」でもあるからです。

長期的に続いていく競争性を確保するためには、差別化が大きい点を作るのはとても重要なことです。

僕も最初は「10万円以上もする手編みのニットって、誰が買うの?」と思っていましたが、顧客層や購買理由はこの本を読めば「なんとなく」わかります。この「なんとなく」というのが重要です。それこそは、ひとつひとつで構成されているストーリーの一部だけを見ても、本当のところは外部からはよくわからないからです。ただ、ヒントはあります。

手編みのうれしさってなんでしょう。これは、後々ずっと考えていくことになる課題です。たとえば手編みには、ひとつひとつの編み目に空気がふくまれるためふっくらしてあたたかい、といった機能的な利点もあります。長持ちする。着る人の身体になじみやすい。どれもよい点なのですが、手編みの一番のうれしさというのはやはり、「だれかが自分のために編んでくれた」ということそのものです。オーダーメイドなら、その豊かさを、たっぷり感じることができます。自分のために、いまカーディガンを編んでくれている人がいる。その豊かさをしっかり感じてもらえるようにしたいと考えました。

これを読むと、製品に付随するものとして、それ以上の「何か」を購買者に与えているんじゃないかという気がしてきます。

また顧客層に関しても、都市部が多いわけではないと書かれています。その内容は本書を読んで欲しいのですが、想定した顧客以外のところから幅広くニーズを獲得できているのも、この「ストーリー」を構成する重要なパーツになっていると思います。

 

本書の最後のあたりでは、ネット販売を中止にするならもっとウェブサイトの力を入れて拡大するべきだと言うアドバイスをもらい、このように記述しています。

たしかにそうすれば1~2年は売上が急増するかもしれません。しかし100年続く事業には育てられないでしょう。それは、気仙沼ニッティングがこれまで丹念に仕事をすることでお客さんから得てきた信頼を、短い時間で使い切るような話だからです。信頼は、築くのには時間がかかりますが、なくなるときはあっという間です。経営を捉える時間軸の長さによって、いまやるべきだと考えることは変わるのでしょう。

 

最初、気仙沼ニッティングのウェブサイトを見たときは、モバイル対応もされていないし、SimilarWebで見た時もそれほどアクセスがあるようでないようなので、ほんとにこれでネット販売してるのかなっていう素朴な疑問を持ちました。しかし、きっとこの会社ならではの優先順や成長スピードがあり、確実に信用を積み重ねながら経営されているのでしょう。

 

ということで、良い企業にはストーリーがあるんだな、と再確認した一冊でした。いつか気仙沼ニッティングで注文してみたいな、と思いました。

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ミスドの100円セール中止にみるドーナツ業界の現状

ミスタードーナツの店舗が大量閉鎖され、さらに有名だった100円セールはやめて常に値下げするように変更したようです。

ミスド、定番35種を値下げへ 100円セールは廃止:朝日新聞デジタル

コンビニがドーナツを始めたり、少子化の影響でドーナツ自体が売れなくなるなど、いろいろミスタードーナツを取り巻く環境ではネガティブな情報が出てきていましたが、気になったので改めて業績を調べてみました。

ミスタードーナツの最近の業績

以下は、ミスタードーナツを上するダスキンの過去5年間の業績です。ダスキン自体が業績横ばいになっているのがわかります。

ダスキン

ただダスキンは清掃業も行っており、これだけではミスタードーナツの業績があまりよくわからないので、フード事業のセグメントだけを見てみます。

ダスキンのフード事業の四半期業績の推移は以下です。数字は決算短信から抽出しました。

ダスキンのフード事業

売上高はじわじわ低下しており、営業利益もほとんどが赤字。明らかに業績が芳しくなく、苦戦していることがよくわかります。

市場の問題もあるけどビジネスモデルの転換が必要

せっかくグラフも作ったけど、調べていたらSPEEDAにドーナツ業界の分析レポートがありました。。。

ドーナツ市場の行方 | SPEEDA

ドーナツ市場はほぼミスタードーナツの寡占状態であるものの、ミスドのビジネスモデル自体が時代に合わなくなっているのではないかと思われます。SPEEDAのレポートは非常にわかりやすく分析されているのですが、その中で次の部分が本質を突いているんじゃないかと思います。

