仕事でひどく落ち込んだときにモチベーションあげる方法

自分で言うのもなんだけれど、比較的自分のモチベーションコントロールは上手いのではないかと思っている。(同時に、他人のモチベーションコントロールほど難しいものはないと最近痛感する。)

ただ、それでもモチベーションが急降下するときがある。実際今がそうだ。。。。そういうときに、いろんなアプローチから自分を言い聞かせる。

「人生はとても短い」ことを確認する

こんなこと、学生のうちは全く思っていなくて、老後なんてとてもじゃないけど想像できないぐらい未来にあるんだって思ってた。でも、自分が生きた年数が20年超えて、30も近くなってとか考えると、「ああ、もう老後まで折り返しているのかあ」とか、残念だけど周囲で亡くなる人が少しずつ出てきたりして、妙に「死」を意識する機会が増えた。こうやって死ぬことを意識すると、死んだら仕事なんてどうてもよくなるだろうし、仕事の悩みなんて大したことはないと思える。

他人は自分の言動を余り細かくは覚えていない

これは一長一短なのだろうけれど、人は結構他人には興味がなくて、自分がとても恥ずかしいと思ったことも意外と覚えていなかったり、全く気にとめていない。だから、他人の気持ちが本当かどうかを確かめる術はないけれど、他人はあんまり自分の言動なんか覚えていないのだから、と思えば、気が楽になる。って、ちきりん先生が言っている。笑

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同じ組織は永続しない

上司と相性悪かったり、部下の仕事ぶりにいらだったとしても、同じ組織はずっとは続かない。いずれ今の職場からいなくなるのだと思えば、上司との関係が悪くても、仕事が辛い状況であっても、少し気が楽になったりしないだろうか。

ドラッガーだって言ってるよ。

「組織より長生きするがゆえに、知識労働者は仕事を変えることができなければならない。」

乗り越えたときの未来を想像する

短い社会人経験を振り返ると、辛い仕事を乗り越えたあとは、自分が成長したという実感を得ることが多かった。これを思うと、今の辛い状況を超えた先には成長した自分が待っていると考えると、少し前向きになる。

「今」に集中する

ゾーンに入る技術」でも書いてあったけれど、心が苦しいときは過去に起こった出来事を後悔するのではなく、未来の漠然とした不安にさいなまれるのではなく、今目の前にある作業を確実に、高いクオリティで実現することを考える。

これぐらいの種類のメンタルブロックの方法を考えておけば、つらいときは気持ちを少しずつ楽にできるだろう。ああ、書いて少しすっきりした。

社会人としての成長のステップ

最近、人が成長するステップみたいなものをぼんやり考えることがあり、新人の頃から考え方も変わったかもなあと思ったので、新人から今に至るまで考えていたことを軽くまとめてみる。

 

上には上がいることを思い知ることから始まる

高校に進んだとき、大学に入ったとき、会社に入ったとき、どのタイミングでも「ああ、世の中には本当に頭が良い人がたくさんいるんだな」と感心してしまった。と同時に、自分はなんと小さくて能力が低いのだろうとも思った。

でも今思えば、そういう事実と向きあうところから自分の成長は始まったんだろうと思う。がむしゃらに追いつこうと努力すれば、最初は全く見えなかった背中が、気づいたら少しずつ見えてくるという、不思議な感覚も味わった。

いつ頃からか、上がいるということは、自分にもまだ伸びる可能性があるということを教えてくれると思うようになった。

 

新しい場所に飛び込む勇気を持つ

少し仕事に慣れてくると、新しい仕事を任される機会が訪れる。自分にとって未知なことは、何事も不安でありストレスに感じる。でも、自分が社会人として成長しようと思うのであれば、そういう不安を抱えながらも、飛び込む勇気が必要になる。そもそも、新しい仕事を任されるということは、それだけ伸びる可能性があると周囲はみているということでもある。

時にチャンスを目の前に与えられても飛び込まない人もいるし、そういう人に限っていろいろ断る理由をつくるのが上手だし、不満を述べることが多い。価値観や考え方がいろいろあるんだな、と社会人として数年やってみて思う。それはそれで否定はしないけれども、それでは責任は大きくならない。自分の責任の幅を大きくしたいと思うのならば、それだけ自分も成長する必要がある。

