Gumroadで写真販売を試してみる

全然タイムリーじゃないけど、超お手軽というGumroadでコンテンツ販売を試してみることにした。

販売するまでの流れ

アカウントを作るには、FacebookかTwitterに登録するだけ。メールアドレスからでもできるけど。その後は、販売したいリンクを設定するかコンテンツをアップロードして、金額決めて登録するだけ。本当にこれでおしまい。なんてお手軽。

販売するのはFlickrのSetにした。岐阜に来てから撮影した風景写真100枚以上。まだストックはあるので、買われるようであれば、次の展開を考えようかな。

注意したのは、ちゃんと商用利用できるライセンスにすることと、完全なオープンではなくGuestPassでアクセスする形にしたこと。(Flickrのライセンスはもう一度確認した。商用利用可能で、クレジットだけ必要な形にしました。)

Gumroadの欠点は、リンクがばれてしまうと無料で取得できてしまうこと。一度きりのURLなどではないようなので。

 

あと、Gumroadでこのようなリンクがブログに貼れるコードも簡単につくれる。

岐阜の風景写真

興味ある人はぜひ買ってみてください。

Gumroadで感じるネット販売の今後

感想としては、あまりにもお手軽過ぎてびっくりした。アカウント作成から販売リンクができあがるまで、1分ぐらいですよ。大げさじゃなく。個人がコンテンツ販売する敷居を低くしたのは間違いない。

ただ、恐らくプラットフォームとして信用を勝ち取るまでには至らないだろうと思う。やっぱり不正利用などのコントロールが十分じゃないから。でも、そもそもそういうことを想定していないんだろう。GumroadはTwitterやFacebookのアカウントと紐付くので、Gumroadがプラットフォームになるというよりは、TwitterやFacebookに紐付くことで個人に販売ツールを提供する位置づけかな。

こういうサービスは、Paypalという少額決済の仕組みがあるから成り立つのだとも言える。

 

今後電子書籍も普及してくるだろうし、独自コンテンツをPDFで売るとか、自前の音楽を販売するとか、いろんなやり方が考えられるなあ。

 

今回試すにあたって参考にさせていただいた記事。
話題のGumroadで売られたものまとめ – NAVER まとめ
Gumroadを試してみました « 広島のホームページ制作や広告デザイン、写真撮影など|NOBUSUE.COM
出品者がブログ内に決済ウィジェットを表示できる「Gumroad modal」が登場 | crocodile notebook [ 鰐ノート ]

女性を活用する国、しない国

たった60ページぐらいの短いブックレット。けれど、いろいろ思い知らされる事実が並んでいたよ。何となくしか知らなかったことも多かった。

例えば、国連が発表しているジェンダー・エンパワーメント指数が109の国・地域中57位とか。全国の市町村議会の4つに1つは女性議員ゼロの状態とか。

なぜ女性を活用する必要があるのか?

最初は欧米で女性の活用が進んだ。欧米は今でこそ女性の活用が進んでいるが、昔は日本と同じ「男が稼いで女は家庭」モデルだった。しかし、産業が発展し、肉体労働など男性優位の仕事が減り、逆に知的労働の産業比率が増えてきたことで、女性の労働力が必要という課題に直面する。つまり、産業構造の転換が起こったため、人材活用の仕方を変えなくなった。

女性を社会に出そうとするには、女性がこれまで無償で行ってきた家事・育児・介護を社会全体で担う必要が生じる。家事・育児・介護を社会サービス化して、女性の労働力を社会へ出そうということだ。

なぜ女性の活用が進まないのか?

これについては、鶏が先か卵が先か、という感じではあるけれど、いくつか要因はある。

まず、「同一労働価値同一賃金」がちゃんと適用されていないため、これまで女性が担っていた社会的サービスが低い価格になっていること。あるいは、女性労働者が多いパートタイムなどを職務に応じて賃金を上げていくこと。

これによって、時間に限りがあったとしても、それに応じた賃金を得られれば、女性が自立することもできるようになる。逆にこれが実現できないと、女性が社会に進出する機会が少なくなるので、結局男性も何も変えられない。

 

 

