Kindle Fireでの電子書籍読み上げで、劇的に読書量が増えた

以前から、iPhoneのKindleアプリで読み上げて読書してました。

Kindleの電子書籍を無料でオーディオブックにする方法(2016年版)

 

ただ、やはりどうしても本によっては途中で止まることが多く、イライラして最近はあまり読み上げ機能を使っていなかったのですが、Kindle Fireだと読み上げが止まらないというのを知って、試してみました。

やり方は簡単で、最初に「設定」で読み上げ機能をオンにする。あとはKindle Fireで電子書籍を開いたら、下の部分についてる再生ボタンを押すだけ。

Amazon.co.jp ヘルプ: 読み上げ機能を使用する

ただし、Text to Speechに対応している本に限ります。(固定レイアウトになっていないものであれば、だいたいは対応している気がします。)

持ち歩くのは面倒なので、家で家事など作業するときに聞いています。最近全然読書ができていなかったけど、これですごい進めるようになりました。素晴らしく快適。

これを実現するためだけにでも、Kindle Fireを買ってよいのでは?という感じです。すごい安いし。一番小さい7インチだと6000円・・・。

 

ちなみに、外出時は完全ワイヤレスイヤホンを使っているのですが、複数端末とつなぐときは毎回つなぎ直さないといけないので、Kindle Fireを読書端末として使うのを理由に、プライムセール時に新しいものを買いました。

AI系のガイドラインを調べてみた

AIの開発が盛んになってきていますが、こうなると業界自体が標準化されて、ルールが形成されていくのが、どこの業界でも常です。

いろんなプレーヤーが参加してきたときに、発注者、受注者ともにトラブルを回避して、win-winになるためには、過去の知見などをまとめたものが有効です。

どんなガイドラインを誰が出しているのか、調べてみました。

戦略系

経団連:AI活用戦略

経団連:AI活用戦略 (2019-02-19)

経団連が発表している、AI 活用を戦略的に進めるためのガイドライン。現在のAIに対する理解促進から始まり、世界の中で日本企業がどのようにAIを用いた勝ち筋を作っていくかが書かれています。経営におけるAIの位置づけを理解するためには、良いのではないでしょうか。

個人的に良いと思うのは、「AI-Ready化ガイドライン」ですね。AI活用に関して、組織の成熟度のステップが定義されていて、自社がどういう位置にいるのかを考える指標になるんじゃないでしょうか。

所感としては、進んでいる企業はレベル2からレベル3へ移行しつつあるな、という印象です。

開発系

総務省:AI利活用ガイドライン

総務省|AIネットワーク社会推進会議 報告書2019(案)に関する意見募集

総務省のAIネットワーク社会推進会議で検討されている、AIの利活用原則10個をまとめたものです。利活用する上で、どういうリスクがあるのか、実装する上での役割分担などが書かれており、開発を具体的に進める前の全体整理で役立つでしょう。

QA4AI:AIプロダクト品質保証ガイドライン

Download – QA4AI

AI プロダクト品質保証コンソーシアム(QA4AI)という団体が発表している、品質保証ガイドライン。QA4AIというのは、このような主旨で発足されたコンソーシアムです。

そこで我々は、AIプロダクトの品質保証に関する調査・体系化、適用支援・応用、研究開発を推進するとともに、AIプロダクトの品質に対する適切な理解を社会に啓発する活動を行うコンソーシアムを産学で設立することとする。
Concept – QA4AIから引用

これまでもシステム開発系のガイドラインは作成されてきましたが、AIは帰納的アプローチであったり、確率的ふるまいをするなど、従来のシステム開発と特性が異なる点が多々あります。それを踏まえて、どのように「AIの品質」を考えるかを整理したのがこのガイドラインです。

大きく5つのカテゴリーに分けて、AI の品質を評価する方法がまとめられています。

契約系

経済産業省:AI・データの利用に関する契約ガイドライン

「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」を策定しました (METI/経済産業省)

