これからはキャッシュレスの時代だから、お金の使い方を見直そう

暑いですね。色々面倒なことはしたくないと思う今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

キャッシュレスな人ほど、貯蓄が多いという記事を見かけました。

昨年1 年間で増やせた貯蓄額を最近のキャッシュレス化状況(現金離れ状況)によって分けたタイプ別にみると、キャッシュレス派の平均貯蓄増加額は51.8 万円で、現金派の30.5 万円よりも高い。貯蓄を多く増やすことができるのは、現金派よりもキャッシュレス派のようだ。

支払いのキャッシュレス派と現金派、お金がたまりやすいのはどっち?|@DIME アットダイム

 

もう二年前に書いた記事になりますが、電子マネーの取り扱いが非常に伸びているという結果がありました。

クレジット決済や電子マネー決済の導入メリットはあるか?

自分でも、Apple Payを導入してから、めっきり現金を使う機会が減ってきたので、改めて最近の電子マネー等の動向を調べてみたいと思いました。

 

世界でキャッシュレスが進んでいる

まず大きなトレンドとして言えるのは、世界中がどんどんキャッシュレスに向かって進んでいると言うことです。

こちらは最近、大前研一氏がプレジデントで書いていた記事なのですが、

日常生活に現金を必要としないキャッシュレス社会が世界的に進展している。もともとクレジットカードなどのカード社会に同調して緩やかに広がってきたものが、電子マネーやスマートフォンなどのモバイル端末が急速に普及して、お金のデジタル化が進んだおかげで、キャッシュレス経済は一気に加速した。いち早くキャッシュレス社会を実現した先進国は北欧で、スウェーデン、ノルウェー、デンマークはいずれもGDPに対する現金の使用比率が5%を下回る。スウェーデンに至っては現金使用率2%。つまりキャッシュレス率が98%で、決済現場で現金はほとんど使われないのだ。

世界で加速する「キャッシュレス革命」 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

ということで、技術的な要因も相まって、世界中でキャッシュレスが進行していると書いています。その中で、日本は少し遅れているようですね。

 

日本では、国を挙げてキャッシュレスを推進しています。こちらの経済産業省の資料を読んでいただくと、世界情勢や日本の政府の考え方がよくわかるでしょう。

キャッシュレスの推進とポイントサービスの動向(PDF)

2015年のデータになりますが、日本は米国をはじめ、中国や韓国よりもキャッシュレス決済比率は低くなっています。

キャッシュレスの現状

また、キャッシュレスのメリットもこのように説明されています。

キャッシュレスのメリット

これを見ると事業者側、消費する個人などそれぞれにメリットがあり、ひいては経済全体にプラスの効果が期待されていることがわかります。

 

今後、どういう変化が起こるか

大きなトレンドとして、キャッシュレスの流れは今後加速していくでしょう。

そうなると、店側はこれらの決済の多様化に追随していく必要がも出てきます。

自分がApple Payを使うようになってよくわかるのですが、現金よりもはるかに早くストレスがありません。このようなユーザの利便性と言うものは何にも変えがたいので、事業者側これらの決済の利便性をユーザに提供する必要が出てくるでしょう。

そういえば、最近どんどん電子マネーをはじめとして、様々な決済方法に対応しているお店が増えていますね。

マクドナルドや、

マクドナルドが「Suica」「nanaco」決済に対応、8月1日から – Engadget 日本版

モスバーガーも。

ついにモスバーガーが電子マネー&クレジットカード払い導入へ!現金払いが主だったファーストフードでもカードが使える時代になりそうです。 – クレジットカードの読みもの

ビックカメラは、ビットコインの支払いに対応しています。家電量販店は外国人客も多く、さらに国内にも利用者がいることから、ビットコインへの対応を拡大しているようですね。

ビックカメラ、全店でビットコイン決済に対応  :日本経済新聞

 

個人で見た場合も、キャッシュレスの影響はいろんなところで得られそうです。まず、キャッシュレス決済にすると記録が残るので、可視化が要因になります。

例えば、マネーフォワードの下記のインタビュー記事から抜粋すると、

何をいつ買ったのかが、これまで以上に見える化されることで、自然と収支が改善する方向に進んでいます。例えば、利用率が低いにも関わらず、払い続けているサービスを見直す機会などが生まれるわけです。まさにお金を払うことに対する見方がより厳しくなっていき、消費者の本質的な支持を得ているものだけが生き残っていくと言えるかもしれません。