でも一番意識すべきことは、これ。

日本でも2003年、指導的な地位に就く女性比率を2020年までに30%程度にまで上げるという目標が掲げられましたが、国際指標の順位の低落傾向に歯止めがかかっていません。原因は、海外でのほかの国のスピードの速さに、日本の人々が無関心であり、政策的に追いつくための具体的措置がほとんど採られていないことにあるといえそうです。P.11

どんどんグローバルの人材競争から置いてけぼりにされてるという現実。価値観を大きく変えないとダメなんだろうな。

 

こうやって教科書から情報が削除されていく事実というのも、どうなんだろうね。
mネット・民法改正情報ネットワーク

マイクロフォーサーズでオールドレンズを楽しむ

実家に昔親が使っていた一眼レフのフィルムカメラがあり、何となく勿体ないと思ってた。それでいろいろ調べてみると、マイクロフォーサーズで古いレンズが活用できる、というのがあったので、実際やってみたよって話。

なぜマイクロフォーサーズでオールドレンズか

マイクルフォーサーズはフランジバックが短いのが特徴で、それがあるからたくさんのオールドレンズに対応できるのだとか。レンズによって必要なフランジバックが決まっているのだが、短ければアダプターをかまして長くすれば良いので、短いほどたくさんのレンズに対応できるということだ。

詳しい話は、こういうサイトか本を読めば良いと思う。

Panasonic LUMIX G1でオールドレンズを楽しむ

Panasonic LUMIX G1でオールドレンズを楽しむ

マウントアダプターを調べる

実家にあったのはペンタックスのレンズだったので、実際に装着されているカメラの機種とかレンズに記載されている名称から、Kマウントだと判明。これに合ったマウントアダプターを購入する必要がある、と。

いろいろネットで調べた上で、最終的にPixcoのマウントアダプターを買った。

他のでも良いと思うけど。ただ、安いアダプターだと品質が悪くてうまく接続できないという声もネット上にはあったので、そこらへんは自己責任で。個人的には、ヤフオクで「装着を確かめてから発送する」という出品があったので、これはちょっと安心と思って購入した。

実際に装着して撮ってみる

マウントアダプターで問題なく装着できた。オールドレンズの場合、オートフォーカスはできないし、画角も2倍になるのでちょっと操作方法には注意が必要。あと、パナソニックの場合は、「レンズ無しレリーズ」をONにしないとシャッターが切れない。

ただ、自分でダイヤルを回して明るさとか焦点を合わせる行為も悪くないもんだな、と思ってしまった。手元にある2種類のレンズで遊んでみたけど、レンズによって操作性も色合いも変わる。

 

楽しいよ、オールドレンズ。これが巷で噂のレンズ沼か。。。。

人材マネジメント入門

オーソドックスな本に分類されるようなものだと思うんだけれど、たくさん発見がある一冊だった。これはいろんな人に一読することをおすすめしたい。

人材マネジメントというのは、本当に難しい。それは、企業と個人には対立する要素が必ず含まれているからだ。そして、それをバランスすることが人材マネジメントに求められる。そして、今後の人事部門が求められるスタンスというのは、以下の通りだろうと思う。

今後、企業経営がより分散的になり、組織をまとめていくための求心力が、ビジョンになればなるほど、方向性の共有化の重要性は増します。P.24

企業の求心力が、複合的なものになったり、相対的にビジョンが重要になっている。そうなると、人事部は積極的に個人をコントロールしていくのではなく、個人のキャリア形成をサポートする役割になっているんだろう。そのためにも、選択オプションを用意したり、プロセスを透明化することが重要になってくる。特に個人のニーズが多様化しているので、労働時間、処遇、雇用形態など様々な柔軟性が組織には求められる。

 

OJTはなぜ有効か

個人的には、OJTがなぜ有効な教育手段であるかが、ちゃんと説明されているのがすごい嬉しかった。こういうことですよ。

経験からの学習可能性が最も高い仕事

1.自己決定:人に押しつけられたのではない、自分の仕事として、受け入れられる
2.フィードバック:結果がうまくいったかどうかの判断がつきやすい
3.有能感とチャレンジのバランス:その課題は難しいが、できると思う
4.有意味であること:どんなに小さな仕事でも、その仕事に意味があるという認識

ただ、最近はOJTの効果を疑問視する声もある。この記事にあるように、「知識」に関しては時間による陳腐化が激しくなってきているので、その点は考慮しなければいけないだろう。

