最近よく聞く「MaaS(Mobility as a Service)」という言葉。
今後MaaSというものが、どういう形で普及していくのか、その際の課題は何かを知りたくて、本書を読みました。
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これまでそれぞれの交通サービスは、行政や民間が運営してきましたが、それらをユーザ目線から捉え直し、使えるやすくしたのがMaaSのコンセプトです。UberなどUXが優れたサービスや、自動運転の技術向上などによって、これらのサービスコンセプトが注目されています。
いくつか海外では事例も生まれてきており、日本でもソフトバンクとトヨタが協業して、モネテクノロジーズが立ち上げられるなど、MaaSを推進していく動きが見られています。
モネ テクノロジーズはMaaSプレーヤーと自動車メーカーを結ぶ立場で、同社自体はMaaSオペレーターの立ち位置を目指しているのだろう。初期は需給最適化システムを利用し、ヒト・モノ・サービスを好きなときに呼べるモビリティサービスの提供を考えているという。国内で戦略特区の設置などによって地方自治体と連携し、モネ テクノロジーズのプラットフォームを100地区での導入を目指す。2020年代前半からはイーパレットを活用したモビリティサービスの実現を目指す。
最近だと、ホンダや日野自動車もモネテクノロジーズに出資していて、企業を横断して、勢いが増しています。
トヨタとソフトバンクのMONET、日野自動車およびホンダと資本・業務提携 – Car Watch
経済面でみると、人口減少で悩む地方の交通インフラの救世主がMaaSです。
それなりに公共交通が整備されているのにマイカー依存率が高いというエリアにMaaSは向いているので(MaaSグローバルもそういう場所を狙って展開しているという)、地方の政令市はMaaS導入の適地だ。
それだけではない。ドイツ、スイス、オーストリアなど、欧州の地方都市には、マイカーから公共交通へのシフトに成功してきたところが多いが、これらの地域を見ると、所有から利用へのシフトが何をもたらすかがよく分かる。中心市街地に人の往来が戻り、町なかの商店などがにぎわい、歩いて楽しい町、出歩きたくなる町になるのである。
マイカーを前提とした郊外型の生活スタイルから、中心市街地への回帰を促すことが期待されています。コンパクトシティという言葉も随分前から聞かれますが、マイカー依存から脱却できれば、その実現も近づくでしょう。
MaaSが普及していくと、それ以外にもスマートシティレベルで、様々な産業が生まれていくことも本書で指摘されています。本格的なうねりは日本だとどこから生まれるんでしょうか。
フィンランドで生まれたMaaSの先駆的プレイヤーwhimが日本に上陸とも言われています。これから盛り上がる領域でしょう。
世界初のMaaSアプリ、2019年に日本上陸か。スマホ一つで全ての移動手段を手配・決済 | BUSINESS INSIDER JAPAN
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