FinTechで「キャッシュレス化」が進むと、消費者の意識や行動はどう変わる? マネーフォワード秋山芳生氏に聞く #宣伝会議 | AdverTimes(アドタイ)

 

冒頭に紹介した、「キャッシュレスだと貯蓄が増える」というのは、まさにこのような可視化による消費意識の変化によるものですね。

私もマネーフォワードを使っていますが、確かにお金を把握できると、意識が変わります。少し今月は引き締めよう、とか、無駄なお金を払ってるところがあるな、とか気づくようになりました。あと、常に使用状況がわかっていると、「今月はお金足りるかな」というような不安もなくなりました。

今後も、家計簿サービスに限らず、キャッシュレスによるデータの可視化をトリガーにした、様々な金融サービスが誕生するのでは、と期待します。その時、自分のお金の使い方をキャッシュレスにしておいた方が、そのようなサービスの恩恵を受けやすくなるかもしれません。

というわけで、個人の面でも、キャッシュレスが一つのマネーリテラシーになってきていると感じています。

 

先日、Kindleの日替わりセールになっていた「人工知能の核心」を読みました。将棋の羽生さんがNHKのドキュメンタリーをベースに書籍化したものなのですが、非常にわかりやすく、かつシンプルに本質を捉える内容になっていてよかったです。読みやすいので、興味がある方はぜひ。

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RSSリーダーはもう「枯れたツール」なのかな

国産RSSリーダーの老舗であるLDRがサービス終了すると発表されました。

【重要】Live Dwango Reader/LDR Pocketサービス終了のお知らせ|LDR / LDRポケット 開発日誌

僕は、Livedoor Reader(LDRの前身)→Googleリーダー→Feedlyと乗り換えてきており、今でも毎日RSSリーダーを使ってる自分としては、こうやってサービスが終了していくのは少し寂しい気持ちです。

 

もうRSSリーダーは使われなくなるんでしょうか

RSSリーダーは、自分が気になる情報を積極的に取得するという意味では、非常に有益なツールだと思うのですが、万人向けと言うには使うハードルが高いのか、昔からあるツールの割にメジャー感がないのも現状かなと思います。

最近だと、ソーシャルメディアやニュースアプリが新しい情報手段として登場してきており、メールも利用頻度が落ちてきていることを考えると、ますますRSSリーダーなんて使われないんだろうなっていうこともよくわかります。

Googleも、Googleリーダーを2013年に終了させましたし、その当時からユーザーは減少傾向にあり、多くのユーザーを引き込めるツールにはなりえないと判断されたのでしょう。

参考:高い人気を誇る「Googleリーダー」はなぜ終了するのか? | AppBank – iPhone, スマホのたのしみを見つけよう

 

結局、スマホにうまく最適化できていないのが原因かな?

情報収集手段は、ネットの発達とともに変化してきてます。

総務省「平成27年度版 情報通信白書」に掲載されている調査結果では、自分が興味ある情報を収集する場合は、年代に関わらず7割ぐらいがインターネットで調べるのだそうです。

まず、何かを自発的に調べようとする際、どのような手段を最も頻繁に利用するかを尋ねた。「仕事や研究、勉強について調べたいことがある場合」、「商品やサービスの内容や評判について調べたいことがある場合」など、具体的な場面を提示してそれぞれ尋ねたが、いずれの場面についても「インターネットの検索サイト(Google やYahoo!等)で検索する」との回答が圧倒的多数(約7割)を占めた。年代による大きな傾向の差はみられなかった。何かを調べる際の最も一般的な手段として、年代を問わずインターネットが広く浸透していることがわかる4 (図表2-2-3-1)。

情報収集を行う際の手段(年代別)

総務省|平成27年版 情報通信白書|情報収集

もうひとつ、ニュースに関してはテレビから収集するのが、どの年代に関しても圧倒的に多くなっています。

ニュースを視聴する際の手段(年代別)

総務省|平成27年版 情報通信白書|情報収集

つまり、インターネットに馴染みがないわけじゃないですし、ソーシャルメディアやニュースアプリが台頭していることを考えると、便利なツールであれば使われるんだと思います。

RSSリーダーが使われていないのは、インターネットを使うメインがスマホにシフトしたことに対して、「RSSを取得する」→「RSSリーダーに登録する」という手間が煩わしいのと、そもそもRSSって何?というハードルを超えられないからではないでしょうか。

