IDEA HACKS! 2.0

小山 龍介¥ 1,575

仕事術的なものをたまに読んで、自分の仕事の仕方とかを見直したくなるんだけど、この本でもいくつか刺激をもらった。それにしても、今回は前作から少し主眼が違って、効率を求めるのではなく「豊かさ」を求めることを強調されていた。

 

冒頭から面白い。というか、冒頭が最も刺激的だった。

「持っているスキルと仕事の成功に、因果関係はない」P.3

誤解を受けそうな表現だけど、確かにそうだと思う。ハイスキルな人でも、評価されたり成功したりするとは限らない。ただ、成功してると思われる人はすべからく努力しているようにも見えるので、因果関係があるようにも見える。

スキルを磨くことも大切だけれども、スキルだけではうまく伸びた感じがしないときは、やり方を考えなおす必要があるんじゃないか。スキルだけでは時代によって陳腐化する可能性もあるし、どうやって人生を豊かにするか、という方向に、考え方をシフトする方が、もっと前向きに生きられる気がする。

 

会社に頼ったり、ポジションにしがみついて生きるのはどうかと思っていたけど、仕事をして数年経つと、組織の慣習の中で生きていく方が楽だし、リスクを冒すことが難しい状況になっていく。そういうときは、こういう言葉を思い出そう。

会社のリソースをフル活用しながら、個人のスキルを会社へ還元するとともに、会社とも対等なパートナーとしての自営業的個人が、今のサラリーマンの目指すべき戦略的ポジションなのかもしれません。P.219

 

本の中で紹介されていた動画。いろいろすごいきれい。

音楽プラットフォーム「bandcamp」で音楽を発見する

最近、bandcampにちょっとだけはまっている。

Bandcamp

音楽プラットフォームで、アーティストは登録して、直接音源を販売したり、無料配布することができる。試聴もフルでできる。値段も自由に決められるし、ユーザが決めてくれていいよ、ってパターンもある。

ほとんどが海外だけど、いろいろ音楽が聴けて面白い。フル試聴できるから、作業しながらBGMとして流したり、良い音楽ないかなーとか探したりしてる。

 

こんな感じで簡単にブログにも貼れる。個人的に良いかな、と思ったやつ。

リチャード・ウィルキンソン 「いかに経済格差が社会に支障をきたすか」

絶対的な経済幸福ではなく、国の中での相対的な経済格差が、健康や幸福度に影響を与えている、という話。

この動画の中では、日本は相対的な貧困格差は小さく、寿命は長い国であるとなっている。相対的な格差があると、心理的に悪い方向に向かうのかね。ちょっと前に相対貧困率が話題になっているけど、絶対的な貧困率と相対的な貧困率は、実は両方考える必要があるんだなあ。

競争による原動力が成長やイノベーションを生むと思っているけど、そういう競争原理を働かせながら、どうやって平等感を出すのか、というバランスが大切なのか。

仕事とゲーミフィケーション

コンサルとかIT業界なんてのは、人の入れ替わりが早いので、どんどん人が来ては去っていく。そろそろ自分も転職なんて考えるべきかしら。

それはともかく、転職してうまくいくかどうかについては、以前書いた。

中途入社の罠 | Synapse Diary

だいたいこれで言いたいこと書いてるわ。今日はその先というか、違う側面から考えてみたい。

 

何人かみると、どうやらこの壁を破って伸びる人とそうでもない人がいるんだよね。そういう人は、過去の培った経験とかプライドと折り合いをつけて、確実に前へ進もうとする。自分の現状と求められているスキルのギャップを正面から捉え、上司のスキルを貪欲に吸収しようとする。やっぱりこういうとき思うのは、転んでもちゃんと前を向けることなんだろうと思う。素直に受け入れるというか。

逆に自信を失くすと、自分の意見を発言しなくなるし、本来持っているはずの力を発揮しづらくなっちゃうし、ふと立ち止まって、転職とか世の中にある無数の選択肢を考え始めて迷走したりして、「あーこの先どうしたもんか」みたいになる。無駄に時間が過ぎているような焦燥感も生まれたりして。どんどん考えていることが重くなってしまう。

