Flickrのサービス内容が大きく変更されました

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今日Flickrからメールがきていて知りましたが、Flickrのサービス内容が大きくアップグレードされました。僕はProアカウントを購入してたんだけど、アカウントの種類が変わったり、サービス内容が見直されたようで、ビジネスモデルのレベルで変更があったようです。

 

アカウントの種類

これまでのFlickrはFreeとProの2種類でしたが、今回の変更で3種類になったようです。

アカウントの種類内容
Free無料。容量は1テラバイトまで。広告表示。
Ad Free年間49.99$。広告非表示。
Doublr年間499.99$。容量は2テラバイトまで。広告非表示。

Flickr: Help: Free Accounts, Upgrading and Gifts

というわけで、既にProアカウントという考えはなくなりました。

 

この変更をどう考えれば良いか?

基本的に、料金の源泉は容量ではなく、広告の表示/非表示になったということです。ちなみに、1テラバイトあると、50万枚以上の写真に相当するそうで。
Flickr: Help: Free Accounts, Upgrading and Gifts

個人からみれば、有料になる理由は減ったんじゃないかと。まだあまり広告がどう表示されるのかわかっていないですが、あまりにもうざく感じなければ、有料になる人は減るんじゃないかという気がします。

Googleも写真などのデータ管理を15GBを無料で提供していたりするので、Flickrも競争性を打ち出さなければいけない状況で、Flickrの門戸を広げるという意味では、良い変更になったんじゃないかと思います。

 

Flickrのビジネスモデル

Flickrはデータ容量を中心とした有料モデルではなく、広告収入+料金徴収モデルに変更したといえます。どちらかというと、広告の比重が大きくなるのかな。

このあたりの記事から、ハードディスクの容量が劇的に低下しているのがわかります。
HDDの価格下落の傾向を調べてみたよ (2001年~2009年) – ぱらめでぃうす

一方で、世界でみてもネット広告のシェアは広告市場で伸び続けており、約2割のシェアがある。
ネット広告、世界でシェア2割に 12年は10兆円 :日本経済新聞

あとは、広告がどの程度マッチング効果があり、広告媒体としての価値があるか、ということにかかってくると思う。

 

Yahooに買収されてからあまり変わっていないと言われていたFlickrも、ついに新しい方向に進みだしたようで。ユーザーとしては良い方向に改善して欲しいもんです。

ヤフーがどのようにFlickrをダメにしたのか? スタートアップが大企業に買収されるということ : ギズモード・ジャパン

中小企業でEvernoteを利用するのはアリか

AJEL / Pixabay

Evernoteは本当便利だ。いろんな情報をクリップできるし、自由にメモ書きできるし、同期もするし、検索も簡単だ。Eveernoteに情報を集めることで、ファイルやそれ以外の知識や情報を集中的に管理するツールとして使うことができる。

そして、これをビジネスで組織的に使うことはできるのだろうか、というのが今回のテーマ。

 

Evernote Businessというプラン

ファイルやメモをEvernoteに登録しておくと、内容を認識して簡単にキーワード検索できるようになるし、タグやノートで整理すれば簡単にアプローチできるようになる。また、関連ノート機能で、類似の情報にもリーチしやすくなるので、データの利活用の面で利便性が向上する。

ただし、PDFやOfficeファイルの検索については、プレミアムアカウントやビジネスプランでないと無理。
プレミアムにする10の理由 | Evernote

また、Evernote Businessとしてビジネス向けプランで実現することもできる。従来のEvernoteは個人に紐づいているが、ビジネス用に設定することで情報を組織で共有することができる。当然、個人で使っている場合はうまく共存できるように設計されている。
Evernote Business | Evernote

価格が1ユーザ900円/月になっているので、小規模な事業者であればメリットを創出しやすいんじゃないかと思う。

 

ファイルサーバとの共存も可能

Evernoteには「インポートフォルダ機能」というのが存在し、予め指定したフォルダにファイルが追加された場合に、それを取り込む機能がある。しかも、サブディレクトリも対象に含めることができるし、複数のフォルダを指定することも可能だ。