AIの場合、データの収集・利用・創出などが重要になってくるのですが、従来のシステム開発とは異なり、これらのデータの契約上の取り扱いや、データとプログラムの契約上の整理が必要になってきます。それをまとめたのがこのガイドラインです。全体編、データ編、AI編と分かれて構成されており、充実した内容になっています。契約を考える上では、これらの内容を読んでおくと良いんじゃないでしょうか。

 

ということで、新しい領域ではありますが、このようなガイドラインが各種登場してきているということは、みんな取り組みが進んでいるし、社会的なルールの整理が必要になってきているという証拠とも思えます。

iOSのショートカットアプリで好みのプレイリストをワンタップで再生する

久々にちょっとしたTipsネタを。iOSのショートカットアプリのネタです。これを使って、ウィジェットからワンタップで好みの音楽を再生できるようにしておきたいのです。

ダウンロードした音楽だけをワンタップで再生したい

Apple Musicのプレイリストなどを選んで音楽を再生することができるのですが、端末にダウンロードした音楽だけを再生する方法がこれまでよくわからなかったのです。

だけど検索したらさくっとわかりました。

基本的にはこちらのリンクに書いてある通りです。

Imgur Post – Imgur

最初に「ミュージックを検索」から、フィルタで「クラウドの項目ではない」を追加します。

ダウンロードされた音楽だけを再生するなら、これでOKです。次に「ミュージックを再生」を追加しましょう。これで完了です。

他にも細かい条件をいくつか指定できるので、スマートプレイリストを作るような感じで使うこともできます。

日付を変数で指定する

最近1か月は再生していない曲、みたいなのをスマートプレイリストで使っているのですが、それもショートカットアプリでできます。

  • 現在の日付を取得
  • それに対して日付を加算、あるいは減算

この計算した日付を変数として、「ミュージックを検索」のフィルタのひとつに追加するだけです。

これで、最近1か月は再生していない曲を、再生回数順にソートして再生することができます。

アクションが少ないアプリはウィジェットの方が良い

何かの情報を簡単に見たいとか、特定の条件で音楽を再生したいとか、カメラを起動するとか、そういうアクションが少ないアプリについては、ウィジェットの方が便利だなと思っています。

音楽やpodcastの再生はウィジェットに集約しました。普段はアプリを開かなくても充分かなと思います。

「ピクサー」を読んでお金と戦略のケーススタディとして良いなと思った

トイストーリーなどで有名なピクサー。そのピクサーについて、実際のCFOがピクサー参画から上場して辞めるまでの一連を記した一冊がこちら。

[amazon_link asins=’4866511133′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’477a9fbe-6062-482c-9000-d8d96071fc7e’]

 

ピクサーといえば、スティーブ・ジョブズ復活のひとつであり、画期的なCGアニメーションと創造的なストーリーなどで有名です。

華やかな成功物語ぐらいしかイメージしていませんでしたが、本書で実際の中身の話を知ると、ピクサーも難しい状況を歩んできたことがわかります。

著者がピクサーに参画したとき、ピクサーは収益源が乏しく、長編アニメの成功に依存するしかオプションがほとんどない状況。資金がない、契約条件が厳しいなど、制約が多く難しいものでした。その中でも、成功確率を高めるために、いろんな手を打ち、人を動かしていく様子が描かれています。

お金の話が中心なので、ピクサーの創造性とは違うのですが、経営戦略や資金獲得、ディズニーとの契約交渉など、裏方の仕事の様子が描かれていて、生々しく面白かったです。

 

スティーブジョブズとのやりとりも面白いですね。経営権を少しでも手放すのが嫌でストックオプションを渋る様子とか、逆にプレゼンに命をかけるところとか、スティーブ・ジョブズの顔が見えるのは、それだけで面白いものです。

