「良い戦略」とはどういうものか?

メルカリの山田進太郎さんが、本書を勧めていたのをみて、

ほとんど理解されていない「良い戦略、悪い戦略」 – suadd blog

「今の自分が置かれている状況から、どう戦略を立てるか」を改めて考えてみようと思い、この本を読みました。

読んでみて、めっちゃ刺激的で戦略に対する様々なヒントをもらうことができました。

「戦略」という言葉はいろんな場面で聞きますが、本当に意味のある戦略を作るのは、とても難しいなと日々思います。形として定義しても、「それ本当に意味あるんだっけ」とか「相手に勝てるものなんだっけ」という内容のものもたくさん見かけます。自分で作ろうにも、結構迷子になって散々考えた挙句、「良いものを作る」的な当たり前な内容になってしまうことも・・・。

本書では、戦略に対する考え方が、事例を交えてたくさん出てきます。例えば、こういう表現がたくさん出てきて、ビシバシやられる感じです。

悪い戦略とは、戦略が何も立てられていないという意味ではなく、また失敗した戦略を意味するのでもない。悪い戦略では、目標が多すぎる一方で、行動に結びつく方針が少なすぎるか、まったくないのである。多くの人が戦略というものを誤解している。

 

一方で処方箋はとてもオーソドックスというか、当たり前だと思うところなんですよね。

悪い戦略がはびこるのは、分析や論理や選択を一切行わずに、言わば地に足の着いていない状態で戦略をこしらえ上げようとするからである。その背後には、面倒な作業はやらずに済ませたい、調査や分析などしなくても戦略は立てられるという安易な願望がある。つまり悪い戦略は、良い戦略を練り上げるためのハードワークを自ら避けた結果なのである。

 

安易な飛び道具的なものはやはり世の中にはなく、地道に汗をかきながら、考え尽くせということです。

分析し、競合と非対称でかつ決定的に重要なポイントを見出し、そこにフォーカスする。言葉は簡単ですが、やるのはとても難しいのです。

それ以外にも、様々なヒントが書かれているので、戦略について考えるならとても参考になると思います。

「ロジスティクス4.0」で物流業界の課題と未来を勉強する

物流業界の構造やトレンドを知りたくて、この本を読みました。

自分が不勉強だっただけなのですが、想像以上に変革が起こっており、とても勉強になりました。今の課題やロジスティクス4.0の内容を知るには良い一冊だと思います。

物流業界の課題

物流業界の課題はどういうものがあるでしょうか?本書を読めばわかるのですが、こちらの記事に簡潔にまとまっているので、拝借します。

・ドライバーの高齢化と労働環境
・物流業界各社の過剰サービス
・積載率減少による効率悪化

物流業界の現状と課題 – AIは物流を救えるか? | SmartDrive Magazine

 

ヤマトの値上げが行われたのも記憶に新しいところですが、このような問題を抱えている業界が、どのように進もうとしているのかを読み解くのが本書です。

 

装置産業化していく物流業界

課題解決のポイントは2つ示されています。

1つには、属人的なノウハウです。人の介在を必要とするプロセスが減少するということは、今までノウハウとされてきたことが形式知化し、機械やシステムに置き換わっていくことを意味します。

 

ICTやロボットなど、いろんな領域で機械化・効率化が進められてきていますが、それでもまだ人への依存が多く残されています。そこで生じてしまう属人的なノウハウを、どう形式知化し、現場への実装に落とし込んでいくかが重要なポイントです。

物流倉庫内の動線など作業効率を分析するAIソリューションも登場してきています。

ニューラルポケット、三菱地所グループ初となる、物流施設内での作業効率・動線のAI可視化ソリューションの提供を開始|ニューラルポケット株式会社のプレスリリース

勘と経験に依存していた部分を、定量化しながら改善していく流れが生まれています。

逆に、Amazonはロボットを活用して、ロボットが棚自体を移動させてくれるので、人は移動せずにピッキングだけするという方法を、数年前から導入しています。

アマゾンの物流倉庫、商品を運ぶロボットを国内初導入:日経クロストレンド

それ以外にも、いろいろと属人的な作業はあることでしょう。AIやロボットを組み合わせて活用することで、そのような属人的な領域はどんどん減っていくと本書では書いています。

