部下は上司に意見をしちゃいけないんですか

なんか、最近こういう系のことばっかり書いてる気がするけど、まいいか。

 

他の会社は知りませんが、なんというかコンサルティング会社にいる人って理屈っぽいというか、議論が好きだったりするんだよね。で、何かミーティングで議論をするときは、結構立場を忘れて意見やアイデアを戦わせていく。

僕はそういう文化というかスタンスが好きだし、議論してアイデアを出して、最終的に良い解決策を導きだしていくことが重要だと思っている。

 

だけど、最近日系企業の人と話したら、「上司に意見するとかありえない」と言われて、正直驚いた。なんかそういうことを聞いたことはあるけど、本当にそういう文化の会社ってあるんだなあ。

 

部下の意見を引き出さなければいけない理由はたくさんある。

上司が考えるエネルギーを省略することができるし、楽できる。それに問題が複雑になるほど、いろんな意見が必要になる。一人で考えられる量というのは知れているので、いろんな角度でいろんな意見を戦わせられる状況を作れる方が、良い結果に導きやすい。

それに、日頃から議論に慣れていると部下が成長する。少しずつ自分の知識を増やして、主張を作れるようになる。そうやって人が育つのを見るのは、いつみても楽しい。

 

でも、日系企業だとそれができない理由があるんだって。聞いた話によると。

大手になれば、本当に「自分で考えられない人」がいて、そういう人たちには意見を求めるよりちゃんと指示した方が全体として効率が良い。

あと、上司が部下の意見を聞き入れる空気がない。「新人はとりあえずしゃべるより手を動かせ」とか、「まだ君には早い」みたいな空気があるんだとか。

 

これを聞いて思ったんだけど、確かに「自分で考えられる人」をイチから育てるのってコストがかかるのかもなあ。一部の人が考えて、マニュアル化して、思考の幅を奪って、作業効率を上げてくれる方が、組織全体としても効率が良いのかなあ。いろんな意見を言う人がいると、纏めるのも大変かもしれないしねえ。

でも、本当にそれで良いんだろうか。日本におけるホワイトカラーの生産性は低いらしい。その原因は、最初の新入社員に対する接し方、教育の仕方にあるんじゃないか、とふと思った昨日。本当のところはどうなんだろ。

 

今日はこれぐらいで。

データに改行が含まれたCSVファイルをExcelにインポートする

ああ、結構面倒だったので、メモしておく。

CSVファイルをExcelにインポートしたかったんだけど、CSVファイルのデータ内に改行が入っていたので、そもそもCSVファイルのレイアウトが崩れていて、うまくExcelにインポートできない状態だった。

対応方法は、この「教えて!goo」にあった。

EXCELにcsv形式の外部データを取り込む際にカンマ区切りで取り込も – Office系ソフト – 教えて!goo

EXCELにcsv形式の外部データを取り込む際にカンマ区切りで取り込も – Office系ソフト – 教えて!goo

ここのベストアンサーにあるマクロをExcelの標準モジュールにでもコピペして、実行すればOKです。ちなみに、内容としてはデータ内の改行コードだけ半角スペースに置換することで問題を解消している。

あと、Excelにインポートしたときには半角スペースに置換されたままなので、Excel上で再度半角スペースを改行コードに置換すると、元に戻せる。置換とか検索時に改行コードを指定する方法はこれ。

セル内の改行を検索/置換する – デジタル – 日経トレンディネット

データ処理とかデータ分析するときは、こういう小さなことができないと意外と手詰まったりするんだよなあ。逆に、知ってるとすごい生産性が上がるよね。そして、こういう情報がすぐに検索できて解決できるたびに、「ああ、情報化社会って素晴らしいな」って実感する。

 

VBAは知っておくと、時々大きく役立ったりするんですよね。

仕事を円滑に進めるために「責任範囲」を理解する

組織におけるスムーズな仕事の遂行と、「責任範囲」の関係について書こうと思う。

 

