AI系のガイドラインを調べてみた

AIの開発が盛んになってきていますが、こうなると業界自体が標準化されて、ルールが形成されていくのが、どこの業界でも常です。

いろんなプレーヤーが参加してきたときに、発注者、受注者ともにトラブルを回避して、win-winになるためには、過去の知見などをまとめたものが有効です。

どんなガイドラインを誰が出しているのか、調べてみました。

戦略系

経団連:AI活用戦略

経団連:AI活用戦略 (2019-02-19)

経団連が発表している、AI 活用を戦略的に進めるためのガイドライン。現在のAIに対する理解促進から始まり、世界の中で日本企業がどのようにAIを用いた勝ち筋を作っていくかが書かれています。経営におけるAIの位置づけを理解するためには、良いのではないでしょうか。

個人的に良いと思うのは、「AI-Ready化ガイドライン」ですね。AI活用に関して、組織の成熟度のステップが定義されていて、自社がどういう位置にいるのかを考える指標になるんじゃないでしょうか。

所感としては、進んでいる企業はレベル2からレベル3へ移行しつつあるな、という印象です。

開発系

総務省:AI利活用ガイドライン

総務省|AIネットワーク社会推進会議 報告書2019(案)に関する意見募集

総務省のAIネットワーク社会推進会議で検討されている、AIの利活用原則10個をまとめたものです。利活用する上で、どういうリスクがあるのか、実装する上での役割分担などが書かれており、開発を具体的に進める前の全体整理で役立つでしょう。

QA4AI:AIプロダクト品質保証ガイドライン

Download – QA4AI

AI プロダクト品質保証コンソーシアム(QA4AI)という団体が発表している、品質保証ガイドライン。QA4AIというのは、このような主旨で発足されたコンソーシアムです。

そこで我々は、AIプロダクトの品質保証に関する調査・体系化、適用支援・応用、研究開発を推進するとともに、AIプロダクトの品質に対する適切な理解を社会に啓発する活動を行うコンソーシアムを産学で設立することとする。
Concept – QA4AIから引用

これまでもシステム開発系のガイドラインは作成されてきましたが、AIは帰納的アプローチであったり、確率的ふるまいをするなど、従来のシステム開発と特性が異なる点が多々あります。それを踏まえて、どのように「AIの品質」を考えるかを整理したのがこのガイドラインです。

大きく5つのカテゴリーに分けて、AI の品質を評価する方法がまとめられています。

契約系

経済産業省:AI・データの利用に関する契約ガイドライン

「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」を策定しました (METI/経済産業省)

AIの場合、データの収集・利用・創出などが重要になってくるのですが、従来のシステム開発とは異なり、これらのデータの契約上の取り扱いや、データとプログラムの契約上の整理が必要になってきます。それをまとめたのがこのガイドラインです。全体編、データ編、AI編と分かれて構成されており、充実した内容になっています。契約を考える上では、これらの内容を読んでおくと良いんじゃないでしょうか。

 

ということで、新しい領域ではありますが、このようなガイドラインが各種登場してきているということは、みんな取り組みが進んでいるし、社会的なルールの整理が必要になってきているという証拠とも思えます。

iOSのショートカットアプリで好みのプレイリストをワンタップで再生する

久々にちょっとしたTipsネタを。iOSのショートカットアプリのネタです。これを使って、ウィジェットからワンタップで好みの音楽を再生できるようにしておきたいのです。

ダウンロードした音楽だけをワンタップで再生したい

Apple Musicのプレイリストなどを選んで音楽を再生することができるのですが、端末にダウンロードした音楽だけを再生する方法がこれまでよくわからなかったのです。