それ以外にも、制作のディレクションを経営が管理するか、という意思決定の話や、エンドロールのエピソードも好きでした。経営やファイナンスなどのケーススタディとして、良い本だなと思います。

[amazon_link asins=’4866511133′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’477a9fbe-6062-482c-9000-d8d96071fc7e’]

 

 

シェア自転車

中国で一時期非常に騒がれていたシェア自転車ですが、最近はあまり話題を聞かなくなりました。

MaaSの本を読んだときに、個人のラストワンマイルの移動手段として、シェア自転車が取り上げられていたので、改めて「最近どうなってるんだろう?」と思い、軽く調べてみたのです。

MaaSが都市と地方の交通事情を激変させるかもしれない

 

検索してみると、解説した記事が見つかりました。中国の状況は、こちらを読めばわかります。

中国のシェア自転車はなぜ失速したのか~投資偏重「中国的経営」の限界

半年で日本撤退のシェア自転車ofoに破産準備報道。「中国新四大発明」の倒産ラッシュ | BUSINESS INSIDER JAPAN

これらを読むと、中国のシェア自転車の特徴はこんな感じです。

  • スマホを使ったロック解除・決済が可能
  • 料金が安い
  • 乗り捨て自由

その結果何が起こったかといえば、

  • スケール勝負になり、拡大が急速
  • 放置自転車の回収や自転車の修理などが急拡大で追いつかず
  • 競争激化で収益源が確保できず

 

ということで、スケールが拡大してプラットフォームを握れば、収益が安定したり、利用データで別ビジネスを展開するなどの青写真があったと思われますが、その前にコストが追い付かず、行き詰ってしまったようです。

日本だと、DMMが参入をあきらめた経緯が書かれています。

DMMが一転、シェア自転車参入を「やめた」理由 | インターネット | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

やはり放置自転車の回収コストなどが合わず、放置自転車があふれるとブランドイメージも悪くなる、という懸念が提示されていますね。

 

一方で、メルカリが「メルチャリ」を展開しています。

メルチャリ

今は福岡市と東京都国立市だけで展開されていますが、「乗り捨て」ができないのがひとつの特徴のようです。

福岡で「メルチャリ」体験、乗り心地は最高 – Engadget 日本版

ポートを設置して、ポート間の移動を前提としていることや、個人がポート設置や放置自転車を回収するインセンティブを設計するなど、いくつか中国版より変更・工夫が取り入れられています。

 

いろいろ調べてみると、コストの割に売り上げを上げるのが難しく、プラットフォームを構築した後の新たな収益モデルもまだ見えていないのが課題ということでした。

とはいえ、交通手段としてはこれからも自転車は必要になると思うので、これからどうなるのか注目ですね。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ

人工知能やディープラーニングがメジャーな言葉として飛び交う中で、専門的な技術者ではない人間が、それらに関する知識を得てイメージを膨らませていくための本をまとめました。

これらを読むことで、実際に人工知能特性や、ディープラーニングがなぜこれほど騒がれているのかを自分は理解することができましたし、ビジネスにどう活用するのかもイメージを持つことができました。

誤解だらけの人工知能~ディープラーニングの限界と可能性~

ざっくりと今のトレンドを理解するのは、この本が良いかと思います。ディープラーニングがなぜこんなに騒がれているのか、そのポイントが人工知能研究の過去の歴史と照らし合わせて、わかりやすく説明されているのも特徴です。

 

人工知能の現在地とこれからを知る。「誤解だらけの人工知能」を読んで

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

こちらはどちらかと言うと教育目線にはなるのですが、人が人工知能とどういう違いがあるのかという対比の中で、人工知能の力と限界を理解することができます。当然、複雑な計算式なども出てこないので、読みやすいです。

 

AI時代にこれから求められる人間のスキルは「読解力」

ディープラーニング G検定テキスト

だんだん知名度が上がってきているディープラーニング検定ですが、人工知能のエッセンスが体系的によくまとまっているので、テキストを読むのがオススメです。多少計算式など技術的なことが書いてありますが、それが逆に一歩理解を深めることになると思います。