 

以前、自分も仕事の楽しさみたいなのがよくわからなくなって、誰かに酒の席で「仕事の何が楽しいか」と聞いたことがあって、そのとき誰かが言った答えは「壁を超えた瞬間を感じたとき」だと言っていた。ああ、そういう風に楽しめばいいんだーと思った。それに、昇進や昇給なんてゲームみたいなもんかな、と気楽に考えたりしている。ドラクエでレベルアップするとちょっと嬉しい、みたいなのと同じ。実際は生活もあるし、いきなり職を失ったら困ることもたくさんあるんだろうけどね。

ゲーミフィケーションという言葉が流行っているけど、会社で仕事をこなしていく中で、仕事をする目的を探すことも大切だし、自己実現も大切だけど、それをうまく見つけられない時期もあるし、心が疲れて迷うときもきっとある。そういうときは、ちょっと楽しいと感じられる瞬間や目標を少しずつ積み重ねて、肩の力を抜いて歩いていこうじゃありませんか。僕は今、悩める同僚にそう言いたいのです。

 

社会人じゃなくて、就活する前の学生は、これ読んでおけ。

「楽しい!」を仕事にしよう。/知的労働の急激な陳腐化とゲーム化する「仕事」 – デマこいてんじゃねえ!

自治体業務への不満と改善について

How the public sector can give more satisfaction | Public Leaders Network | Guardian Professional

ボストンコンサルティングが9カ国、9000人へアンケートを行ったところ、自治体のサービスに満足している割合は、全体の3分の1程度だったそうだ。

"Citizens, are you being served?" was the question the Boston Consulting Group asked in recent research into satisfaction levels with the delivery of public services around the world. "No" was the answer: Only one in three citizens is satisfied with government services according to our survey of 9,000 people in nine countries.

 

不満の要因として最も高いのは、「時間意識の欠如」。手続きをするにも、質問をしても、レスポンスが遅いことが不満という結果になっている。これについて、3つのエリアに分類して対応することが良いだろうと書かれている。

"Simple transactors" who require convenience, speed and ease of use. They typically prefer self-service models suitable for registrations, claims, renewals, payments, etc

単純な手続き。セルフサービスが向いている。

"Life event navigators" who require assistance and relevant information. They typically prefer an assisted service such as call centres and one-stop shops suitable for events such as births and deaths

ライフイベントに関する案内。コールセンターやワンストップサービスなどの一元化が必要。

Complex cases that require advice, access or personalised service through dedicated case managers. This is best suited for dealing with long-term unemployed, families in crisis and people with multiple disadvantages.

複雑な問題に対する対応。長い時間をかける必要がある。

 

これはこれで必要だと思うけれど、一番必要なのは自治体がサービス改善するためのインセンティブ設計だと思う。民間企業がなぜサービス向上に努めるかといえば、サービスが悪いと消費者から見捨てられる可能性が高いからだ。しかし、自治体はある種地域独占業務なので、そうはいかない。

これを打破するためには、橋下大阪市長が過去に教育委員会に提言したように、パブリックセクターの情報を開示して、競争意識を働かせることがひとつの手段になる。ただ、e都市ランキングとかITガバナンス・ランキングとか、既に自治体のランキングはいろんな指標で存在しているし、自治体のサービスが悪いから隣に引っ越そう、というのは余程自治体サービスに格差がないと、そこまでの動機にはなるのが難しい。

情報の透明化はもちろん必要だが、それだけじゃなく、行政と双方向でコミュニケーションをとれる仕組みを導入することで、市民の参画意識を向上させることが必要なんじゃなかろうか。

 

そういう意味では、武雄市のFacebookに関する取り組みは良い気がする。最近みても、ひとつの投稿に対して数十人が「いいね!」を押しているし、数人がコメントを残している。武雄市がFacebookページへ本格移行したときは、「正直あまり馴染まないんじゃない?」と思ったけれど、見誤ったかもしれない。半ば強引のメインページにすることで、プラットフォームとして機能しているんじゃないか、という気がしている。他の自治体で、部分的に採用したFacebookページは、内容にもよるがここまで「いいね!」やコメントが集まっていないように思われるし。

