クラウドソーシング市場はもう伸びないかもしれない

クラウドワークスの決算発表を契機に、「クラウドソーシングはやっぱり食っていけないよね」という話が出てきています。

まず最初に発端となったのはこの記事でしょうか。

クラウドワークスで月収20万超え、わずか111名。働き方革命の未来はどこにある? – GoTheDistance

クラウドワークスの決算発表では月収20万円以上のユーザーが非常に少なく、やっぱりクラウドソーシングを本業にするのは難しいんだね、ということが示されています。

数年の運営を経て得られた帰結は、「登録ユーザー80万人に対し、月収20万に到達する方は110人程度」でした。110名の90%はITエンジニア/Web制作 or デザイナーで占められており、クラウドソーシング関係なくある程度の収入は確保できる方々です。

クラウドワークスで月収20万超え、わずか111名。働き方革命の未来はどこにある? – GoTheDistance

 

一応、クラウドワークスの決算発表から貼っておきますね。この20万円超えワーカーが増えているとはいえ、111人しかいません。総ユーザー数は80万人近くいるのですが。

クラウドワークス

 

次に見てみるのは、こちらの記事です。

どうしてクラウドソーシングではお金持ちになれないか | More Access! More Fun!

こちらでは、クラウドソーシングのプラットフォーム上では差別化が難しく、単価が低い仕事を受ける人しか集まらない、ということが示されています。

どうしてこんなに稼げないかっていいますと、上のエントリーにも書いた繰り返しになりますが

1 発注者は神というビジネス構造
2 素人の発注者が極安な単価で発注
3 たくさんの競合による食い合い
4 安くてもいいからやるという人の集まり

という、あたかも日雇い労働者が群がる手配師みたいな情景になってしまうからですね。

どうしてクラウドソーシングではお金持ちになれないか | More Access! More Fun!

 

一方で、少し違う角度の主張もあります。

「クラウドワークスで月収20万超え、わずか111名」は嘘だと思う。 | ふくゆきブログ

月収20万円以上稼いでいるユーザーは、もうちょっといるのでは?という主張です。

理由は、ある程度、複雑で高額な案件が進むと、skypeやgoogle docsやgithubで直接つながらざるを得ず、最終的に直取引になるからです。直接相手の銀行口座に払ったほうが、入金も早いし、手数料(5〜20%)もかからない。

「クラウドワークスで月収20万超え、わずか111名」は嘘だと思う。 | ふくゆきブログ

これ、家庭教師などでも以前からある問題ですね。紹介システムで紹介すると、それ以降は直接契約になってしまい、紹介会社やプラットフォーマーが儲かることができない、という問題です。

プラットフォーマーが成立する条件として、幾つかある気がします。

  • 複数の相手との取引がたくさん存在する
  • 単発契約になる

アマゾンや楽天などのECサイトはこの条件に合致しており、たくさんのお店から商品を買いますし、毎回一回の取引が行われます。逆に、健康食品など長期的に購入する商品は、プラットフォーム上で販売するのではなく、自社サイトで販売し囲い込むことが行われています。

転職サイトであるリブセンスは、上記に合致しません(転職は面接等を重ねて決定するので)が、リブセンスはユーザーが転職が決まると「お祝い金」を支払うことで、直接契約を回避する仕組みにしました。これによってリブセンスは確実に転職の事実を把握することができ、直接契約を回避する仕組みを構築することに成功しました。

 

さてさて、これを機にグローバルはどうなっているかとググってみたら、クラウドソーシングの大手だったoDeskとElanceが合併しておりました。

oDesk + Elance連合(現Upwork)の凋落 | Masafumi Otsuka’s Blog

どうやらこちらでも、直接契約を防ぐ措置を強くとったことから、フリーランサーが離れていったのではと書かれています。

人数が減っても質が高ければ問題はありませんが、実際に面接してみるとそんなに変わらない。明らかにFreelancer達のUpwork離れが起きている。面接中、フリーランサー達に事情を聞いてみると、どうやらシステム統合する際、過去雇い主とフリーランサーがoDeskのシステム上で行った全てのメールのやり取りを調査したらしく、サイトを介さないPaypalなど決済サイトを通して支払いを示唆したり、少しでも怪しい行動をしたフリーランサーを一斉に取り締まり、一定の期間アカウントブロックするという行動をとったらしい。

oDesk + Elance連合(現Upwork)の凋落 | Masafumi Otsuka’s Blog

ということで、クラウドソーシングは以下の問題を抱えており、市場の拡大は難しいのではと思うところです。

  • 働き手がプラットフォーム上で差別化することが難しく、高額の仕事をマッチングさせることが困難
  • 複数回・長期契約を行う仕事が多く、直接契約を結ぶインセンティブが大きい(そしてそれを無理やり阻止すると、プラットフォームから人離れが進む)
  • 結果として、単価の低い単純作業のマッチングシステムになっている

以上のような感じでしょうか。プラットフォームの設計というのは難しいものですね。

クラウドソーシングによって、これからはいろんな働き方を実現することができる。フリーランス万歳!という論調もあった気がしますが、クラウドソーシングの限界が見えている気がします。これを解決できれば、逆に大きなチャンスになるのかもしれません。。。。