これはつまり、ファイルサーバ等の通常管理とEvernoteが共存可能、ということだ。

 

セキュリティ面での考慮

ただ、Evernoteのクラウドサービスにデータを預けることになる。Evernote自体でもセキュリティ対策は行っていると思うが、以前セキュリティアタックを受けて、パスワードリセットすることが起きた。それだけ不安がある。

テキスト暗号化機能はあるので、機密情報は個別でロックすることも可能。
機密情報をEvernoteで安全に保管する方法 | セキュリティ・プライバシー – エクストリームオフライン

利便性とセキュリティは一部バーターの関係にもあり、利便性だけを取得する万能な方法はない。なので、セキュリティ面でどこまで考慮しておくかは、個別の事情に合わせて検討する必要があるだろう。個人的には、ホワイトペーパーなどの公開資料や技術情報など、万が一に漏洩した場合にも被害が生じない情報に限定するところから始めても良いのではないかと思う。

 

その他の手段はあるのか

Googleデスクトップがある。Googleデスクトップは既に開発が中止されてしまったけれど、PC端末だけでなくネットワーク上に接続された共有フォルダ等も検索対象に含めることが可能。
ファイルサーバをGoogleデスクトップで検索する方法 | Synapse Diary

 

 

というわけで、Evernoteをビジネスに利用することは可能だし、やはり知識が一元的に集約されて、利用しやすい状態になるのは魅力的。あとは、どう利用するかを自社に合わせて設計する必要があるだろう。

ミッション・クリティカルシステムがクラウドに乗る時代

驚いた。ミッション・クリティカルなシステムがクラウド(AWS)に搭載されたというニュースがあった。

クラウドサービスが脚光を浴びる中、ミッション・クリティカルなシステムについては難しいだろうという意見は結構あった。僕もそう思っていた。

ノーチラス・ テクノロジーズは、西鉄ストアの本部基幹システムを Asakusa Framework/Hadoopにて開発、ミッションクリティカルなシステムを アマゾン ウェブ サ―ビス上で本稼働開始 | NAUTILUS

「オンプレミス・システムの終わり」の始まり~AWSでのミッションクリティカルシステムの稼働 – 急がば回れ、選ぶなら近道

こういう「止まったら業務に大きな影響が出る」利用頻度が高いシステムは、自前で保持することが主流だ。それは今もそうだと思う。クラウドは、技術的には進歩しているしコストも安い反面、自由度は制限されるので使いづらかったり、万一止まった場合のバックアップの仕組みをどうやって構築するのか、という検討の問題もあったりで、重要なシステムに対しては躊躇されている。

ただ、今回のケースをみるといろいろ重要な示唆が含まれていると思う。

 

優秀なエンジニアによるレバレッジを効かせた収益構造

これは環境がクラウドだからできた、というのは確かにあります。クラウドは腕のよいエンジニアをとんでもない勢いでレバレッジさせるという好例だと思いました。エンタープライズ(社会インフラ系)経験の豊富なウィザード級のインフラ・エンジニアを2年もAWSに専属で突っ込んでおけば、十分化け物にはなります。そんな感じかと。・・・これが普通になるとインフラの指示待ち人材は完全に仕事がなくなりますね・・・

「オンプレミス・システムの終わり」の始まり~AWSでのミッションクリティカルシステムの稼働 – 急がば回れ、選ぶなら近道

エンジニアの生産性は結構差が生じているのは昔から言われていることだ。やはり人がやることなので。それを吸収するためにマニュアル化したり開発標準ツールを使ったりしてるんだけど、どういう部分だけじゃなくてこういうレバレッジの考えを持つべきだと思うんだよね。

 

ビジネスモデルの差が技術力に表れる

受託開発が人月単価で計算されて、「コスト」としてみなされるのに対して、AWSのようにエンジニアがインフラ基盤を構築して高い技術力を提供することは、収益を増やすことに直結する。「SIer」というビジネスモデルは米国では少ないとか、内製化に向かっているとか、受託開発は人をコストとして定めて金額要求するので生産性向上につながらない、とかいろいろ言われてきた。

