病院のスマート化

The 33rd Queen Elizabeth II Commemorative Cup(G1) by kanegen

 

岐阜の特定地域で、MEDICAという医療用のICカードが運用されてるそうな。

medica(メディカ)とは・・・

 

これまでの病歴とか連絡先などが記録されていて、特に救急の場合に迅速に適切な対応を行うことを想定しているらしい。

 

2009年5月より、岐阜県美濃加茂市の社会医療法人木沢記念病院を基幹病院として、岐阜県美濃加茂市、可児市、加茂郡坂祝町、富加町、川辺町、七宗町、八百津町、白川町、東白川村、可児郡御嵩町の2市7町1村で運用開始。2010年4月岐阜県笠松町の松波総合病院も基幹病院となる。恵那市立恵那病院を含め現在は6市8町1村で運用。

 

あと、GEMSISというシステムも構築されていて、対応できる医師がいる近い病院を素早く割り出すことができるらしい。へー。

 

 

 

スマートシティとかスマートハウスとか、IT技術を使った「スマート化」が叫ばれているけど、こういう取り組みで病院だったり救急医療体制がスマート化されるのは素晴らしい。

面白いのは、こういう流れは都市部以外のところでも発生していること。最近「課題先進国」という言葉があるけど、日本の郊外や過疎地域がある意味「課題先進国」になっている。お金がなく人も減る状況で、どうやって生活基盤を確保するか。そういう解決策は、東京とか都市部以外のところから生まれている。


それにしても、こういうICカードが普及すれば、毎回問診票に名前とか住所書かなくても良いし、自分の病歴は自分で正確に管理できるし、医療費控除申請とかも便利になりそうだ。

Flickrからクリエティブ・コモンズの写真を検索してEmbedコードを作成する「アイキャッチ画像検索」

アイキャッチ画像検索

これ便利。Flickrからクリエティブ・コモンズの写真を使うときに必要なクレジット表記も、合わせてEmbedコードにしてくれるのが良いね。

(ただ、ヒット件数が多いとエラーというか検索結果が返ってこないみたいだけど。。。。)

クリエイティブ・コモンズとはっていう説明は、これがよく分かる。

【Flickr】クリエイティブ・コモンズのすすめ。【CC】 | TAKA@P.P.R.S TECH!!!!

WordPressでこれまでのブログ記事を統合してみた

ふと、これまでのブログを統合したくなったので、wordpressで構築してみた。せっかくだから、独自ドメインも取得してみたよ。 でも余り予備知識がなかったので、これを読んで、ローカルでテストした。

 

超簡単&スピーディにローカル環境にPHP+MySQL 、WordPress構築を実現するBitNami – かちびと.net

 

それで、大体JUGEMとはてなダイアリーとposterousを統合できることがわかった。プラグインが二つ必要。あと、JUGEMは変換が必要。これでいけます。

 

はてなダイアリーからWordPressへの移行方法 | Webエンジニアライフ
JUGEMログをMTログに変換サイト
Posterous インポートツール — ブログ — WordPress.com

 

あとはデザインを選んで、いくつか試してみた。確かにデザインは豊富だし、適用の仕方も簡単。ブログだけじゃなくて、普通のホームページもテンプレートあるんだね。   ローカルで確認したいことはできたので、レンタルサーバを調達。独自ドメイン設定しておしまい。本当、少し調べればあまり迷うことなく構築までいけた。便利な世の中だ。 なんかプラグイン追加したり、デザインなんかを時間みつけて少しずついじるか。

自治体クラウドのこれまでとこれからを復習

自治体クラウド
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昨年度末で自治体クラウドの実証実験が終わり、先日その結果報告が総務省から発表された。そして、タイムリーにこういう本が発売されている。総務省は自治体クラウドの導入に積極的だし、今後導入が本格化するのではないか。

全体としては自治体クラウドの基本的なおさらいと、実証実験の内容を整理している。第4章「自治体クラウドの疑問に答える」は、真剣に導入する自治体にとっては良い理解のネタになるだろう。

(以下、第4章の目次のみ抜粋)