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「ブラックジャックによろしく」を英語で読む

英語を勉強するのって、結構エネルギーがいるというか、明らかに長期戦なのであの手この手で少しずつ鍛えていく必要があると思ってます。

ということで、「ブラックジャックによろしく」の英語版があるということを知り、試してみました。

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アマゾンにもありますが、iPhoneやGoogle Playに無料で読めるアプリがあるので、そちらで読む方が良いと思います。「ブラックジャックによろしく」は無料で公開されており、二次利用が認められているので、こういう英語訳も無料で存在するわけですね。

ちなみに、なんで「ブラックジャックによろしく」が無料になったのかについては、「漫画貧乏」という本を読むとわかります。漫画業界の実態をよくわかって面白かったです。

劇的に変化し衰退していく業界で奮闘する「漫画貧乏」

 

実際に英語版の「ブラックジャックによろしく」を読んでみると、ストーリーは日本語で何度か読んでいるので知ってますし、それを想定しつつ、英語を読むと「こういう表現なんだー」とか感心しつつ、漫画効果なのか比較的スムーズに読み進められるので、良い感じです。アプリだと、日本語と英語を切り替えつつ読めるので、英語で読んでいて表現が気になったら、日本語に切り替えて確認することもできます。

漫画というのは、いろんなメリットがあると思うんですよね。まず、理解力が非常に高くなる。絵があることで、情報量が増えるので、非常に具体的なイメージを持って読むことができます。

そういうようなことは、ホリエモンも言っていますね。

ホリエモン「漫画はSNSによるコンテンツバブル時代に求められる時短メディア」by マンガHONZ超新作大賞 | らふらく^^ ~ブログで飯を食う~

 

ということで、英語を気軽に勉強してみたい人には、英語で漫画を読むのがおすすめです。

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ツイッターがQ4決算を発表。売上が伸びたけど赤字である理由

Twitterが四半期業績を発表しました。

米ツイッター、1012月期48%増収 利用者数は前四半期比減少  :日本経済新聞

 

Twitterは業績が優れず、株価が下がったり、CEOが交代するなどしていました。

参考:Twitter経営不振でCEO辞任。SNS業界はどうなってる? | Synapse Diary

そして、創業者でもあるジャック・ドーシーがCEOとして正式に就任し、いろいろ改善策を講じているわけですが、今回の業績発表の結果は以下でした。

  • 売上高は前年同期比で48%増
  • 最終損益は赤字
  • 利用者数は前年同期比で減少

売り上げが伸びたのは良い結果なのですが、相変わらず赤字が解消されず、一番ショッキングに受け止められたのは利用者数の減少でしょう。「ついにツイッターの成長は止まったな」と思われたはずです。

なぜツイッターは赤字なのか?

そもそも、ツイッターは何で儲かってる会社なのかといえば、広告がほとんどです。

スクリーンショット 2016-02-12 9.51.51

で、この一年は広告収益を順調に伸ばしてきています。それ自体はプラス要素と言えます。

それでも赤字だということは、費用がそれ以上にかかっているからです。では、費用構造を見てみると、以下のようになっています。

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金額が大きいのは、「Sales and marketing」でいわゆる販促費ですね。次に多いのが「Cost of revenue」で売上原価、「Research and development」で研究開発費です。売上原価には、サーバー費用などサービス運営に必要なコスト、研究開発費はまさにサービス改善・開発の部分でしょう。

黒字化するためには、単純に考えればこれらのコストを削減することになるんでしょうが、簡単い削ってしまうと売り上げ自体が低下したり、従業員のモチベーションが低下する恐れがもあります。

今度はこれらのコストが、それぞれ売上高に対してどの程度の割合になっているのかを見てみましょう。コストには固定費と変動費があり、売り上げが上がるほど下がる傾向があれば、それは固定費と捉えて良いと思います(実際はそんな簡単に判断できないものではありますが)。

image (1)

これで見ると、研究開発費は売り上げの増加に伴い、どんどん割合が低下しています。おそらくほとんどは人件費だと思うので、売り上げが上がってもそのペースほどには増員しないからでしょう。

一方で、売上原価と販促費はほぼ横ばいになっています。売上原価は確かにスケールメリットは効きづらいところかもしれません。ということで、ポイントは販促費になるんじゃないでしょうか。ここが費用割合としても最も大きいですしね。

正直この原因はよくわからないのですが、広告主を見つけることにコストがかかっているということなんでしょうかね。詳しい方がいれば教えていただきたいところです。

なぜツイッターの利用者数が増えないといけないのか?

ツイッターの場合、利用者数が非常に注目されます。今回のツイッターの業績発表資料でも、一番最初にMAU(Monthly Active Users)が掲載されています。

それはなぜかといえば、収益と今後の成長に直結するからです。ツイッターの収益基盤は広告なので、プラットフォームが魅力的で、多くの人がクリックする可能性があることが重要になります。

GoogleやFacebookの広告収益基盤が強固なのは、サービス自体が強力であり、ユーザーの利用数・利用頻度が高いことと、広告ともマッチングの相性が強いためです。

ということで、黒字化できてもいないツイッターが、ここで利用者数がこれ以上成長しない、あるいは減少する兆しがあれば、これ以上稼げないとみられるわけです。

で、実際のツイッターのMAUは以下の通りです。

スクリーンショット 2016-02-12 10.50.12

1年前から比べればちょっと増えてるよ!と示されていますが、ここ最近は明らかに伸び悩んでる数字になっており、サービスの改善による利用者数の増加が急務となっています。