こういう業界構造として存在する部分が、技術力の差として表れているんじゃないかという気がしました。つまり、技術力はそういう「結果」であり、どういうビジネスモデルで市場で勝負しているかが先にあるんじゃなかと。AWSはインフラを「サービス化」して、パイを広げながら自社コストを抑制するモデルを創りだしたし。

 

ミッション・クリティカルなシステムがバンバン今後も移行されていく、とは思えないけど、事例は増えていくんじゃなかろうか。クラウドサービスで大規模障害でも発生しない限りは。

FixMyStreetに必要なのはサービス運営の設計

FixMyStreet Japan – 地域の問題を共有する
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FixMyStreetがちょっとした話題になっている。まず、FixMyStreetについての説明はこの記事に詳しい。
FixMyStreetを使ってみよう! | Open Knowledge Foundation Japan

道路の状況など、市民の生活に関する情報が可視化され、共有されることは良いと思う。新しい気づきや対応が生まれてくるんだろうと期待したい。

それと同時に、このサービスが有効に使われるためには、使う側のサービス運営の設計が重要だと感じた。

 

サービスプロセスをどう設計するか

上記の記事でも書いている通り、市民側からすると「このサイトにアップして報告すれば行政が対応してくれる」という過剰なエスカレートと、行政側では「苦情処理」が増えるというネガティブ情報の可視化につながり、全体最適に向かって運営するには結構高度なスキルが求められる。

情報を可視化するための簡易なプラットフォームが構築されることは良いとは思うけれど、こういう類のサービスを運営するのは結構高度な運用スキル(端的にいえば、どうやって苦情を裁くのかというプロセスの部分)が必要になり、それに失敗すると、住民側・行政側双方が不満・不信をため込む結果になるんじゃなかろうか、という余計な心配を考えてしまったりする。

 

利用するための目的とプロセスを誰が決めるのか

そういうプロセス設計を行えれば良いのだけれど、じゃあそのプロセスを誰が決めることができるのか、というとサービス主体は札幌のダッピスタジオという会社が運営しているので、簡単に修正することができないし、行政側と住民側の誰と誰が交渉すれば納得のいくプロセスづくりができるのか、というのは難しい気がするわけですよ。

また、まったく関係ない画像や文章がアップされた場合やプライバシーに抵触する可能性がある場合に、それを誰が排除するのか、アップされた情報はどういう取扱いが合法的なのか(著作権はどこにあるのか)など主体がはっきりしないことで宙に浮いてしまう問題は多々あると思われる。

そういう点を考慮すると、千葉市が試しに使ったみたいに、イベントの際に、人数を限定的にした状態で利用することは、目的が明確であり、コントロールしやすいので良い使い方だと思う。

 

これらはオープンガバメント共通の課題

プロセス設計が重要になることや、ステークホルダー間の調整によって主体を決めておくことは、オープンガバメント共通の課題ともいえる。そのサービスを提供することで何が生まれるのか、誰が調整・コントロールしていくのか、というのは自然に任せていて勝手に決まるものではないし、誰かが実施していくことになる。それを行政が担うのであれば、それは人件費やサービス運営費としてコスト増にもつながる可能性がある。

もうひとつは、ITリテラシーやインセンティブという面で、登録件数がどこまで伸びるんだろう、ということも気になる。これはプロセス設計と強い関係がある。サービス利用に必然性があれば、ITリテラシーやインセンティブの面は解消できる可能性が高い。しかし、それが弱いと「わざわざIT使わなくても役所に電話すればいいか」ということになる。

 

すでに長く運用されている英国では、週間で2500件ぐらいの報告があり、月間で5500件ぐらいの対応があったとなっている。これだけみると、比較的使われているのだろう。そういう可能性を秘めたサービスではあるので、今後こういうサービスがどう発展していくのかは興味深い。

RSS好きな人向け。キーワードから情報を取得できるおすすめのRSS3つ

愛用しているGoogleリーダーの終了予告が行われて、RSSはもう終わったと言われていますが、全然使えると思うし、RSSでこんな情報の取り方があるんだよってのを書いておこうと思います。