しかし、マス需要をターゲットとした産業は、近年苦境に陥る例も多い。消費者の嗜好は多様化し、かつ品質・価格・サービスレベルについてもより厳しい目を持っている。またあまり店舗が分散すると効率性が低下する。

ドーナツ市場の行方 | SPEEDA

個人的な体験から見ても、昔は手土産やちょっとしたデザートといえば、ミスドのドーナツを選ぶという一つのパターンがあったきがしますが、嗜好が多様化していて、そういう場面でファーストチョイスじゃなくなってるんじゃないでしょうか。

マーケットリーダーであるミスドがここまで苦戦していること、新しい風雲児だったクリスピークリームドーナツも相次いで閉店していることから、ドーナツ業界は非常に難しい状況になっているのだと思われます。

クリスピー・クリーム・ドーナツ 相次ぐ閉店の理由は? | THE PAGE(ザ・ページ)

今、業界全体が再構成している状況なんだなって思いました。特に嗜好品は移り変わりが早く、ビジネスにすぐにインパクトがでてしまうので危険ですね。

と、いろいろドーナツのこと書いてたら、食べたくなってきた。ドーナツ買ってきます。

Googleアナリティクスのマイレポート作成方法

アクセス解析でGoogleアナリティクスを使う方は多いと思いますが、Googleアナリティクスで毎回同じ指標をチェックしたい場合には、「マイレポート機能」を使うと便利です。

「マイレポート機能」とは、簡単に言えば「自分が見たい指標やグラフだけを集めたレポート」を作れる機能です。

 

マイレポートの作り方

新規作成

Googleアナリティクスにログインした状態で、左メニューの上にある「マイレポート一覧」から「+新しいマイレポート」をクリックします。

 

クリックすると、以下の画面が表示されます。

 

最初に「空白のキャンパス」か「デフォルトのマイレポート」を選びます。「空白のキャンパス」はゼロから作るタイプで、「デフォルトのマイレポート」は最初から「ユーザー」「ブラウザ別のセッション」などいくつかの指標が最初から含まれています。初めてマイレポート機能を使う方は、「デフォルトのマイレポート」から始めるのをオススメします。その方がマイレポートがどのようなものかイメージしやすいですし、そこから編集する方が一から作るより簡単だからです。

あとは名前を入力したら、マイレポートが作成されます。

※「ギャラリーからインポート」という機能もありますが、ちょっと使いづらいと思うのでここでは割愛します。

 

ウィジェットを追加

新しいマイレポートを作成したら、実際に自分が見たい指標を追加して見ましょう。マイレポートでは、「ウィジェット」という単位で指標やグラフを追加します。以下はサンプルになりますが、表示されている箱が「ウィジェット」になります。

 

ここでウィジェットを新しく追加したいと思います。レポートの上部にある「+ウィジェットの追加」をクリックします。

 

以下のウィンドウが表示されます。

 

ウィジェットは以下3つのステップで作成していきます。

  1. ウィジェットの名前を入力する
  2. ウィジェットの種類を選ぶ
  3. 指標を選ぶ

②で選んだウィジェットの種類によって、③で選ぶ指標も変わります。指標の他にディメンジョンを選んだり、指標を複数選ぶこともできます。

 

ウィジェットを編集する

作成したウィジェットを編集したい場合は、各ウィジェットの右上にカーソルを合わせると表示される、編集アイコンをクリックします。

一番最初に「デフォルトのレポート」を選んだ場合も、既存のウィジェットをこのように編集します。

 

 

以上で、マイレポートの作成は完了です。ぜひ、自分が普段チェックする指標を表示して、確認作業を楽にしてください。

iPhone7に手帳型レザーケースを導入して財布を持たないで済むようにする

iPhone7に機種変更して、これまで嫌っていた手帳型ケースを導入しました。

最近のiPhoneは落とすとディスプレイが割れやすくなっているという噂を耳にしたのもありますが、もう財布を持つのがどんどん嫌になってきているので、手帳型ケースで財布代わりにしたいなと思ってます。