 

自分の長所を確認する

最初は、仕事はうまくいかないし、自分を振り返る余裕もない。だけど、仕事に対して心の余裕ができてくると、自分が周囲と比べて何が優れているのか、ということに少しずつ気づき始める。それはささいなことであっても。

なぜ自分が仕事を任されているのか、なぜこのポジションなのか。細かい日々の作業の中で、そういうことをうっすら考えて、自分の長所を確認するところから、新しい成長が始まる気がする。それは、自分にとって優位を築くポイントであるはずだし、他人との差別化になるからだ。

組織の中で生きていくには、組織に必要とされる人にならなければいけない。自分の長所を確認するといことは、組織のニーズとマッチしているか、ひいては市場のニーズとマッチしているかを考える良いきっかけになる。

 

自分にとっての勝負時を見定める

新人の頃は、ただがむしゃらに目の前の仕事に立ち向かうことで、何とか顧客に認められる人間になろうと思って仕事をしていたけれど、数年経つといろいろ心境にも変化が出る。人はエネルギーはそんなに継続しない。ずっと全力疾走はできないということに気づく。

だから、勝負する時を見極める必要がある。普段は、自分のバランスを崩さない程度に仕事を継続する。しかし、自分にとって勝負時と思えば、多少のバランスを崩してでも、無理をしてでも、エネルギーを注ぎ込まなければならない。そういうタイミングが必ずあるもんだなと。そして、それをやり抜けた後、自分には少し新しい視界が開けている。そんな感触がある。

 

そろそろ勝負時かな。

組織にいて、いずれ管理者になろうと思うのならば、自ら決断しなければいけない機会が多くなる。

何事も後手に回ってはいけない

仕事をしていてわかるのは、何事も後手に回ってはいけない、ということだ。先手で進めることが、いろんなリスクを小さくし、成果を最大化させる。情報を集めたり、調査したり、資料を作ったり。何事も先回りして進めることで、良いことがたくさん得られる。

 

準備漏れを防ぐ

期日に余裕があるからといって後回しにして、直前で準備が不足していることに気付くのはよくあること。

少しでも前に進めておけば、やりながらイメージが具体化されていくので、決めておくべきルールが細かく設定されていなかったとか、資料に含めるべき情報が不足しているとか、いろんなことに気づくことができる。早く気づけば、それに対する対応の時間も確保できる。良いことが多い。

 

精神的な余裕がもたらすクオリティ

本来の実力を発揮するためには、適度な緊張感と余裕のバランスが必要になる。先に進めるということは、時間的に余裕ができるということだ。これは、本当に大切なこと。

そして、後手に回ってしまうパターンとして気をつけなければいけないこと。

 

クオリティに100%はない

どんなことでも当てはまることとして、品質に100%というものはない、ということ。一方で、ある程度相手を納得させられるクオリティというのも存在する。つまり、品質というのはある種妥協ラインを見極める行為なのかもしれない。

この、クオリティに上限がない、というのは時に厄介だったりする。際限なく時間をかけられてしまうからだ。でも、誤字が一箇所あったところで、文章の意味は失われない。(誤字は典型的なクオリティの印象要素になるので、絶対になくせ!と思っているけれど。)クオリティのためにどこまで時間をかけるべきか、考えないといけない。

 

経験が慢心させる

仕事に慣れてくると、その場の思考スピードが上がってきて、「大丈夫だろう」というカンが働くようになる。あながち間違っていない場合も多いので自分でもよくわからなくなってくるんだけれど、それでもカンが当たらない場合もある。そして、そういうときは大抵問題が大きくなる。

経験というのは素晴らしい財産であると同時に、自分の思考をゼロにしにくくさせる厄介なものだったりする。慢心してはいけない。常に物事は先に進めることで、品質が高いものを常にアウトプットできるようにしないと。

 

こんな感じか。最後に、この人の名言から。

マネジメントの仕事ぶりとは、主として明日に備えて優れた仕事をすることを意味する。

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議事録の書き方

議事録の書き方には、それなりのノウハウというかルールがあるのだけれど、それがよくわかってない人もいたりするので、ここでまとめて書く。

 

