ボストンコンサルティングが9カ国、9000人へアンケートを行ったところ、自治体のサービスに満足している割合は、全体の3分の1程度だったそうだ。
"Citizens, are you being served?" was the question the Boston Consulting Group asked in recent research into satisfaction levels with the delivery of public services around the world. "No" was the answer: Only one in three citizens is satisfied with government services according to our survey of 9,000 people in nine countries.
不満の要因として最も高いのは、「時間意識の欠如」。手続きをするにも、質問をしても、レスポンスが遅いことが不満という結果になっている。これについて、3つのエリアに分類して対応することが良いだろうと書かれている。
"Simple transactors" who require convenience, speed and ease of use. They typically prefer self-service models suitable for registrations, claims, renewals, payments, etc
単純な手続き。セルフサービスが向いている。
"Life event navigators" who require assistance and relevant information. They typically prefer an assisted service such as call centres and one-stop shops suitable for events such as births and deaths
ライフイベントに関する案内。コールセンターやワンストップサービスなどの一元化が必要。
Complex cases that require advice, access or personalised service through dedicated case managers. This is best suited for dealing with long-term unemployed, families in crisis and people with multiple disadvantages.
複雑な問題に対する対応。長い時間をかける必要がある。
これはこれで必要だと思うけれど、一番必要なのは自治体がサービス改善するためのインセンティブ設計だと思う。民間企業がなぜサービス向上に努めるかといえば、サービスが悪いと消費者から見捨てられる可能性が高いからだ。しかし、自治体はある種地域独占業務なので、そうはいかない。
これを打破するためには、橋下大阪市長が過去に教育委員会に提言したように、パブリックセクターの情報を開示して、競争意識を働かせることがひとつの手段になる。ただ、e都市ランキングとかITガバナンス・ランキングとか、既に自治体のランキングはいろんな指標で存在しているし、自治体のサービスが悪いから隣に引っ越そう、というのは余程自治体サービスに格差がないと、そこまでの動機にはなるのが難しい。
情報の透明化はもちろん必要だが、それだけじゃなく、行政と双方向でコミュニケーションをとれる仕組みを導入することで、市民の参画意識を向上させることが必要なんじゃなかろうか。
そういう意味では、武雄市のFacebookに関する取り組みは良い気がする。最近みても、ひとつの投稿に対して数十人が「いいね!」を押しているし、数人がコメントを残している。武雄市がFacebookページへ本格移行したときは、「正直あまり馴染まないんじゃない?」と思ったけれど、見誤ったかもしれない。半ば強引のメインページにすることで、プラットフォームとして機能しているんじゃないか、という気がしている。他の自治体で、部分的に採用したFacebookページは、内容にもよるがここまで「いいね!」やコメントが集まっていないように思われるし。
それにしてもこうやって取り組みを普及させるスキームは、良い方向だと思う。
オープンガバメントは、情報の透明性を向上させ、双方向コミュニケーションを生むことで、結果的に市民からの行政への信頼を回復することにある。自治体業務への不満も、「何となく事情が見えない」というイメージもついて回っているんじゃないかと思うし、情報を可視化して、説明責任を果たしていくことと、市民側も関心を持ち、参画する意識を向上させることで、お互いの不満・不安は少し歩み寄れるんじゃなかろうか。