 

ニッチなツールとしては生き残るのかな

ということで、もともと使いづらいツールだったRSSは、スマホシフトにもうまく合わせることができず、置いてけぼりになった印象があります。

一方で、人々の興味・感心は細分化されていると言われていますが、一方でウェブでも寡占化が進んでいるように感じます。自分が読んだネットの記事を、友人も読んでる、みたいなことも最近では全然珍しくありません。

ネットのメディアが発達してきたことで、情報の流通が似たような感じになっているのだと思います。

そういう中で、自分が興味ある情報を効果的に取得し、ビジネスに活用することは、差別化のポイントにもなるのだと僕は考えます。そして、RSSリーダーは、自分が興味・関心ある情報を継続的にウォッチするには良いツールだと思いますし、うまく使えることができれば、周囲との差別化にもなる可能性があるんじゃないかなーと。

例えば、RSSリーダーとGoogleアラートを組み合わせれば、特定のキーワードを登録してチェックすることができますよ。

RSS好きな人向け。キーワードから情報を取得できるおすすめのRSS3つ

 

というわけで新しく情報収集を活性化させたい方は、RSSリーダーを試してみてはどうでしょうか。

ちなみに僕はFeedlyを使っています。

Welcome to Feedly

Feedlyは有料サービスが設けられていたり、最近でもいろいろ新しいサービスが導入されているので、一部のニッチな人に使われるツールとして、もうしばらくは残るんじゃないかな、というのが僕の感想です。

 

最近、こちらの本を読みました。人不足の中で、組織の生産性向上が強く求められていますが、こちらのRPAを使うと、システム費用を抑制しながら、自動化を促進できるというようなことが書かれています。注目の領域ですね。

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2017年版ものづくり白書からみる製造業のデータ活用

経済産業省から、ものづくり白書の2017年版が公開されました。

2017年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)(METI/経済産業省)

このような、業界を把握できる白書は定期的に目を通しておくと、全体像やトレンドを把握できて便利です。

 

日本の製造業の位置付け

製造業はGDP比率で2割弱を占めており、国家全体でみても以前として重要な産業になっています。その重要さについて、2015年版のものづくり白書から引用してみましょう。

第1部 第1章 第2節 我が国の産業構造を支える製造業:2015年版ものづくり白書(METI/経済産業省)

 

まず、全体のトレンドから。

国内総生産(名目GDP)における産業別構成比の2003年と2013年を比較すると、「製造業」は19.5%から18.5%へと減少してはいるものの、19.9%の「サービス業」に続く比率となっている(図121-1)。製造業の減少は金額にすると8.3兆円となっており、産業別に見ると微減している産業が多い中、「電気機械」が4.5兆円と大きく減少していることが分かる。一方、「鉄鋼」は増加しており、「輸送用機械」や「一般機械」、「非鉄金属」はほぼ横ばいとなっている(図121-2)。

製造業は、産業構成比率としては低下してきているものの、電気機械よりは減少幅が小さくなっており、まだまだ重要な産業になっています。

 

また、製造業は、他の産業への波及効果が大きい産業ということも示されています。

また、製造業は他産業へ波及効果が大きいのも特徴であり、生産波及の大きさは「全産業」が1.93、「サービス業」が1.62なのに対し、「製造業」は2.13と、1単位国産品の最終需要が発生した際には、2.13倍の生産波及があるということが分かる(図121-3)。また、国内生産額(売上に相当)の産業別構成比をみると、「製造業」が30.8%と一番比率が高くなっており、「サービス業」の22.9%、「商業」の10.0%と続いており、我が国において製造業の役割が重要であることが見て取れる(図121-4)。

 

さらに、地方の雇用の受け皿にもなっているのが製造業の特徴です。

さらに、我が国における製造業は地方において集積がなされている点に特徴があり、地方における雇用・所得の源泉となっている。産業が集積することによって、地域の企業間における物理的な距離が近くなる。集積されている域内では他地域間との取引と比べて、輸送コストが安く済むだけでなく、企業間におけるすり合わせ型の開発・生産を容易にし、熟練工などの人材育成の基盤になり得る。これらの集積メリットは競争力のある製品を産み出す一因となり、企業収益の向上に資することで労働者の所得向上にも結び付いていると考えられる。

 