自治体クラウドの疑問と不安

情報セキュリティに不安はないのか

住民情報をデータセンターで管理することへの抵抗感をいかに解消するか

自治体クラウドは災害に耐えうるか

万が一の災害でもデータ消失を回避するバックアップ運用は可能か

LGWANを利用したバックアップは実現できるのか

リストア・リカバリは実用に耐えうるのか

技術的な問題の解決だけで本当に復旧できるか

即時にシステム復旧するためにどうすればよいか

業務停止の恐れがある障害に対してはどのような対策を講じればよいか

コスト削減はどこまで可能か

パッケージソフトウェアの適応は可能か

基幹系業務を自治体クラウドで利用できるか

自治体クラウドにおいてLGWANの利用は可能か

第三次LGWAN整備計画とは何か

あと、自治体パッケージがどこまでカスタマイズしなければいけないか、という点もよく話題にのぼるが、これはほとんど業者の提供するパッケージが適用可能である、という結果が出ている。

自治体に対してパッケージソフトウェアを提供している11事業者54パッケージソフトウェアの約1万8千項目において、追加が必要であるとされた項目はわずか16項目(0.09%)であった。P.92

住民情報を外に持ちだしたり、現場業務とクラウド(パッケージ)が合致するのか?という疑問というか心理的不安があるけれど、実証実験で少しずつ証明されている通り、これらのハードルは技術的には解決の目処が立っている。どちらかといえば、現場の心理的不安をどう解消するか、とか現場業務にシステムを合わせるのではなく、システムに業務を合わせるようマインドを変えるところが最も大きなハードルだろう。

あと、自治体クラウドの推進には「旗振り役」が必要だ。それは、県か中核市のいずれか、というのが現実的なところか。京都府の事例として、詳細な自治体の参画手順や作業担務の切り分けが掲載されている。これは参考になるだろう。

地方自治体も財政に余裕がなくなってきている。情報コストを下げるという使命は今後一層高まるだろうし、クラウドはそれに応えようとしている。ここからが正念場かな。

ドラゴンフライ・エフェクト ソーシャルメディアで世界を変える

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ソーシャルメディアを活用する、というのは企業や自治体で動きが出ているけど、そう考えているような人は読んだ方が良い気がする。ただ使えば良いってものではないことがわかる。内容は、ハーバード大学のビジネススクールで人気の講義が本に纏められたらしい。(最近、こういうコンテンツの売り方が多いね。日本の大学の場合、余り見かけない気がするけど。)

基本的には、ソーシャルメディアを活用したターゲットマーケティングだと思うんだ。目的を絞れ、とかストーリーで共感を引き出せ、とか。それでも、こういう状況を十分理解しないといけない。

IDCの調査によれば、毎年、情報の量はーーオフライン、オンラインともにーー65%ずつ増えているという。同調査の回答者は、すでに情報洪水の弊害に対処するため、自分の時間の26%を取られていると答えている。マーケティングや広告の分野では、人々の注意を引くのはますます難しくなりつつある。最新の消費者は必ずしも広告をありがたらない。P.84

普遍的で特徴がないものは、どんどん注目されなくなるのかな。確かにネットでもいろんな情報ソースが出てきているし、取捨選択が難しくなってきてる。たまに「情報ダイエット」するぐらいだ。だから、注目してもらうためには、どうやって興味を持ってもらうかを考えないといけない。

そして、興味を持ってもらったとしても、人は合理的には行動しない。

人間が下す判断は、現実には最善ではないことが多い。行動経済学者が指摘しているように、「選択アーキテクチャ」、つまり選択に至る過程が、人々の選択に影響を及ぼしている。P.53

逆にいえば、心理的に納得して、行動しやすい仕組みが用意されていれば、多くの人を行動に結び付けられるってことだよね。選択アーキテクチャという概念は、今後とても重要になるのだろう。

(そういえば、GREEの退会処理がひどいと話題になってるけど、あれも選択アーキテクチャの一環になるのかね。)

人間が自己肯定感を持つためには、少なくとも3つの要素が欠かせないと言われる。能力(自分がしたいことができるという感覚)、自律(自分で自分のすることを決めているという感覚)、人間関係(他者とつながっているという感覚)の3つだ。P.9