以前「RAKUNI」と言うiPhoneケースを買った時も思いましたが、ほとんどiPhone持っていけば用が済むようにすると、財布は邪魔くさいものになりますよね。

iPhoneケース「RAKUNI」を買ったら、財布がいらなくなった

iPhone7の手帳型レザーケースの「HUKURO」

というわけでiPhoneのレザーケースが欲しくて、これにしました。

 

栃木レザーの手触りが良いですし、握りやすい設計になってます。背中にあるストッパーっていうんですかね?それが掴みやすくなって、使い心地は上々です。あと、右手持ちと左手持ちで選べるのも面白いですね。今回これを注文するにあたって、改めて自分の握り方などを考えました。

 

手帳型ケースにクレジットカードを入れる場合は注意が必要

で、せっかくの手帳型なのでカードケースにいろいろカード入れようと思ったのですが、説明書を読むと、どうやらクレジットカードはこのケースには入れないほうがいいと書いてありました。

クレジットカード等、磁気で情報管理しているものは、近くに磁石等があると磁気が狂って情報が破損することがあり、読み取れなくなるとのことです。HUKUROの取扱説明書でもクレジットカードは入れないでくださいと書いてありますし、ネットで調べてみるとそもそもiPhoneも近づけないほうがいいと書いているケースもありました。真偽のほどは微妙ではありますが、とりあえず手帳型ケースにクレジットカードを入れない方が無難なようです。

 

クレジットカードはApple Payに登録してしまう

手帳型ケースに入れられないので、クレジットカードはApple Payを活用して集約することにしました。iPhoneケースに入れるのはICカードで情報管理するものや免許証などにしてます。

まず、Apple Payに登録できるクレジットカードは全部登録します。いくつか登録できないものもあるのですが、それはSuicaアプリを経由させれば大丈夫です。

Suica 1.0.0(無料)
カテゴリ: ファイナンス, 旅行
販売元: East Japan Railway Company – East Japan Railway Company(サイズ: 23.8 MB)
全てのバージョンの評価: (424件の評価)
Suicaアプリにクレジットカードを登録すれば、そのクレジットカードからSuicaにチャージすることができます。なので、Suicaを経由すればどんなクレジットカードも利用できるようになります。Suicaを経由する分がちょっと面倒ですが、コンビニいく程度であれば財布を持たなくて済むので、その方が便利ですね。

 

というわけで、これまでお財布ケータイの恩恵を受けていませんでしたが、Apple Payで生活が非常に便利になりそうです。どんどん他のポイントカードなどもiPhoneのアプリに入れて、カードも持たないようにしたいですね。

 

【買ってよかった】Ankerの2万円代で買えるロボット掃除機

ロボット掃除機を新しく買い直しました。以前買ったロボット掃除機は1年半ぐらい使いましたが、調子が悪くなってしまいやむを得ずという感じです。

【買ってよかった】ロボット掃除機は激安でも部屋をきれいにしてくれる

前提として、ロボット掃除機はもう生活に欠かせないものになっていました。もちろんロボット掃除機は完全に部屋の全てをきれいにしてくれるわけではありませんが、少なくとも忙しい日々の中でロボット掃除機が部屋の一定割合をきれいにしてくれる事は間違いないと実感しています。

今回はAnkerのロボット掃除機がセールされていましたので、それをタイミングよく購入しました。買ったのは、この機種の一つ前のタイプです。

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今回Ankerの掃除機を買って思ったのは、やはり高機能なロボット掃除機は便利だなと言うことでした。

 

Ankerのロボット掃除機は、バッテリーは非常に長持ちし2時間位は掃除してくれます。部屋のスペース等を計算してくれるわけでありませんが、長時間ぐるぐる回っていればいろんなところを掃除してくれることになります。