上司の責任範囲に関する事項をエスカレーションする

組織の上下関係では、ほとんどの場合部下から上司へ報告する機会がある。仕事の進捗状況や問題・課題の有無などが主なところだろうか。そして、このような場で上司に対して、何を報告するか。逆に、何は報告が不要か。その判断基準になるものは、上司/部下双方の「責任範囲」にあると思っている。

スムーズで効率が良い上下関係というのは、「それぞれの責任範囲が適切に分かれていて、それに従った仕事がなされている状況」を指すのだと思っています。ああ、言葉にするとわかりづらい。

つまり、上司と部下ではもちろん責任範囲は違っていて、例えばチームリーダーとそのメンバーであれば、メンバーは任命されたタスクに対して責任があり、チームリーダーはチーム全体のタスクが品質高く実行されることに責任がある。また、プロジェクト責任者であれば、契約面や金額面、社内の体制などに権限があるので、その点がチームリーダー以下と異なる。

で、例えばメンバーの誰かの仕事が遅れることになると、チーム全体の進捗に関わってくるので、チームリーダーへのエスカレーションが必要になる。だから「タスクが遅れている」という状況は必ず報告が必要になる。だけど、「タスクのやり方がわからない」というような「仕事のやり方」に関することは、責任範囲としては結構グレーゾーンだったりするので、ケースバイケースかもしれない。ここらへんが報告対象の分かれ目になる気がする。

べき論からすれば、タスクそのものの責任はメンバーにあるわけだから、チームリーダーは「知らねえよ、自分で頑張れ」でも良いかもしれないし、「チームリーダーとしてチーム全体を預かる立場だし、優しく教えてあげる」でも正解な気がする。でも、チームリーダーが部下の仕事のやり方まで口に出す場合、「そのタスクの責任」は作業をしている人ではなくなってしまうんじゃないだろうか。そうすると、責任の所在が曖昧になるか、いつまでも責任という自覚を覚えない人間が誕生するか、みたいな状況になってしまう。

まあ厳密な場合を想定して話を進めてしまうけど、組織の仕事がスムーズに遂行されている状態というのは、この場合でいえばメンバーはタスクの遂行に責任を持つので、進捗が遅れる場合や品質に懸念がある場合のみチームリーダーに報告するのが、双方一番コミュニケーション量が少ない。

 

自分や周囲の責任範囲を見極める

前提が長くなっちゃったけど、組織が円滑に遂行していくためには、それぞれの責任範囲がどこまでかをできるだけちゃんと認識することが重要になるわけです。

自分の責任範囲で収まる話は、上司にエスカレーションする必要がないし、上司からみれば「自分の裁量で判断しろよ」ということになる。逆に上司も、部下がやる仕事の責任範囲を圧迫してまで口を出すのは、部下の権限を余分に踏みにじっていることになる」ので、それはそれで注意が必要。

というわけで、自分や自分と関係する人が、何に対してどこまで責任を負っているのか見極めておくと、何を議論して、何を自分で判断すれば良いかが明解で、円滑に事が運びやすい。

 

あえて責任範囲をはみ出した主張をする

やや逆説だけど、責任範囲を自覚した上で、時にはそれをはみ出した発言、行動をすることも必要になる。それにはいくつか意味があって、まず個人で見た場合。いつまでも自分の責任範囲に凝り固まると、ポジションが変わって責任範囲が広くなったときに思考がついていかなくなる。日頃からトレーニングする意味でも、そういう意識をして議論なり発言していきたいもんだ。

あと、時間の流れとともに、ビジネスは変化する。そして組織も変化するし、どんどん前提事項は変わっていく。だから、ずっと同じ仕事の領域をこなせば良いわけでもないし、流動的な責任範囲の境界を、いつでも突破できるような準備や意識が重要かな、と。

 

今日はこれぐらいで。

資格は何のために取得するのかという話

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仕事をする上で資格って本当に必要?実際に働いてると、特にIT系の資格については「いやー資格なんてとっても仕事には何もプラスなことはないよ」という話をよく聞く。そして、自分もそれを実感したりはする。

 

