昔、友人に依頼されて記事を書いたことがあったのだが、結局陽の目を見ないまま残っていたので、ここで公開しておく。これから就職活動する人向けに、仕事をどう捉えたらよいか、を偉そうに書いたものです。自分が就職活動する前に、基本的なことを知りたかったなーという気持ちを思い出しつつ書いた。
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自分たちの給料というのは、どうやって決まるのでしょうか。多ければ良いというわけではありませんが、どういう仕組で給料が決まるのかは知っておいて損はないでしょう。
自分たちの給料や企業の収益は、基本的には「付加価値」で決まります。もっと砕けた言い方をすれば、何かに手を加えて、価値を向上させた分だけ自分の収入になる、ということです。
「Input」「Process」「Output」の考え方
世の中の大抵のことは、「Input」「Process」「Output」の考え方に当てはまります。材料を仕入れ、加工し、商品を作る。様々な情報を取込み、集約・加工し、新しい情報として発表する。などなど。
この考え方で捉えると、自分の給料がどういう要素で決まるのかがわかります。それは、「Process」の部分にどれだけ稀少価値があるかで決まるのです。
製造業などでは、この加工の部分は機械に置き換わったり、比較的低スキルで行える作業が多いことから海外に仕事が移り、安い金額になっています。逆に、他では容易に真似できないビジネスを行う企業は、付加価値が高く、収益も高くなっているのが現状です。
スマイルカーブという考え方
ビジネスにおいて、「スマイルカーブ」という考え方を提唱した人がいます。ビジネスの流れを「設計(上流)」・「製造(中流)」・「アフターサービス(下流)」という一連の流れで見た場合に、スマイルカーブの形で付加価値が高い、という考え方です。
簡単に言えば、「製造」のような労働集約的な産業では、付加価値が生じにくいということです。例えば、IBMはThink Padに代表されるPCを製造してきましたが、PC部品が汎用化し、値段が下がってくると付加価値がつけられなくなりました。そして、PC事業ごとLenovoに売却し、現在はコンサルティングなど付加価値の向上が見込まれるサービス業にシフトしています。
また、高収益企業として有名なAppleやキーエンスは、製品を作っているのでメーカーだと思われているかもしれませんが、実際自分たちは製品は作っていません。製品のデザイン・設計など主要部分を自分たちで行い、製造は海外などの企業に外注しています。つまり、自分たちが強みを発揮でき、付加価値が高いところに特化していることで、高い収益性を確保しているのです。
仕事や企業を選ぶときは、スマイルカーブでいうところのどこに位置していて、その付加価値がどこにあるのかを考えてみる。すると、それが高いのか、長く通用すると予想されるのか、がみえてくるかもしれません。