何が良い議事録か

まず、議事録の目的を考える。議事録は単に話したことをそのまま書けばよいものではない。次の2点が明確になっている議事録が、良い議事録である。

・後で読んだときに、会議の流れや議論の経緯、決定事項がわかる

・関係者が今後何をしなければならないのかがわかる

 

事前準備は十分か

会議での議題や配布資料、想定される議論の流れなどは、可能な限り事前に把握しておく。これが十分にできていないと、現場での会話が予想できないので、議論についていけず聴きもらしやよくわからない議論を書くハメになる。

 

会話で欠けている言葉を補う

よく誤解があるのが、言葉を勝手に足すことだと思う。これに抵抗を感じる人もいるようだ。しかし、会話というのは前後関係をよく省略するし、それでも会話は成立する。それを書き言葉にするときは、読んだ人が正しく議論の内容や経緯を把握できるように、議論の内容を損なわない程度に言葉を足す必要がある。

 

論理が構成されやすい順番に入れ替える

これも誤解されやすい部分があるけれど、実際の議論では、話の順番が飛んでしまったり、違うことを話した後で元に戻ったりする。振り返ると議論が堂々巡りになっている場合もあるし。こういうことをそのまま議事録にすると、前後の文脈もわかりづらくなって、読み手としてはつらい。ので、適宜論理構成がスムーズになるように順番を入れ替える。

 

結論へのストーリーを描く

会議での議論というのは、何らかの形で結論が出ているものである。ある事項を合意する、反対意見を踏まえて軌道修正する、持ち帰り確認する、などなど。議事録を書くときは、ひとつの議論の結論を明確にし、そこにつながるように議論の経緯を書く。ある種、とても短いストーリーを書くように。

 

宿題事項を明確に書く

議事録は記録であるとともに、ToDoリストの役割も担う。いろんな関係者に正しく告ぎのアクションを実行してもらうために、宿題事項と実施者、期限を明記しておく。

これらの点が意識して書かれた議事録は、読みやすく関係者の認識の齟齬も生まれにくい、良い議事録である。

会社や仕事の選び方について考える

先日、転職した知人に会った。そのときに、いろいろ働くことについて考えさせられたので、整理してみる。特に、社会人3年未満向け。

 

会社のカンバンを自分の実力と勘違いしない

社会人になって数年経つと、仕事も覚えるし、結果を出せるようになってくる。そうなると、「自分は仕事ができるなー」とか思ったりするのだけれど、よくよく考えてみた方が良い。自分がいかに、会社の名前や資本に頼っているか、ということを。これがなくなっても、自分が強い存在でいれるかどうか、ということを。

 

会社のカンバンは、自分の実力とイコールではない。

 

金額の大きさ≠仕事の意義

就職のときによく耳にしたのが、「この会社だと大きなお金が扱えるから。」という志望動機。社会人になってみれば、仕事における金額の大きさは、重要なようで実はそれは本質ではない気がしている。確かにお金が大きなプロジェクトに加われば、いろんな人と関わり、大きな物事が動いていくのを実感できるので、仕事として充実するのを完全に否定するものではないけれど。

 

むしろ、金額の大きさは仕事の複雑さに比例するから、自分がステップアップするに従い、扱う金額も大きくなるだろう。ただし、それは結果的にだ。金額の大きさを先に追及することは、自分が実力を身につけることと同意ではない。それを目的にするのは、意識としての順番が違うんじゃないかと思う。

 

終身雇用の幻想から覚める

これだけメディアで終身雇用は終わったと言われているのに、いざ社会の荒波に繰り出すと、安心したいのか「終身雇用」という言葉に揺らぐ人がいる。わからないでもないけれど、一度冷静になった方が良い。近年でどれだけ大企業が破綻し、新しい企業が台頭し、ビジネスモデルが塗変わったか。

 

社会人になって思ったのは、安定した職業なんて本当はないんじゃないかということ。どんな企業であってもこの先40年の雇用を確約してくれなくなってきているだろうし、企業が生き延びたって、ビジネスモデルはどんどん変わって、求められる人材も変わっていく。そういう中でどうやって生きていくか、ということを真剣に考えないとダメなんじゃないかと思う。終身雇用なんて求めている場合じゃない。