資格の特性について

そもそも、資格には独占業務があるものとないものに大別できる。弁護士とか税理士がわかりやすいけど、資格を持ってないとやってはいけない仕事というのがあって、そういう場合は一定の仕事は絶対あるし、競争相手が自ずと少なくなるので儲かりやすい、と言われている。(最近はまた違うようだけど。)

IT系の資格なんて、そういう意味では監査系の仕事以外はほとんど独占業務なんてないんじゃないかな。監査もいろいろ種類があるし、資格なくてもやってる人もいるかもしれない。

 

何のために資格を取得するのさ

資格を取得することによって直接仕事が増えるわけではないのだとすれば、何のために資格を取得するんだろう。そうなると、スキルアップが目的になるんだと思うわけです。

人がスキルを身につけるためには、OJTとOff-JTの2種類に分けられて、それぞれにメリット・デメリットがある。OJTは、現場ですぐに活用できる知識ややり方を吸収できるけど、一方で独自のルールや慣習に影響を受け、視野が狭くなる可能性がある。Off-JTはそもそも実施自体に時間と労力を要するし、現場でもすぐに活かせるとは限らない。しかし、体系的に知識を整理して吸収してもらうことで、視野が広く、正しい理解を促進することができる。

で、資格をOff-JTのひとつと考える。資格制度はそれなりに必要と思われる知識を整理しているし、難易度によって段階を設けている場合も多い。

 

知識と実務の溝みたいなもの

だけど、資格を取ろうとしている人を見ると、資格を実務に活かす、ということがほとんど意識されていない場合がほとんどだったりして、そこの溝は大きいもんだなと思う。で、その理由を考えると、やっぱり現場でどう活かすか、というところがイメージしづらいからじゃないかな。最近は講習と組み合わせて資格認定するものもあったりして、いろいろ工夫が見られるけどね。

ただ、これも意識次第だと思ったりもする。「どう活かすか」と思って勉強するのと、「とりあえず勉強しておくか」では大きな違いがあるんじゃないかと。

 

でもとりあえず資格を取るって良いことだと思う

不思議なことに、勉強したことが今は全く仕事と関係なくても、いつか全くの偶然から知識と仕事が結びつくことがある。「あのとき勉強したあれって、このことだったんだ。」みたいなことが結構な頻度であるんだよね。不思議と。だから、すぐに役立つことはなくても、興味を持って勉強することは無駄じゃない。

それに資格を取得する、ということで何かを獲得するゲーム性とか達成感を感じることができるし、履歴書にもハクがつく。やはり対外的に一瞬でスキルを説明するときに、資格というのはありがたいなとも思う瞬間がある。そして幸い、IT系はたくさん資格がある。

あるいは、顧客の業務に関連する資格を取得してみても良いと思う。コンサルやってると幸せなことに、いろんな顧客の業務と係わることができる。その度に勉強するのは大変だけど、知るのは楽しいことだ。そして、探してみるといろんな分野で資格制度があって、せっかく関わったのも縁だし、何か関係する資格取ろうかなーと考えるのも楽しい。

 

さ、資格の勉強しよ。

上司に聞く前に考える3つのこと

コンサル会社に入って今更思うことは、論理的にコミュニケーションする術を叩きこまれたことは、ありがたいことなのかもしれない、ということ。僕が教えられたのは次のこと。

 

1.自分の作業の目的や前提条件を整理すること

一番最初に大切なのは、自分の作業がどういう目的で行われているのか、ちゃんと言葉にして説明できるか、ということだ。これは不思議なもんで、自分でも意外にもよくわかっていないまま作業することがあったりする。(最近はないけど。)

インプットとする情報は何で、成果物は何で、作業期限はいつで。成果物は最終的に誰が見るもので、どういう目的で利用されるものか。ここらへんがちゃんと理解できていれば、理解できていない人よりははるかに生産性が上がる。

上司から見ると、作業をお願いする前に、ここらへんを確認してくれる人が好き。頼もしく感じる。

 

2.可能な限り不明点を埋めること

いわゆるggrks的なこと。ここまでは調べたり考えたりしてわかるけど、ここだけはわからないから教えて、とか。自分の中で不明点をできるだけ狭めて、ピンポイントで質問するようにすることが重要。