 

もう1つは、属社的な仕組みです。物流がインフラ的機能になるということは、特定の企業・個人が占有するのではなく、広く共用される存在に変わることを意味します。「経済合理性を優先するなら、自社ならではの物流にこだわるよりも、他社も利用している仕組みに適合した方がよい」という領域が増えていくはずです。

 

物流業界は、サプライチェーン全体の最適化という方向性が生まれています。内閣府が進めるスマート物流でも、「物流・商流データプラットフォームの開発」が取り上げられているなど、個社ごとの努力というよりは、業界横断的な取り組みが加速しているのがわかります。

スマート物流を実現するための3つの視点 | IoT NEWS

 

SIPの研究計画によると、日用消費財、ドラッグストア・コンビニ、医薬品、地域物流などフォーカスを絞ったプラットフォームを構築する想定のようです。

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)スマート物流サービス 研究開発計画

 

それ以外にも、トランコムが荷主と運送業者をマッチングするプラットフォームを構築するなど、新しいマッチングプラットフォームができています。

輸送マッチング・配送サービス | トランコム株式会社

 

こうやってみると、どんどん設備投資の割合が今後も大きくなっていき、人が直接作業する領域は徐々に減っていくのでしょう。そのスピードがどうなるかは技術進化などにもよるかもしれませんが、競争優位性として人を効率的にマネージする部分が減り、新しい技術を効果的に取り入れていく点が優位を構築するのだな、と思いました。

Sociery5.0やスマートシティなど、未来の都市を考察する本5冊

最近、いくつかまちづくり系の本を読んだので、まとめておきます。地方創生、スーパーシティなどの動きもありますし、改めて考えるきっかけになれば幸いです。

 

シン・ニホン

先日読んだシン・ニホンでも、開疎化など、新しいまちの在り方が考察されていました。安宅さんがそのような考えを持っていたことに少し驚きましたが、コロナウィルスの影響もあり、都市に集結して住むということは、これからの時代は再考の余地があると思います。

「シン・ニホン」を読んで日本の現状と未来を考える

 

 

リビングシフト

面白法人カヤックの、これからの住む場所の選び方が書かれた本です。COVID-19の影響もあり、人が集まる都市である必要がないのでは?という可能性も考えていましたが、この本を読んで、様々な人が流動的に住む場所を選ぶ可能性が示唆されていて、刺激を受けました。

関係人口という言葉もこの本で知りましたし、地域通貨にブロックチェーンを使った取り組みも、とても興味深かったです。

 

都市5.0

こちらは、まさにスマートシティ的な本です。都市の歴史的な変遷を捉えつつ、これからの街が、IoTやAIなどの新しいテクノロジーを活用しながら、どう進むのかが描かれています。

これからは個人の都市である、というのが印象に残りました。個人へのきめ細かい快適性を、テクノロジーが提供する将来です。

個人の都市というのを提唱した黒川紀章の偉大さも感じます。黒川紀章、すごい。

 

Society 5.0

日本発祥のSociety 5.0について、具体的に書かれた本。持続可能性と個人の快適さの両立というのがコンセプトとして示されていて、都市5.0と共通するなと思いました。

ここがまさに、これからのまちづくりの根幹となるコンセプトかなと。

 

人口減少社会のデザイン

人口減少していく地方都市は、これからのどういうまちづくりの設計をしていくべきか、を書いた本です。

死生観まで変わっていく、というのが個人的にはとても新鮮でした。でも確かに、たくさんの方が亡くなっていく中で、健康寿命やフレイルなどが注目されてきており、新しい価値観がもっと進む可能性もあると思いました。

 

ということで、いろいろなまちづくりの本を読みましたが、これからの人口減少社会で、テクノロジーの導入が進み、新しい社会が作られていく予感と必要性を多く感じました。地方に住む自分としては、東京以外でも心身豊かになれる世界が訪れる可能性を感じて、少し嬉しくなりました。