大西 宏のマーケティング・エッセンス : OJTが効かなくなってきたワケ – ライブドアブログ

大西 宏のマーケティング・エッセンス : OJTが効かなくなってきたワケ – ライブドアブログ

負のフィードバックの威力

ただ、正のフィードバックは受けたいが、負のフィードバックは受けたくない。そんな心理は誰でももっています。スーザン・アッシュフォードという経済学者は、能力の高いマネジャーほど自分をマイナスに評価する上司を避けることがうまくなるので企業の中で成長せず、逆に、負のフィードバックを意図して探すマネジャーは時間をかけてトップパフォーマーになっていくことを確認しました。P.103

今はライフネット生命で有名な岩瀬大輔さんも、コンサル会社時代は上司から作った資料を真っ赤に添削されて喜んで帰っていったと聞いたことがある。それだけ、自分から積極的に負のフィードバックを受け入れられると、自分の力にできる。確かに、自分の中でも辛いと思った経験ほど、後ほど自分の血肉になっていると感じる。言うのは簡単で、実行するのは難しいけどね。だけど、負のフィードバックが自分に還元されることを知っていれば、受け入れやすくもなる。

 

他にも、日本は、キャリアで差が付き始める年数を比較的遅くすることで、誰にでも昇進を期待させて、長期間の雇用と忠誠心を確保しているという指摘も面白かった。ただ、早期選抜など成果主義が入ってきて、その傾向も崩れつつある。

人材マネジメントというのは、バックオフィスのイメージがあり難しいのだけれど、モチベーションコントロールや、人の成長、効率的なチームマネジメントなど、日々の作業に直結する重要な要素がたくさん含まれている。そういう意味で、いろいろ気づきが得られる一冊だった。

GoogleがPaaSやIaaSを提供する理由は何か

少しタイミングを外したけれど、GoogleがIaaSに参入しましたよ。
[速報]Googleが「Google Compute Engine」発表! IaaS型クラウドでAmazonクラウド対抗へ。Google I/O 2012 - Publickey

[速報]Googleが「Google Compute Engine」発表! IaaS型クラウドでAmazonクラウド対抗へ。Google I/O 2012 - Publickey

Googleの主な収益源は広告のはず。しかし、Google App Engineも、今回発表されたGoogle Compute Engineも広告表示がないし、自社の利益誘導に貢献している気がしない。Googleはどういう目的でこれらの事業を展開しているんだろうか。

Googleの2011年の収益構造

一応最初に財務諸表から売上を確認しておく。売上の90%以上は広告収入。やはり検索広告の収益モデルがどれほど強力かがよくわかる。


2011 SEC Filings Archive – Investor Relations – Googleを抜粋。単位はミリオン。)

 

本当Googleの広告事業というのはすごい強力な収益モデルだ。個人的にもDropboxの容量を増やすためにAdwordsに広告を出したことがあるが、広告産業からみれば少額とはいえ、どんどん広告クリックが発生し、広告料が増えていったのは面白い体験だった。

すなわち、Googleでは広告以外の事業は収益源としては十分には確立されていない。ということは、PaaSやIaaSを提供するのは他に目的があるか、長期的戦略に基いて実行されているとしか思えない。

Google App Engineの実績

Google App Engineは2008年にスタート。実績は以下のような感じらしい。

Googleの最初の10人の社員でありインフラストラクチャ担当上級副社長を務めるUrs Holzleの説明によれば、App Engineには現在100万種類のアプリがホスティングされ、毎日75億回のアクセスがあり、世界最大の公開NoSQLデータベースだという。
Google、Amazon Web Services(AWS)に対抗してCompute Engineをスタート

結構多くの導入実績が生まれている。これらには有料プランももちろん含まれているだろう。

Google App EngineやGoogle Compute Engineは長期的戦略

ちょうどGoogle App Engineが開始された当初の、開発者のインタビューがあった。

立薗:GAEから得られるグーグルの利益とは何でしょうか? 株主に話すようにお願いします。

クーメン:株主!? OK、分かったよ(笑)。 いまGAEは完全に無償だ。ただ、今年の年末にかけて、開発者の方々により多くのコンピューティングリソースを購入していただく機会を提供していく。そこで、実際にディスクスペースや帯域を売る可能性があるが、最初は無料だ。ここでより重要なことは、Webをプラットフォームとしてどんどんどんどん前に進めたいということだ。
GAEを作ったことによって開発者は仕事がしやすくなって、より良いアプリケーションを作ることできる。作れば作るほど有用性が高まる。有用性が高まれば高まるほどそこで多くの時間を使ってくれる。こういうサイクルができることによって、グーグルの利益につながってくる。
Google App Engine-すべては20%プロジェクトからスタートした ─ @IT