昔、キーワードを指定してRSSを取得することで、特定の話題に関する記事を効率的に集める方法を書いたことがあります。そして、その後TwitterがRSS提供やめることになりました。

各種サービスのRSSでの取得方法いろいろ

TwitterのRSSサポート終了で情報収集手段がひとつなくなった

というわけで、今よく使っているRSSを3つご紹介します。それぞれの特徴で、少しずつ使い分けています。

Googleアラート

いつ終わるかわからないという恐怖もあるのですが、一番広く記事を取得できるんじゃなかろうかと思うのがGoogleアラートです。Googleだからやはり広く情報を拾ってくれるし、Googleアラートのサイトからキーワードを登録して、配信方法で「フィード」を選ぶだけでGoogleリーダーに登録できるから、設定も簡単。

はてなブックマーク

はてブの記事に登録されているタグに、RSSがあることを知ってから使っています。特定のキーワードタグを見つけて、RSSのアドレスを取得するだけです。

はてなブックマークは、やはり良質な情報をフィルタリングする、という意味では優れたサービスだと思います。

Yahoo知恵袋

最近のおすすめはこれ。Yahoo知恵袋でキーワード検索したものはRSS取得できます。Yahoo知恵袋に投稿された情報が取得できるので、どういうことを気にする人が多いのか、とかGoogleアラートやはてブでは拾いにくい情報が取れます。

登録の仕方は、ここがわかりやすくて良いです。
Yahoo!知恵袋もRSS登録することができるだっていうのを最近知った | bl6.jp

なんだかんだで、RSSは広く普及しているフォーマットではあるし、積極的に情報を取ろうという人にとっては有益なツールであり続けると思うんですよね。

ソーシャルだけでいいじゃん、というのはなんか違うと思うなーと感じる今日このごろです。

自治体関係者は見るべき。オープンデータ系動画5本

オープンデータの機運は、日本でもだんだん高まっている。具体的な取組事例も生まれているし、国や自治体が積極的に政策に盛り込む動きも出ている。というわけで、オープンデータを効率よく理解するための動画をここで纏めておこう。

 

ティム・バーナーズ=リーが示す次のウェブ

World Wide Webの創設者が語る、開かれたWebの世界。改めてみてもプレゼンが秀逸。オープンデータがなぜ必要かがよくわかる。Row Data Now!

 

オープンデータが拓く未来

国際大学GLOCOMが開催した公開シンポジウム。2012年5月のもので、欧米でのこれまでの流れや、オープンデータにまつわる用語が整理されていて、入門編として良い。
公開シンポジウム「オープンデータが拓く未来 〜動き出した日本の公共データ活用〜」: GLOCOM


Video streaming by Ustream

 

オープンデータ活用事例の紹介

オープンデータ流通推進コンソーシアムが開催したシンポジウム「オープンデータは社会を変えるか私たちが今取り組むべきこと」での講演内容。実際の活用事例や、公開時の問題点、注意すべきポイントなどが纏められていて、オープンデータとしての取り組みに何が必要か具体的に理解できる。

第二部のパネルディスカッションも結構面白い示唆が含まれてる。

 

オープンデータ流通推進コンソーシアム第4回利活用・普及委員会

こちらもオープンデータ流通推進コンソーシアムが3月13日に開催したシンポジウム。総務省の実証実験など、どちらかというと国からのアプローチが内容としては多いかな。


Video streaming by Ustream

 

個人的には、まだ市民など一個人や企業からすると、魅力的なキラーコンテンツは登場していないと思っていて、いわゆる「キャズム」はまだ超えていないと思っている。ただ、データを公開する流れは間違いなく強くなっているし、今のところ逆行する気配もない。仕組み作りやどういうコンテンツができるか、など課題は多いが、今後もこの流れは止まらないだろう。

外出先で動画を見る。URLを入力してUstream動画をダウンロードする「Ust DL」

Ustreamの動画を見ようとするけど、外出先でも安定して見ようとするにはネット接続じゃなくてダウンロードしておきたいと思うもの。過去にも、Ustreamの動画をダウンロードする方法を書いたこともあった。