 

ディープラーニング活用の教科書

具体的にディープラーニングが活用されているケーススタディをまとめたものです。結局どういうところで利用されるの?という疑問は、この本を読めば解消されるでしょう。

人工知能の活用例を学ぶ「ディープラーニング活用の教科書」

失敗しない データ分析・AIのビジネス導入: プロジェクト進行から組織づくりまで

AI開発プロジェクトの進め方について、解説された一冊です。この本を読むと、プロジェクトの進め方のイメージが具体的になるでしょう。システム開発と似ているところもありますが、異なる点もたくさんあります。

 

Machine Learning実践の極意 機械学習システム構築の勘所をつかむ!

もう少し専門的に、具体的なプロジェクトやアプローチを知るのであれば、この本を読むと良いと思います。技術的な内容を書かれているのですが、数式が少なめで、どちらかというとデータをどのように分析しチューニングして実用につなげていくのかを、わかりやすくまとめているのが特徴です。エンジニアじゃない人こそ、この本を読むとデータ分析、AI開発のプロジェクトについて、具体的な作業のイメージが湧くと思います。

 

Udemy

知識や実践的な理論を学んだ後は、具体的な行動としてどのような面があるかを学ぶ意味で、Udemyがお勧めです。このコースでは、実際の機械学習を使ったデータ分析のアプローチが解説されています。

Pythonで機械学習:scikit-learnで学ぶ識別入門

【Kaggleで学ぼう】PythonとKerasで学ぶディープラーニング開発入門

AI時代の新・ベーシックインカム論

ちょっと番外編的にはなりますが、経済的アプローチからAIをどう捉えるかが書かれているのが本書です。これも、AIが今の社会のどの部分に置き換わるのかが示されており、経済的なインパクトを推し量ることができます。

AI・人工知能・機械学習をビジネスで活用するために読む本まとめ(2020年版)

様々な本が出ていますが、何冊か読むと、本質的な要旨が見えてきます。興味ある方は是非どうぞ。

MaaSが都市と地方の交通事情を激変させるかもしれない

最近よく聞く「MaaS(Mobility as a Service)」という言葉。

今後MaaSというものが、どういう形で普及していくのか、その際の課題は何かを知りたくて、本書を読みました。

[amazon_link asins=’4296100076′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’7cbb27aa-7af1-4397-86e0-ee13e8143301′]

 

これまでそれぞれの交通サービスは、行政や民間が運営してきましたが、それらをユーザ目線から捉え直し、使えるやすくしたのがMaaSのコンセプトです。UberなどUXが優れたサービスや、自動運転の技術向上などによって、これらのサービスコンセプトが注目されています。

いくつか海外では事例も生まれてきており、日本でもソフトバンクとトヨタが協業して、モネテクノロジーズが立ち上げられるなど、MaaSを推進していく動きが見られています。

モネ テクノロジーズはMaaSプレーヤーと自動車メーカーを結ぶ立場で、同社自体はMaaSオペレーターの立ち位置を目指しているのだろう。初期は需給最適化システムを利用し、ヒト・モノ・サービスを好きなときに呼べるモビリティサービスの提供を考えているという。国内で戦略特区の設置などによって地方自治体と連携し、モネ テクノロジーズのプラットフォームを100地区での導入を目指す。2020年代前半からはイーパレットを活用したモビリティサービスの実現を目指す。

最近だと、ホンダや日野自動車もモネテクノロジーズに出資していて、企業を横断して、勢いが増しています。

トヨタとソフトバンクのMONET、日野自動車およびホンダと資本・業務提携 – Car Watch

 

経済面でみると、人口減少で悩む地方の交通インフラの救世主がMaaSです。

それなりに公共交通が整備されているのにマイカー依存率が高いというエリアにMaaSは向いているので(MaaSグローバルもそういう場所を狙って展開しているという)、地方の政令市はMaaS導入の適地だ。

