パタゴニアの偉大さを感じろ

「社員をサーフィンに行かせよう」を読んだ。

この本を読むまでは、自分の中のパタゴニアのイメージといえば、「環境にやさしい、アウトドアウェアを販売する企業」だった。この本を読み終えて、そのイメージは変わらなかったが、想像よりも相当深く、環境に目を向けた企業だった。

「社員をサーフィンに行かせよう」という言葉の意味は、自分の好きなことをやり、そのためにも自分の仕事に責任を持とう、ということだ。さらに、環境への配慮は想像以上に深い。

この本を読んで改めて思ったのは、企業という存在は、いろんな理由で成り立っているのだと思うが、それを支えるのは信念だと思う。強烈な信念だ。 自分で思い込んでいる常識より、自分が何となく感じている違和感に 耳を傾けるべきなのかもしれない。そして、その信念を自分ですくい上げ、育て、貫き続けることで、自分らしい道を開けることを、この本は示してくれる。

ホワイトカラーの生産性

日経新聞を読んでいたら、トリンプ社長の記事があった。 「日本のホワイトカラーの生産性は低い」とあった。 同感だ。自分もホワイトカラーの現場にいるからわかるが、低いと思う。 人間、デッドラインがあれば、それに照準を合わせてだらだら仕事をしてしまう。 デッドラインがなければ、もっとだらだらしてしまう。 毎日の「残業癖」がついてしまっているように思えてならない。 トリンプは、時間がきたら必ず消灯。 残業は事前申請して罰金2万円。サービス残業は罰金5万円。 よくよく考えると、かなり合理的な制度だ。 これぐらいやらないと、人間の意識は変えられない。 ワークライフ・バランスなんて言葉は、泣けるぐらい現状は悲しい。

株式会社が経営する農業

株式会社が経営する農業について、調査してみる。

株式会社が参入する仕組み

規制緩和が引き金になったカゴメの農地不要トマト栽培

カゴメが和歌山に建設した大規模農地の話。 区域が農地じゃなくても、農地にできるらしい。

 

 

農業ビジネスのIT戦略

AGICという農業情報コンサルティング会社のHPに書いてある、IT技術への活用法。標題とちょっと話が逸れるが、内容が面白い。

オプティミストはなぜ成功するか

自分は比較的ネガティブ思考だと思っている。
そういう人間からポジティブ思考の人をみると、
なんて人生楽しそうなんだろうと感じることがある。
しかし、人の思考は変えられるのだ。悲観的な人は楽観的に。
そして、この本は楽観的思考の人(オプティミスト)にどのようなメリットがあり、
悲観的思考の人(ペシミスト)がオプティミストに変わる方法を示している。
読むほどに面白みが増した、意外な名著。
オプティミストの方が健康的であったり、能力を発揮しやすいという現象を
科学的に示したり、オプティミスト・ペシミストそれぞれのメリット・デメリットを示している。
他にも書ききれないほど深い示唆を与えてくれる内容が多い。
自分が悲観的だと思う人は読んで損はない。

オプティミストはなぜ成功するか
マーティン・E.P. セリグマン

PMOの役割とは

IBMのパソコン事業をレノボが買収したときの話。わずか3ヶ月で行われるM&Aの内部の熱気が伝わる。

PMOの役割が描かれているが、PMOの意味を改めて考えさせられた。プロジェクトが円滑に進むように導いていくことがPMOの役割だと思うが、その具体的な導き方が垣間見える。

・全体の、明確な目標を提示する

・プロジェクトを進めるための方向性として、叩き台を提示して促す

・現場に、PMOを利用してもらいやすい体制と空気をつくる

さらに、PMOはプロジェクトマネジメントのナレッジを蓄積する役割も担う。だから、ある程度長期的視野でPMOチームの運営を考える必要もあるかもしれない。

また、組織によって風土も異なり、PMOにどの程度権限を与えるかも、十分考慮する必要がある。強権過ぎると現場から反発を招いたり、煩雑な手続きばかりが増える可能性もあるからだ。この見極めは非常に重要だと思う。

企業統合―あるPCメーカー、成功の舞台裏

金巻 龍一,河合 隆信,丸山 洋,IBMビジネスコンサルティングサービス

参考:

http://www.ciojp.com/contents/?id=00001157;t=0

バカは治せるのだ

何回「バカ」という単語が出てくるんだ。この言葉に対する感覚がマヒしてしまいそうだった。

でも面白かった。さくっと読めた。

いろんなバカについて語られているが、最も肝要なのは、「バカ」というのは、実際にバカであることを指すのではなく、 周囲からバカと「思われる」ことを指すのだ。 この違いを認識することは非常に大きい。