ソーシャルメディアは、こういう自己肯定感を醸成するから人気があるのだろうし、それを刺激するようなメッセージを送ることが重要なんだよね。

個人的には、オバマが選挙でどのようにソーシャルメディアを使ったかって話と、クックパッドのポリシーが面白かった。

大統領選挙のときは、草の根運動を印象づけるようにシナリオライターを雇用して、支援者のエピソードを効果的に伝えるようにしてたらしい。大掛かりでソーシャルメディアを利用していくためには、こういうアプローチが重要なんだなー。

「クックパッドの人気レシピが検索できない」って嫁が怒ってたけど、その理由がわかった。コミュニティ運営のために、特定のユーザに人気が集中することを助長するような仕組みは避けようとする目的なんだって。コミュニティ設計って、本当重要だよね。(ちなみに、プレミア会員には人気レシピ検索を提供しているらしく、なんか微妙な気分になったのは内緒です。)

「Groove」がiPod touchの音楽ライフを変えてくれた

Groove App カテゴリ: ミュージック 価格: 無料  

 

 

男子ハックで紹介されていて知ったけど、本当これはいい。標準の音楽アプリにはない要素をたくさん含んでいる。こういうアプリを待ってたんだよね。いくつか特徴を列挙していこうかなと。  

神すぎるプレイリストを自動作成してくれるiPhoneアプリ『Groove』のおかげで音楽生活が超充実中男子ハック

 

「Geniusができない」曲がない

Geniusは優秀なプレイリストをつくってくれるけれど、iTunesで認識してくれる曲しかプレイリストの対象に含めてくれなかったりする。だから、「この曲ではGeniusができません」とか言われると、ちょっとイラっとくる。iTunesストアで扱っていないアーティストとか多くがスキップされるし。

だけど、このアプリでプレイリストを作るときは、そういうのがない(と思う)。だから、Geniusのように基点になる曲を変えても、ほとんど同じリストになる、みたいなことにならない。  

選曲は「遠からず、近からず」

プレイリストの難しさは、ある程度親和性が高い選曲をしてくれると同時に、あまりに同じ過ぎると目新しさがない、という点にあると思う。そういう意味では、このアプリが作るリストは結構絶妙な距離感を出してる。「いや、この曲は違うだろ」と思うことはないけど、「意外だね、これ」みたいなものは結構あったりする。好みの部分もあるだろうけど、個人的には結構良い選曲をすると思う。  

Tag(Last.fmの)で選曲できる

アプリは基本無料なんだけど、アドオンを買うとLast.fmのタグからプレイリストを作れるようになる。他にもいくつか機能があるけど、有料機能の中ではこれが一番良い気がする。Last.fmのタグなので、自分がiTunesで編集した全く整合されていない情報を元にされるより正確だし、面白い。

あと、一回で作るプレイリストは基本15曲。全部再生が終わると、勝手に違うMIXを作って再生してくれる。これもまた新鮮だし、便利。しばらくこのアプリは手放せない気がするわ。基本「Surprise Me」ばっかり使ってます。

 

Google Musicのときにも書いたけど、個人で音楽を楽しむ場合でも、大量の音楽からどうやって選んで聴くか、という機能が重要だと思ってる。だから、こういう通常の音楽プレイヤーへの付加機能としてプレイリスト作成に特化するアプリというのはとても良いと思います。

東京スカイツリー建設の目的

f:id:synapse23:20110928211145j:image:w500

 

東京スカイツリーって、何の目的で建てられているのか、初めて知った。知ってましたか?