それだけではない。ドイツ、スイス、オーストリアなど、欧州の地方都市には、マイカーから公共交通へのシフトに成功してきたところが多いが、これらの地域を見ると、所有から利用へのシフトが何をもたらすかがよく分かる。中心市街地に人の往来が戻り、町なかの商店などがにぎわい、歩いて楽しい町、出歩きたくなる町になるのである。

マイカーを前提とした郊外型の生活スタイルから、中心市街地への回帰を促すことが期待されています。コンパクトシティという言葉も随分前から聞かれますが、マイカー依存から脱却できれば、その実現も近づくでしょう。

MaaSが普及していくと、それ以外にもスマートシティレベルで、様々な産業が生まれていくことも本書で指摘されています。本格的なうねりは日本だとどこから生まれるんでしょうか。

フィンランドで生まれたMaaSの先駆的プレイヤーwhimが日本に上陸とも言われています。これから盛り上がる領域でしょう。

世界初のMaaSアプリ、2019年に日本上陸か。スマホ一つで全ての移動手段を手配・決済 | BUSINESS INSIDER JAPAN

 

[amazon_link asins=’4296100076′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’7cbb27aa-7af1-4397-86e0-ee13e8143301′]

 

AIで大量失業が発生したら、ベーシックインカムは必要になるか

すっかりブログを更新する頻度は落ちていますが、生きています。書評はこまめに書いていませんが、本も読んでいます。ということで、今日は久々に一冊紹介したい本について書きます。

先日書いた、「AI vs 教科書が読めない子供たち」でも触れられていたのですが、ベーシックインカムに対する関心が年々高まっています。

AI時代にこれから求められる人間のスキルは「読解力」

そのベーシックインカムについて、もう少し知りたくなったので、一冊読みました。

AIとベーシックインカムの関係

AIとベーシックインカムが結び付く筋書きは、僕が理解する限りでは、以下のような流れです。すごい単純化していますが。

AIが発展すると、人の仕事が奪われる

代わりに新しい仕事はうまれるが、全ての人がそれらの職に対応できるわけではない
対応できたとしても、賃金が低い職が多くなる(ホワイトワーカーの職が奪われるため)

失業者対策など社会安定のため、ベーシックインカムで最低限の所得を保証する

TEDでも、こちらの講演をみるとわかるのですが、AIとベーシックインカムがセットで語られています。

これからAIが普及していったとき、本当にベーシックインカムという制度は必要になるのでしょうか。どういうメリットがあるのでしょうか。

ベーシックインカムに関する幅広い論点を学ぶ

これだけ注目されているベーシックインカムを、わかりやすく解説してくれたのが本書です。

[amazon_link asins=’4334043461′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’f22154ad-0c95-4d36-8d91-6d828d8002fd’]

 

失礼ながら、新書だしクイックに浅く広く分かればいいなと思って読み始めたのですが、貨幣制度の歴史や問題点について語られていたり、「最低限の保証」と「勤労意欲」との関係を政治的イデオロギーから読み解いていたりと、幅広い角度からベーシックインカムの論点が整理されていました。

特に貨幣制度については、これまでちゃんと理解したことがなく、非常に新鮮でした。中央銀行の制度がいつ頃、なぜできあがったのか。ヘリコプターマネーの目的とリスクはどのようなものか。そういう点が説明されていて、ベーシックインカムだけでなく、経済における現行制度の限界も知ることができたのは、良かったです。

ヘリコプターマネーについては、こちらの記事もわかりやすかったです。

夢の政策かばらまきか。「ヘリコプターマネー」政策、その効果とリスク | ハフポスト

 

AIの普及でなぜ人々は貧しくなるのか?