ということで、産業構造はサービス業へシフトしており、相対的に少しずつ減少している製造業ですが、それでもまだ、特に地方にとっては重要な位置づけであることがわかります。

そして、製造業はIoTやAIの台頭によって、新しいレベルへ脱却させる必要があると言われています。その中で、ものづくり白書では幾つか特徴的な傾向が分析されていますので、この記事で取り上げたいと思います。

 

人手不足や生産性向上にはITやロボット活用が有用

製造業の目下の課題として、人手不足が挙がっています。直近は、ベテラン人材の活用が主要な対策となっていますが、今後はITやロボット活用が重要になっていくと示唆されています。

人材確保の状況と人材不足対策の取組

 

製造業は機械化やロボット導入が進んでいる業界と言われていますが、さらにITや汎用ロボットなどの活用が注目されているということでしょうか。

これらの技術を導入する企業は、10年後の将来に明るい未来を描いていることも、調査結果からわかっています。

人材確保の取組と現場力の向上との関係

 

データ収集の増加と課題

ビックデータやデータアナリティクスという言葉が登場して久しいですが、製造業でも様々なデータを収集しています。調査結果でも、全体の2/3が何等かのデータ収集をしているそうです。

生産プロセス等のデータの収集・活用の状況

 

ただ、データ収集はしているものの活用となるとまだ十分ではないようです。調査結果では、その要因のひとつとして、データ活用が現場主導になっており、経営戦略本部等、経営戦略全体から見た場合のデータ活用やビジネスモデルの構築はまだまだ限定的であることを示唆しています。

データの利活用を主導する部門、製造業の収益率の低さ

 

今後製造業は、コマツのコムトラックスのように、機械を利用した新しいビジネスモデルの構築が必要と言われており、その点で、データ活用を戦略的に行い、新しいビジネスにつなげていくことが今後は重要になってくると示唆しています。

 

 

いかがでしたでしょうか。IoTやAIやデータ活用が、すでに様々な場面で利用されており、それが生産性やビジネス創出に違いを生んできているのがわかったと思います。他人事ではなく、自分のビジネスでもこのような技術を導入できる領域を考えていきたいですね。

ブロックチェーンがなぜ世の中を変える技術なのかを解説する

「ブロックチェーン、すごい!」といろんなところで言われているのを目撃していましたが、何が凄いのかがいまいちよくわかっていませんでした。この本を読むまでは。

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この間、ビットコインについて記事に書きましたが、もう少し広範な対象として、ブロックチェーンについても理解を深めたいなと思ったのです。

ビットコインなど仮想通貨の価格が急騰。仮想通貨は今後どうなる

 

それでこの「ブロックチェーン・レボリューション」を読んでみたんですが、あまりに広い可能性にちょっとびっくりしてしまいました。金融だけじゃなくて、政治やアートなど、様々なジャンルに広がる可能性を秘めている、と思うと、そりゃ「ブロックチェーン、すごい!」と叫びたくもなるもんです。

具体的にブロックチェーンがどういう効果を社会にもたらすのかについて、最近の時事動向と合わせて考察したい、というのがこの記事のテーマです。

 

ブロックチェーンをどう捉えれば良いか

ブロックチェーンは、サトシ・ナカモトの名前で発表されたビットコインの論文の、中核的な要素を成すものです。ブロックチェーン・レボリューションから説明を引用しましょう。

信頼のプロトコルをベースとして、世界中に分散された帳簿がその数をどんどん増やしている。これが「ブロックチェーン」と呼ばれるものだ。ビットコインも一種のブロックチェーンであり、今のところ世界最大規模のチェーンとなっている。

 

ここでポイントになるのは、「世界中に分散された帳簿」というところです。銀行や中央政府など、集権的にコントロールされるわけではない、ということです。まずはそれだけ覚えておきましょう。

もう少し詳しく知りたい方には、こちらのプレゼンがおすすめです。

 

技術的には一時のバブル状態かも

技術の普及度合いを理解する上で有名な指標に、ガートナーが発表しているハイプサイクルがあります。

ガートナー | プレス・リリース |ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を発表

ブロックチェーンは、ほぼちょうど「過度な期待」のピーク期に位置しています。

ガートナー ハイプサイクル

(出所:ガートナー | プレス・リリース |ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を発表

ビットコインをはじめとするブロックチェーン技術は、今注目を浴びているものの、社会的に広く浸透していくのは、この後幻滅期を通過して、もう少し時間がかかるかもしれません。