Pythonで簡単に使えるAutoML「PyCaret」で機械学習をクイックに試す

AutoMLでまたひとつ便利なものが増えていました。PyCaretというのが最近話題になっていたので、試してみました。

Home – PyCaret

分類、回帰、クラスタリング、異常検知、自然言語処理、関連性探索ができます。

データ登録

データの前処理としては、One-Hot Encodingなど、基本的なことは勝手にやってくれるようです。ただ、特徴量自体を抽出したり、組み合わせるなどは、どこまで細かくやってるかはもう少し使ってみないとわからないです。恐らく細かい特徴量エンジニアリングをするなら、自分で前処理する必要があると思います。クイックに試すなら、超簡単です。

PyCaretでは、様々なデータも取得することが可能です。今回はワインの赤白を分類する例で、試してみました。

[python]
from pycaret.datasets import get_data
dataset = get_data(‘wine’)
[/python]

 

データをPyCaretに登録します。

[python]
from pycaret.classification import *
exp_clf101 = setup(data = data, target = ‘type’, session_id=123)
[/python]

 

これで終わり。ただ、Enterを押さないと処理が完了しないので、それだけ注意。

もう少し細かい設定もできます。具体的な内容は、こちらの記事が詳しく書かれています。

PyCaretでできる前処理について調べてみた – Qiita

 

モデルの比較

様々なアルゴリズムで学習させたモデルの比較はこれだけ。こちらも超簡単。これだけで、対応しているアルゴリズムが一斉に検証されます。

[python]
compare_models()
[/python]

 

特定のアルゴリズムで検証したい場合はこちら。

[python]
lightgbm = create_model(‘lightgbm’)
[/python]

 

モデルの精度改善

グリッドサーチでハイパーパラメータのチューニングをやってくれるようです。ターゲットとする精度指標をオプションで指定することも可能です。

[python]
tuned_lightgbm = tune_model(‘lightgbm’)
[/python]

モデルの可視化

可視化も簡単にできます。一括に出すならこちら。

[python]
evaluate_model(tuned_lightgbm)
[/python]

 

Confusion Matrix、AUC、Feature Importanceなどを選択すると、それぞれが表示されます。

他にもモデルをアンサンブルさせることもできますし、クイックにモデル検証や精度改善もできそうです。それ以外にも、予測・クラスタリングなどもできます。用途も結構ありそうですね。

自分みたいな俄かには、こういうAutoMLは勉強にもなりますし、細かな処理に煩わされることもないので、ありがたい限りです。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ(2020年版)

去年に書いた、AI活用のための本も、一年経ったのでアップデートしようと思います。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ

 

ビジネスサイド向け

ディープラーニング G検定テキスト

昨年に引き続きこちら。機械学習やディープラーニングを理解する上で必要な知識が、体系的にまとまっていると思います。ボリュームはそれなりにありますが、いろんな知識を習得するには良いでしょう。

試験自体も受験者数が増えており、いろんな企業や個人で活用されている機会が増えているようです。

 

投資対効果を最大化する AI導入7つのルール

Aidemyが出した、AIのプランニングに重点を置いた一冊です。PoC開発をやって失敗する事例が山ほどあるAI業界ですが、どうやったらそういうものを回避できたり役に立つAIを作れるのか、様々ポイントが示されています。

投資対効果をちゃんと考えたプランニングをしたいと言う方にはお勧めです。

 

失敗しない データ分析・AIのビジネス導入: プロジェクト進行から組織づくりまで

去年に引き続き、相変わらずこちらが、AIプロジェクトを本格的に立ち上げる際には、とても参考になる良い本だと思ってます。

 

AI活用事例

AI活用地図

事例を幅広く集めるなら、この1冊があれば充分なのではないかと言っています。それぐらい、業界別に幅広い活用事例が掲載されています。しかも、技術的な難易度と合わせて。

ただし、AIの世界はスピードが速いので、新しい事例に関しては個別にネットなどで探索した方が良いでしょう。

 

ディープラーニング実践編

去年は「ディープラーニング活用の教科書」 を取り上げていたのですが、新たに「実践編」が出ました。その名の通り、実例が詳しく書かれているのが本書の特徴です。業務の適用領域や技術内容の説明もあるので、具体的に知りたい人には良いと思います。

 

技術にも触れてみる

Udemy

実際に開発もしてみましょう。開発すると、どのような原理で動いているのか、実際に理解できるようになります。

特にAIに関してはライブラリも豊富で、なければいけないコースを比較的少ないので、そんなに負担なく試すことができます。

 

Pythonで機械学習:scikit-learnで学ぶ識別入門

【Kaggleで学ぼう】PythonとKerasで学ぶディープラーニング開発入門

 

Machine Learning実践の極意 機械学習システム構築の勘所をつかむ!