センサーによって部屋の中のモードと端のモードとが分かれています。それによって部屋のあちこちにどんどんぶつかると言うような事はありません。部屋の内部モードであれば、ぶつかる前に一定の距離で止まりますし、端のモードであれば壁伝いに走っていくのでいろんな物をぶつけたり物を壊すという事は少なくなる動き方になっています。

音も静かな感じがします。テレビをつけていてもまぁ何とか聞こえる位のレベルですね。

あと、タイマーで動くのと、自動で充電ステーションに戻るのはやはり便利です。不在時や夜寝る前などにタイマーで動かしておくと、勝手に掃除しといてくれるのは楽ですね。

 

掃除機市場で見ると、ロボット掃除機は市場が成熟してきているようです。

では、よく話題になる「ロボット型」が伸びているのか? といえば、そうではない。実はロボット型のピークは2013年。その後’14年、’15年ともに13年を2割ほど下回った。ロボット型の数量構成比は、4~5%と限定的で、金額ベースでも伸び悩んでいる。「話題にはなるが、ここ1~2年は大きく伸びているというわけではない」のが実態だ。

【データで読み解く家電の今】もはや掃除機の主流はスティック型? ロボットはやや縮小。掃除機市場のいま – 家電 Watch

今はハンディクリーナーがメインで売れているようです。確かにロボット掃除機は高機能でありながら価格が下がってきているように感じます。どんどん手に取りやすく便利になっているところでしょう。

 

というわけで、ロボット掃除機は手に取りやすい価格で高機能になってきているので、気になっている方がいればお試しください。

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【書評】戦略読書日記

時々本を読んでいると、本質をえぐり出すような言葉に出会い、ドキっとすることがあります。そういう本に出会うと嬉しいですよね。

今回読んだ「戦略読書日記」は、「ストーリーとしての競争戦略」で有名な楠木建さんが書いた、いろんなジャンルの本を戦略という観点から読み解いた1冊です。

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色々目から鱗的な表現がちりばめられているのですが、一番印象的だったのは、ファーストリテイリングの柳井社長を例に、「経営者の能力」について触れたところでした。

戦略ストーリーを構築する経営者の能力は、どれだけ大きな幅で、どれだけ高頻度で、どれだけ速いスピードで具体と抽象を行き来できるかで決まる

「具体と抽象を行き来する」と言う表現は、コンサルティングでもよく言われています。どちらか一方だけではダメで、具体的な状況からコンセプトまで抽象化した内容を消化し、それをさらにまた具体的な施策に落とし込む。その往来の振り幅が大きい人が、経営者としては優秀だとこの本では述べられています。

確かに、抽象的で中身がない(=コンサルタントに対してよくある批判)もありますし、具体的だけど組織全体には使えない(=作業者から管理者に脱皮できないパターン)というケースもあります。

叩き上げで管理者になるためには、物事の抽象度を上げて捉える訓練が必要だと思います。そのために、経営理論やマネジメント手法を学ぶのは有効な手段のひとつだと思います。そして、その最たる例であるMBAは、抽象論を主に扱うところです。フレームワークなどは良い例ですね。それをケーススタディなどで、具体性をバランスよく養うということもやっているのですが。

MBAに関心ある人向け。ケース教育の利点を理解しよう

ということで、どういうことを意識して仕事に取り組むべきかといえば、具体性と抽象性の両方を意識し、自分がどちらかに偏っていないかを常に考えて行動することなんじゃないかな、と思う次第です。

この「戦略読書日記」は、ジャンルで捉えると難しいですが、経営戦略をいろんな観点から読み解く本だと思うので、経営戦略に関心がある方には面白いです。他にもいろいろ発見があって刺激を受けました。

 

全然話は違いますが、この本はKindle Unlimitedで読みました。こういう本を、読み放題の中で読めるってのは、良い発見でした。マンガが撤退したり、講談社が講義したりといろいろあるKindle Unlimitedですが、今のところ非常に有益なので続けてます。ありがとう。

Kindle Unlimitedが変える読書体験

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これからExcelでデータ分析するならGoogleスプレッドシートの方がおすすめな理由

Googleスプレッドシートは使ったことがありますか?