そして、「バカ」は治るものなのだ。 「疑うバカと疑わないバカ」というのがあったが、 これは物事の瑣末なことや、あまりにも常識なこと(人を殺してはいけないの類)を疑ってしまい面倒臭くなるパターンと、 物事を疑わずに簡単に受けいれてしまい、思考停止になるパターンである。

これはなるほどであり、かつこのバランスを保つのは難しい。 個人的には特に、「疑う」ということは難しいと感じる。 この本によく「メタ認知」という言葉が登場するが、 そういうのを正しくできる人がこの「疑う・疑わない」のバランスをとれるのだと思う。 バカを治したい人。読むべし。

内部統制ってなんだ!?

友人にすすめられて読んだ。

若干おかたい内容であるので、躊躇していたが、割り切って流し読み。 全体の流れがつかみやすく、理解しやすい本だと思う。

SOX法の全体像、必要な組織体制、導入する際のスコープの決め方、業務フローの分析、指標となるキーポイントの設定、導入テスト、継続監視まで。 事業会社、特に上場企業に勤める方は、読んで損はないと思う。

 

借入資本金

自治体の新しい会計制度を書いたが、今日の日経新聞に関連記事が掲載されていた。

それは地方公営企業が多数、実質債務超過に陥っている、という内容だ。それはそれで気になるんだが、もっと気になったのは、以下の点だ。

地方公営企業は設備の建設などのための借入金を「借入資本金」と呼び、資本の部に含める独特の会計処理をする。

以前から、公共機関は民間と会計処理が違う、といわれているのは知っていたが、 具体的な点はあまり知らなかった。こういうこともあるのだな。

借入金というのは、自分の解釈で言うならば「借金」だ。貸借対照表では「負債の部」に含まれる、と思う。だけど、設備投資のための借入金は「資本」になる、というのは、どうも納得がいかない。

ネットで調べてみたが、なんでこうなっているのかはよくわからなかった。ずっと会計制度は昔から変わらずにきているみたいなので、その名残りとして今もそうしている、というのが個人的な予想だ。

不思議なことが多いな。

 

参考:
http://www.pref.shimane.lg.jp/kigyo/yougo.html
http://www.pref.saitama.lg.jp/A90/BD00/yousui/12report/kousui/kousui41-49.pdf
http://aol.okwave.jp/qa2944136.html

自治体の新しい会計制度

ちょっと前だが、夕張市が事実上の「倒産」をした。 疑問だったのは、何で気づけなかったのか、だ。 ネットで調べればすぐ解決した。会計制度だ。 一時借入金の制度が利用された。

 

一時借入金は、税収の確定時期と入金の時期がずれた際などに、当座の資金繰りのために金融機関から受ける短期の融資。年度内に返済することになっているため、予算書や決算書には記載されない。限度額は自治体の予算額とされる。  夕張市は、この仕組みを「悪用」。一時借入金を返済するために、別の金融機関から借りるという「自転車操業」を繰り返し、02年3月末からの4年間で約112億円も残高が増えた。(参照

 

自治体には民間と同じように新しい会計制度を導入するべきだ、という議論も以前からあったように思う。 ちょっとネットを調べたら、これまた対策としての財務制度案があった。 ちゃんと今回の問題点を是正するような案になっていると思える。 キーは以下だ。

  • 第3セクターなどと連結で財政状態をチェックする
  • 監査範囲を広げることで、決算資料を正しくチェックする
    (参照: http://www.kobe-np.co.jp/rensai/access/91.html http://yoshidashouin.blog26.fc2.com/blog-entry-807.html)

監査範囲を広げれば、一時借入金などはチェックできるのだろうか。 よくわからないが、破綻することで自治体のサービスレベルが下がることが現実化すると、 やはりこの問題は重いのだと思える。 ちなみに、他の地方自治体の財務状況もここでちょっとわかる。

参考までに。

 

 

(20070506追記)

時間があべこべになってしまったが、5月1日の日経新聞に 上記の新しい自治体の再建制度が今国会で成立する見通しであることが掲載されていた。 内容としては、上記に挙げた点と特に変わりない。