Ustreamをダウンロードして音声だけ抽出する方法(Mac編)Synapse Diary | Synapse Diary

 

だけど、これまで使っていたツールじゃうまくいかなくなったので、これに切替。非常に便利。

Creazy!(クリエイジー!)
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URLを入力して、変換ボタンを押すだけ。あとは、リンクを右クリックして保存すれば完了。ちなみに、利用するには、Facebookページで「いいね!」をする必要有りです。すごい便利だから、全然「いいね!」するよ。

それにしても、相変わらずUstreamは動画やストリーミングの検索が不便だな。。。。どちらかというと、Ustreamはやはり配信サービスなので、動画をストックして次々見ていくような使われ方が少ないからだろうと思うけど。

iPhoneアプリ「Mailbox」は本当にメールゼロにできる

Mailbox – Put Email In Its Place

いろいろ噂になっていて、流行りモノみたさで登録したけど、使ってみたら非常に良かった。これまで使っていたGmailアプリをすっかり使わなくなってしまった。

まあ、使い方は別のところで検索して調べてください。なんでこのアプリを使うと受信トレイがゼロになるのか、っていう話と、今後のMailboxの可能性を考えようと思う。

本当にメールを根絶できる仕組み

画期的なのは、メールを「先送り」できることだと思う。タスクと同じで、今は読んでも仕方ないもの、後で思い出したいものがあるので、そういうものを先送りしてくれる。そして、また後でメールボックスに登場するのだ。終わったらアーカイブしてくことも必要だけど、未来にストックする仕組みはこれまでなかった。これで処理していくと、どんどんメールの数が減っていく。

そして、ちょっと使ってみたら、本当に受信トレイがゼロになった。これは気持ち良いし、一度ゼロにすれば、それを維持しようと頑張れる気になれる。使い始めて、受信トレイがゼロになってからは、基本的にずっとゼロだ。

あとは、使っていて気持ち良いUI。メールを処理するときの操作性。この辺りはどんどんユーザーの要求も上がってきているから、必須条件になっている気がする。

ユーザーの使い方を再発見する

ヘビーユーズしているiPhoneアプリが他にもいくつかあって、同じような特徴があるのが、「Sunrise」っていうカレンダーと、「Any.Do」だと思うのです。どちらもUIやデザインは優れているっていう点と、カレンダーやタスクリストという普遍的でありきたりと思われるものを対象にしている。

Gmailがアーカイブやラベルという考え方を持ちだしたときも「画期的だ!」って思ったけど、どうやって使うかによってUIの部分はまだまだイノベーションがあるんだなって思う。ただ、それと同時にとっても平等な競争社会だから、一度勝つだけじゃなくて勝ち続けていくことの方が大変だと思うけどね。

だから、その先はいかに自社固有の部分にユーザーを引き込んでいくかが重要になる。実際、Mailboxの先送りなどのラベルは、Gmailには反映されなくなっている。技術的なハードルなのかは知らないけど、Mailbox特有の部分は囲った方が良いと思うね。

Mailboxのマーケティング

アプリとかIT系サービスであれば、プロモーション動画を作るとか普通になってきてるなあ。今回Mailboxが注目されたのは、製品発表前にプロモーション動画が注目されたこと、リリースされた後も登録順に迎え入れるという「待ち行列」を作ったことだと思う。

特に後半の待ち行列に関しては、アプリの表現も秀逸で、自分の前に何人、自分の後に何人いるかが視覚的にわかるようにされていて、アプリを開くたびにその数字が変わるのが面白かった。これは、期待を高める効果と、待っている間のストレスを緩和するという意味で、有益なアプローチだと思う。

そして今後の問題は、その先どうやってマネタイズしていくのかとか、もっとユーザーを長くヘビーユーザーにしていくためのキラーコンテンツは何か、ということだと思う。

今後のキラーコンテンツは何か

Mailboxの今後は、マネタイズとかそういう問題というより、どうやってユーザーを引き止め続けるかだろうと思う。GmailをラッピングしてUI部分を革新したのは良いのだけど、ユーザーのスイッチングコストはまだまだ低い。自前でコンテンツを持っているEvernoteやDropboxに比べると、ね。