これらのブロックチェーン技術が、まさに今の時代に求められている事項を満たしていると考えられているのです。それはなぜでしょうか。

 

中央集権か分散管理かの二択しかない現在

以下は、あえて話をシンプルにしていますが、インターネットを中心とした世界は、これまで中央集権と分散管理の繰り返しをしてきました。そして、自由を謳歌してきたネット社会は、厳密に管理する中央集権的な部分(政府や大企業)と、無法地帯的になる部分(コピーし放題など秩序なし)の極端な選択肢になってきています。

コンテンツ管理やセキュリティを厳重に行うために、誰かがコントロールするというのはある意味自然な考え方で、音楽などのコンテンツは、自由にコピーされないように頑張ろうとした結果、AppleやGoogleなどの大企業を中心に、各コンテンツがコントロールされたプラットフォームが構築されていきました

資産管理の最たるものである金融も、銀行など制度に守られた企業にデータと役割が集中しています。逆に、これらの大企業や金融機関、政府などの庇護がなければ、インターネットの無法地帯にさらされ、安全に取引などができない状態になっているということです。

しかし、いつの世も過度な権限集中は、新しい弊害を生みます。

 

中央集権に対するアンチテーゼ

コンテンツや資産を安全に管理するため、政府や特定の企業に資源が集中するようになっています。それは、以下のような状況を作り出します。

大企業や政府はインターネットの支配者となった。ネットワークのインフラ、価値ある膨大な情報、ビジネスや生活を動かすアルゴリズム、無数のアプリケーション、それに今後伸びてくる機械学習や自動運転車。シリコンバレーやウォール街や上海やソウルの限られた人たちが技術を囲い込み、それを使って莫大な富を手に入れ、経済と社会に対する影響力をますます強めていく。

引用:ブロックチェーン・レボリューション

 

いくつかの調査結果から、政府や大企業の信頼度は低下しています。

PR会社のエデルマンが毎年発表している「トラストバロメーター」によると、2015年の企業・政府機関に対する信頼度は、2008年の世界同時不況の頃と同じレベルにまで低下した。テクノロジー業界は信頼度の高い業界として知られていたが、多くの国で今回初めて信頼度が下がる結果になった。なかでもCEOや官僚に対する信頼度は最低で、学者や専門家に大きく引き離されている。

引用:ブロックチェーン・レボリューション

 

政府が信用を低下させてきているのは長期的なトレンドで、一過性のものではありません。

政府はなぜ信頼されないのか

 

本書ではその原因は明確には書いてありませんが、政府や大企業が 覇権をもっている今の制度に疲弊感が出ているのかもしれません。

そして、ブロックチェーンは冒頭に書いた通り「分散管理」を実現するので、例えば有名なビットコインは政府の介在を必要としません。現在の金融構造は様々な制約が存在しています。ブロックチェーン・レボリューションで書いてあった次のようなことが象徴的です。

スターバックスでラテのグランデを注文し、クレジットカードを取りだして最新式のカードリーダーにタッチしたとしよう。そこからお金がスターバックスの口座に届くまで、少なくとも5つの業者があいだに入っている。レジでの会計は終わっても、そこから決済完了までは何日もかかるのが実態だ。

引用:ブロックチェーン・レボリューション

 

もうひとつ。

「銀行システムを使って中国に送金するのに比べたら、重たいハンマー台を中国に送りつけるほうがまだ早く着くんですよ。おかしいでしょう。お金はすでにデータになってるんですよ。札束を詰め込んで送るわけじゃないんですから」

引用:ブロックチェーン・レボリューション

 

仲介者を減らして、ダイレクトに資産を移動させることができるので、中央集権的な構造を壊してしまうのと、コストの削減を実現できます。

このように、ブロックチェーンは過度に集まっている政府や大企業への権限を分散化し、各個人や団体が安全な資産管理を実現させる民主化的な働きがあるのです。

 

インターネットに対するアンチテーゼ

もう一方で、自由な情報交換が広がったインターネットの世界に対しても、ブロックチェーンは新しい役割を果たす可能性があります。

例えば、最近でもいろんなインターネット上のサイトで、画像などのコンテンツ盗用が発生しています。雑誌のアサヒカメラが、写真の盗用への対策を特集したのも、記憶に新しいところです。