今回の発表で、ジャック・ドーシーCEOは次の5つの取り組みを打ち出しました。

同氏は2016年には次の5つの取り組みに集中すると語った。

  • Twitterの機能向上
  • (Periscopeによる)ライブストリーミング
  • アーティストや著名人向けサービス
  • 安全性(セキュリティおよびいじめや悪用対策)
  • 開発者向けサービス

Twitter、売上高好調もMAUがついに前期から横ばいに 「より使いやすくしていく」とドーシーCEO – ITmedia ニュース

これらによって、ユーザーに対してツイッターというプラットフォームの魅力を回復し、それが利用者数の増加につながり、広告価値の向上につながるのでしょうか。

個人的には、やはり利用者数の増加に改善の兆しが見えていないのは非常に厳しい状況かな、と思います。そういう状況を市場は厳しく見るでしょうし、そうなると株価が下がり、会社としての魅力も低下してしまいます。ストックオプションを持っている人も含めて、エンジニアを引き止めるのが難しくなるのではないでしょうか。踏ん張りどきだと思います。

ツイッターは創業から経営が結構複雑になってしまっており、混迷する時期もありましたが、今のCEOで色々変わっていけるでしょうか。

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ルンバのiRobot社が軍事部門を売却するというので、軍事部門の経営状況を調べて見た

お掃除ロボのルンバはもう有名で、「お掃除ロボといえばルンバ」というぐらい知名度が高いものです。僕もルンバは持っていませんが、お掃除ロボットは持っています。

【買ってよかった】ロボット掃除機は激安でも部屋をきれいにしてくれる | Synapse Diary

この市場を開拓したマーケットリーダーとして、ルンバを製造したiRobot社はすごいですね。そんなiRobotのロボット事業は、軍事部門から始まったことは有名な話です。軍事技術を民間に転用し、新しいマーケットを開拓したわけですね。

そして、そのiRobotが軍事部門を売却するというニュースが流れてきました。

「ルンバ」のiRobotが軍事部門を売却、家庭用ロボットに注力 – MONOist(モノイスト)

今日は、なぜiRobot社が軍事部門を売却するのか?ということを、数字と共に確認しておこうと思います。

iRobot社の3年間の業績を見てみましょう。このグラフを見る限り、業績は非常に好調で、増収増益を続けています。

irobot1

そして、iRobot社の有価証券報告書のセグメント別の業績を見てみましょう。これを見ることで、今回の軍事部門売却の意図を理解できるようになるはずです。

以下は、2014年の有価証券報告書における、セグメント別業績の抜粋です。

irobot2

(出所:iRobot: Financial Reports)

数字をグラフに起こしてみましょう。売上高を見てみると、次のようになります。

irobot3

家庭用ロボットである「Home Robots」は売り上げが堅調に伸びていますが、軍事部門である「Defense & Security Robots」は徐々に売り上げが減少しています。そもそも、売り上げの比率で見ても家庭用ロボットの方が9割を占めており、軍事部門は(相対的に)大して稼げていないということが言えます。

この状況から考えると、軍事部門の売上は少なく、伸び悩んでいることので、民間部門よりリソースの投入に対するリターンが低いことが言えると思います。

冒頭のニュース記事に戻ると、

同社CEO Colin Angle氏は「売却によって、家庭用事業により注力できる環境を作り出せる」とコメントしている。

「ルンバ」のiRobotが軍事部門を売却、家庭用ロボットに注力 – MONOist(モノイスト)

と言っています。売り上げが一時的に1割程度減りますが、民間部門がそれを上回る伸びを示しているので、資源も集中できて効率の向上が期待できるでしょう。

良い経営判断なのではないでしょうか。

(追記あり)ソフトバンクの業績発表からスプリントの経営状況を調べてみた

ソフトバンクの第3四半期の決算発表がありました。その中で、米スプリントの業績回復について、触れられています。

ソフトバンクの孫社長、米スプリント再建「少し早まるかもしれない」 :日本経済新聞

スプリントの業績回復については、孫社長曰く、「コスト削減を中心に、着実に改善している」とのことです。

そもそもスプリントって?

知ってる人は多いと思いますが、ソフトバンクが2013年に買収した、アメリカの携帯電話会社です。アメリカの携帯電話市場は、AT&T、ベライゾン、スプリント、T-Mobileが市場を席巻しておりますが、実態としてはAT&Tとベライゾンが2強状態になっています。

そこで、ソフトバンクがスプリントを買収した後、T-Mobile買収を画策し、2強から3強状態に持っていこうとしました。日本で、イーモバイルやウィルコムを統合しながら、ドコモ・KDDIと並ぶ3強になった戦略と同じですね。しかし、規制当局の反対にあって、この戦略は断念した経緯があります。

ソフトバンクがT-Mobile買収断念、アメリカ進出計画に番狂わせ | BUZZAP!(バザップ!)