だけど検索したらさくっとわかりました。

基本的にはこちらのリンクに書いてある通りです。

Imgur Post – Imgur

最初に「ミュージックを検索」から、フィルタで「クラウドの項目ではない」を追加します。

ダウンロードされた音楽だけを再生するなら、これでOKです。次に「ミュージックを再生」を追加しましょう。これで完了です。

他にも細かい条件をいくつか指定できるので、スマートプレイリストを作るような感じで使うこともできます。

日付を変数で指定する

最近1か月は再生していない曲、みたいなのをスマートプレイリストで使っているのですが、それもショートカットアプリでできます。

  • 現在の日付を取得
  • それに対して日付を加算、あるいは減算

この計算した日付を変数として、「ミュージックを検索」のフィルタのひとつに追加するだけです。

これで、最近1か月は再生していない曲を、再生回数順にソートして再生することができます。

アクションが少ないアプリはウィジェットの方が良い

何かの情報を簡単に見たいとか、特定の条件で音楽を再生したいとか、カメラを起動するとか、そういうアクションが少ないアプリについては、ウィジェットの方が便利だなと思っています。

音楽やpodcastの再生はウィジェットに集約しました。普段はアプリを開かなくても充分かなと思います。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ

人工知能やディープラーニングがメジャーな言葉として飛び交う中で、専門的な技術者ではない人間が、それらに関する知識を得てイメージを膨らませていくための本をまとめました。

これらを読むことで、実際に人工知能特性や、ディープラーニングがなぜこれほど騒がれているのかを自分は理解することができましたし、ビジネスにどう活用するのかもイメージを持つことができました。

誤解だらけの人工知能~ディープラーニングの限界と可能性~

ざっくりと今のトレンドを理解するのは、この本が良いかと思います。ディープラーニングがなぜこんなに騒がれているのか、そのポイントが人工知能研究の過去の歴史と照らし合わせて、わかりやすく説明されているのも特徴です。

 

人工知能の現在地とこれからを知る。「誤解だらけの人工知能」を読んで

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

こちらはどちらかと言うと教育目線にはなるのですが、人が人工知能とどういう違いがあるのかという対比の中で、人工知能の力と限界を理解することができます。当然、複雑な計算式なども出てこないので、読みやすいです。

 

AI時代にこれから求められる人間のスキルは「読解力」

ディープラーニング G検定テキスト

だんだん知名度が上がってきているディープラーニング検定ですが、人工知能のエッセンスが体系的によくまとまっているので、テキストを読むのがオススメです。多少計算式など技術的なことが書いてありますが、それが逆に一歩理解を深めることになると思います。

 

ディープラーニング活用の教科書

具体的にディープラーニングが活用されているケーススタディをまとめたものです。結局どういうところで利用されるの?という疑問は、この本を読めば解消されるでしょう。

人工知能の活用例を学ぶ「ディープラーニング活用の教科書」

失敗しない データ分析・AIのビジネス導入: プロジェクト進行から組織づくりまで

AI開発プロジェクトの進め方について、解説された一冊です。この本を読むと、プロジェクトの進め方のイメージが具体的になるでしょう。システム開発と似ているところもありますが、異なる点もたくさんあります。

 

Machine Learning実践の極意 機械学習システム構築の勘所をつかむ!

もう少し専門的に、具体的なプロジェクトやアプローチを知るのであれば、この本を読むと良いと思います。技術的な内容を書かれているのですが、数式が少なめで、どちらかというとデータをどのように分析しチューニングして実用につなげていくのかを、わかりやすくまとめているのが特徴です。エンジニアじゃない人こそ、この本を読むとデータ分析、AI開発のプロジェクトについて、具体的な作業のイメージが湧くと思います。

 

Udemy

知識や実践的な理論を学んだ後は、具体的な行動としてどのような面があるかを学ぶ意味で、Udemyがお勧めです。このコースでは、実際の機械学習を使ったデータ分析のアプローチが解説されています。

Pythonで機械学習:scikit-learnで学ぶ識別入門

【Kaggleで学ぼう】PythonとKerasで学ぶディープラーニング開発入門

AI時代の新・ベーシックインカム論

ちょっと番外編的にはなりますが、経済的アプローチからAIをどう捉えるかが書かれているのが本書です。これも、AIが今の社会のどの部分に置き換わるのかが示されており、経済的なインパクトを推し量ることができます。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ(2020年版)

