中村俊輔の経験談。その中で気づいたこと、心がけたことを語る5時間。
内容自体に特に目新しいものは少ない。逆に、サッカー選手もビジネスパーソンっぽい考え方をしてる人がいるんだね、という再確認。ノートに気づいたことや考えたこと、短期・中期・長期目標を立てるなど。
<bclass=”h1″>目次
第1章成功へ向かうとき、必要なものが「察知力」だ 第2章僕はこうして「察知力」を磨いてきた(サッカーノートが僕を作った フリーキックを徹底追求して見えたもの 自分の“引き出し”の数が、未来の可能性になる 僕を育てた「壁」 海外へ移籍した理由 イタリアからグラスゴー、海外での壁に向かった すべての監督から、学びがある チームメイトから察知できる学び 妥協しない姿勢) 第3章「察知力」を活かして未来へ進む(僕にとっての日本代表 ベテランの価値 指導者として歩む夢)
中村俊輔と本田圭祐の違い それより、中田英寿と本田圭祐の対談をWebで読んだ後でこれを聴いたので、その対比が気になった。
中村俊輔は、自分の中の引き出しを増やし、監督の思考を理解し、それに順応することで自分の活躍の場を増やす。
中田英寿や本田圭祐の対談の中では、監督に要求されることと自分の個性を比較した場合に、自分の個性が勝たないと絶対にダメだ、と言い切っている。
対談「中田英寿×本田圭祐」のテキスト全文書き起こし | ajickr blog
これって、組織の中でも結構当てはまることで、個人によってよく分かれるスタンスなんだと思う。
組織の中で働く以上は、その中で自分の役割、というものを理解しなくてはいけない。得意分野や好きな場所というのが誰しもある(はず)。そのときに、組織に合わせて自分をうまく適用させていくか、自分の得意分野を主張して、周りを納得させるか。
これは択一の問題ではなくて、もちろん両方必要なんだけど、ここで大事なのは「どちらのスタンスを自分は大切にするか」ということ。
言葉にして明確に主張することの大切さ どちらのスタンスもよく分かる。サッカー選手は、複数あるチームを移籍しながらキャリアを積んでいくので、ある意味ビジネスパーソンより多く転職している。だから、自分の主張をすることも必要になるし、閉鎖的な組織ルールに縛られることもない。コンサル会社にいる人も、「いずれ辞める」ことを前提に働いている人が大半であり、上司もコロコロ変わるので、自分を主張して周りに認めてもらうことが重要になる。上司と揉めても違うプロジェクトに移れば済んだりするので、後腐れもあまりない。そういう意味で似てるのかもしれない。
コンサル会社に勤めて分かったことは、「言葉にして主張」をすることが、自分にとって良い結果を生む傾向が強い、ということ。「自分はこうしたい」「あなたの主張は間違っている」「こうした方が顧客のためになる」。そういうことを態度で示すだけでなく、はっきりと言語化して、相手に伝えること。
主張することで、自分の意思は伝わるし、それに伴う結果を少しずつでも出していくことで、早めに自分が思う場所にたどり着ける場合が多い。
日本人は大人しい、というし、自分もコンサル会社に入るまでは、「ちゃんとやってれば誰かが見ててくれる」という考えが基本的にあった。しかし、それでは認めてもらえない。もしくは時間がかかる。ちゃんと自分を主張していかないと、周りに自分という存在や思いを気づいてもらい、理解してもらい、納得してもらうまでのハードルは長かったりするのだ。時に。
バランスの中で絶妙にはみ出す 組織からみても大きくブレイクスルーしてくれる人というのは、主張があり、組織のルールに囚われない、絶妙にバランスからはみ出す人であったりする。
組織の和を乱してでも自分の主張を通せ、ということではない。ただ、組織に適用しすぎて自分を見失うこともよくある。その中で、組織にとっても自分にとっても良い方向に導けるのが、本当に優秀な人なんだろう。
コンサル会社であっても、やはり日本人なのか、ちゃんと主張しない人も多かったりする。その空気に慣れてはいけない、とも思う。
いろんな生き方があって、それぞれに合ったやり方がある。けど、主張することが意外な一歩を踏み出すことがあるってことは、これからも覚えておきたいもんだ。