ということで、2強に圧倒されながら、単独で生き残りを図っているのが今のスプリントです。

ちなみに、ソフトバンクグループにおける各セグメント別の売上高は、以下のような配分になっています。(FY2015のQ3で示しています。)

sprint1

セグメントの中で、一番大きいですね。利益は出せていないですが、売上としては非常に大きいのが、ソフトバンクにおけるスプリントの位置付けです。

スプリントの売上・利益の推移

ソフトバンクの決算発表から、スプリントの売上と利益の推移をみてみます。(ソフトバンクは、決算データをExcelで公開しており、こういう分析のときに非常にありがたいです。この姿勢が素晴らしいですよね。)

まずは売上高から。(決算データがある2013年のQ2から示してます。)

sprint2

ベースとしては上がってきているのがわかります。劇的な上昇とはいえないかもしれませんが。ただ、契約数はプラスを続けていますし、売上は減少していないのは間違いないですね。

次は営業利益。

sprint3

これみると、季節性の変動要因が大きいんですかね。利益はあまり改善しているように見えません。

一応、設備投資額も見てみました。通信環境の改善もテーマに上がっていたので。

sprint4

FY2013のQ4を除けば、それほど変わっていないように見えますね。

まとめ

スプリントの数字を見てみてみた結果をまとめると、こうなります。

  • 売上高は微増傾向(少なくとも悪化はしていない)
  • 営業利益は改善傾向なし
  • 設備投資は継続(同水準をキープ)

ニュース記事だけではよくわからなかったので、実際に数字を見てみました。

この財務状況から考えると、当面は顧客満足度によってユーザーの流出を防ぎ、逆に増加させる。その一方でコスト削減を行い、継続的に利益を出せる体質にしていくという、ある種ベーシックな展開が続くのでしょう(これを実行するのは非常に大変だと思いますが)。

孫社長は改善の手応えを感じているようなので、今後数字が改善していくのでしょうか。

(追記)

決算発表の書き起こしがありました。こちらに、スプリントの改善状況が詳しく述べられています。

【全文】孫正義氏「スプリントはソフトバンクの稼ぎ頭の1つ」20163月期3四半期決算説明会ログミー

状況としては、「減少続きだった契約数は増加に転じた。その中で、固定費の削減めども作れてきている」ということのようです。

ミクシィが増収増益の業績発表。モンストはどこまで伸びるか?

ミクシィの第3四半期決算が発表されました。相変わらずというか、すごい業績の伸びを示しているようです。

ミクシィ<2121>は、本日(2月5日)、第3四半期累計(2015年4~12月期)の連結を発表し、売上高1502億円(前年同期比120.1%増)、営業利益673億円(同124.9%増)、経常利益669億円(同123.5%増)、最終利益440億円(同130.5%増)だった。

【速報】ミクシィ、第3四半期は営業益124%増の673億円で着地『モンスターストライク』が業績拡大をけん引【追記】 | Social Game Info

一方で、最近ガンホーがパズドラ以降初めて減収減益になったというニュースが流れまして、ミクシィはどうなのかな、と思った次第です。

ガンホー・オンライン・エンターテイメントが2日発表した2015年12月期連結決算は、12年2月の人気ゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の配信開始以来、初めての減収減益となった。ガンホーの“失速”は、急成長を続けてきたスマートフォン向けゲーム市場が転換点を迎えたことを示しているといえそうだ。

ガンホー、パズドラ配信後初の減収減益 スマホゲーム市場は転換点 (SankeiBiz) – Yahoo!ニュース

ということで、モンストは今後まだ伸びるのか?という点と、SNSとしてのmixiはどうなったのか?ということも改めて確認したいと思います。

モンストはどこまで伸びているの?

こちらがミクシィの5年間の売上と営業利益率です。なんか、もうこう示すのも馬鹿らしい感じがするグラフなのですが、2015年だけ突出しています。2014年までは、衰退していくSNS「mixi」の業績が低下していく経営危機でしたが、2013年に発売した「モンスターストライク」が大ヒットして、尋常じゃない回復というか、ほとんど違う会社になりました。

mixi0

決算発表資料から四半期ごとの業績を見てみましょう。これを見ると、四半期という単位ではやや成長が鈍化してきているようです。

mixi1

モンストの利用者数の推移も発表されています。こちらは、国内ユーザーは伸びてはいますが少しずつ鈍化してきており、海外ユーザーを増やしてきているのがわかりますね。

mixi3

これをみると国内利用者数として2500万人は超えています。パズドラが3800万ダウンロードを達成していることから考えると、もう少し伸びる余地はありそうですが、競争が激しい市場環境の中でこれ以上ユーザーを獲得するためには一層広告宣伝費もかかるでしょうし、3DSやアニメなどマルチに展開していくことと、海外展開に力を入れていくのだと思います。

参考:3800DL】パズドラ国内ダウンロード数推移をグラフ化

そもそもゲーム市場は、「当たり」を作るのが難しい一方で、「当たり」のインパクトが非常に大きいと言われています。今はほとんどモンストの一本足打法的な感じになっていますが、それが今後どうなるのか注目です。

SNSとしてのmixiは終わったの?