 

いろいろ書いたけれど、会社や仕事の選び方はその人の価値観と密接に関係していると思う。選び方を間違えて不幸なことにはならないように。

集中力の欠如が気になる今日この頃

最近集中力の欠如を強く感じる。花粉症のせいもあるのかもしれないけれど、個人的にはもっと重症だと思う。ネットで情報を取得することがメインになってから、年々集中力が落ちてる気がしてならない。コンテンツを流し読み、結局頭に入らないとか、長い文章はそもそも読む気がしない、とか。

というわけで、自分の集中力の無さを何とかしたいので、いくつか集中力向上のための施策を調べてみた。

まずはWikipedia。

学業や仕事やスポーツなどのあらゆる場面で集中力は重要な要素となっており、集中力の有無が成否を左右するという事が多々ある
集中力 – Wikipedia

確かに集中力は、仕事や学業の結果に結びつくもの。確かにそうだ。本を読んでいても、何かを勉強して覚えようとしていても、びっくりするぐらい頭に入ってないことが多い。自分の集中力の無さを本当に嘆きたい。こういう「何かやってるけど、集中できていない時間」というのを減らすことができれば、もっと自分の生産性は上がるはずだ。

集中力についてGoogle先生に聞くと「ためしてガッテン」に関する記事がいろいろ出てくる。なんなんだ。「ためしてガッテン」の集中力に関する内容は、これがわかりやすくて簡潔。

集中力を養う3つのポイント + α | Lifehacking.jp

疑わしいとか四の五の言わずに、とりあえず環境音を試してみる。早速ダウンロード。これに限らず、集中力が上がりそうな音楽で仕事や勉強するのは、良いかもなあ。

FM3 BUDDHA MACHINE » Buddha sounds and loops

個人的に集中力を高める上で大切だと思うことを書いておく。今後はこれを意識して実行すること。

気になることはメモなどに全て書き出す

気になってることがあると、気が散って作業が前に進まない。ひとまずどこかに吐き出すと、すっきりする場合が多い。GTDなんかはこの典型だよね。

自分の集中力の限界を知る

人の集中力は20分とか1時間とか言われている。個人によっても違うし、取り組む内容によっても違うだろうけれど、自分の集中力の限界が来たと思ったら、休憩をとったり別の作業をしたりする。

薄く長くできる状況をつくる

自分の一日の集中力には限界があるので、期日までの時間=仕事がはかどる時間ではない。ということで、期日から逆算し、自分の生産性を織り込んだスケジュールで進めるようにする。

自分の生産性を上げるためには、集中力が欠かせないと思う毎日。

就職・転職活動で尋ねるたったひとつの質問

geralt / Pixabay

就職活動や転職活動で、必ず最後に「何か質問があれば?」と聞かれる。このとき、僕がよく聞いていた質問がある。これを人に話したところ、結構感心されたのでここでも書いておこうと思う。

 

それは、

 

「あなたが今後この会社、もしくはそれ以外でやりたいことは何ですか」

 

というものだ。これを面接官に聞くことで、いろんな情報が得られる。具体的に書いていこう。

 

その会社での仕事内容が具体的にわかる

「今自分はこういう仕事をしていて結構楽しいので、今後は○○なんかをやってみたい」というような、面接官が今やってる仕事を話してくれたりする。

 

その会社での仕事なんて外側からは具体的にはよくわからないものだ。「あなたは今どういう仕事をしていますか」というような聞き方も、なんか捻りがないし聞きづらい感じもあるので、この質問が具体的な仕事内容などを引き出してくれる場合がある。

 

会社がその後どういう機会を自分に与えてくれるのかわかる

「今こういう仕事してるけど、いずれは○○で起業しようと思ってる」なんて率直に話してくれる人もいる。その会社に入ることで、自分がどういう経験をし、キャリアステップを描けるのかがイメージつくかもしれない。

 