 

それにしてもこうやって取り組みを普及させるスキームは、良い方向だと思う。

「全自治体を巻き込みたい」 佐賀県武雄市、自治体ページの“Facebook化”全国拡大へ – ITmedia ニュース

 

オープンガバメントは、情報の透明性を向上させ、双方向コミュニケーションを生むことで、結果的に市民からの行政への信頼を回復することにある。自治体業務への不満も、「何となく事情が見えない」というイメージもついて回っているんじゃないかと思うし、情報を可視化して、説明責任を果たしていくことと、市民側も関心を持ち、参画する意識を向上させることで、お互いの不満・不安は少し歩み寄れるんじゃなかろうか。

仕事を早くこなせるようになったら次の考えること

仕事が遅い人の共通項 | Decent Point

確かにこの記事はその通り。仕事が遅いというのは、特に新人の頃というのは成果と直結しやすい。これはこれで大切なんだが、何年か経つと、仕事を早くこなすだけでは付加価値として出しづらくなるときが来る。っていうか、部下なんかを見てると、これが出来始めた頃に次の壁にぶつかる。

それは、自分のやっている作業に「意味」を持たせることができない、ということ。

なんでこの作業をするのか。なんで今こういうことを考えないといけないのか。なんで組織はこういう形であるべきなのか。質問してみると、答えに詰まる。そういう場合は、自分がやっていることの意味を理解したり、自分の中で十分に咀嚼できていなかったりするんだろうな。昔、自分もそうだった。言われた通りの資料を作っていったら、上司からの指摘に全く答えられなくて、「ああ、自分って上辺だけの理解で作業してたんだな」ってすごい恥ずかしい思いをした覚えがある。

 

昔の上司は、パワーポイントの資料のオブジェクトの色にも意味を持たせろ、と言っていた。「なんでこのオブジェクトの色をピンクにするのか」。それぐらい、細かいことにまで意味を持たせることは、物事の整合性を確保したり、目的を見失わない、という点でとても重要なんだと今は思う。

いろんなことに意味づけしていくと、自分が知らないこと、考えなければいけないことにたくさん気づく。ただ、注意しなきゃいけないのは、何も知らない新人の頃からこれをやると、迷走する場合があるのでそのバランスが大事だったりするんだよねー。いや、できる人は最初からできるんだろうけど。人って難しい。

Box.netとSocialFolderの組合せで50GBのDropbox化する

Box.netは、以前50GB確保できることで少し前に話題になっていた。で、自分もそれで50GBをゲットした。これだけクラウドストレージの容量があれば、しばらく困らないな。

だけど、このSocialFolderがあれば、もっと便利。というか、Dropboxみたいにローカルと同期しながら使えることができた。

Social Folders

アプリをインストールするとローカルディレクトリができるので、そこにファイルを配置したら、勝手に同期してくれる。まるでDropbox。リビジョンなどは取ってくれないけど、自動同期してくれるだけでもすごい便利だし、Box.netなら容量十分。

 

他にもFlickrとかGoogle Docsとかも同期できる。

 

Flickrとか同期するとすごいことになりそうだけど、バックアップとしては良いのかも。

Box.netは、以前50GB確保できることで少し前に話題になっていた。で、自分もそれで50GBをゲットした。これだけクラウドストレージの容量があれば、しばらく困らないな。

だけど、このSocialFolderがあれば、もっと便利。というか、Dropboxみたいにローカルと同期しながら使えることができた。

Social Folders

アプリをインストールするとローカルディレクトリができるので、そこにファイルを配置したら、勝手に同期してくれる。まるでDropbox。リビジョンなどは取ってくれないけど、自動同期してくれるだけでもすごい便利だし、Box.netなら容量十分。

 

他にもFlickrとかGoogle Docsとかも同期できる。

 

