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ソーシャルメディアを活用する、というのは企業や自治体で動きが出ているけど、そう考えているような人は読んだ方が良い気がする。ただ使えば良いってものではないことがわかる。内容は、ハーバード大学のビジネススクールで人気の講義が本に纏められたらしい。(最近、こういうコンテンツの売り方が多いね。日本の大学の場合、余り見かけない気がするけど。)
基本的には、ソーシャルメディアを活用したターゲットマーケティングだと思うんだ。目的を絞れ、とかストーリーで共感を引き出せ、とか。それでも、こういう状況を十分理解しないといけない。
IDCの調査によれば、毎年、情報の量はーーオフライン、オンラインともにーー65%ずつ増えているという。同調査の回答者は、すでに情報洪水の弊害に対処するため、自分の時間の26%を取られていると答えている。マーケティングや広告の分野では、人々の注意を引くのはますます難しくなりつつある。最新の消費者は必ずしも広告をありがたらない。P.84
普遍的で特徴がないものは、どんどん注目されなくなるのかな。確かにネットでもいろんな情報ソースが出てきているし、取捨選択が難しくなってきてる。たまに「情報ダイエット」するぐらいだ。だから、注目してもらうためには、どうやって興味を持ってもらうかを考えないといけない。
そして、興味を持ってもらったとしても、人は合理的には行動しない。
人間が下す判断は、現実には最善ではないことが多い。行動経済学者が指摘しているように、「選択アーキテクチャ」、つまり選択に至る過程が、人々の選択に影響を及ぼしている。P.53
逆にいえば、心理的に納得して、行動しやすい仕組みが用意されていれば、多くの人を行動に結び付けられるってことだよね。選択アーキテクチャという概念は、今後とても重要になるのだろう。
(そういえば、GREEの退会処理がひどいと話題になってるけど、あれも選択アーキテクチャの一環になるのかね。)
人間が自己肯定感を持つためには、少なくとも3つの要素が欠かせないと言われる。能力(自分がしたいことができるという感覚)、自律(自分で自分のすることを決めているという感覚)、人間関係(他者とつながっているという感覚)の3つだ。P.9
ソーシャルメディアは、こういう自己肯定感を醸成するから人気があるのだろうし、それを刺激するようなメッセージを送ることが重要なんだよね。
個人的には、オバマが選挙でどのようにソーシャルメディアを使ったかって話と、クックパッドのポリシーが面白かった。
大統領選挙のときは、草の根運動を印象づけるようにシナリオライターを雇用して、支援者のエピソードを効果的に伝えるようにしてたらしい。大掛かりでソーシャルメディアを利用していくためには、こういうアプローチが重要なんだなー。
「クックパッドの人気レシピが検索できない」って嫁が怒ってたけど、その理由がわかった。コミュニティ運営のために、特定のユーザに人気が集中することを助長するような仕組みは避けようとする目的なんだって。コミュニティ設計って、本当重要だよね。(ちなみに、プレミア会員には人気レシピ検索を提供しているらしく、なんか微妙な気分になったのは内緒です。)