これはつまり、ハードウェアなどのコンピュータリソースを気軽に使えるようになると、Webサービスを開発する人が増える。そうすると、それを利用する人も含めてWebを利用する機会が高まるということになる。

Googleは、Webでの利用機会を増やす、という長期目標のためのGoogle App Engineを提供していることになる。できるだけWebに誘導し、検索や他の広告表示ページに誘導し、クリック課金に結びつける。そういう戦略と捉えれば、一貫されている。ただ、少し長期的すぎやしないかい?とも思う。

 

そういう意味では、Googleは昔から広告のビジネスモデルで収益を確保しつつ、いろんなサービスを開発し、提供してきた。でも、今はサービスをいくつか整理しているし、必ずしもいろんなことがうまくいっているわけではない。今後Googleは、広告のビジネスモデル以外の収益モデルは確立できる日が来るのだろうか。

あとで読むのが便利になる、Web上の連載記事をまとめてPDF化する方法

Web上で連載されている記事とか、面白かったり有用なのが多いけれど、あとで読み返そうと思うと、結構面倒くさいよね。複数ページにまたがっていたりするし。

Evernoteに保存するという手もあるけど、全部のページをスクラップしたところで、結局読みづらい。というわけで、連載記事で、かつ複数ページにまたがっているようなものを、ひとつにまとめてPDF化する手順を書いておく。PDFでパッキングした方が、情報として取り扱いやすいし、後で見返すのも楽。

今回「ゼロからはじめるストレージ入門」で試してみた。

ASCII.jp:ゼロからはじめるストレージ入門

ASCII.jp:ゼロからはじめるストレージ入門

事前に用意するもの

  • Chromeの拡張機能「Autopager Chrome」
  • Chromeの拡張機能「Clearly」
  • フリーソフト「PDForsell

Chrome前提だけど、Firefoxとかで同じような機能があれば同じことができるはず。
「Autopager Chrome」は、複数ページにまたがっている記事を自動で読み込んでくれる。
「Clearly」は記事のサイドバーとか広告を排除して読みやすくしてくれる。
「PDForsell」は、PDFの結合・分割ができるフリーソフト。

 

連載記事をPDF保存

対象ページでClearlyを実行。このとき、Autopagerがあれば複数ページも合わせて読みやすくしてくれるはず。そして、印刷で「PDFで保存」を実行。これで、各連載ごとにPDFファイルができる。あとは連載の数だけ繰り返す。このとき、連載の順番がわかるようにファイル名に番号をつけておくと良いと思う。

作成した連載ごとのPDFを結合

次にPDForsellで作成したPDFを全て開く。結合したい順番に並べたら、あとは「保存」を押すだけ。結合したファイルが出来上がりです。PDForsellは以前から愛用しているけど、PDFの分割・結合にはすごい便利。

今回試した「ゼロからはじめるストレージ入門」だと、16回の連載記事を全部まとめたら、140ページ近くになった。これで情報が扱いやすくなった。これでも15分ぐらいはかかるので、誰かもっと簡単にコンテンツをパッキングできる仕組みを考えてくれないかな。

 

おまけ。作ったPDFをさらに編集したい人は、こんなことをやればできるかも。

PDFや画像ファイルをGoogleドキュメントを使って「Wordに変換」する方法 : ライフハッカー[日本版]

PDFや画像ファイルをGoogleドキュメントを使って「Wordに変換」する方法 : ライフハッカー[日本版]

米IBMの事業ごとの特徴を分析

昨日の分析のおまけ。IBMの事業セグメントのうち、「Hardware」「Services」「Software」の3つの事業について、それぞれどのような特性があるかを確認してみた。