Flickrとか同期するとすごいことになりそうだけど、バックアップとしては良いのかも。

ライアーゲーム

甲斐谷 忍¥ 215

ドラマも映画も見たんだけど、マンガを全巻読んでみた。ああ、本当に面白い。何が面白いのかって解説をするのはどうかという気が自分でもするんだけど、あえて書いてみる。

読みながら何が面白いか考えてみたんだけど、多分「このゲームをどう捉えるべきか」という視点が面白いと思うんだよね。最初ゲームが発表されて、ルールが説明されるんだけど、最初はみんなぎこちなくゲームが始まる。だけどだんだん、ルールの中でどう勝つか、ルールの盲点をどう突くか、というところが出てくる。そして、それすらも全体に浸透したところで、最終的に、どこまで先を読んで行動していたか、という裏切りの展開がある。

ルールをどう捉えるか、ルールの外側にあるものは何かを考えることによって、ゲームの戦略は全く違ってくる。あるいは、そもそも本当の目的を考えると、目的を達成するための手段は勝つことでない場合がある。たくさんの可能性と選択肢を考えて、先に行動しておく。こういうのって、本当にビジネスの現場でも言われることだし、こういうことを考えないといけないとよく現場で言ってることだもんなー。

 

ポーカーとか、椅子取りゲームとか、ありきたりなゲームの工夫で、よくここまでドラマティックな展開に変えられるもんだなーと思うと、感心。本当、読んだ方がいいよ。一回読んだだけでは、正直ちゃんと消化した気がしない。珍しいマンガ。

Flickrの写真をまとめてダウンロードする「Bulkr」

Flickrの写真を、たまに誰かに纏めて提供しようと思うときがあるので、こういうツールがあると便利だ。

Bulkrは、Adobe AIR製のFlickr写真ダウンロードアプリ。検索した結果の写真を纏めてダウンロードすることもできるし、自分の写真をセットごとにダウンロードする、とかもできる。

Bulkr: Backup, download flickr photos & sets (Mac, Windows & Linux)

セットアップは以下の手順で。

ダウンロード直後の起動画面。

Flickrアカウント認証。

ブラウザ画面に移動する。右側の「NEXT」を選択。

認証完了。

ダウンロードのサイズも選べるし、便利。未確認だけど、ダウンロードを中断しても、またアプリ起動したら再開してくれるらしい。

「ビッグデータ社会の到来」とオープンガバメント

こういう内容が無料で読めるようになったんだから、本当良い時代だ。AMN新書として電子書籍が出た。そのうちのひとつである「ビッグデータ社会の到来」を読んだよ。

ビッグデータ社会の到来 – akihitok | ブクログのパブー

 

最近ビッグデータに関するトピックが増えてきている。データ量が基本的に増えていること、ハードウェアやソフトウェアの進歩によって大容量データを分析できるようになっていることが要因となっている。映画「マネーボール」も公開されて、一層データ分析に対する注目度が上がってるんじゃなかろうか。

この本は25ページと短いものの、ビッグデータの現状を読みやすく纏めている。個人的にビッグデータに対して気になっていることを書く。

 

スマートグリッドとかInternet Thingsとかで、物理世界の情報がどんどん電子化されて、分析されようとしている現状で、データの源泉をどうするかということは、ビッグデータ分析をしようと思っている企業にとってはとても重要な課題になる。

TwitterなどAPIを公開しているソーシャルサービスから取得しても動向は分析できるし、自社サイトだけではなくいろんなところからデータは取得できる。

オープンガバメントも、ビッグデータと関連していて、公共データをどれだけ活用してもらえるかは今後の大きなテーマになると思うんだよね。「電子行政推進に関する基本方針」でもオープンガバメントが5つの重要施策のうちの1つになっているし。
www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai55/siryou2_1.pdf

 

個人的には、まだビッグデータ分析は大企業と一部のネット新興企業を中心に利用が進むだろうし、公共機関自体がデータ分析したり、中小企業がデータ活用するというのはハードルが大きいと思っている。その一番の理由は初期投資とリターンの因果関係が特定しづらいからだ。

何かのついでに分析を進める、とか少しずつ分析用途を広げていく、というのが現時点での現実解だと思うけど、IT投資がおぼつかない中小企業や、事前の費用対効果を厳しく求められる公共機関では、なかなか活用は難しいだろう。むしろ、オープンガバメントをもっと推進して、利用される立場としてデータ提供機会を増やして欲しい。