こちらは、具体的なデータ分析の進め方を確認しながら、自分で手を動かしてみることができます。データの前処理、特徴量エンジニアリングなど、具体的な作業を知ることができるでしょう。

 

その他

シン・ニホン

今世界において気になっているのか、その中でAIの技術がどういう位置づけになってるのかが示されている本です。

AIを学ぶ重要性を理解できると思います。

「シン・ニホン」を読んで日本の現状と未来を考える

 

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AIという技術が、教育や人間の役割とどう関係するのか、よくわかる本です。発売されてから時間が経ってきていますが、それでも色あせない本質がありますね。

 

ということで、今年も勉強しましょう。AIが普及しますように。

「ブリッツスケーリング」を読んで急成長するベンチャーに必要なことを学ぶ

ベンチャーが成長する方法は、リーン・スタートアップなどいくつかありました。

不確実性の高い現代で、リーンスタートアップをなぜ学ぶべきか

今回読んだ「ブリッツスケーリング」は、急激な成長を実現するための手法であり、特に成長のスピードとスケールに注目した本です。

GoogleやFacebookなど、急成長した企業が、それ以外の企業とどう違い、急激な成長を実現できたのかを紐解いています。著者はリンクトインの創業者で、ベンチャーの成長を実現してきた人です。

ちなみに、「ブリッツスケーリング」という言葉は、ドイツ軍でブリッツクリークという電撃的な速攻を行う軍事用語があり、そこから著者が採用したそうです。

驚異的に成長する企業はなぜブリッツスケーリングを行うのか?

本書のテーマは「電撃的な成長」の手法です。取り上げられている事例としての企業は、Amazon、Google、Facebook、LinkedIn、AirBnBなどで、まさに驚異的なスピードで成長してきた企業です。

こういう成長はどうやったら実現できるのか、というのをまとめているんですよね。「こういう企業はそんなにたくさんいるわけじゃないし、いろいろ偶然の要素もあるんだろう」という感じを持ってたりしたのですが、それでも本書のようにエッセンスがまとめられると、ビジネスを大きくする要素のヒントをたくさん感じました。

特に重要なのは、「不確実性が高い時代」に合ったアプローチである、ということです。言わずもがなですが、今は非常に速いスピードで変化しており、先読みが難しくなっていたり、ビジネスが陳腐化してしまうリスクが常につきまとう時代です。

そうなると、スピードが非常に重要になってきて、競合に負けず優位的な立場を作るのが「ブリッツスケーリング」というわけです。

 

ブリッツスケーリングって何?

驚異的なスピードを実現するためには、大きなリスクが伴います。市場環境にフィットさせていくこと、尋常じゃない速度で増える人たちを管理していく組織設計など、様々なひずみを持ちながら、その中で成長を実現していく必要があるわけです。

会社がブリッツスケーリングしているとき、リーダーはたとえ確信の度合いが100パーセントにはるかに届かない場合でも、とにかく決断を下し、断固としてその決断を守りぬくべきだ。ライバルに先駆けて動くためなら、間違った決断をして、その結果、大損害を被るリスクを受け入れねばならない。性急な決断が失敗となり、直接、間接に大きなコストが生じるリスクがあっても、決断が遅れることによるリスクのほうがはるかに大きい。

 

そのため、本書のテーマを大きく分けるとすれば、「ビジネスモデル」と「組織戦略」です。驚異的な成長を実現するためには、マーケットを創造する素晴らしいビジネスモデルが必要であると同時に、膨大に膨れ上がる人的リソースを、組織をたくみに変化させながらコントロールしていくことが要点です。