でも、今後は別のメールサービスへの対応もするつもりみたいだし、勝手な想定ではメールとタスク管理サービスをUIで統合していく形を目指しているんじゃないか、と。イメージ的には、GmailとRemember the MilkがスムーズにきれいなUIで統合されていく、みたいな感じかな。Web版などにも拡大していくのかな。

ちなみに、キャリアからのメールなど、一部文字化けする。最近はキャリアメールなんてほとんど来なくなったから、あまり不満はないけど。

個人によって使い方は違うと思うけど、僕は良いと思うよ。Mailbox。

Mailbox 1.6.2(無料)
カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
販売元: Orchestra, Inc. – Orchestra, Inc.(サイズ: 12.7 MB)
全てのバージョンの評価: (3,731件の評価)
iPhone/iPadの両方に対応

一層KindleをヘビーユーズするChrome拡張機能

もう、Kindle本にいくら使ったのだろう。Kindleは快適になるかもなーぐらいの軽い気持ちで使い始めたけど、予想以上すぎてびっくりした。ってことを以前書いた。
Kindleが変える読書生活が楽しい | Synapse Diary

 

Kindleは本当に素晴らしいサービスモデルになっている。デバイスとコンテンツを切り離しコンテンツに流動性を持たせるとともに、同期などの一元管理を行うことで、顧客に快適な読書サービスを提供している。Kindleは単に書籍を電子版にしただけでもなければ、電子書籍端末を販売しているわけでもない。電子書籍というコンテンツを快適に提供するためのエコシステム全体を提供しているのだ。

と、Kindleを褒めちぎったところで、最近みつけたChrome拡張機能を紹介しようと思う。これらを使うことで、ますますKindleへの依存度が増している。

 

WebページをKindleで読む

パーソナルドキュメントのサービスも提供されていて、最近はこれを使い始めたら、一層Kindleを利用する機会が増えてしまった。WebページとかPDFでも、落ち着いた状況で読みたいときはKindleのパーソナルドキュメントに送っておくのだ。そうすると、あとでゆっくり読める。特に英語。英和辞書が使いやすいので。

Amazon公式の「Send To Kindle」がまだ日本アカウントに対応していないので、「Push to Kindle」のChrome拡張機能を使っている。Kindleに送りたいページでボタンを押せば良いだけなので簡単。

さちテク: みつテク:Web記事を本にしてKindleで持ち出そう!

さちテク: みつテク:Web記事を本にしてKindleで持ち出そう!

ほしい物リストからKindle版を表示する

Amazonのほしい物リストをよく使うのだけれど、今のAmazonのほしい物リストでは、紙媒体の本を登録してもそれがKindleに対応しているかはリストから直接はわからない。

しかし、この拡張機能を使えば、リストから一目でKindle版があるかどうかがわかるようになるので、ストレスが劇的に小さくなった。これで過去に登録した本がKindle化されてもすぐにチェックすることができる。

人を幸せにするサービスを提供する capybala.com-カピバラドットコム- » 【Chrome拡張機能】「Find eBook Edition」

人を幸せにするサービスを提供する capybala.com-カピバラドットコム- » 【Chrome拡張機能】「Find eBook Edition」

恐らく、今は電子書籍が増えている過渡期なので、こういう機能が必要になるのだろう。今後、出版と同時に電子書籍も販売されることが普通になったり、Amazonがほしい物リストの改善を行えば、不要になると思われる。

 

こんな感じでKindleにどんどんはまってしまう自分が怖い。とりあえず、本を読む時間が足りないと思っている人はKindle試してみればいいのにな、と思う。

 

オープンデータが普及するためには何が必要か

政府や地方公共団体におけるオープンデータの動きが活発化している。知事が集まりオープンデータの協議会を開催したり、全国でもオープンデータをテーマにしたハッカソンなどが開催されている。

オープンデータは、政府が持っている統計情報やその他行政に関する情報を公開することで、民間に広く利用してもらうことを指しており、オバマ政権が成立してオープンガバメントが打ち出されたあたりから、世界としても広く注目されている。政府が持っている「情報」という資産を、利用しやすい形で提供し、広く社会に還元できる可能性があるということで、あまりお金がかからず行える取り組み、という意味でも注目されている気がする。