ベーシックインカムが議論されているのは、「今後人々の仕事はAIに奪われる」という可能性が高まっているからです。

ただ、楽観的な見方として「新しい技術は人々の雇用を奪うが、新しい仕事も作り出す。」というものもあります。僕もそういう考えが強かったのですが、「AI vs 教科書が読めない子供たち」や本書を読んで、ちょっと考えが変わってきています。本書でも、なぜAIが人を貧しくしてしまうのかが書かれています。

だが、AIを含むあらゆるITに当てはまることだが、ITが奪う雇用は、ITが増やす雇用よりも絶えず大きい。例えば、旅行サイトの構築・運営に携わる人員は、旅行代理店の人員より少ないはずだ。

AIはホワイトカラーの仕事を奪ってしまうので、一部のクリエイティブな人たちは高給な仕事を維持しますが、多くの人はブルーカラーに移ってしまう=賃金が低下するという構図です。つまり、AIはいろんな仕事を奪うのではなく、ある特定領域の仕事を奪う可能性が高く、それが賃金の「二極化」と「全体低下」を招くということです。

このような事態を防ぐための解決策として、ベーシックインカムが提唱されているわけですね。一人あたり月7万円ぐらいが目安のようですが、これによって生活も安定し、労働意欲も減退しないのであれば、試してみる価値はありそうな気がします。

ちなみに、Wikipediaの情報が豊富でした。

ベーシックインカム – Wikipedia

世界でも少しずつ試されているところがあるようです。

シカゴ、ベーシックインカムの導入実験を行うアメリカ最大の都市に | BUSINESS INSIDER JAPAN

 

貨幣制度や社会福祉制度、これまでの労働価値観などが変わる要素を含んでいるので、なかなか最初は「え?」という感じではあるのですが、こうやって勉強してみると、これからは社会構造全体が変わっていくと思うし、その中で有力な手段になるように思えました。

[amazon_link asins=’4334043461′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’f22154ad-0c95-4d36-8d91-6d828d8002fd’]

Apple Watchはスマートウォッチシェア1位。iPhoneユーザーにはおすすめ

思い返せば、スマートウォッチデビューしたのが去年でした。

スマートウォッチ市場は今後5年で倍になる。今買うおすすめのスマートウォッチ3つ

周りでもスマートウォッチをしている人を見かけるのが増えてきましたね。

そして最近、Apple Watchデビューしました。

[amazon_link asins=’B07KXRQHQ6′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’04cad050-f4c1-4fc7-b03d-e141e56b0311′]

 

いろんなものを検討しましたが、iPhoneとの連携がやはり良いだろうという判断をしました。あとは気分を変えたかったので、単純に何か違うスマートウォッチにしたかったというのもありますね。

 

スマートウォッチ市場はこれからどうなるか

そもそもスマートウォッチは実際増えているのか?ということを知るためには、市場データを見るのが一番でしょう。

スマートウォッチは、より大きなカテゴリーである「ウェアラブルデバイス」の一つになります。そして、こちらがウェアラブルデバイスの市場予測。2022年まで市場全体が伸びると予想されています。

2022年までのウェアラブルデバイスの世界/国内出荷台数予測を発表

その中でもスマートウォッチがやはり成長の中心のようです。ここでもApple(WatchOS)とGoogle(Wear OS)が有名な存在であるわけですが、それ以外にもFitbitやGarminも注目に値すると書かれています。

 

スマートウォッチの出荷台数のデータをみると、

2018年第3四半期のスマートウォッチ出荷台数は約67%増。AppleとFitbitが好調 – Engadget 日本版

Apple Watchのシェアが1位。強さを発揮しています。それにFitbit、Samsung、Garminが続き、意外にもGoogleのWear OSはそれ以外ということで、勢いがない存在になっています。

 

これまでもPebbleが解散したり、WithingsがNokiaに買収されたあと戻ったりと動きが激しかった業界ですが、最近だとGoogleがFossilのスマートウォッチ部門を買収しています。