最新の決算説明資料をみると、SNSとしてのmixiの話は全く登場しません。「メディアプラットフォーム事業」で言及されているのは、「チケットキャンプ」と「ノハナ」です。

で、統計でみてもmixiは厳しい状況になっていることがわかります。以下は総務省の調査になりますが、

mixi4 (出所:総務省|「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表

全年代でみても、mixiはH24からH26にかけて利用率は半分になっています。年代別にみても、10代で3.6%、一番多い20代でみると20.4%です。20%ってまだ結構多いなって思ったのですが、LINEは90.5%ですからね。。。。

総務省の調査ではinstagramとか入っていないので、やや微妙な感じもしますが、LINEが頭ひとつ抜けており、Facebook・Twitterが次点で、それ以外はどんどん利用されなくなっているのがわかります。

ということで、SNSとしてのmixiは、、、、、、ということでしょう。

以上です。

今日はこのへんで。

シャープが鴻海の買収提案を選んだ理由を説明するよ

シャープの資本受け入れについて、台湾企業である鴻海と官民ファンドである産業革新機構によって、激しい争奪戦が行われていましたが、ニュースによると鴻海が優先交渉権を獲得したようです。

経営不振に陥っている「シャープ」に買収を提案した、台湾の大手電子機器メーカー「ホンハイ精密工業」の経営トップ、郭台銘会長が5日、大阪市のシャープ本社を訪れ、高橋興三社長ら経営陣と会談しました。会談のあと郭会長は記者団に対し、「優先で交渉できる権利にサインした」と述べ、シャープ側から優先交渉権を得たことを明らかにしました。

ホンハイ会長 シャープとの優先交渉権獲得 NHKニュース

 

これについて、改めて「シャープはなんで今、資本受入をしなきゃいけないの?」という点と、「鴻海・産業革新機構と比べて、なんで鴻海なの?」という点を考えてみたいと思います。

シャープはなんで今、資本受入をしなきゃいけないの?

早速、シャープの財務状況を見てみましょう。以下が、5年間の売上高と営業利益率です。売上が伸び悩んでおり、5年間のうち3年は赤字になっていることがわかります。

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企業というのは、赤字だからすぐに倒産するわけじゃありません。借金を払えなくなったら終わりです。家計でいえば、収入がなくなっても、貯金を取り崩したり、他から借金すれば破算は免れます。

というわけで、会社でいう貯金にあたる「純資産」がどうなっているかを見てみると、

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こんな感じで、2011年には1兆円あった純資産が、2015年には400億円まで減っています。赤字になったときに、連動して減少しているのがわかりますね。徐々に貯金を取り崩していったわけです。そして、最新の2015年では、当期純利益で2000億円超の赤字になっており、純資産では赤字を補填できなくなっている状況であることがわかります。

ちなみに、これらの数字は連結決算になっていますが、シャープ単体では債務超過(=純資産がマイナス)になっている状態でした。連結ベースで債務超過が1年以上続くと、上場廃止にもなります。(参考:上場廃止基準 | 日本取引所グループ

 

というわけで資本注入によって純資産を増やさないと、赤字体質を解消するまでの時間も耐えられません。では「借金すれば時間を稼げるのでは?」となりますが、既に主力行からの融資を受けており、借り換えだけでも結構大変な状況であることが伺えます。

2行は平成24年9月、経営危機に陥ったシャープの運転資金として3600億円の協調融資契約を締結。また、25年9月に償還期限を迎えていた社債2000億円の返済原資として、25年6月には1500億円の追加融資を行っていた。いずれも返済期限は28年3月に設定されている。 しかし、シャープは液晶事業の不振により27年3月期に大幅赤字に転落。新たに中期経営計画を策定し、今年6月には2000億円の資本支援を受けるなど厳しい資金繰りが続いている。

シャープ、主力行が融資延長へ 不振の「液晶事業」分社が条件産経WEST

この状況では、違うところから融資を引き出さないと、シャープとしては結構危険な領域になっているのです。そこで改めて登場してきたのが、鴻海と産業革新機構というわけです。

鴻海・産業革新機構と比べて、なんで鴻海なの?

シャープへの融資として、鴻海と産業革新機構の両者が支援策を提案していました。いくつか条件はありますし、シャープ経営陣の決定要因はもう少し複雑だとは思いますが、シンプルに財務面から考えると、鴻海が有利です。

  • 鴻海の方が出資額が大きい(鴻海:7000億円、産業革新機構:3000億円)
  • 鴻海は銀行の債権放棄はなし(産業革新機構は銀行に債権放棄を求めていた)

それ以外で細かい条件はあるのかもしれませんが、シャープの切り離しなどはなくなったようですし、今は置いておきましょう。

全然別の観点として、シャープとしては鴻海と産業革新機構が競ってくれたおかげで、良い交渉条件を引き出せたんじゃないでしょうか。個人的には勝手にそう想像しています。

だって、最初は主力銀行も産業革新機構も、液晶事業だけ分社化するつもりだったんですから。

不振の液晶事業の本体からの切り離しを必須条件とし、液晶新会社設立に伴う株式などの売却益を借金返済に充てる考えだ。

シャープ、主力行が融資延長へ 不振の「液晶事業」分社が条件産経WEST

官民ファンドの産業革新機構はもともとは液晶ディスプレイ事業の再編に強い価値を感じており、傘下であるジャパンディスプレイ(JDI)にシャープの液晶ディスプレイ事業を合流させることを考えていたとされる。一方で、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電事業についても、東芝など他の日本企業と合流させようとしていたという。