はっきりいって、「うーん、とりあえず今はここで頑張っていこうかな」みたいな、曖昧で中身のない、つまらない回答や夢のない回答をされると、その会社に入る気が失せる。

 

会社のカルチャーが垣間見える

この質問は、会社に入ってもちゃんと将来を描いていられるかを試すもの。この質問をすると、ちゃんと面白く答えてくれる人(企業)とそうでない人(企業)がいた。もちろん、後者はこちらから辞退した。

 

就職活動中にある経営者にこの話をしたところ、「ぜひうちの若い面接官にもその話をして欲しい。きっとちゃんと答えられないと思う。」と言われたことがある。会社に入ってからもちゃんと自分の将来を真面目に考えている人間なんて、実は少数なのかもしれないとそのとき思った。

 

面接官と対等な関係になる

漠然としているが、この質問をするとそれまでの面接の空気が変わる経験が何度もあった。あくまで面接官個人の今後の将来を質問しているので、急に対等な関係になったように感じる。急に距離が縮まる感じがするのだ。(だからといって合格するわけでもないだろうが。)

 

この質問は、結果的に面接官を試すことにもなる。この人は会社での仕事や将来を考える人か。そして、面接官個人を通じて、会社のカルチャーなどを品定めされることにもなる。

 

純粋に話してもらう内容は面白いよ

人の将来の夢を聞くのは、結構面白いものだ。数年後には辞めて田舎で農業やろうと思ってる、とか。もう密かにこういう事業で起業の準備をしている、とか。大学でもう一度勉強したいとか。人それぞれ考えている将来のオプションがあって、それを聞くだけでも刺激になるし楽しい。自分の将来にも希望を感じてくる。

 

というわけで、僕はこの質問をしてみることをおすすめする。そもそも、一方的に「あなたは何でこの会社を志望されたのですか」なんて試されるのは癪じゃないか。「あなたは何で今この会社にいるのですか」って聞いても良いと思う。(実際聞いたことがある。)

 

今就職は大氷河期なんて言われているけれど、それでも自分が納得した企業に入りたいと思う人には頑張って欲しいものです。

NUCBの公開講座「21世紀型MBAの学び方・活かし方」に参加してきた

名古屋商科大学の公開講座「21世紀型MBAの学び方・活かし方」に参加してきた。考えさせられることがあったので、忘れないうちにまとめておこう。
 
 
MBAスキルによる管理の限界
 
MBAとは、経営のミドル層をターゲットにした、経営に関し必要な知識を体系的に学ぶことを指す。これが、主に人や組織や財務を「管理」すること」が中心となっているが、これが社会情勢にフィットしなくなっているのではないか、という問題提起が主題。これを、会社と個人に分けて考えてみる。
 
 
会社におけるMBA的考え方の限界
 
少し前によく議論に上がった話だが、株式会社に形態として株主の利益を追求すると、株主の短期利益を尊重することになり、短期利益を上げるため人員整理や資産売却等により、一時的に費用対効果を上げる傾向を示す。これが、会社の継続的発展を妨げる要因になっている。また、経営陣と従業員の所得格差も拡大し、会社が経営陣の儲けの手段になってしまうことが問題視された。
 
これを改めるために、株主が経営陣をちゃんと「管理」することが、対策として挙げられている。また「管理」になっているが、管理することに限界がきているのではないか?という問題提起。これに対する答えとして、企業は長期的利益と持続的発展を目指すべきだ、という話だった。
 
 
どうやってこれを実現するべきなのだろう。自分が考える条件は2つだ。
 
ひとつめ長期的利益、というのはどういう指標で管理されるべきなのだろう。短期の効率性だけではダメなのはわかるんだけど、持続可能性を評価するときの指標が存在しないのが、現状だと思われる。この対応策は、適切な指標を構築することなんだろうか。
 
もうひとつは、社会的に「長期的利益が重要である」というコンセンサスが醸成される必要もある気がする。どうやったって、株主は利益を追及するのだろうし、人間の思考の性質上、そんなに長期的展望を想定して投資することにも限界がある。だから、「長期的な価値が最重要だよね」という、全体の総意が必要なのではないだろうか。でないと、経営者がその価値を重要視した経営を行いにくい状況を生み出す気もする。
 