上司から見ると、無駄なコミュニケーションを減らしてくれる人が好き。「ここまでは理解できている」という意思表示を最初にできれば、いろいろ双方で質問したりされてりして確認することが減る。無駄なことに浪費している、という感覚自体がストレス。

 

3.自分の意見をつくっておくこと

質問するときに、漠然と「どう思うか」みたいな聞かれ方をすると、「?」となるときがある。どう思うかと言われても、それは前提や求められる内容によるだろ、みたいな。
(そういえば、スポーツの試合後のインタビューでもよくあるよね。「今日の試合の感想をお聞かせください」とか。当たり前のようになってるけど、正直何を聞きたいのかさっぱりわからない、といつも思ってしまう。)

議論に必要なのは根拠。「なぜそう考えるのか」という根拠が必要になる。上司の意見を聞くのは大切かもしれないが、最終的なゴールは良い解決策を導き出すことだ。その目的を達成するための議論が必要だ。

だから、「こういう理由から、自分はこう考える」という主張が必要になる。自信がないかもしれないが、一応つくる。意見をつくると、また自分がそれを根拠とするのが妥当か考えるようになるし、もし自分では気づけなければ、上司が指摘してくれる。これが議論。

上司から見ると、端的に自分の意見を理由を含めて説明してくれる人が好き。思考プロセスをたどることができれば、考え方の癖とか改善が必要な点にも気づくことができる。自分の意見を持たずに聞く人は、「こいつ、どこまで考えてるんだからさっぱりわからん」的なことになってしまう。

 

ここらへんのことは新人の頃から叩き込まれることが当たり前だと思ってたんだけど、違うんだろうか。違う業界で働いたことないからなあ。

ちなみに、論理的なコミュニケーションを基本とするけど、感情は同じぐらい重要視したいと思う今日この頃。やはり論理だけでは割り切れないものがあるし、人のモチベーションや関係性は、感情によって形成される部分が大きいのも事実だと感じることも多い。

 

大人になるって本当に楽しい

jill111 / Pixabay

大人になるって本当に楽しい。

昔を懐かしいと思うことはあっても、学生に戻りたいとは思わないね。

学生に対し、恐ろしい言葉で脅かす大人たちがいる。
大人は甘くない、ととにかく脅かしてくる。
確かに大人は甘くない。住民税だって左遷だって慰謝料だってすぐそこに潜んでる。
とはいえ頭を抱えるほど恐ろしいものでもないんじゃないか。
学生たちに恐ろしい言葉で脅かす隣りで、僕は笑ってやりたい。
それはあなたの生き方が下手くそなだけじゃないかって。
大人ってくそ楽しい | mochrom blog

 

その通りだ。そんなに脅してどうするんだろう。

実際、僕は年をとるにつれて自由を得てきた。子どもの頃は、狭いコミュニティと人間関係の中で、勉強か運動か、みたいなできるだけわかりやすい評価軸が全体の多くを占めていた気がして、とても息苦しかった。(きっとそれも、自分がそう思い込んでいただけなんだろうけど。)

だけど、高校や大学に進んで、人間関係がリフレッシュするごとに、これまで自分が知らない価値観や考え方を持った人と出会って、少しずつ自分の中での評価軸も増えていった気がする。いろんな方向で頑張れば良い気がしたし、ひとつの面だけで人間性は決まらない、ということに気づいて、とても気持ちが楽になったのを覚えている。

そして、大学入って就職するまでは「結局、自分は何ができるのか、全く実感も自信もない」みたいな、今なら「そんなに思うなら学生のうちに会社のひとつでも作っておけば良かったんじゃん?」と思えるような、無駄な焦燥感でいっぱいだった。

 

社会人になったら、本当自分は小さな世界で、小さな物事にこだわって、自分で勝手に自分を疲れさせていたことに気づいた。頑張れば報われることもあるし、うまい棒100本だって余裕で買える。