グーグル、フォッシルのスマートウォッチ技術を買収へ – CNET Japan

Pixel Watchくる? GoogleがFossilのスマートウォッチ技術の買収計画発表、お値段4000万ドル | ギズモード・ジャパン

GoogleがPixel Watchを発売して、スマートウォッチ領域で逆襲を図るのでは?とささやかれていますが、どうなんでしょうか。

スマートウォッチに求める機能はどのようなものか

最初は得体の知らないデバイスとして始まったスマートウォッチですが、最近は通知などの日常使い、運動、ヘルスケアの領域ということで、用途が見えてきている気がします。

まず日常使いという点では、通知や決済ですね。僕はスマホの通知をほとんど切っていますが、いくつかは外出時などにリアルタイムに通知して欲しいので、スマートウォッチがそれをやってくれるのは便利です。

運動については、走ったり歩いたりワークアウトの記録を正確にしてくれるのが良いですね。このとき、心拍数やGPSの機能が必要になります。このあたりは、標準搭載されているのがトレンドかなーと感じてます。

(ちなみに最近までWithingsのSteel HRを使っていて、GPSがスマホのGPSを使わなければいけないのがちょっと残念でした。)

ヘルスケアは、Appleが顕著に力を入れていますが、急な転倒防止や、心拍数の異常を検知してくれます。

Apple Watchの心拍数検知機能で命を救われる人が続々 – GIGAZINE

 

また日本ではまだ解禁されていませんが、米国では心電図の計測も可能になっています。

ASCII.jp:Apple Watch心電図機能を試す 使い方と注意点は (1/4)|松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析

 

またWithingsも新しい製品「move」を発表しており、春には公開の予定です。日本でいつ発売されるのかは不明。

心電図モニター & ウェアラブルウォッチ | Move ECG – Withings

ということで、通知や決済、運動などの領域は成熟してきており、今はヘルスケアとしてさらにセンサーを追加しつつ、様々な健康情報の取得と検知が行われていくというのがトレンドのように思います。

Apple Watchの感想

初めてApple Watchを手にした感想をいえば、やはりiPhoneとの連携やデザイン面は使いやすさが十分に考慮されていて、満足度が高かったです。バンドも専用サイズにはなりますが、Amazonに安くて良さげなものがたくさんあります。とりあえず革のバンドを購入しました。

[amazon_link asins=’B01JZ337ZW’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’b9ec7fad-b005-48e2-bd21-5d3e5d640533′]

 

暑い季節になったら、メッシュバンドに変えようと思います。

[amazon_link asins=’B078HCZSL9′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’220e3ff7-afdd-4bfe-90e1-b1753a03f36e’]

 

機能としても、ワークアウトや睡眠、心拍数など今必要と思う機能は十分カバーされていて、不満もありません。1時間に1回「立って」と促してくれますし、時々深呼吸するようおすすめしてくれます。あとはiPhone特有の「リング」を完成させて、体を動かすモチベーションを保つのが最近は楽しいです。

睡眠計測のために、「Auto Sleep」というアプリを購入しました(Apple Watchは直接睡眠を計測してくれません。Auto Sleepが心拍数を元に、睡眠時間を分析してくれます)。

不満があるとすれば、常時文字盤が見えないことと、バッテリーの充電が短いことですね。WithingsのSteel HRは数週間バッテリーを持ちましたからね。

 

スマートウォッチは、通知や運動など多くの人が必要とする機能が標準で搭載されるようになってきていますし、健康などさらに進んでいく方向性も見えてきています。明らかに従来の腕時計と違う領域として機能を多様化しながら進化しており、「なくても困らないといえば困らないけれど、QOLを明らかに高めてくれるもの」というのが、僕のスマートウォッチの位置づけです。

iPhoneユーザーなら、今ならやはりApple Watchが第一候補になるでしょうし、それ以外を考えるのであれば、機能や趨勢(いきなり買収や販売中止になるリスク)を見据えておく必要があるんじゃないでしょうか。