現在上場している株式会社を想定して書いているので、ある意味これは、現在の株式会社の形態に限界が来ているのかもしれないとも思う。広く資金を募り、事業により株主に利益を還元する。利益もリスクも分散することで、高いリスクテイクを可能とする合理的な会社形態だったが、これが社会にフィットしづらくなっているのかな、と。だから、上場廃止する企業も出現するのだろう。ただ、株式会社に優る合理的な会社の仕組みがないのも事実。
 
 
個人として学ぶMBA的思考の限界
 
MBAの知識体系は、先ほど書いたように主に「管理」を主体としているが、これを個人の考え方として広く当てはめようとすると、組織内でいろんな支障をきたす可能性があることがわかっている。責任範囲の明確化による内部思考・官僚主義の醸成。これによるモチベーションの低下。また、様々な事象を管理しようとする傾向から、自分の想定を超える問題への対応の限界。
 
これに対する答えとして、MBAという知識を学ぶだけでなく、MBAを学ぶ過程を通して「学習能力」を身につけることが重要だとの見解だった。
 
これは実際働いていてもうなずける。どうやっても、様々な事象を管理することには限界がある。その前提に立ったとき、新しく解決策をブレイクスルーさせる力が必要になる。それは自分個人の力だけでなく、いろんな力を引き出すことも、スキルのひとつとして重要になる。講義の中でも明確なソリューションはなかったものの、「獲得を目指すより、貢献を行う」姿勢が重要になるとの話には、確かに共感できる部分がある。
 
まずは、自分個人の能力だけでは限界がある、という前提を理解し、いろんな力を引き出しながら、問題を解決に導ける人が必要なのだと思う。
 
 
#とりあえずいろいろ勉強しよ。少しモチベーション上がった。


あわせてどうぞ。

前向きに人生を諦める方法

結構示唆的な内容だったので、自分の見解を書いてみる。タイトルは、この記事とか「希望を捨てる勇気」みたいなところから受け売りで。
人生は早めに諦めよう! – Chikirinの日記

早めに「人生の天井」を知る。

そういうことを中学生くらいで知ることを不幸と思う人もいるのだろうが、ちきりんは「40才まで分からないよりは、中学生くらいで分かった方が幸せでは?」と思う。

それより、若い時にいろいろ諦めておいたら違う人生が開けてくるんじゃないかな。
人生は早めに諦めよう! – Chikirinの日記

その通りだね。幼い頃から大学生まで、いろんな夢があったけど、運動や音楽や建築の才能がないと諦めて、今はITコンサルタントらしきことをやっている。今までの夢の何かに今でもこだわっていたら、結婚もせず、どこかで貧乏に野たれ死んでいたか、もしくは親のすねでもかじりながら、肩身の狭い人生を送っていただろうと思う。
 

年齢とともに制約は増えていく

社会人として年季を重ねるたびに思うのは、時間とともに自分にとって制約がどんどん増えていくんだ、ということ。
例えば、もう自分はプロ棋士にはなれないだろうし、宇宙飛行士にもなれないだろう。
IT業界を選んだことで、転職可能な業種は限定されるかもしれない。
 
そういう制約が増えていくことは、肝に銘じなければいけないな、と思う。
 

自分の頑張りが無駄になる可能性

自分より優秀な人と無理に競争したり、苦痛しか感じない仕事をプレッシャーの名のもとに頑張ってみたり。
そういうのは、やめた方がいいと思う。たかが仕事だし、80年ぐらい生きる人生のほんの一部でしかないはず。
 
過度に頑張りすぎると、人は簡単にうつ病にもなるし、そうなってしまうと完全な社会復帰には本当に時間がかかる。人生のほんの一部だったはずの仕事が、ものすごい影響を与えてしまうことにもなりかねない。頑張る方向を誤ると、自分の頑張りが無に帰す結果になることを、社会人になって初めて知った。
 

結論:自分のエネルギーを投入するポイントを考える

生まれたとき、人には無限の可能性はあるのかもしれないけど、ずっと無限の可能性があるわけではないし、無限に達成できるわけでもない。
時間は有限だし、自分の労力にも限りはある。だから、どこに自分のエネルギーを投入するか、考えなきゃいけない。
 