組織の変化という意味では、この記述をみると大変さが少しイメージできるのではないでしょうか。

ブリッツスケーリングを実行する企業がまず直面するのは、人材獲得という課題だ。社員数が毎年3倍になることは珍しくない。このため普通の成長企業とは根本的に異なるアプローチが必要になる。成長が年間 15 パーセントなら完璧にフィットする人材を発見し、企業文化を確立する余裕があるだろう。この後に詳しく説明したいが、ブリッツスケーリング中の企業は数々の常識外れな経験をすることになる。急速な成長により組織は一変する。「そこそこ」の人材で我慢しなければならない。まだ不完全でアラが目立つプロダクトをリリースしなければならない。顧客は怒り狂い、会社は炎上するかもしれない。

 

それぞれに対して具体的なポイントが書かれているので、新規事業などを考える人にはヒント満載だと思います。

事例として出てくるAirBnBの例は、とても考えさせられるものでした。同じような立場に置かれたときに、どういう判断をするだろうかと。同じ状況に置かれたグルーポンの決断も出てくるのですが、その対比も、うなってしまう内容でした。

 

驚異的なスケーリングを実現する要素がいくつか書かれているので、具体的な項目はぜひご一読を。

あいみょんや髭男がいつからブレイクしたのか、Prophetで時系列分析する

Prophetの勉強のために、いろいろ分析ネタを探しているのですが、今日は変化点の抽出です。

テーマは、あいみょんやOfficial髭男dismがいつ頃からブレイクしたのか、Prophetの変化点抽出の機能で可視化したいと思います。

前半部分は、前回の記事と同じコードを使っています。

花粉症が増えているのか、ProphetでGoogleトレンドを分析した

まずはGoogleトレンドのデータを抽出

あいみょんとOfficial髭男dismを、Googleトレンドで検索した結果がこちらです。

グラフでぱっと見た感じだと、あいみょんは2018年初め、Official髭男dismは2019年の半ばぐらいからでしょうか。

あいみょんを分析

トレンドに分解すると、こんな感じです。ここで見ても、2018年で上がり始め、2019年を過ぎたころにピークを迎え、今は少し落ち着いてます。

 

 

で、今回のメインである変化点抽出。基本的には、こちらのサイトのコードを拝借しました。

Facebookの予測ライブラリProphetを用いたトレンド抽出と変化点検知 – Gunosyデータ分析ブログ

可視化したグラフとコードがこちらです。

[python]
import seaborn as sns

# add change rates to changepoints
df_changepoints = gt_data.loc[m.changepoints.index]
df_changepoints[‘delta’] = m.params[‘delta’].ravel()

# get changepoints
df_changepoints[‘ds’] = df_changepoints[‘ds’].astype(str)
df_changepoints[‘delta’] = df_changepoints[‘delta’].round(2)
df_selection = df_changepoints[df_changepoints[‘delta’] != 0]
date_changepoints = df_selection[‘ds’].astype(‘datetime64[ns]’).reset_index(drop=True)

# plot
sns.set(style=’whitegrid’)
ax = sns.factorplot(x=’ds’, y=’delta’, data=df_changepoints, kind=’bar’, color=’royalblue’, size=4, aspect=2)
ax.set_xticklabels(rotation=90)
[/python]

[python]
figure = m.plot(forecast)
for dt in date_changepoints:
plt.axvline(dt,ls=’–‘, lw=1)
plt.ylim(0,100)
plt.show()
[/python]

 

変化点はこんな感じになっています。

0 2017-03-12
1 2017-10-29
2 2017-12-31
3 2018-02-25
4 2018-04-22
5 2019-02-10
6 2019-04-07

グラフと照らし合わせながらみると、2017年10月~2018年4月ぐらいまでで連続して変化点が生じているので、このあたりがブレイクポイントかなと。

Wikipediaのディスコグラフィーと見比べると、「君はロックを聴かない」から「満月の夜なら」あたりでしょうか。

あいみょん – Wikipedia

 

Official髭男dismを分析

次はヒゲダンです。こちらは念のため、「Official髭男dism」と「ヒゲダン」の両方を見てみました。

最近は「ヒゲダン」の方が多いんですね。ただ、ブレイク時期を見るには「Official髭男dism」の方がよさげなので、こちらで分析進めます。

あいみょんと同じように、まずはトレンドの分解から。

大きな変化点は、2018年の後半あたりにある気がしますね。

次は変化点抽出です。同じグラフはこちら。

変化点はこんな感じになっています。

0 2017-09-03
1 2017-10-29
2 2018-04-22
3 2018-06-24
4 2018-08-19
5 2018-10-14
6 2018-12-09
7 2019-02-10
8 2019-04-07