この「自由な感覚」は結局は、人との出会いとお金を稼ぐという両方から得られてるんだと思う。だから、いろんな人と出会いたいと思うし、仕事をして、責任を果たして、お金を稼ぐことで自信と誇りをわずかながらでも得ていきたいと思う。

 

世の中はとても複雑で、多様で、面白い。「世の中には2種類の人間がいる」なんてことを言っている人がいたら、そんな人の話は聞かなくて良いと思うよ。

 

「逆メンター制度」で組織のコミュニケーションを円滑にする

クーリエジャポン2月号に、面白い制度が書いてあった。逆メンター制度として、ネットサーフィンとか、Facebookの使い方とか、新しいネットサービスのやり方を若手から経営陣などにレクチャーするというものだ。実際に、ジャック・ウェルチがCEOの時代にGEで実施されたらしい。

 

仕事をしていても、上司も年齢が上がるにつれて、新しい技術やサービスについていくのが難しくなっているように見える。もちろんコンサルティングやITの業界に身を置いているからには、そのあたりにもとても敏感でなければならないと思うが。それでも、時代は容赦なく速く進むし、若手の方がその点へのキャッチアップはとても速い。だから、その現実を正面から捉えて、部下が上司にレクチャーする制度を導入すれば良いのだ。

上司が部下に教わる機会があることで、そういう上司から部下への一方的な関係から脱却できる。組織の弊害を防いだり、こうやって管理層とスタッフ間の溝を埋めることは、組織を一体化して、インタグレーション機能を高めていく上でとても重要になる。

 

そもそも、上司が年上とかもう珍しくない訳だし、変なプライドではなく、合理的で組織が円滑に進む制度ならどんどん導入すれば良いじゃん、と本気で思う。

 

¥ 780

縦割り組織を防ぐ方法

会社などの組織がいると、必ず飛び抜けて優秀な人というのはいるもんで、そういう人はすごいスピードで出世というか活躍の場を広げていく。あるいは、入社の段階から職種を分けて採用して、自然と(あるいは意図的に)高度な業務をこなす人材とそうでない人材の階層制が構築されている場合もある。

こういう場合、組織内で階層による対立が生まれて、相互理解どころか連携が全くできずに組織が分断されるリスクが出てくる。情報を共有しようとしない。お互いの仕事の内容がわからない。縦割りの弊害みたいなのが発生してしまう。

これを組織の中でどう解消するか。そのひとつの例を教えてもらった。

 

それはアメリカの海兵隊の話で、海兵隊では下士官が士官候補を養成するのだそうな。下士官は、士官の下の階級に位置付けられるので、いわゆるキャリア/ノンキャリアの関係になる。だから、自分たちが鍛える士官候補は、いずれ自分たちの上司になるわけだ。

こうやって、いずれ上司(部下)になる人と同じ釜の飯を食べる状況が作られることで、時間が経っても対立が生まれづらくなるらしい。指揮命令するときも下士官に対する配慮が生まれるし、現場側も管理層への理解・忠誠につながるんだとか。

 

こういう形で横断的なつながりを強制的に作ることで、組織の分断を防ぐ方法があるんだなーと感心してしまった。社内のイベントだったり、合宿や合同研修だったり、いろんなところで組織をミックスするきっかけはありそうだよね。

#本当かどうかは知らないよ。飲み会で誰かに聞いた話。

ジェネラリストとスペシャリスト

以前酒の席で、会社の組織が変わっていくことに対して、個人はどう適応していくべきか、という議論になった。会社が何を重要視するか、によって組織体系は変わっていくものだと思うけど、ひとつの観点としてジェネラリスト/スペシャリストの偏りというのがあるんじゃないか、と。

 

ジェネラリストを重視すると専門性が失われて、外部の専門とする小さな会社などに負けたりする。すると、「専門性が大切なんだ。スペシャリストを育てる!」となって組織を細分化してスペシャリストを育成する方向へ舵を取る。

だけど、そうなると専門性は高まるものの、横の連携が失われ、視野が狭くなり、内部での対立を起こしたり、総合的なソリューションの提供力が失われていく。すると、「横断的な人材育成が必要なんだ。ジェネラリストを育成する!」となって組織を統合したり人にいろんな部署を経験させてジェネラリストを育成する方向へ舵を取る。