様々な本が出ていますが、何冊か読むと、本質的な要旨が見えてきます。興味ある方は是非どうぞ。

AIで大量失業が発生したら、ベーシックインカムは必要になるか

すっかりブログを更新する頻度は落ちていますが、生きています。書評はこまめに書いていませんが、本も読んでいます。ということで、今日は久々に一冊紹介したい本について書きます。

先日書いた、「AI vs 教科書が読めない子供たち」でも触れられていたのですが、ベーシックインカムに対する関心が年々高まっています。

AI時代にこれから求められる人間のスキルは「読解力」

そのベーシックインカムについて、もう少し知りたくなったので、一冊読みました。

AIとベーシックインカムの関係

AIとベーシックインカムが結び付く筋書きは、僕が理解する限りでは、以下のような流れです。すごい単純化していますが。

AIが発展すると、人の仕事が奪われる

代わりに新しい仕事はうまれるが、全ての人がそれらの職に対応できるわけではない
対応できたとしても、賃金が低い職が多くなる(ホワイトワーカーの職が奪われるため)

失業者対策など社会安定のため、ベーシックインカムで最低限の所得を保証する

TEDでも、こちらの講演をみるとわかるのですが、AIとベーシックインカムがセットで語られています。

これからAIが普及していったとき、本当にベーシックインカムという制度は必要になるのでしょうか。どういうメリットがあるのでしょうか。

ベーシックインカムに関する幅広い論点を学ぶ

これだけ注目されているベーシックインカムを、わかりやすく解説してくれたのが本書です。

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失礼ながら、新書だしクイックに浅く広く分かればいいなと思って読み始めたのですが、貨幣制度の歴史や問題点について語られていたり、「最低限の保証」と「勤労意欲」との関係を政治的イデオロギーから読み解いていたりと、幅広い角度からベーシックインカムの論点が整理されていました。

特に貨幣制度については、これまでちゃんと理解したことがなく、非常に新鮮でした。中央銀行の制度がいつ頃、なぜできあがったのか。ヘリコプターマネーの目的とリスクはどのようなものか。そういう点が説明されていて、ベーシックインカムだけでなく、経済における現行制度の限界も知ることができたのは、良かったです。

ヘリコプターマネーについては、こちらの記事もわかりやすかったです。

夢の政策かばらまきか。「ヘリコプターマネー」政策、その効果とリスク | ハフポスト

 

AIの普及でなぜ人々は貧しくなるのか?

ベーシックインカムが議論されているのは、「今後人々の仕事はAIに奪われる」という可能性が高まっているからです。

ただ、楽観的な見方として「新しい技術は人々の雇用を奪うが、新しい仕事も作り出す。」というものもあります。僕もそういう考えが強かったのですが、「AI vs 教科書が読めない子供たち」や本書を読んで、ちょっと考えが変わってきています。本書でも、なぜAIが人を貧しくしてしまうのかが書かれています。

だが、AIを含むあらゆるITに当てはまることだが、ITが奪う雇用は、ITが増やす雇用よりも絶えず大きい。例えば、旅行サイトの構築・運営に携わる人員は、旅行代理店の人員より少ないはずだ。

AIはホワイトカラーの仕事を奪ってしまうので、一部のクリエイティブな人たちは高給な仕事を維持しますが、多くの人はブルーカラーに移ってしまう=賃金が低下するという構図です。つまり、AIはいろんな仕事を奪うのではなく、ある特定領域の仕事を奪う可能性が高く、それが賃金の「二極化」と「全体低下」を招くということです。

このような事態を防ぐための解決策として、ベーシックインカムが提唱されているわけですね。一人あたり月7万円ぐらいが目安のようですが、これによって生活も安定し、労働意欲も減退しないのであれば、試してみる価値はありそうな気がします。

ちなみに、Wikipediaの情報が豊富でした。

ベーシックインカム – Wikipedia

世界でも少しずつ試されているところがあるようです。

シカゴ、ベーシックインカムの導入実験を行うアメリカ最大の都市に | BUSINESS INSIDER JAPAN

 