こうみると、2018年過ぎたころから立て続けに変化点が訪れており、その都度Googleトレンドの値が徐々に上がっているのがわかります。最後、ガッと上がっているのが2019年4月ですね。

同じようにディスコグラフィーを見ると、メジャーデビューしたのが2018年4月なので、そのあたりがちょうどGoogleトレンドの上昇傾向の開始と合致します。そして、Pretenderの発売が2019年5月なので、この発売と合わせて急上昇していったように見えます。

Official髭男dism – Wikipedia

 

ということで、Prophetで変化点抽出を見てみました。目視でグラフで見るだけでは感じなかった、トレンドの変化を抽出することができました。逆に、違和感みたいなところもあるので、使い方次第というか、実データや背景などと組み合わせて読み解く必要もありそうです。

花粉症が増えているのか、ProphetでGoogleトレンドを分析した

今年は花粉症が軽い感じだな、と思っていたのですが、一方で毎年花粉症の人は増えているという報道を目にした覚えもありました。実際どうなんでしょう?

ふと気になってGoogleトレンドで過去の経緯を調べてみました。Googleトレンドで日本の「花粉症」で検索された結果がこちらです。

[python]
from pytrends.request import TrendReq
pytrends = TrendReq(hl=’ja-JP’, tz=360)

kw_list = ["花粉症"]

# 全期間を取得
pytrends.build_payload(kw_list, cat=0, timeframe=’all’, geo=’JP’, gprop=”)
df = pytrends.interest_over_time()

%matplotlib inline
df.plot(figsize=(15, 3), lw=.7)
[/python]

 

毎年2月ぐらいに大きくなる、というのを繰り返しています。そのピークの山は年ごとに違っているようです。全体で増えているのかどうかは、ちょっとわかりづらいですね。

これを、トレンドに分解してみます。FacebookのProphetを使いました。

[python]
import pandas as pd # DataFrame
from fbprophet import Prophet # prophet

gt_data = pd.DataFrame()
gt_data[‘ds’] = df.index
gt_data[‘y’] = df[kw_list].values

# Prophetモデルの構築
m = Prophet(weekly_seasonality=False)

# 学習
m.fit(gt_data)

# 将来30日間を予測
future = m.make_future_dataframe(periods=30)
forecast = m.predict(future)

m.plot_components(forecast)
[/python]

全体のトレンドでみると、やはり右肩上がりになっています。増えている感じがしますね。

そして、年間の推移でみると、1~3月は盛り上がり、それ以外はほぼ低迷な状況です。イネ花粉など春以外にも花粉症はあると言われていますが、春の花粉症以外はそれほど強い関心にはなっていないんですかね。

ということで、Googleトレンドで見る限りは、この5年間ほどで花粉症は全体として増えているようです。

時系列分析ツールProphetで140年分の岐阜の気温を分析してみた

Facebookが開発した時系列解析パッケージのProphetは、結構便利なのでいろいろ使い方を考えています。

超簡単に時系列予測するデータ分析方法は知っておいて損はない

 

で、こちらの記事を見つけたので、模倣して分析させていただきました。

あまりに暑いのでProphetで140年分の気温を分析した

全く同じだと芸がないので、対象データは岐阜のものにしました。こちらの気象庁のサイトで、対象拠点を岐阜にするだけなのですが・・・。

気象庁|過去の気象データ・ダウンロード

 

140年で気温はどんどん上昇している

気象庁のデータは1870年代からあります。こんなに昔から統一フォーマットで公開されているデータというのも、非常に貴重ですね。

こちらが実際の140年分の日次データです。

これだけ長い期間での推移をみると、全体で上昇しているのがわかります。やはり、元ネタの記事と同じように、岐阜でも気温は右肩上がりかな,、というのがわかります。

こちらはデータを、トレンドに分解したものですが、これも同じです。

140年で3度ほど気温が上がっています。そりゃ暑いと思うわけですね。

 

