議事録の書き方には、それなりのノウハウというかルールがあるのだけれど、それがよくわかってない人もいたりするので、ここでまとめて書く。
何が良い議事録か
まず、議事録の目的を考える。議事録は単に話したことをそのまま書けばよいものではない。次の2点が明確になっている議事録が、良い議事録である。
・後で読んだときに、会議の流れや議論の経緯、決定事項がわかる
・関係者が今後何をしなければならないのかがわかる
事前準備は十分か
会議での議題や配布資料、想定される議論の流れなどは、可能な限り事前に把握しておく。これが十分にできていないと、現場での会話が予想できないので、議論についていけず聴きもらしやよくわからない議論を書くハメになる。
会話で欠けている言葉を補う
よく誤解があるのが、言葉を勝手に足すことだと思う。これに抵抗を感じる人もいるようだ。しかし、会話というのは前後関係をよく省略するし、それでも会話は成立する。それを書き言葉にするときは、読んだ人が正しく議論の内容や経緯を把握できるように、議論の内容を損なわない程度に言葉を足す必要がある。
論理が構成されやすい順番に入れ替える
これも誤解されやすい部分があるけれど、実際の議論では、話の順番が飛んでしまったり、違うことを話した後で元に戻ったりする。振り返ると議論が堂々巡りになっている場合もあるし。こういうことをそのまま議事録にすると、前後の文脈もわかりづらくなって、読み手としてはつらい。ので、適宜論理構成がスムーズになるように順番を入れ替える。
結論へのストーリーを描く
会議での議論というのは、何らかの形で結論が出ているものである。ある事項を合意する、反対意見を踏まえて軌道修正する、持ち帰り確認する、などなど。議事録を書くときは、ひとつの議論の結論を明確にし、そこにつながるように議論の経緯を書く。ある種、とても短いストーリーを書くように。
宿題事項を明確に書く
議事録は記録であるとともに、ToDoリストの役割も担う。いろんな関係者に正しく告ぎのアクションを実行してもらうために、宿題事項と実施者、期限を明記しておく。
これらの点が意識して書かれた議事録は、読みやすく関係者の認識の齟齬も生まれにくい、良い議事録である。