Hardwareの事業について、売上高と原価の関係をプロットしたものが以下。ここから読み取れるのは、傾きが0.8と大きめなので、売上1に対して費用が0.8もかかる、利幅が小さい事業であるということ。そして、切片がマイナスになっているので、固定費がほとんどなく、変動費が主体の事業であるので、黒字化を達成しやすい、という点が挙げられる。

 

次がServices。傾きはHardwareよりは小さいので、利益率は高いことがわかる。ただ、切片の値が結構高いので、固定費の割合が高い事業であることがわかる。

 

そして最後がSoftware。傾きは0.1なので最も小さい。利益率が高いのは昨日の記事でも書いた通り。そして、切片も小さい。ソフトウェアなので、研究開発費用がかかるものの、市場に投入できればあとは変動費用主体で、高い利益率を実現できる、ということがここでもわかる。

ただ、HardwareとServicesに比べて、近似線の乖離が大きいので、売上や収益が安定しないのかも。

 

ポートフォリオでいえば、うまく特性が異なる事業をミックスさせてるといえるし、多分付加価値の低いハードウェア事業は縮小していくんだろうな、ということも感じる。

米IBMがグローバルで業績好調な理由

こないだ日本IBMについて記事書いたけど、そのときに米IBMが業績好調なことに触れたので、もう少し詳細にみてみた。

売上高と利益の推移

売上高と当期純利益の推移をグラフ化したのが以下。売上高は多少の上下を繰り返しつつ、着実に売上規模と利益を拡大させているのがわかる。ちなみに、レノボにPC事業を売却したのは2004年。


(グラフはIBM Annual archives indexを元に作成。単位百万ドル。)

 

セグメント別の売上高を見てみる。こうしてみると、ハードウェアはどんどん下がっていて、サービスとソフトウェアが伸びているのがわかる。

 

これに加えて、各事業の粗利をみると面白い。ソフトウェアの比率が最初から大きいし、伸びも大きい。これはソフトウェアの粗利が80%を超えているから。それ以外の事業は30~50%程度なので、全然利益構造が違う。

2015年までにはソフトウェアからの利益が50%になると予想している。ソフトウェアの売上のうち80%以上がミドルウェアからの売上になっている(WebsphereとかTivoli)。

日本とグローバルの違いはどこにある?

日本は売上高が減少しているのだけれど、グローバルでは伸び続けている。この違いはなんで発生しているんだろうか。日本のセグメントごとの売上高は公開されていないので推測になってしまうが、可能な限り探ってみようと思う。

まず、グローバルでは売上高が伸びているのはServiceとSoftwareのセグメントだった。

Serviceが具体的にどういう事業を行なっているのかは、レポートからわかる。2011年のレポートによると、Service分野はさらに「Global Technology Service」と「Global Business Service」に分かれている。それぞれの事業を図示すると、以下のような感じになる。

この中で、いわゆる日本でいうSIというのは、GBSの「Consulting and System Integration」かな、と思われる。このGTSとGBSは、グローバルでの売上高比率でいうと2:1ぐらいでGTSの方が大きいんだよね。GTSはBPOだったり、プロセス標準化だったり、IT資産管理の推進なので、顧客主体でビジネスを回すための効率的な手段を提供する、というイメージだろうか。

ここのあたりが、日本はどうしても業者に頼るというか顧客が自らITを管理していく、という文化がいまひとつないから、そういうソリューションが伸びない原因なのかなあ。

これからのITはユーザがサービスを組み合わせて使う時代

VMWareでも提唱されているけれど、クラウドなどでITサービスは各ユーザが自由にいつでも買って組み合わせて使うことができるので、当たり前のように使われるインフラにどんどんなっていく。実際なっている部分もある。

そして、ユーザ自身がITを使い、管理していくためのサポートをするのがITベンダーの役割であるし、IBMが今掲げている「Smarter Planet」は、ITでインフラをもっと賢く、柔軟に変化できるものにしようとする、いわば下支えのような部分になっている。

ベンダーが直接的に業務アプリケーションを作るという時代は過ぎて、いろんなITサービスをユーザ自身が組み合わせて使う方向へシフトしている。そしてグローバルではIBMはそのソリューションを提供していくことで、うまく業態をシフトすることで適応しているようにみえる。日本IBMはどうなるんだろうか。