 

さて、オープンデータの取り組みという点では、アメリカはやはり進んでおり、事例がたくさん生まれている。今回はこの記事の内容を参考に、今後の日本で必要なオープンデータの方向性を考えてみる。
Open Data Success Requires Streamlining and Standardization

 

オープンデータの標準を作る

サンフランシスコでは、レストランの衛生状況などを評価する「LIVES」という仕組みがある。これは、行政が持っている衛生検査などの情報を公開しているのだが、それを地域のレストラン情報を提供する「Yelp」と連携させている。

Yelp

 

このスコアをクリックすると、詳細な内容が表示される。

Yelp

 

実際これは、Health Dataの内容やフォーマットを定義する取り組みを行っている。

Health Data

 

こういう枠組みが出来上がることで、後から参画する人もわかりやすく、取り組みが広がりやすい。

オープンデータの欠点は、データは公開するのだが利用目的はそれぞれ使う人に任せられており、ある意味カオスな状況が生まれやすいということだ。なので、こういう「LIVES」などの目的が定まった時点で、早めに標準を定める流れが必要になるだろう。それは、新興企業が作ってデファクトスタンダードにしても良いだろうし、業界関係者が協議して標準を定める動きの方が適切なのかもしれない。

 

ハッカソンなどで、地域のコミュニティを育てる

オープンデータの最初のハードルは、いわゆる「ダーウィンの海」と言われるような、アイデアは豊富にあるが実用に耐えうるか、という点だ。それを解消するひとつの手段として、ハッカソンがよく行われている。ハッカソンは、24時間とか限定された時間でプログラムを作成し、アプリを公開することを目的としたイベントで、アイデアを集め、実用化につなげるきっかけを期待される。

データセットは、使われなければ意味がない。しかし、公開したからといってすぐに何かに利用されるかといえば、なかなか難しい。日本で進んでいると言われている鯖江市であっても、ほとんどが特定開発者のアプリであることが現状だ。
福井県鯖江市>アプリケーション(オープンデータによる)

ただ、アプリコンテストなどを開催することで、間口を広げ、コミュニティを育てる取り組みを行っている。
福井県鯖江市>WEBアプリコンテスト 結果

つまり、忍耐強くコミュニティを育てる発想が必要になる。何回もハッカソンなどのイベントを開催し、公共データを利用し、ビジネスインパクトを与えるようなアイデアを生み出し、かつ関係者間で意見を交わせるようなコミュニティを形成していくことに注力していくべきだろう。これを誰が行うのか、という点は今後の課題かもしれない。

 

そもそも大都市圏以外は不利なのではないか

BtoCのWebサービスは、サーバやアプリケーションを投資し、多くの人に利用してもらうことで収益化する「資本集約型」を目指す場合が多い。つまり、一定規模のパイが必要になる。ここでひとつの疑問が生じる。オープンデータでアプリケーションやサービスを作って、どの程度の市場が見込めるのか、ということだ。各ユーザーから課金するにしても広告モデルにしても、そう簡単に収益化が見込めるわけではない。

利用する人が多くないと、ペイすることが難しい。都市部の方が人口が多いという点では、オープンデータが普及しやすい環境であると思う。アメリカでも事例が多いのはニューヨークやサンフランシスコなど大都市だ。つまり、データはおそらく自治体単位で公開されていくんだろうけど、その単位でビジネスモデルを考えても、マネタイズに苦労するんじゃないか、ということだ。

オープンデータのビジネスモデルの考え方としては、この記事にあるようなパターンになるだろう。こういう軸をベースにして、広がりを持たせるモデルを考えることが重要になるだろう。
Open data economy: Eight business models for open data and insight from Deloitte UK – O’Reilly Radar

 

 

それ以外にも、たくさんハードルがある。一方で、海外にはオープンデータを利用した新しいビジネスモデルの成功事例も登場している。それだけ期待も大きい。今後もっと本格化したときに、日本社会はどういう変化が訪れるだろう。