[amazon_link asins=’B07KXRQHQ6′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’04cad050-f4c1-4fc7-b03d-e141e56b0311′]

「ファクトフルネス」を読んで、これからのデータ社会に必要な心構えを学ぶ

ビル・ゲイツが推薦しているということで、発売前から話題だった「ファクトフルネス」を読みました。

ビル・ゲイツが大学卒業生に贈る「ファクトフルネス」の重要性 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

[amazon_link asins=’4822289605′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’4cc8b20b-e72d-4820-9923-c3efaa09ec17′]

 

IT化やインターネットの台頭でデータが大量に増え、データアナリティクスやデータドリブンなど、データに基づいた意思決定が盛り上がってます。

そんな中、データ=事実を見るときに、その見方によって人は誤った判断をしがちである、というのが本書の問題提起になってます。

ただ、本書を読む前に、ぜひこの著者が話しているTEDの動画を見て欲しいですね。2009年のものたけど、今みても非常に良いです。パワフル。本書の最初に登場するケースの内容が語られています。

The good news of the decade? We’re winning the war against child mortality

 

断層化していく情報

最近noteで全文公開された「さよならインターネット」でも書かれていましたが、広く様々な情報にアクセスできるはずだったインターネットは、最近は傾向が変わり断層化してきており、自分が望む情報を取得するようになっています。

普段暮らしていると、自分でもだいたいアクセスする情報源が偏ってきているのがわかります。そうなると、「自分の外」というものへの意識も弱まって、「自分が見ているものが全て」と錯覚しそうになります。

どういう情報に接しているか、それによって人の考え方や感情も変わっていくでしょう。数年前に実施されて問題になったFacebookでの感情操作実験のように。

Facebookによるユーザー感情操作実験の倫理性 | TechCrunch Japan

接している情報をどう捉えているかで、自分の考え方も変わるってことを知っておくと、情報源を変えたり広げたり、多様な意見を受け入れられるようになるはず。

 

良いニュースが増えるといいな

ニュースというのは、世界を知る上で欠かせないものですが、一方でネガティブなニュースが取り上げられがちです。その方が人は興味を持つからです。

いま起きている悪い出来事に人々の目を絶え間なく惹きつけるのがニュースというものだが、悪い出来事ばかり目にしていれば、誰でも悲観的になる。加えて、思い出や歴史は美化されやすい。だからみんな、1年前にも、5年前にも、 50 年前にも、いま以上に悪い出来事が起きたことを忘れてしまう。 「世界はどんどん悪くなっている」と考えれば不安になり、希望も失いがちになる。でも、それは思い込みにすぎない。

 

検索したら、こういう調査を見つけました。日本のニュースの約47%は「中立」で、約37%が「ネガティブ」、残りが「ポジティブ」とのことです。

日本の国際報道におけるポジティブ・ネガティブの分析(2015年) – GNV

ネットを注意深く見ていると、誰かの偏った情報に、専門家による是正や意見の追加が行われているケースもありますし、そういうケースをみると、マスメディアによるネガティブ報道の多さだけに踊らされることも少なくなっている気がします。

ただ、少なくともメディアにはそういう特性がある、ということを知っておけば、印象操作に踊らされずに考えて行動することにつながるでしょう。

 

本書を読むと、事実に向き合うことの大変さと、それでも失われない前向きな希望を感じることができます。正直読む前はそれほど期待していなかったのですが、様々な事実と向き合う上で、人間の本能とも呼べる壁が存在し、そしてそれを乗り越えるために何をすべきかを丁寧に書かれていて、途中から引き込まれるように読みました。そして「あとがき」でやられました。ぜひ、最後まで読んで欲しい。

これからの時代、情報に踊らされずに判断していくためには欠かせない一冊です。

[amazon_link asins=’4822289605′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’4cc8b20b-e72d-4820-9923-c3efaa09ec17′]