 

ジェネラリストとスペシャリストの両方が大事なのは変わらないけど、常にジェネラリストとスペシャリストの比重が変わっていく。

組織としてはこうやって定期的な揺り戻しが発生するのが合理的だとすると、そこに所属する個人はどう適応していけば良いのだろう。その場での議論では、「その時の組織形態に囚われず、柔軟に能力を適用させていく人間が最終的には強い」という意見があった。時代の流れはどんどん早くなっているし、同じ価値観や組織形態で40年以上もやっていく組織なんてないんじゃないか。そうだとすると、自分が変わっていく適用性が求められていく。

 

だから、組織の形態とか内容に一喜一憂せずに、目の前の仕事からどうやって知識や経験を獲得して、自分の柔軟性を磨いていくかを考えた方が良いんじゃないだろうか。

ITコンサルティングの教科書

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知っている知識も、改めて振り返って、体系的に整理することに意味がある。例えば、一連の流れの中で一部だけ知らないものがあるかもしれないし、自分の日頃の仕事を大局的に見直すきっかけにもなる。

 

技術への理解と技術力は違う

読んで思ったのは、コンサルティングを行う上では、技術に対する理解は必要になる。ただ混同しそうなのは、それは決して「=技術力」ではないということだ。技術力があっても、顧客や顧客の業務に目線を移せない場合がある。むしろ、技術力があるからこそ、こだわりなどが生まれて視野が狭くなったりする傾向になる。ITの世界ではどんどん新しい技術や概念が登場してくる。僕が社会人になったときは、SaaSがちょっと話題になり始めたばかりだったけど、もう当たり前のように使われるし、新しい利用形態、料金形態が生み出されている。

スティーブ・ジョブズはプログラマーではないけれど、技術をどう捉え、何を製品に採用するかという目利きは優れていたと言われている。このように、技術に対する理解はあくまで最終的な解決策にどう組み込んでいくかであって、技術力を磨くことだけではこの観点は養われない。

この本では、コンサルティングする上でどういう観点や考え方、アプローチが求められるかがたくさん書いてある。逆に、これといったわかりやすい「スキル」というものはほとんどない。顧客発想が欠けているんじゃないかと思う人は読んでみると良いだろう。

 

経営目標と情報システムの目標を一致させる

情報システムは、最初普及したのは業務の効率化がメインだった。目に見えてわかりやすいし。PCが導入されていったのも個人の生産性を上げるためだ。これは事務処理や会計処理などの内部業務が主体になる。

ただ、PCや個別システムについては、ある程度の規模の組織であれば導入がほとんど完了していて、今後劇的に作業効率が上がるような余地が小さくなっている。また、導入したものの「本当に作業効率が実現したのか?」ということに対して、正しく把握できていない場面も結構ある。

一方で、Webなどのユーザエクスペリエンスのレベルは上がってきていて、デザインや操作性を向上させることで、利用率を上げたり、ひいてはブランド向上につながる流れが生まれている。

つまり、今多くの場面で求められているのは、「このシステムは経営に対してどの程度貢献しているのか?」をできるだけ把握することであり、さらに経営目標が変わった場合に、システム目標も軌道修正して対応できるような柔軟性を確保することにある。

 

データ工学の重要性

技術の進歩によって、ビッグデータはとても注目されている。MtoMでデータ容量が増えるし、大容量データを分析することもできるし、Twitterのようなソーシャルメディアのデータを解析して、何かの傾向や予測を出すことも始まっている。

こういったデータ分析は、今後ももっと盛んになるんだろう。その時に必要なのはデータをどう取得し、どう活用するかを設計する点にある。システムの設計とは別で、データ工学に基づいて、データの一連の流れを設計できる人材やナレッジが、今後重要性を増していくだろう。

 

これを読んでも、すぐにコンサルタントになれるような飛び道具は書いてない。ただ、必要な知識とマインドが整理されているだけだ。そして、それを粘り強く実行する人こそが本当の意味でコンサルタントなんだろう。