表計算ソフトといえばExcelが超有名ですが、Googleスプレッドシートもいろいろ便利になってきており、今回新しい機能が搭載されていました。これが、データ分析を楽にしてくれそうな予感がするのです。

追加されたのは、「データ探索」機能です。

スプレッドシートでグラフと分析情報の候補を表示、使用する – パソコン – ドキュメント エディタ ヘルプ

 

「データ探索」機能とは何か?

一言で言えば、「スプレッドシートに記載された数字を自動で読み取って、データ分析の提案をしてくれる」機能です。しかし言葉で言うとわかりづらいので、スクリーンショットを通じて説明しましょう。

以下のようにデータが存在している場合に、右下にある「データ探索」というボタンをクリックします。どうやら、表として認識される領域を選択すると、このボタンが活性化されるようです。

すると、サイドバーが現れて、いくつか複数のグラフを表示してくれます。グラフの数は10個程度です。また、各グラフにはどのような傾向が読み取れるかも説明してくれます。

これは、スプレッドシート上にあるデータの固まりを捉えて、その組み合わせから何らか傾向がありそうなパターンをグラフ化してくれるようです。

気に入ったグラフを使いたい場合は、グラフの右上に表示される「グラフを挿入」ボタンをクリックするだけでOKです。すると、スプレッドシート上にグラフが追加されます。

 

これの何が嬉しいか?

「データ探索」機能は、要はデータを適当に組み合わせて、いろんなグラフで関係性を示してくれる機能です。やってる事は機械的にデータをグラフ化することなのですが、いろんなグラフの種類をいろんなパターンでやるのは人間がやるとめんどくさいものです。こうやって機械が自動でいろんなパターンを提示してくれると、手間がほとんどかからないので、新しい発見ができる可能性も高まるでしょう。

例えば、先日書いた「日本ではAndroidとiOSのどちらが多く利用されてる?最新のスマホ市場動向を調べて見た 」の記事で紹介した、iOSとAndroidのシェアの関係がほぼ1対1であるとか、Androidのシェアには周期性があるとか、これらのグラフは、「データ探索」機能で自動で提示してくれたものです。

もちろん使えない(意味がない)グラフの提案もたくさんあります。しかし、これらのグラフを作るのにほとんど手間はかからないので、その中でひとつふたつと利用できるものがあれば、有用な機能だといえます。

 

データ分析ツールはどんどん身近に

データ分析はどんどん進歩してきていて、MicrosoftもPower BIを無償で提供するなど、各社力を入れています。

MSの無料データ分析ツール「Power BI」でGoogleアナリティクスを分析する

Power BIはいろんなデータを取り込んで分析できるという点で便利ですが、スプレッドシートのデータをすぐにグラフ化してくれる今回の「データ探索」機能は、より手軽にデータ分析を進めることができる点が特徴です。

 

Excelを使ってデータ分析する機会が多い人は、Googleスプレッドシートを使ってみるのもおすすめです。

日本ではAndroidとiOSのどちらが多く利用されてる?最新のスマホ市場動向を調べて見た

iPhone 7が発売されました。購入した方もいるでしょうか?

イヤホンジャックがなくなったことや、Apple Payの日本上陸などが注目されています。ここで改めて、スマートフォンの市場動向を見てみたいと思います。

Webマーケティングの観点からも、スマートフォンの動向を把握し、ユーザーがどういう環境でWebと接続するのかを理解するのは重要なことですよね。

 

iOSとAndroidはどちらが多いのか

スマートフォンの2大巨頭といえばiOSとAndroidですが、日本ではどちらが多いのでしょうか。いくつか調査データがあり、タイミング等も違っていて、「iOSのシェアは50%超えてる、30%台、いやいや60%超えてるんだ!」などバラツキがあります。

ここでは、時系列でデータが取得されている、Kantarというサイトのデータを見てみたいと思います。Kantarは、各国の端末販売データからシェアを算出しているようです。