 

大前研一「ニュースの視点」Blog:KON381「ソフトバンク、NHK~伝えられる情報に惑わされず、核心を見抜け」

私に言わせれば、「事実上必要ない」ということです。  東武グループには申し訳ないですが、前々から言っているように  東京スカイツリーは観光名所と割り切って、電波塔として利用するべき  ではありません。

 

新タワーに移行すると、地上デジタル放送の送信高は現在の約2倍となりますので、年々増加する超高層ビルの影響が低減できるとともに、2006年4月に開始された携帯端末向けのデジタル放送サービス「ワンセグ」のエリアの拡大も期待されているところです。

また、災害時等の防災機能のタワーとしての役割も期待されています。

地上波デジタル放送と東京スカイツリーの役割 | TOKYO SKY TREE

 

というわけで、地上デジタル放送のためというよりは、高層ビルの影響で電波が届かないところが発生しないように、高いタワーと立てると。あと、ワンセグのエリア拡大か。。。。

 

こっちも参考になる。これを読むと、必ずしも必要ではないかもなーと。

ASCII.jp:東京スカイツリーは21世紀のピラミッド|池田信夫の「サイバーリバタリアン」

ところで、このスカイツリーは何のために建てるのだろうか。電波塔というからには、これが建てば今までより電波の届く範囲が広がるはずだが、すでに地デジの関東での電波カバー率はほぼ100%。これ以上カバー率を上げることはできない。スカイツリーは東京タワーより高いので遠くまで電波が届くと思っている人がいるが、東京タワーの電波の届く範囲は関東一都六県に限られており、これ以上広げることはできない。

 

調べてみると、いろいろ疑問に思っている人もいるもんだなあ。

東京スカイツリーって必要なんですか? – 流行・カルチャー – 教えて!goo

東京スカイツリーって必要なんですか? – 流行・カルチャー – 教えて!goo

 

大きな計画ほど、関係者が多く、埋没費用も多くかけていて、軌道修正するにも大金が必要だったりいろんな人のメンツを潰すことになってしまうので、合理的でない判断がされてしまうことがある。難しいもんだ。これがそれに該当するかはよくわからんけど、事実はいろんな側面を持つものだよね。

 

あと、テレビのゴースト障害というのも初めて知ったよ。

ゴースト障害 – Wikipedia

ゴースト障害 – Wikipedia

 

アナログ放送では、こういう複数拠点から電波を発すると生じる現象らしいが、デジタル放送では発生しないそうな。冒頭の参照記事では、東京タワーと東京スカイツリーでゴースト障害が発生する、と書いているけど、どっちが本当かな。Wikiの理由を読む限りでは、「発生しない」が正しそうだけど。

思想地図βの「震災復興とGov2.0 そしてプラットフォーム化する世界」を読む

 

東浩紀¥ 2,000

 

久々に言論誌を読んだけれど、これは震災の悲劇さを思い起こさせる。いくつか考えさせられる記事があったんだけど、一番気になった@sasakitoshinaoの「震災復興とGov2.0 そしてプラットフォーム化する世界」について書く。これを読むために買ったと言っても過言ではない。

震災復興とGov2.0の関係

震災で行政機関が機能しなくなった現実があったけれど、一方でネットの世界ではいくつもサービスが立てられ、情報提供が行われた。行政のHPもアクセスが集中したりしてダウンしたが、すぐに民間業者がミラーサイトを立てたりして、普段はあまり使わない行政のHPも、いざというときには情報の信頼性が高いと思われていることが証明された。

参考:

東日本大震災で被災地の人は何を検索したのか – Yahoo!検索 スタッフブログ

 

行政機関の仕事に迅速性や柔軟性が乏しい、という指摘はウン十年前からあるのだろう。そこで、情報革命を経てGov2.0が登場する。よく分からないという人は、思想地図βを読むか、この記事を読むと良いと思う。

ティム・オライリー特別寄稿:ガバメント2.0―政府はプラットフォームになるべきだ

 

長大な500キロ圏で、これらの無数の細かい温度差をすべて受け入れ、政府がそのすべての面倒を見る垂直統合的復興策で対応していくことはほとんど不可能だ。P.146

被災地の範囲はとても広く、いろんな個別の事情を抱えている。その中で、画一的な対応となりがちな行政機関では限界がある。だからプラットフォーム化すべきだというのが記事の主旨になる。

Gov2.0をどうやって実現するか

ただ、Gov2.0と言われても、正直あまりピンと来ていない人も多いんじゃないかと思う。「税とか住民台帳とか、間違いが許されないようなシステムを民間に任せるわけにはいかないし、そう考えるとプラットフォームって何?」みたいな。