揺れるシャープ再建、ホンハイか産業革新機構か、決め手は「液晶以外」 (MONOist) – Yahoo!ニュース

というわけで、両者が競うことでそれぞれが好条件を提示し、最終的に今回の鴻海の優先交渉権につながったんじゃないかと思います。それだけシャープがまだまだポテンシャルある、という証明でもあるわけですが。

ということで、まだ優先交渉権が決まっただけなので、シャープが再建できるかはこれからです。

 

全然関係ないですが、先日「1998年の宇多田ヒカル」という本を読みました。あまりに面白くて、2時間ぐらいで一気読みしましたよ。タイトルは宇多田ヒカルだけですが、それ以外に椎名林檎、aikoという1998年デビューの3人が、なぜ今も活躍しているのか、というところが考察されています。J-Popの歴史に興味がある方は、おすすめです。

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【書評】物欲なき世界

「最近の若者は車を買わない」とか「物欲がなくなってる」と言われていたりします。また、かの有名な大前研一氏は、「今の日本は「低欲望社会」だ」と言っています。

私が考える日本経済の現状と問題点は、「低欲望社会」ということに尽きる。 日本は個人金融資産1600兆円、企業内部留保320兆円を抱えているが、それらがまるで使われていない。歴史的な低金利でも借金をしようとしない。「フラット35」が1%に接近しても借金して家を建てよう、という人はいない。このような国は世界中にない。普通は金利が5%を下回ってくれば借金して家を建てようとするし、金利が上がれば貯金をしよう、とする。 ところが、金利がほとんどつかなくても貯金は増えており、銀行の貸し出しは減っているのだ。

ピケティの主張は的外れ、日本経済の問題は「低欲望社会」に尽きる(6/6) | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉:日経BPオールジャンルまとめ読みサイト

 

そういう経済状況は、確実に顕在化してきている感覚がありますが、実際に今後の経済がどうなっているのか、この本を読んで考えてみましょう。

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この本を読む前は、最近注目されている「シェアリングエコノミー」が中心の本だと思っていましたが、内容はもっと壮大なものでした。

 

僕らの物欲は衰退したのか?

どうやら、経済が成長し成熟してきたことで、身の回りにモノがあふれるようになり、「どうしてもこれが欲しい」という欲望が薄れてしまったようです。それによって、価値観の変化が起こっているというのが、今の消費の姿なんじゃないでしょうか。

例えば、ファッション・ビジネスについてこのような記載があります。

「ファッションビジネスにおいてライフスタイル提案が注目されてきた背景には、ひとつは日本が発展途上から欧米型の成熟社会になり、価値観として、所有の価値から使用の価値を求めるようになったという点だ。発展期にはモノが欲しかったが、モノをもっているだけでなくどう楽しむか、質の良い生活への欲求、例えば海外の都市生活へのあこがれ、都市と郊外でのダブルライフに対する欲求などが使用の価値につながっていると思う。  ふたつ目にリアル店舗の役割の変化とオーバーストア。ネット通販が台頭し、目的買いで強さを出し、リアル店舗もプラスアルファが必要になった。さらにこの一〇年でアパレルの市場が約一兆円縮小したのに対して売り場面積は三〇%増えた。体験し、過ごし、発見する場所といった機能が必要になったのではないか」

 

「所有の価値」から「使用の価値」へ、という転換は、なるほどという感じがします。所有すること自体はどちらでも良くて、モノを使用することで、どう生活が豊かになるか。それが重要になってきているということでしょう。

シェアリングエコノミーとして、車や家を若者は買わないと言われていますが、それも「所有欲」が薄くなり、ある意味経済合理的な選択をしているのかもしれません。

僕としては、この言葉にハッとさせられました。

欲しいモノがあまりない世界というのは、何を目標とすればいいのか。その世界では何が幸福と見なされるのか。実は消費と幸福は無理矢理結びつけられていたのではないか

これからの経済はどうなっていくのか

この本のすごいところは、今後の経済がどう変化していくのかを丁寧に考察しているところです。特に、経済成長を求めること自体に対するアンチテーゼは、非常に思考を刺激されます。

デイリーもここ日本の停滞ぶりに関して、逆にポジティヴな見方をする。日本は成長の限界に適応しており、この低成長状態は成長経済の失敗なのではなく、定常経済の成功と見なせるのではと。「日本は成長の限界にうまく適応することに関して、世界の先頭に立っているのです」。  水野氏も同じような見解を示す。「難しい転換期において日本は新しいシステムを生み出すポテンシャルという点で、世界のなかでもっとも優位な立場にあると私は考えています。その理由は、逆説的に聞こえるかもしれませんが、先進国のなかでもっとも早く資本主義の限界に突き当たっているのが、日本だからです」

 

日本を始めとする先進国では経済成長を実現するのが難しくなっており、低成長時代を迎えています。トマ・ピケティは、資本主義は格差を拡大させるシステムであることと説きましたが、それは低成長の中で収益性を高める場合は、資本を持つ人に有利に働き、持つ者と持たざる者との格差が拡大していく、ということです。

そうなると、今と同じような経済システムが永続的に続くわけはなく、今後は変化していくのでしょう。そして、お金に変わる資本が「信頼」になると言われています。

お金はますますモノから離れ、情報になり、そして信頼の証になる。そうなると、これからの「お金持ち」は「信頼を多く得ている人」ということになる。さらにビットコインやポイントのやりとりのように、既存のお金に換金せずに、信頼と信頼をネットワーク上でやりとりすることで、豊かな交易が出来る。そうなると、国や中央銀行が発行する通貨の経済と、個人と個人、団体と団体で価値を認め合い交易する信用の経済の二本立てで私たちは生きていくようになるのではないだろうか。