今年はやはり暖冬だった

次は直近の気温の推移を描画します。過去2年のデータと予測(30日分)がこちらです。

昨年の冬と比べても、今年の冬は信頼区間(80%)を超えて平均気温が高い日が多かったことがわかります。

 

ということで、Prophetで簡単に気温を可視化し、傾向を分析したり、予測することができました。Prophetって本当便利ですね。

MaaSが普及したら駐車場業界はどう変化していくのか

Beyond MaaSを読んで、今後は自家用車の所有が減り、ひいては駐車場も減っていくという話がありました。

MaaSが世の中に浸透したら社会はどう変わるか「Beyond MaaS」

そこで、今の駐車場業界がどうなっていて、主要プレイヤーがどういう戦略を取ろうとしているのか、確認していこうと思います。

駐車場の箇所数・台数の推移

駐車場の数は、全国的に増えています。自動車の保有台数が増えていること、バブル以降有効な土地活用のひとつとして駐車場が広がったことが外的要因に挙げられます。

国土交通省「駐車施策の最近の動向」(PDF)

 

一方で、国交省の認識では「都市部は量的な充足はされており、質的な整備が必要」と言われています。これからは利用者が利用したいときにスムーズに使えるようにする、利便性の向上や最適配分が求められるようになると考えられます。

この業界の筆頭であるパーク24のIRをみても、駐車場の箇所数・台数は右肩上がりになっています。

 

業界の競争環境

パーク24のサイトで掲載されている数字を見てみます。これを見ると、パーク24が圧倒的に強い状況です。

市場環境|パーク24株式会社

パーク24に対して、実際に競合としてあげられるのは、三井不動産販売(リパーク)、名鉄協商、日本駐車場開発あたりの企業かと思います。

以下の記事では、引用元の根拠となる数値が掲載されていないので、数字が曖昧ですが、おそらくは古いと思います。

駐車場業界の動向(M&Aが活発化)

 

パーク24の戦略

では、業界リーダーであるパーク24の戦略を見てみます。事業の柱が駐車場、モビリティ、海外と大きく3つになっています。

比率でみると、国内駐車場事業が半分ぐらいを占めています。しかし、モビリティ事業が年々大きくなっているのがわかります。

パーク24の企業情報 – 4666 / 東証1 / 不動産業 | バフェット・コード
(こういうとき、バフェットコードは神ですね)

利益でみても、モビリティ事業は収益化が進んでおり、収益の柱になっているわけです。

パーク24のKPIでも、駐車場開発以外に、会員数などより広い領域を狙ったKPIを設定していることがわかります。

あと、海外進出も行ってますね。

駐車場シェアリング

次に駐車場シェアリング業界についても、見てみたいと思います。

まず市場規模ですが、少し前の調査ですが、駐車場シェアリングは2030年で1000億円ぐらいまで成長するという数字があります。

「自動車関連シェアサービス国内市場調査」2030年の市場規模は2017年の187.1倍と予測 | AMP[アンプ] – ビジネスインスピレーションメディア

パーク24の国内駐車場事業が1500億円を超えるぐらいなので、それと比べてもそれなりに大きさになるのがわかります。

また駐車場シェアリングで代表的な一社であるakippaの戦略を見てみると、都市部やスタジアムの周辺に注力しているのがわかります。

需要変動が大きいところを埋めるような形で、マッチングやダイナミックプライシングで柔軟に需給調整できることが有効なので、都市部やイベント系で需給ギャップが変動しやすいところに向いているのでしょうね。

akippa、開始約5年で駐車場登録拠点数「3万拠点」を突破! – 産経ニュース

 

まとめ

日本で見ると、駐車場の開発は進んできていますが、特に都市部では飽和傾向。

今後は付加価値が求められる方向であったり、レンタカーやカーシェアなどモビリティに広げる方向に進んでいるようです。駐車場シェアリングも進んでおり、駐車場市場は転換しつつ、各社はビジネスモデルの転換を図っていきそうです。

MaaSが今後普及されていき、自家用車が減り、駐車場のニーズも変わっていく世の中がこれから進んでいくのかもしれません。いろんな業界が影響出ていきますね。