まずGov2.0で自治体が得られるメリットについて。これは、様々な市民サービス向上アプリを提供できるということに尽きるだろう。

プラットフォームでは、行政機関が提供するデータを元に各民間企業がアプリケーションを提供することになる。主にフロントサービスが中心になるだろう。これは、行政機関が苦手とする領域でもある。こうなると、行政機関が直接アプリケーションの機能に関与しなくなる。ユーザとアプリ開発者の距離が近くなるので、サービス改善のスピードが上がり、行政機関の手間も軽減される。

アプリのアイデアそのものも、行政機関が自ら考えるより多様なアイデアが実現される可能性がある。米ワシントンのApp for Democracyというコンテストでは、1ヶ月で47のアプリが応募されたそうだ。ちなみに、コスト削減は余り期待できない気がする。バックオフィス系のシステムはなくせないし、フロントサービスのいくつかを削減できる程度だと思われる。

ティム・オライリーはSDKとAPIを提供するよう提言しているが、いきなりそれは難しいかもしれない。どちらかといえば、行政が公開して問題ない生データを、CSVなど加工しやすいデータ形式で公開することだろう。

そして、ICT地域活性化協議会もちょうどガバメント2.0について検討を始めているようだ。

 

「ICT地域活性化懇談会」の提言と震災復興に向けた取り組みについて:『ビジネス2.0』の視点:ITmedia オルタナティブ・ブログ

 

どこか先進的な自治体が、「自分のところの取り組みが一番進んでいて、標準だ」みたいなことを言ってくれないかな。岐阜もソフトピアジャパンがあるのだから、App for Democracyのように行政サービスに革新を与えるアプリを作成する取り組みがあっても面白いな。

いずれにしても、どんどん情報公開する自治体と、それを活用してサービス化するエンジニアの両方が必要だ。実現されるまでには、まだハードルが高いだろうか。

参考:

オープンガバメントのWebイメージがわかる動画4本 | Synapse Diary

ライフサイクルイノベーション

ジェフリー・ムーア¥ 2,100

「キャズム」のジェフリー・ムーアの著書。今更ながら読んでみた。企業にはイノベーションが求められているのは変わらないのだけれど、この本が秀逸なのは「企業タイプ」を整理した上で、それに合わせてどのように資源配分すれば良いかを探っているところ。

自分の本当の「コア」とは何か

本書の中でタイガー・ウッズの例が出てくるのがわかりやすい。CMやスポンサーとの提携の方が、本業のゴルフより稼いでいるんだけど、それでもゴルフに集中すべきか?と。みんな「当たり前」だと思うだろうけど、きっとこれが企業になると、「こんだけ稼いでいる事業なんだから、これに集中すべき」みたいになっちゃうんだろうな。

自分のブランドや競争力が何を源泉としているかは、とても良く考えないといけない。

コンプレックス・システム型とボリューム・オペレーション型

本書ではビジネスモデルを2つに大別している。

コンプレックス・システム型のビジネス・アーキテクチャでは、複雑な問題を解決するコンサルティング的要素が大きい個別ソリューションが提供される。大企業を主要顧客とするビジネスはコンプレックス・システム型だ。P.38

いわゆるBtoBだよね。多数同時の問題解決が難しいので、個別に注力することになる。

これとは対照的にボリューム・オペレーション型のビジネス・アーキテクチャは、標準化された製品と商取引により大量販売市場でビジネスを遂行することに特化している。企業顧客を対象にすることもあるが、ビジネスの基本は対消費者である。P.38

これがBtoC。それぞれに、対象とする問題の複雑度と、それに対する作業効率性がある。ここまでの整理はわかるんだけど、それぞれのタイプが、どういう資源配分をしたらイノベーションを起こせるのかを考察しているところに、この本の価値がある。

コンプレックス・システム型とボリューム・オペレーション型は相互依存関係にある

ボリューム・オペレーションはコンプレックスシステムが作り出した市場カテゴリーをコモディティ化する。コンプレックス・システムが次のレベルの複雑性を作ることで対応する。P.61

コンプレックス・システム型というのは、複雑な問題に対する解決策を編み出す。それが他の組織で適用できるような普遍性が生まれると、どんどんコモディティ化していく。すると、ボリューム・オペレーション型企業が参入してきてコストが下がり、コンプレック・システム型の企業は効率性が下がるので勝負できなくなる。