信用を蓄積することで、お金の代わりとしてやりとりできるようになる。なんか、夢物語のような感じがしますが、ビットコインや電子マネーによって、中央統制による貨幣が相対的に存在感を低下させているのは間違いなさそうです。

「信頼が新しい通貨になる」という考え方については、このTEDの動画がわかりやすいです。

信頼がより重視されることで、今後はこういう価値観がもっと台頭してくるでしょう。

これからはモノの消費から時間の消費へという説を紹介したが、物欲が減ってくると人々はモノよりもサービスやアクションを欲するようになる。さらにお金が信頼の情報となりつつあるなかで、お金でモノを買うことに幸福感を見出すよりも、信頼でサービスやアクションを買う/共有することに幸福感を見出すようになるはずだ。

今の消費に対する価値観や、世界を含めた経済動向、今後はどういう経済システムになっていくかを考える上で、非常にうまくまとめられていて、そういう経済状況を理解したい人にオススメです。

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それにしても、最近は「資本主義に代わり、これまでの経済ルールが変わる」と述べている本が増えてる感じがしますね。

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居酒屋業界の現状の課題と今後の動向を調べてみた

このブログでたびたびワタミのことを取り上げてきました。

損保ジャパンがワタミの介護事業を買収する理由

ワタミの居酒屋戦略が発表。業績の復活なるか

ワタミは最近、新たに出資を受け入れ、業態転換を図るようです。

ワタミが保有する自社の発行済み株式約10%のうち、数%程度を売却する見通し。神明ホールディングは回転ずしチェーンの元気寿司を傘下に持っており、ワタミの事業立て直しにノウハウを生かす。

ワタミに神明HDが出資へ コメ卸大手、傘下に元気寿司:朝日新聞デジタル

 

ワタミはいろんな意味で象徴的存在なので注目されていると思うわけですが、そもそも居酒屋業界全体がどうなっているのか?というところを見ておきたいと思います。

外食産業全体の動向

まずは外食産業全体の市場規模を確認します。

外食産業市場規模の推移
(出所:公益財団法人 食の安全・安心財団 外食産業規模推計値

 

外食産業全体でみれば、長期的には平成9年頃のピークから低下しているものの、直近は下げ止まり、回復傾向にあることがわかります。

次に居酒屋業界の動向をみたいわけですが、統計資料がちょっとわかりづらくなっています。

同じ統計資料の中に、食べ物主体(給食主体)と食べ物・飲み物両方が主体(料飲主体)とに分かれていますので、料飲主体部門だけの市場規模をみてみたいと思います。ちなみに「料飲主体」には、喫茶店、居酒屋・ビアホール、料亭、バーなどが挙げられています。

料飲主体部門の市場規模の推移

 

上の外食産業全体のグラフと見比べて欲しいのですが、明らかに下がり幅がこちらの方が大きいんですよね。みんな酒なんか飲まなくなってるんでしょうか?

もうひとつ統計データを見てみましょう。外食産業の中で、ファミレス・ファーストフード・居酒屋の業態が、どのような売上状況になっているかを見てみます。日本フードサービス協会に、前年同期比として売上高の推移がありますので、その数字を拾いました。

外食産業の売上高前年同月比
(出所:一般社団法人日本フードサービス協会

 

これを見ると、ファミレスは好調、ファーストフードは盛り返し、居酒屋は前年割れの不調という状況がわかります。

居酒屋業界の競争環境

次に居酒屋業界のプレイヤーを確認します。以下は、主要な会社の売上高を並べたものです。データは「会社四季報業界地図2016年版」から引用しました。

居酒屋業界の企業売上高
(出所:会社四季報業界地図2016年版

 

こうやってみると、ワタミは業界3位です。

また、各企業の営業利益率の推移も見てみます。モンテローザは業界としては1位ですが、上場していないので未掲載で、ワタミは他の業態も含んでいるので注意が必要ですが、

居酒屋業界の営業利益率の推移

 

それでもワタミの利益率がすごい落ち込んでいるのがわかります。

市場が縮小していく中で、競争が激しくなっており、他にも様々な異業種が乗り込んできています。業界の動向を象徴する、ホリエモンの発言を記事にしたものがあったので引用しておきます。

コンビニエンスストアが、自炊をしない、主に単身層のマーケットに力を入れていることが大きな理由だろう。さらに激安ファミレスでのファミレス飲みが流行っているのも、理由の一つにあげられる。コンビニは、全国にチェーン展開をして、大手の資本力でメニュー開発も大規模に資本を投下して行うことができる。もちろん和民も大手だが規模が違う。さらに激安のファミレスも居酒屋チェーンに比べると値段が安い。コンビニで売られているようなレベルの値段で、お酒を頼めばまるで居酒屋のように楽しむことが可能だ。

ホリエモン「寿命を迎えつつある居酒屋とは」〈週刊朝日〉|dot.ドット朝日新聞出版

 

コンビニやファミレス、ファーストフードが競合として市場に参入していることが、居酒屋業界の競争を激しくしています。鳥貴族など専門店は勢いがありますが、「総合居酒屋」は特徴を出しづらくなっているのが、総合スーパーの衰退とつながる感じです。

