Beyond MaaSを読んで、今後は自家用車の所有が減り、ひいては駐車場も減っていくという話がありました。
そこで、今の駐車場業界がどうなっていて、主要プレイヤーがどういう戦略を取ろうとしているのか、確認していこうと思います。
駐車場の箇所数・台数の推移
駐車場の数は、全国的に増えています。自動車の保有台数が増えていること、バブル以降有効な土地活用のひとつとして駐車場が広がったことが外的要因に挙げられます。
一方で、国交省の認識では「都市部は量的な充足はされており、質的な整備が必要」と言われています。これからは利用者が利用したいときにスムーズに使えるようにする、利便性の向上や最適配分が求められるようになると考えられます。
この業界の筆頭であるパーク24のIRをみても、駐車場の箇所数・台数は右肩上がりになっています。
業界の競争環境
パーク24のサイトで掲載されている数字を見てみます。これを見ると、パーク24が圧倒的に強い状況です。
パーク24に対して、実際に競合としてあげられるのは、三井不動産販売(リパーク)、名鉄協商、日本駐車場開発あたりの企業かと思います。
以下の記事では、引用元の根拠となる数値が掲載されていないので、数字が曖昧ですが、おそらくは古いと思います。
パーク24の戦略
では、業界リーダーであるパーク24の戦略を見てみます。事業の柱が駐車場、モビリティ、海外と大きく3つになっています。
比率でみると、国内駐車場事業が半分ぐらいを占めています。しかし、モビリティ事業が年々大きくなっているのがわかります。
パーク24の企業情報 – 4666 / 東証1 / 不動産業 | バフェット・コード
(こういうとき、バフェットコードは神ですね)
利益でみても、モビリティ事業は収益化が進んでおり、収益の柱になっているわけです。
パーク24のKPIでも、駐車場開発以外に、会員数などより広い領域を狙ったKPIを設定していることがわかります。
あと、海外進出も行ってますね。
駐車場シェアリング
次に駐車場シェアリング業界についても、見てみたいと思います。
まず市場規模ですが、少し前の調査ですが、駐車場シェアリングは2030年で1000億円ぐらいまで成長するという数字があります。
「自動車関連シェアサービス国内市場調査」2030年の市場規模は2017年の187.1倍と予測 | AMP[アンプ] – ビジネスインスピレーションメディア
パーク24の国内駐車場事業が1500億円を超えるぐらいなので、それと比べてもそれなりに大きさになるのがわかります。
また駐車場シェアリングで代表的な一社であるakippaの戦略を見てみると、都市部やスタジアムの周辺に注力しているのがわかります。
需要変動が大きいところを埋めるような形で、マッチングやダイナミックプライシングで柔軟に需給調整できることが有効なので、都市部やイベント系で需給ギャップが変動しやすいところに向いているのでしょうね。
akippa、開始約5年で駐車場登録拠点数「3万拠点」を突破! – 産経ニュース
まとめ
日本で見ると、駐車場の開発は進んできていますが、特に都市部では飽和傾向。
今後は付加価値が求められる方向であったり、レンタカーやカーシェアなどモビリティに広げる方向に進んでいるようです。駐車場シェアリングも進んでおり、駐車場市場は転換しつつ、各社はビジネスモデルの転換を図っていきそうです。
MaaSが今後普及されていき、自家用車が減り、駐車場のニーズも変わっていく世の中がこれから進んでいくのかもしれません。いろんな業界が影響出ていきますね。