すると、コンプレックス・システム型はまた複雑な問題を見つけて対処する、ということを繰り返す。つまり、コンプレックス・システム型は常に複雑な問題を解決するよう努めるし、そのときコモディティ化された技術を利用した解決策を出すこともあるので、ボリューム・オペレーション型の企業と協業することになる。

イノベーションを起こすためにどこに注力すべきか

結論を言えば、コンプレックス・システム型企業とボリューム・オペレーション型企業のどちらも破壊的イノベーションにより成功することができる。もし、あなたの会社がコンプレックス・システム型であれば、顧客のニーズが大きい破壊的テクノロジーにフォーカスし、自社の製品リーダーシップの能力を顧客インティマシーの能力で補完するべきだ。一方、ボリューム・オペレーション型であれば、既に確立した市場において破壊的ビジネスモデルで勝負した方が成功する可能性が高いだろう。この場合には、製品リーダーシップの能力をオペレーショナル・エクセレンスの能力で補い、製品を早期に安定供給できるようにすることが重要になる。P.104

無駄にカタカナ語が多いので読みづらいのだけれど、要はコンプレックス・システム型は、まだ市場がないようなところに先進的な技術を用いて解決策を提示することが肝要。

ボリューム・オペレーション型は、市場がある程度あり、コモディティ化される技術と業務遂行力でイノベーションを起こす、というわけ。

自分の企業は何に注力すべきか

これを読んで見えてくるのは、まず自分の企業に合った「問題の複雑度」を見極めなければいけない。IBMがPC事業を売ったのは、PCがコモディティ化して、問題が複雑でなくなってしまったからと捉えることができる。問題が簡単であれば単価が低くなってしまったり、ビジネスモデルが変わってしまう。

SIerが複雑な問題を解決せずに、サーバ機器を入れて、パッケージ製品を導入して、運用保守でお金を稼ぐようなモデルになれば、それはおのずと単価も下がっていく。新しく複雑な問題を見つけて、そこに解決策を提示していかにと、SIerやITコンサルは生き残れない気がするよね。

あと、市場や技術がどの程度成熟されているかを考える。市場が成熟するということは、市場が既に大きい代わりに、成長性が低かったり、コモディティ化されてしまってイノベーションの余地が低かったりする。

これを読むと、例えば複数の事業を抱えている企業はどう整理すべきかとか、自分の企業や係わる市場がどの程度の成熟度なのか、という点でいろいろ刺激的。ちょっと読みづらい本だけどね。

Googleカレンダーをきれいにモレスキンの貼る方法

Googleカレンダーを使ってるんだけど、外出先の打合せなんかで予定を確認するときは、さすがにGoogleカレンダーを確認することはできない。手持ちのモレスキン手帳にきれいに貼りたいなーと思ってたんだけど、それができたので手順を書いておく。結論を書いておくと、MSKを使います。モレスキン用のデータを作ってくれるWebツール。

 

MSK 2.0

 

手順は3つ。

GoogleカレンダーをPDFファイルに変換
PDFファイルをJPEGファイルに変換
MSKにJPEGファイルをアップロードして完成

MSKがPDFには対応してなくて、一旦JPEGに変換しないといけないのがちょっと面倒だけど。

GoogleカレンダーをPDFファイルに変換

Googleカレンダーで、週単位とか月単位とか、表示したい状態にして右上にあるプリントボタンをクリック。すると別ウィンドウで印刷ページが開きます。

f:id:synapse23:20110916182631p:image:w360

ここで、「Save As…」をクリック。PDFファイルがダウンロードできます。ちなみに、「Orientation」は「Portrait」が良いかと。

PDFファイルをJPEGファイルに変換

なんかいろいろツールがあると思うので、適当に。Macの場合はプレビューからそのままJPEG保存できたよ。

MSKにJPEGファイルをアップロードして完成

アップロードして、自分のモレスキンのサイズ選んだら、後はプリントするだけ。切り取って貼りましょう。

¥ 2,457 (10% OFF)