貨幣制度や社会福祉制度、これまでの労働価値観などが変わる要素を含んでいるので、なかなか最初は「え?」という感じではあるのですが、こうやって勉強してみると、これからは社会構造全体が変わっていくと思うし、その中で有力な手段になるように思えました。

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Apple Watchはスマートウォッチシェア1位。iPhoneユーザーにはおすすめ

思い返せば、スマートウォッチデビューしたのが去年でした。

スマートウォッチ市場は今後5年で倍になる。今買うおすすめのスマートウォッチ3つ

周りでもスマートウォッチをしている人を見かけるのが増えてきましたね。

そして最近、Apple Watchデビューしました。

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いろんなものを検討しましたが、iPhoneとの連携がやはり良いだろうという判断をしました。あとは気分を変えたかったので、単純に何か違うスマートウォッチにしたかったというのもありますね。

 

スマートウォッチ市場はこれからどうなるか

そもそもスマートウォッチは実際増えているのか?ということを知るためには、市場データを見るのが一番でしょう。

スマートウォッチは、より大きなカテゴリーである「ウェアラブルデバイス」の一つになります。そして、こちらがウェアラブルデバイスの市場予測。2022年まで市場全体が伸びると予想されています。

2022年までのウェアラブルデバイスの世界/国内出荷台数予測を発表

その中でもスマートウォッチがやはり成長の中心のようです。ここでもApple(WatchOS)とGoogle(Wear OS)が有名な存在であるわけですが、それ以外にもFitbitやGarminも注目に値すると書かれています。

 

スマートウォッチの出荷台数のデータをみると、

2018年第3四半期のスマートウォッチ出荷台数は約67%増。AppleとFitbitが好調 – Engadget 日本版

Apple Watchのシェアが1位。強さを発揮しています。それにFitbit、Samsung、Garminが続き、意外にもGoogleのWear OSはそれ以外ということで、勢いがない存在になっています。

 

これまでもPebbleが解散したり、WithingsがNokiaに買収されたあと戻ったりと動きが激しかった業界ですが、最近だとGoogleがFossilのスマートウォッチ部門を買収しています。

グーグル、フォッシルのスマートウォッチ技術を買収へ – CNET Japan

Pixel Watchくる? GoogleがFossilのスマートウォッチ技術の買収計画発表、お値段4000万ドル | ギズモード・ジャパン

GoogleがPixel Watchを発売して、スマートウォッチ領域で逆襲を図るのでは?とささやかれていますが、どうなんでしょうか。

スマートウォッチに求める機能はどのようなものか

最初は得体の知らないデバイスとして始まったスマートウォッチですが、最近は通知などの日常使い、運動、ヘルスケアの領域ということで、用途が見えてきている気がします。

まず日常使いという点では、通知や決済ですね。僕はスマホの通知をほとんど切っていますが、いくつかは外出時などにリアルタイムに通知して欲しいので、スマートウォッチがそれをやってくれるのは便利です。

運動については、走ったり歩いたりワークアウトの記録を正確にしてくれるのが良いですね。このとき、心拍数やGPSの機能が必要になります。このあたりは、標準搭載されているのがトレンドかなーと感じてます。

(ちなみに最近までWithingsのSteel HRを使っていて、GPSがスマホのGPSを使わなければいけないのがちょっと残念でした。)

ヘルスケアは、Appleが顕著に力を入れていますが、急な転倒防止や、心拍数の異常を検知してくれます。

Apple Watchの心拍数検知機能で命を救われる人が続々 – GIGAZINE

 

また日本ではまだ解禁されていませんが、米国では心電図の計測も可能になっています。

ASCII.jp:Apple Watch心電図機能を試す 使い方と注意点は (1/4)|松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

 

またWithingsも新しい製品「move」を発表しており、春には公開の予定です。日本でいつ発売されるのかは不明。

心電図モニター & ウェアラブルウォッチ | Move ECG – Withings

ということで、通知や決済、運動などの領域は成熟してきており、今はヘルスケアとしてさらにセンサーを追加しつつ、様々な健康情報の取得と検知が行われていくというのがトレンドのように思います。

