[速報]Googleが「Google Compute Engine」発表! IaaS型クラウドでAmazonクラウド対抗へ。Google I/O 2012 - Publickey [速報]Googleが「Google Compute Engine」発表! IaaS型クラウドでAmazonクラウド対抗へ。Google I/O 2012 - Publickey |
Googleの主な収益源は広告のはず。しかし、Google App Engineも、今回発表されたGoogle Compute Engineも広告表示がないし、自社の利益誘導に貢献している気がしない。Googleはどういう目的でこれらの事業を展開しているんだろうか。
Googleの2011年の収益構造
一応最初に財務諸表から売上を確認しておく。売上の90%以上は広告収入。やはり検索広告の収益モデルがどれほど強力かがよくわかる。
(2011 SEC Filings Archive – Investor Relations – Googleを抜粋。単位はミリオン。)
本当Googleの広告事業というのはすごい強力な収益モデルだ。個人的にもDropboxの容量を増やすためにAdwordsに広告を出したことがあるが、広告産業からみれば少額とはいえ、どんどん広告クリックが発生し、広告料が増えていったのは面白い体験だった。
すなわち、Googleでは広告以外の事業は収益源としては十分には確立されていない。ということは、PaaSやIaaSを提供するのは他に目的があるか、長期的戦略に基いて実行されているとしか思えない。
Google App Engineの実績
Google App Engineは2008年にスタート。実績は以下のような感じらしい。
Googleの最初の10人の社員でありインフラストラクチャ担当上級副社長を務めるUrs Holzleの説明によれば、App Engineには現在100万種類のアプリがホスティングされ、毎日75億回のアクセスがあり、世界最大の公開NoSQLデータベースだという。
Google、Amazon Web Services(AWS)に対抗してCompute Engineをスタート
結構多くの導入実績が生まれている。これらには有料プランももちろん含まれているだろう。
Google App EngineやGoogle Compute Engineは長期的戦略
ちょうどGoogle App Engineが開始された当初の、開発者のインタビューがあった。
立薗:GAEから得られるグーグルの利益とは何でしょうか? 株主に話すようにお願いします。
クーメン:株主!? OK、分かったよ(笑)。 いまGAEは完全に無償だ。ただ、今年の年末にかけて、開発者の方々により多くのコンピューティングリソースを購入していただく機会を提供していく。そこで、実際にディスクスペースや帯域を売る可能性があるが、最初は無料だ。ここでより重要なことは、Webをプラットフォームとしてどんどんどんどん前に進めたいということだ。GAEを作ったことによって開発者は仕事がしやすくなって、より良いアプリケーションを作ることできる。作れば作るほど有用性が高まる。有用性が高まれば高まるほどそこで多くの時間を使ってくれる。こういうサイクルができることによって、グーグルの利益につながってくる。
Google App Engine-すべては20%プロジェクトからスタートした ─ @IT
これはつまり、ハードウェアなどのコンピュータリソースを気軽に使えるようになると、Webサービスを開発する人が増える。そうすると、それを利用する人も含めてWebを利用する機会が高まるということになる。
Googleは、Webでの利用機会を増やす、という長期目標のためのGoogle App Engineを提供していることになる。できるだけWebに誘導し、検索や他の広告表示ページに誘導し、クリック課金に結びつける。そういう戦略と捉えれば、一貫されている。ただ、少し長期的すぎやしないかい?とも思う。
そういう意味では、Googleは昔から広告のビジネスモデルで収益を確保しつつ、いろんなサービスを開発し、提供してきた。でも、今はサービスをいくつか整理しているし、必ずしもいろんなことがうまくいっているわけではない。今後Googleは、広告のビジネスモデル以外の収益モデルは確立できる日が来るのだろうか。