Smartphone OS sales market share – Kantar Worldpanel ComTech

 

 

こちらのサイトでは、2012年10月からデータが存在しています。ここによると、最新は2016年8月で、OSシェアはAndroidが66.7%、iOSは31.9%です。日本はiPhoneが強いと言われていましたが、思ったより低いですね。

これを時系列で並べてみると面白いことがわかります。

各OSのシェアを並べてみると、明らかに周期性があります。iPhoneは例年10月頃に発売されますが、それに合わせてiOSのシェアが上がっています。Androidだけを取り出した周期のグラフでみると、わかりやすいと思います。

このグラフをみるとわかりますが、確かに一時的に下がっているもののまたAndroidはシェアを盛り返してきて、長期的に見ればAndroidの方がシェアが高まっているように見えます。

さらに、AndroidとiOSのシェアの相関関係をみるとほぼ1対1です。

以上から、(Kantarのデータが正しいとすると)これらのデータからいえるのは、

  • AndroidとiOSのシェアは、随分前からほぼ2強状態である
  • 両者のシェアは一年間でみても、時期によって大きく異なる
  • トレンド的にはAndroidのシェアが高まっている

他のデータも見てみる

一方、運営しているブログのGoogle Analyticsから、モバイルOSの動向を見てみました。4年間ほど見てみましたが、全体的にiOSとAndroidの比率は2:1でした。iOSの方が圧倒的に多いですね。

周囲をみてもiPhoneが多いです。Androidがこれほど多いというKantarのデータも、自分の実感とは少し離れているような気がします。

これらの状況を見ていると、AndroidとiOSのシェアのどちらが高いのかわからなくなりますが、自社のマーケティングという観点で見れば、Google Analyticsなどのアクセス解析結果から得られるモバイルOSの割合が一番有効です。ユーザー層によっても使っているスマートフォンも違いますし、自社のユーザー層がどのようなデバイスからアクセスしているかを意識しましょう。

 

スマートフォン市場全体を考える

IDCの調査によると、iPhoneのシェアは昨年度からほとんど成長しておらず、一方でAndroidは7%以上の成長を達成しています。さらに、2020年までの予測でみると、AndroidもiPhoneも成長は見られますが、相対的にiPhoneのシェアは低下します。

(出所:Smartphone Growth Expected to Drop to Single Digits in 2016, Led by China’s Transition from Developing to Mature Market, According to IDC | Business Wire

 

こうみるとiPhoneは苦戦している感じがしますが、もっと重要なのはAndroidも2020年までの成長率が低下すると予想されているということです。既に「スマートフォン」という市場は飽和してきていると見るのが自然でしょう。

今後の主戦場は、モバイルOSではなく、その上のアプリケーション領域になると考えています。AIなどを駆使した、新しい利用方法が開発され、広がっていくでしょう。PCからモバイルへとインターネットアクセスの方法は変わってきましたが、それもやがて飽和して、モバイル上で「どのように情報を消費してもらうか」が重要になってくると予想します。

Dropbox Paperはドキュメントの共有・編集の未来かも

Dropboxは新しいドキュメンタリー作成ツールとして「Paper」を発表しました。今はベータ版として公開されています。誰でも使えますよ。

Dropbox – Paper
Dropbox-Paper

普段、EvernoteやGoogle Docsなどいくつかエディタを使っているのですが、今回試しにPaperを使ってみました。感想としては、「グループで共同編集するなら便利だな」という感じです。用途が合っていれば、Paperに魅力があると思います。

Paperの特徴はいくつかありますが、良いなと思った点を挙げていきます。

 

シンプルで集中しやすいエディタ

エディタは、シンプルで使いやすいデザインになっています。

Dropbox Paper

全画面に表示されて、集中しやすい作りですね。ファイルの添付や画像の貼り付けなども、Drag&Dropでできます。表やToDoリストを加えることもできますし、YouTubeやSoundCloudを埋め込むことも可能です。

このあたりは、EvernoteやOneNoteなど、自由度の高いメモ帳と同じような感覚です。ブログエディタみたいな感じなので、慣れてしまえば簡単に表現豊かな文書を作成することができるでしょう。