Apple Watchの感想

初めてApple Watchを手にした感想をいえば、やはりiPhoneとの連携やデザイン面は使いやすさが十分に考慮されていて、満足度が高かったです。バンドも専用サイズにはなりますが、Amazonに安くて良さげなものがたくさんあります。とりあえず革のバンドを購入しました。

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暑い季節になったら、メッシュバンドに変えようと思います。

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機能としても、ワークアウトや睡眠、心拍数など今必要と思う機能は十分カバーされていて、不満もありません。1時間に1回「立って」と促してくれますし、時々深呼吸するようおすすめしてくれます。あとはiPhone特有の「リング」を完成させて、体を動かすモチベーションを保つのが最近は楽しいです。

睡眠計測のために、「Auto Sleep」というアプリを購入しました(Apple Watchは直接睡眠を計測してくれません。Auto Sleepが心拍数を元に、睡眠時間を分析してくれます)。

不満があるとすれば、常時文字盤が見えないことと、バッテリーの充電が短いことですね。WithingsのSteel HRは数週間バッテリーを持ちましたからね。

 

スマートウォッチは、通知や運動など多くの人が必要とする機能が標準で搭載されるようになってきていますし、健康などさらに進んでいく方向性も見えてきています。明らかに従来の腕時計と違う領域として機能を多様化しながら進化しており、「なくても困らないといえば困らないけれど、QOLを明らかに高めてくれるもの」というのが、僕のスマートウォッチの位置づけです。

iPhoneユーザーなら、今ならやはりApple Watchが第一候補になるでしょうし、それ以外を考えるのであれば、機能や趨勢(いきなり買収や販売中止になるリスク)を見据えておく必要があるんじゃないでしょうか。

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「ファクトフルネス」を読んで、これからのデータ社会に必要な心構えを学ぶ

ビル・ゲイツが推薦しているということで、発売前から話題だった「ファクトフルネス」を読みました。

ビル・ゲイツが大学卒業生に贈る「ファクトフルネス」の重要性 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

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IT化やインターネットの台頭でデータが大量に増え、データアナリティクスやデータドリブンなど、データに基づいた意思決定が盛り上がってます。

そんな中、データ=事実を見るときに、その見方によって人は誤った判断をしがちである、というのが本書の問題提起になってます。

ただ、本書を読む前に、ぜひこの著者が話しているTEDの動画を見て欲しいですね。2009年のものたけど、今みても非常に良いです。パワフル。本書の最初に登場するケースの内容が語られています。

The good news of the decade? We’re winning the war against child mortality

 

断層化していく情報

最近noteで全文公開された「さよならインターネット」でも書かれていましたが、広く様々な情報にアクセスできるはずだったインターネットは、最近は傾向が変わり断層化してきており、自分が望む情報を取得するようになっています。

普段暮らしていると、自分でもだいたいアクセスする情報源が偏ってきているのがわかります。そうなると、「自分の外」というものへの意識も弱まって、「自分が見ているものが全て」と錯覚しそうになります。

どういう情報に接しているか、それによって人の考え方や感情も変わっていくでしょう。数年前に実施されて問題になったFacebookでの感情操作実験のように。

Facebookによるユーザー感情操作実験の倫理性 | TechCrunch Japan

接している情報をどう捉えているかで、自分の考え方も変わるってことを知っておくと、情報源を変えたり広げたり、多様な意見を受け入れられるようになるはず。

 

良いニュースが増えるといいな

ニュースというのは、世界を知る上で欠かせないものですが、一方でネガティブなニュースが取り上げられがちです。その方が人は興味を持つからです。

いま起きている悪い出来事に人々の目を絶え間なく惹きつけるのがニュースというものだが、悪い出来事ばかり目にしていれば、誰でも悲観的になる。加えて、思い出や歴史は美化されやすい。だからみんな、1年前にも、5年前にも、 50 年前にも、いま以上に悪い出来事が起きたことを忘れてしまう。 「世界はどんどん悪くなっている」と考えれば不安になり、希望も失いがちになる。でも、それは思い込みにすぎない。