働く人の価値というものを考えてみる

昔、友人に依頼されて記事を書いたことがあったのだが、結局陽の目を見ないまま残っていたので、ここで公開しておく。これから就職活動する人向けに、仕事をどう捉えたらよいか、を偉そうに書いたものです。自分が就職活動する前に、基本的なことを知りたかったなーという気持ちを思い出しつつ書いた。

 

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自分たちの給料というのは、どうやって決まるのでしょうか。多ければ良いというわけではありませんが、どういう仕組で給料が決まるのかは知っておいて損はないでしょう。

自分たちの給料や企業の収益は、基本的には「付加価値」で決まります。もっと砕けた言い方をすれば、何かに手を加えて、価値を向上させた分だけ自分の収入になる、ということです。

 

「Input」「Process」「Output」の考え方

世の中の大抵のことは、「Input」「Process」「Output」の考え方に当てはまります。材料を仕入れ、加工し、商品を作る。様々な情報を取込み、集約・加工し、新しい情報として発表する。などなど。

この考え方で捉えると、自分の給料がどういう要素で決まるのかがわかります。それは、「Process」の部分にどれだけ稀少価値があるかで決まるのです。

 

製造業などでは、この加工の部分は機械に置き換わったり、比較的低スキルで行える作業が多いことから海外に仕事が移り、安い金額になっています。逆に、他では容易に真似できないビジネスを行う企業は、付加価値が高く、収益も高くなっているのが現状です。

 

スマイルカーブという考え方

ビジネスにおいて、「スマイルカーブ」という考え方を提唱した人がいます。ビジネスの流れを「設計(上流)」・「製造(中流)」・「アフターサービス(下流)」という一連の流れで見た場合に、スマイルカーブの形で付加価値が高い、という考え方です。

スマイルカーブ

 

簡単に言えば、「製造」のような労働集約的な産業では、付加価値が生じにくいということです。例えば、IBMはThink Padに代表されるPCを製造してきましたが、PC部品が汎用化し、値段が下がってくると付加価値がつけられなくなりました。そして、PC事業ごとLenovoに売却し、現在はコンサルティングなど付加価値の向上が見込まれるサービス業にシフトしています。

また、高収益企業として有名なAppleやキーエンスは、製品を作っているのでメーカーだと思われているかもしれませんが、実際自分たちは製品は作っていません。製品のデザイン・設計など主要部分を自分たちで行い、製造は海外などの企業に外注しています。つまり、自分たちが強みを発揮でき、付加価値が高いところに特化していることで、高い収益性を確保しているのです。

 

仕事や企業を選ぶときは、スマイルカーブでいうところのどこに位置していて、その付加価値がどこにあるのかを考えてみる。すると、それが高いのか、長く通用すると予想されるのか、がみえてくるかもしれません。

参考:
第2回 スマイルカーブでビジネスをとらえる|伊藤元重のよくわかる経済学|日立ソリューションズ

SDカードが驚くほど安くなっていて思うこと

久しぶりにSDカードを買おうと思って調べたら、すごい価格低下してた。16GBのSDカードが、2010年では3000円ぐらいだったのが、今は既に1000円を下回っている。

価格.com – メーカー問わず SDHCメモリーカード 16GB 価格推移グラフ

 

2007年の時点では、2GBのSDカードガ2000円を下回ったぐらいだったのに。

ついに2GBのSD、miniSDカードが2000円割れ – GIGAZINE

やっぱり技術的要素が競争におけるKPIになっていると、いつかこうやって差別化が難しくなるときがくる。

同じSDカードの分野でも、例えばEye-Fiの場合、無線LANを統合したのが最初の着眼点だけど、それにさらにアプリケーションに統合することで、写真をPCやソーシャルサービスに自動でアップロードしていくという体験を提供していくことに成功した。最初にFlickrに自動でアップロードされたのを見たときは、すごい驚いたのは今でも覚えている。

Eye-Fiも登場当初からは値段が下がってるけど、ダイレクトモードでスマフォに直接転送できるようにしたり、RAWデータにも対応したり、ジオタグに対応したりしてサービス拡張を行っている。

技術が世界を変えることは間違いないけれど、それだけだと競争に行き詰まるときがくる。それを察知して、違う競争軸を設けないと厳しいんだなーと、SDカードを購入したときに思いました。

 

ちなみに、買ったのはこれ。