 

また、作成した文書はWordかMarkdownでダウンロードできます。やはりWordファイルで扱いたい、という場面があっても安心です。ただ、Markdownについては、こちらで試したところテーブルタグは反映されないようなので、Markdownに対応してるといっても完璧ではありません。その点ご注意ください。

 

共有のしやすさ

Paperの魅力は、こちらの方が大きいかな、と。

これまでのビジネスでは、ファイルの共有は課題であり、その問題は今でも存在していると思っています。どういうことかといえば、集団でファイルを取り扱う場合、ファイルの保管場所と版管理がとっても面倒なんですよね。

誰かが作成した文書を、メールで送って確認してもらう。確認した結果をまたメールで返信する。それだけでファイルが複数できますし、バージョンもよくわからなくなります。

一方で、Paperで作ればこういうことがなくなります。Paperという一箇所で編集しますし、誰が編集したかもわかるようになっています。つまり、ファイルの保管場所はPaperに一元化されるし、版管理はクラウド上で勝手にやってくれます。なので、共同作業をとても意識した設計になっているサービスなんだと思います。

Google Driveで使えるスプレッドシート、ドキュメント、スライドなども同じようなサービス設計になっていますね。

 

中小企業の観点から言えば、簡単なドキュメントをきれいに作成したりチームで共有するには非常に便利だと思います。WordやExcelで何かドキュメントを作り込むよりも、非常に簡単に直感的に操作しやすく見栄えも美しいです。個人的には、見栄えの美しさと言うのは、書く人のモチベーションを高めたり読む人の理解度を高めると言う点で重要だと思っています。そういう美しい文章を簡単に作れると言う点もPaperの魅力です。

しばらくはITリテラシーの高い企業で試されるのだと思いますが、あまり凝った文章を作成しない場合は、Dropbox Paperで作成・共有する方が文書作成の手間は減る気がしますね。

Dropbox – Paper

イオンが赤字転落。一方で売り上げが上昇するのはなぜか

イオンが、中間決算で赤字転落となりました。

スーパーマーケットやドラッグ・ファーマシーが好調な業績を残した一方、イオンの主力事業である総合スーパーは大苦戦。前年同期に87億1200万円だった営業損益は、183億1800万円まで赤字が大幅に拡大した。8月に記録的な台風の上陸により、客足が鈍り売り上げが伸び悩んだ。

イオン、足かせは「総合スーパー」 赤字転落のワケ | ZUU online

以前からこのブログでは総合スーパーという業態が凋落傾向にあることを書いていました。

総合スーパーの終わりと、ネットスーパーの始まり | Synapse Diary

ということで、イオンの業績の推移を見てみようと思います。今回発表されたのは中間決算なので、以下のグラフには反映されていません。

売上高と営業利益率の過去5年間の推移です。

イオン売上高

営業利益率は下落傾向にあるのですが、売上高は上がっているんですよね。スーパーマーケットやドラッグストアの業績は好調なのですが、総合スーパー事業が利益を出せず苦しんでいます。

2016年決算では、営業利益率の低下を踏み止めた感じでしたが、今期は厳しいかもしれません。

同じように総合スーパーを多く抱えるセブン&アイホールディングスと比較してみようと思います。

総合スーパー売上高

売上高は、イオンの方が伸び率は高いですね。

総合スーパー営業利益率

一方で、利益率で見るとセブン&アイの方が全体的に高いです。

セブン&アイは最近相次いでヨーカ堂などを閉店していますが、これは構造改革として、利益率の低いヨーカ堂を整理しているようです。

ヨーカ堂の閉鎖店舗が続々決定!新浦安店も | 百貨店・量販店・総合スーパー | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

一方、イオンは閉店ではなく改装などで乗り切る方針を2015年に表明しており、売り上げが伸びたものの、利益低下が止まらない結果を招いた可能性が高い気がします。

GMS大閉鎖時代でも閉店しないイオンの言い分|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

今日はこのへんで。