 

検索したら、こういう調査を見つけました。日本のニュースの約47%は「中立」で、約37%が「ネガティブ」、残りが「ポジティブ」とのことです。

日本の国際報道におけるポジティブ・ネガティブの分析(2015年) – GNV

ネットを注意深く見ていると、誰かの偏った情報に、専門家による是正や意見の追加が行われているケースもありますし、そういうケースをみると、マスメディアによるネガティブ報道の多さだけに踊らされることも少なくなっている気がします。

ただ、少なくともメディアにはそういう特性がある、ということを知っておけば、印象操作に踊らされずに考えて行動することにつながるでしょう。

 

本書を読むと、事実に向き合うことの大変さと、それでも失われない前向きな希望を感じることができます。正直読む前はそれほど期待していなかったのですが、様々な事実と向き合う上で、人間の本能とも呼べる壁が存在し、そしてそれを乗り越えるために何をすべきかを丁寧に書かれていて、途中から引き込まれるように読みました。そして「あとがき」でやられました。ぜひ、最後まで読んで欲しい。

これからの時代、情報に踊らされずに判断していくためには欠かせない一冊です。

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買ってよかったものリスト(2018年版)

これもまた今更って感じの記事になるのですが、2018年の中で、買ってよかったものを挙げておきます。

他人のこういう記事を読むの好きなんですよね。便利なもの、生活を豊かにしてくれるものは、積極的に買っていきたいものです。

ノートパソコンスタンド

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姿勢が悪くなって、首肩が痛くなりやすくなったので、買ってみました。自然にパソコンを見るときの目線が上がるので、姿勢が前かがみになってしまうことはなくなりますね。

完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty Lite」

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信頼のAnkerです。コスパ最強。完全ワイヤレスの便利さを味わうと、ケーブル付きのものに戻そうとは思えなくなりました。人混みの中で電波干渉することもほとんどないですし、基本これで困ることはありません。時々耳から外れて、地面に転がってしまうことがありますが・・・。

スマート家電コントローラ「ラトックシステム」

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Amazon Echoを買ったので、家電を操作したくなって買いました。リモコンで電波飛ばすやつなら、記憶させればAmazon Echoから命令できるようになります。小さなことですが、声だけで命令できるのは快適です。もし壊れて動かなくなったら、また買ってしまうでしょうね。それぐらい欠かせないものになりました。

PhillipsのHueとか、Qrio Lockとかにも関心が芽生えてます。

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澤井珈琲カフェインレスコーヒー豆

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コーヒーをほぼ毎日飲みますが、流行りのカフェインレスに切り替えました。カフェインが入っていると、一日2杯も飲むと体がしんどくなるのですが、カフェインレスならそういう負担もありません。カフェインレスでも十分おいしい。

ザバスダイエットプロテイン

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変な間食をやめるために購入。「何か食べたい」と思ったときに、これを流し込むと空腹感がなくなって間食をやめられることが増えました。

完全食COMP

COMP 完全食

人間に必要な栄養素をバランスよくカバーする完全食。2017年ごろには試してたと思いますが、2018年は本格的にお世話になりました。夏の暑くて食欲ない日とか、時間がないときはcompでさらっと済ませていました。超絶便利です。

高級トースター

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バルミューダが火をつけた高級トースター市場ですが、PayPay祭りに乗じてこちらを購入。スチーム機能で焼くと市販のパンがこんなにおいしくなるなら、もっと早く買っておけばよかったと思ったぐらいです。日々のパン食生活が豊かになります。

高級コンデジ SONY RX100

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これまでカメラはミラーレス一筋でしたが、なかなかカメラを持ち歩いて撮るのが難しくなってきたので、ポケットに入るお手軽なカメラが欲しくて購入。本当にポケットに入るし、画質も良いので買って正解でした。スマホのカメラも良くなってきていますが、まだ初代RX100の方が画質が良いですね。中古で2万円台というコスパの良さも魅力。

