長期的な企業体力をつける-【オーディオブック】現場力を鍛える

  • 現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件
  • 著者:遠藤功
  • 価格:1520円(税込)
  • 時間:04時間45分26秒

なんというか、システム運用をやってると、現場の力というか品質をどう上げて、かつ保っていくかということにすごい意識が傾く。一方で、いわゆるコンサルティング業務として、いろいろお客さんと接していたりすると、モノの考え方から論理的アプローチ、戦略としての組み立て、計画への落し込み、という一連の流れにも、組織のフレーム作りとして重要なんだとも思う。

ただ、この両輪ってかみ合わないときが結構あるんだよね。両方やってて思うけど。かみ合わないときというのが、どういうときか。このオーディオブック聴きながら、ずっと考えてた。
 
 
本書の中では、戦略による企業の優位性はどんどん短くなる一方で、現場力の高さが企業の長期的な優位性を築く、と述べている。
 
戦略と現場力は組織の繁栄にとって両輪ではあると思うけれど、そのバランスはそれぞれの組織にとって異なる。特に、規模が小さい組織では、現場力の方が重要である気がする。それは組織における「選択肢」の幅が、戦略の有効性を決めるからだ。
 

この間、小さめの組織にお邪魔したが、現場の人のナレッジが乏しいことを嘆いていらっしゃった。どうにも現場に知識がない。自分たちの作業に問題がある気がするんだけど、何が問題なのかがわからない。問題を分析するアプローチもない。
こういう場合はとれる選択肢が少ない。拡大戦略だったり理想追求しても実現しないので、足元からスキルアップ、知識の蓄積、優先順位の明確化による取捨選択など、ボトムアップアプローチによる現実解を考える。
 
 
 
あと、本書の中では「一次情報をみろ」と述べているけど、これもバランスというか勘が必要。
管理する立場になれば、現場で発生している全ての情報に目を通すことなんて無理。一方で、現場の雰囲気や現状を把握しないと、管理者として的確な方向性を打ち出せないのも事実。
そこで、「どの情報を自分は取得するか」を的確に意識しないといけない。最初は過剰に現場の情報を見る。そして、内容がつかめてきたら、自分にとって重要でない情報は手放していく。そのバランス感覚をつかめるかが、良い管理者になれるかの肝だと日々思っている。
 
何のためにレビューするか。
どんな情報が自分にとって必要なのか。
自分の存在価値とはどういう結果で表されるのか。
 
自分や自分の身の回りで行われている作業の、細かいひとつひとつに対して、こういう吟味が必要なんだと、これを聴いて改めて思う。聴くことで、現場の重要性がわかって、希望がわいてくるんじゃなかろうか。

 

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