とりあえず、苦痛だったりモチベーションがあがらない状況になったら、一度諦めてみるといい。誰かに遠慮なくすがってみても良いと思う。
趣味に生きるのだっていいし、副業を始めたっていい。自分のモチベーションが上がるポイントに対してエネルギーを注ぐことが、素敵な人生になるんだと思う。今日この頃。

決断力はなぜ鈍るのか

なんか。迷うのですよ。仕事をしていると。
何かを決断するときに、いろんな人の意見を聞いたり情報が多くなってしまうと、迷いに陥って、中途半端な決断しかできなくなる気がしてしまう。

それではダメだと思い、決断力を上げるには何が必要かを勝手に考えてみる。

 

情報の多さと決断力

大前研一さんがメルマガで、小泉前首相が「勘が鈍るから情報はあまり入れない」みたいなことを言っていた、と書いていた。(大前さんのその記事は「政治家は、その場しのぎの判断のために結論だけを切り出すのはだめだ」というような主旨だったと記憶している。)

本当か?と思ったぐらい驚きのエピソードだが、「知らないからこそ決断できる」というのは、本当に正しいのだろうか?無知であることで、細かい情報に左右されずに決断できる、という意味だろうか。勉強せずに決断していることは明らかにだめだと思うが、これを読んで、気づかされたことがある。

それは、全ての情報や立場を考慮していると、判断に迷いが生じ、素早く決断できないことが多いのではないか、ということだ。

いろんな人の意見を聞いていると、それぞれの立場で正しい意見を表明する。それぞれ正しいのだ。でも、全体の観点からすると矛盾する内容となることなど、よくある。情報の多さは、人によっては迷いが生じ、決断のスピードが鈍ったり、軸がブレたりするのだと思われる。(時に、自分はこれに陥る。)

 

小さな情報や感情を切り捨てる勇気

さて、ビジネスの現場では、組織の方向付けはリーダーが行う。一方で、組織を円滑に動かすためには、「多くの人に納得してもらう」ことも必要となる。独裁者が辿る末路は、いつも不幸だ。

現場の担当者ひとりひとりの意見を丁寧に聞き、完璧に納得してもらうことは、全体の最適と矛盾してしまう。
つまり、大きな組織を引っ張っていく(=全体最適に向かう)には、「多少の情報や感情は切り捨てる」勇気を持つことが必要なのだ。

そして、最も難しいのは「何を切り捨てるか」を判断することだろう。

前述の小泉前首相の話が本当だとすれば残念だが、理想をいえば、いろんな意見を取り入れた上で取捨選択し、全体最適を考えた場合に、どこに向かうかを明確なビジョンとして示すのが、リーダーの役割なんだと思う。

 

そして結論

人間の特性なのだと思うが、情報が多いと、判断する軸がたくさん出てくるので、決断が鈍ったりブレたりする可能性が高い。しかし、いろんな情報を加味しないことには、適切な判断をすることが難しいのも事実。

ここで重要なのは、自分の中の価値観を明確にすることだと思う。優れたリーダーはどうしたいかの鮮明なビジョンがあり、それに従った判断を行おうとする。逆に言えば、自分の軸となる価値観が十分に形成されていないから、判断に迷う場面が多いのではなかろうか。ありきたりなビジネス書みたいな結論になってしまっているが、これができている個人や組織は実はとても少ないんじゃないだろうか、と推測する。

価値観をわざわざ紙に書くなんてアホらしい、とか、めんどくさい、とか、恥ずかしい、とか。
そして、いざ考えようとしても、本気でやろうとすると、意外に難しい。
でも、これはとても重要なことだし、それがあると、劇的に状況が変わる可能性があるということは、歴史が証明している。ピンとこない人は、「旭山動物園物語」でも観ると良い。

別に紙書いて部屋に貼れとか、夢を手帳に書け、とも思わないが、自分の価値観とは何ぞや、ということを考える機会を、定期的に持つだけでも、決断するときの迷いは劇的に減るのではないかを思う。だから、自分はそうやって生きていこうと思うのだ。