 

こうやってあげてみると、あまりモノを買っていない一年だったかも。スマホやパソコンなども、あまり買い替えなくても困らないぐらい、性能の進化は緩やかになってきた気がするし。

とはいえ、年始に家のいろんなものを断捨離してメルカリで売りつつ、買い足したものもあるけれど、それはまた別の機会に。

【書評】データ分析の力 因果関係に迫る思考法

データを使って何かの見解を導こうと思うとき、どう分析して、因果関係を説明しますか。

「この分析結果から、○○をやると○○が○%向上します」と明確に説明するためには、それを実現するためのデータ分析手法を知っておく必要があります。

本書は、計量経済学の著者が、データ分析の手法を数字を使わず、わかりやすく説明してくれます。

 

読んでいてすごい楽しかったし、データ分析の入門書として理解できてよかったです。

ランダム化比較試験がなぜ優れているのかに始まり、いくつかの手法のメリット・デメリットを、実例を交えて教えてくれます。

ランダム化比較試験 – Wikipedia

 

実際にデータ分析しようと思う人や、データ分析結果を評価する人には必要な知識かなと思います。

データ分析アプローチについて、おぼろげに理解していたのが、自分でよくわかりました。

データ分析手法を知りたいと思ったら、本書はとてもおすすめです。

 

こちらも参考にどうぞ。

【書評】会社を変える分析の力(河本 薫)

AI時代にこれから求められる人間のスキルは「読解力」

少しタイムリーではないですが、こちらの本を、読みました。

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東大合格を目指すAIの東ロボくんの研究開発をされている数学者の方が著者です。その研究を通して得られた知見から、今後AIがどう人の仕事を変えていくのか、そのときに人に求められるスキルは何か、を書かれています。

AIの特性については、僕はディープラーニング検定で読んだテキストを読んでいたので、そうたよねって感じで納得しながら読みました。

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「AIはこのまま進化すれば万能になり、いずれは人間の仕事はすべて奪われる」というイメージがありますが、AIを構成する技術には未だに結構制約は多いですし、少なくともAIが人間に替わって全ての作業に対応できるわけではありません。

 

ただ、本書の恐ろしさは後半にあります。

数学などのパターンに応じた問題は解けるのですが、読解が苦手なのですね。そこは今後も人間が活躍できる領域というわけですが、実は読解力は最近人間も低下傾向にある、というのです。

そうなると、やはりAIに仕事を奪われる人が多くなってしまうのでは?というのが著者の懸念です。

昔、読解力について記事を書きましたが、読解力というのは、文章を丁寧に読み、論理的に構成しながら意味を理解する力です。

読解力を高めたい!同じ文章を読んでも、深く読み取れる人は何が違うのか?

僕も苦手でした。幼少期からもっと本を読んで、読解力が身についていたら良かったな、とそのときは思いましたが、個人的な経験からすれば、訓練すれば何歳からでも、今よりはマシになります。

ルールに従った対応はAIは得意なので、抽象的な概念で捉える、コンテキストを理解するなど、人間にしかない能力を鍛えないと、これけらの人材は勝てないんだなーと、末恐ろしくなりました。

インターネットツールは、テキストから画像、動画へと、消費する負担が少ない方へシフトしてきていますが、これから求められる能力は逆に、複雑な文章を読み、コンテキストを理解できる人材だということです。

 

これから社会人になる人は大変ですね。すでに社会人の人も、自分のスキルが陳腐化するリスクは常にありますが。

子供や若手を育てる立場にいる人や、親世代の人にはご一読おすすめです。

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人工知能の活用例を学ぶ「ディープラーニング活用の教科書」

人工知能やディープラーニングの現状を勉強したのですが、

人工知能の現在地とこれからを知る。「誤解だらけの人工知能」を読んで

「じゃあ実際どういうことができるの?」ということを知るために、実例が豊富に掲載されている本書を読みました。