今後の居酒屋業界はどうなるのか

そんな中で、こんなツイートがありました。

元記事をみると、確かにこう述べられています。

「地方と都市部との位置づけも違います。東京のど真ん中では、(幅広いメニューをそろえた)総合居酒屋の時代は終わったと思っている。でも、地方では総合居酒屋が必要な地域はいっぱいある。そうしたところでは、和民だから行く、という声をたくさん聞く。だから、全体の数字というよりも個々の事実を確認しながら、個々に対策を打つべきだと思っています。きめ細かいマーケティングができるかできないかが、これからの勝負だと思います」

ワタミ渡辺氏「私は戻らない。つぶれるなら別だが」  :日本経済新聞

 

東京では既に総合居酒屋という業態は役目を終えており、地方はまだあるということでしょうか。飲食店は常に業態を変えて、時代のニーズに合わせた業態を開発していく必要があります。今は専門店の方が受け入れやすい流れがあり、総合居酒屋の低価格路線は終わったということでしょう。

まとめ

  • 居酒屋業界という市場は、全体的に縮小傾向にある
  • コンビニやファーストフードなどの異業種が競合になっており、競争環境は激化している
  • 市場のニーズが変わってきており、きめ細かいマーケティングと新しい業態開発が必要

 

今日はこのへんで。

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1万円で買える。簡単に自宅で挽きたてコーヒーが飲めるメーカー「siroca crossline」

コーヒー好きな方に朗報です。

1日に少なくとも1杯はコーヒーを飲むのですが、以前から気になっていたコーヒーメーカーを買いました。

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で、使って数日が経ったのですが、本当素晴らしいですね。これ。

  • 家で挽きたてのコーヒーを飲みたい
  • できるだけ飲むための手間は少なくしたい

という人には、すごいオススメです。ちなみに、今まさにコーヒーを飲みながらこの記事を書いてます。

 

コーヒーはやっぱり挽きたてが良い

コーヒーは挽きたてが美味しい、ということがよく言われますが、挽きたてとそうでないものとでは何が違うのでしょうか。

それは味や香りの劣化です。

コーヒー豆は、挽くと酸化が進行し、味も酸味を帯びてしまいます。香りも劣化します。喫茶店やカフェに行けばわかりますが、すごいコーヒーの香りが強くしますよね。それは、コーヒー豆をそこで挽いているからです。

このマシンを買って何が一番嬉しかったって、コーヒーの挽きたての香りを家で感じられることですね。朝起きて、家の中で良いコーヒーの香りがあるというのは、何とも言えない至福の時です。

最初は、この後書くような、手軽に美味しいコーヒーが飲める、コスパも良い、というところを期待していたのですが、それ以上に、コーヒー豆を取り出す、コーヒー豆を挽く、その過程で感じるコーヒーの香りが、テンションを上げてくれるのです。

 

ボタンひとつで豆からコーヒーを抽出できるお手軽さ

このマシンの良いところは、お手軽にコーヒーを淹れることができる点です。

  • コーヒー豆をいれる
  • 水を入れる
  • スイッチを押す

この3ステップだけで、挽きたてのコーヒーを飲むことができます。すごい簡単。コーヒーは好きなのですが、手間もかけたくない僕としては、非常に良いマシンです。

手動のミルなどもあって価格も安いですが、

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手間がかかるので、忙しい平日の朝に飲む気がしません。。。。

 

コスパがいい

全自動のコーヒーメーカーというのは、以前からあるのです。パナソニック製が有名なのですが、

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価格が2万程度と、ちょっと高いんですよね。試しに買ってみたいと思う初心者には二の足を踏むんじゃないでしょうか。それに比べると、siroca crosslineは1万円程度と非常にお手頃です。また、大きさもとてもコンパクトですし、デザインもシンプルでスッキリしてます。

あと、コーヒー豆そのものがコスパが良いです。まだたくさん飲んだわけではありませんが、コーヒー豆は1杯あたり10g程度と言われており、スタバで一番安いものだと250gで1000円ぐらいなので、1杯あたり40円ぐらいで飲める計算です。

なので、コーヒーをたくさん飲む人なら、コーヒー豆のまま買って挽いて飲んだ方がお買い得です。

 

ここはちょっと・・・

べた褒めすぎるのもなんなので、ちょっとと思うところを。

簡単といっても、インスタントに比べれば洗うものは増えます。インスタントの場合、ドリップして捨てたら終わりなので。

あと、数十回のうちの2回ぐらいですが、うまくドリップされない時もありました。これは、ドリップするところにコーヒー豆のカスが詰まってしまうことが原因でした。まあ、どうしてもコーヒー豆を挽いて使うものなので、時々はこういうことも起こるのは仕方ないのかもしれません。

それ以外は、特に不満はありません。

 

コーヒー豆は、キャニスターで保存すると劣化しにくいと言われています。そのため、無印の保存ビンを買いました。こういうピタッと蓋が閉まるのが良いと思います。コーヒー豆250gは、1Lタイプで十分入りました。500mlタイプだったら入らないかもしれません。

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というわけで、siroca crosslineの全自動コーヒーメーカー。コーヒー好きの方は、ぜひお試しあれ。

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