「ネットから盗用写真を駆逐せよ」 「アサヒカメラ」2月号に「損害賠償&削除マニュアル」 – ITmedia NEWS

インターネットは情報流通に革新的な効果をもたらしましたが、同時にいろんな作業を破壊してしまいました。特にエンターテイメントとして映画や音楽、写真などのコピーしやすいコンテンツは、違法コピーの温床となりました。インターネット上の様々なツールは、新しいプロモーション手段を生み出した反面、厳格にコンテンツを守らないと、どこまでもコピーされてしまう無法地帯にもなっているのです。

しかし、ブロックチェーンは、コンテンツや資産の正当性を担保しますので、有償で取り扱いたいコンテンツの盗用を防ぐことができます。例えば既に、アーティストが自分たちのコンテンツをブロックチェーンで安全に管理しつつ、市場に流通させる手段を採用しているケースが登場しています。

ブロックチェーンが変える音楽と所有の関係:連載「音楽の未来をつくる人」#3|WIRED.jp

このように、無法地帯になりがちなインターネットの世界で、広く普及させつつコンテンツを安全に管理する方法として、ブロックチェーンが注目されていることがわかります。

 

人々が情報や資産をコントロールできる時代になる

以上のことから、集中と分散の良いとこ取りとして、自由でかつ安全に資産を移動したり流通させることができる、というのがブロックチェーンの真価だと思います。

どういう主体にとってブロックチェーンは意味があるのか、と考えたときは、以下の記事が参考になります。

こうした考え方からすると、ブロックチェーン技術の適用に適したビジネスケースは「信用に乏しい主体がビジネストランザクション処理に参加する」ようなケースに他なりません。つまるところ、国内で既に十分な「信用」を獲得している組織(政府、メガバンク…etc.)が、それら組織の従来からの主戦場でビジネスを継続する限り、ブロックチェーン技術によりもたらされる「信用」の創出が効果的に機能することは望めないでしょう3。一方で、「信用」に乏しい主体(個人、スタートアップ企業、NPO…etc.)がビジネスネットワークを形成するにあたっては、ブロックチェーン技術を用いてビジネストランザクションの公明正大性を実現することがプラスに働く場面も生じうると考えます。

引用:ブロックチェーン技術は本当に有望なのか? – Qiita

 

自分のビジネスに影響があるのかは、業界構造などによって、あるいは自分がどういうポジションにいるかによって違うのではないでしょうか。

ということで、ブロックチェーンがなぜ注目されているか、少しは雰囲気が掴めたでしょうか。興味を持たれた方は、ぜひ本の方を読んでみてください。上記以外にも、様々な分野への影響が考察されています。

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以下は、著者のTEDでの講演です。ハイライトで理解したい方にはこちらが良いと思います。

ビットコインなど仮想通貨の価格が急騰。仮想通貨は今後どうなる

最近、ビットコインなどの仮想通貨が話題になっています。簡単に言えば非常に価格が急騰しており、様々な点で注目を浴びるようになっています。最近のビットコインの価格は、以下のように推移しています。

BTC chart

Bitcoin (BTC) | CryptoCurrency Market Capitalizations

今年に入ってからの上昇ぶりは目を見張るものがあります。

 

この状況をうけて、Techrunchは「バブルが発生しているのではないか」と観測する記事を書いています。

仮想通貨市場で今何が起きているのか?――時価総額1000億ドルはバブルを意味するのか | TechCrunch Japan

 

Googleトレンドで見ると、ビットコインの検索ボリュームもどんどん増えています。

(ちなみに、上記グラフでは2015年頃から表示していますが、2014年の方が「ビットコイン」の検索ボリュームが多くなっています。それは、マウントゴックス事件のためです。紛らわしいので上記グラフでは含めないようにしました。)

というわけで、ビットコインは価格が急騰し、認知度も高まっている状況です。今の状況が、仮想通貨やその1つであるビットコインのバブルかどうかは、僕も知りません。ただ、今の状況がどういう背景をベースに起こっていて、これからどういう変化を起こしそうなのかということを、ここに書いておきたいと思います。

この記事を読むことで、ビットコインを始めとする仮想通貨の取り巻く環境が理解できるとともに、明日から、どういうことを考えたら良いのかヒントになると幸いです。

 

仮想通貨はビットコインだけじゃない

もう知ってる人も多いと思いますが、いわゆる「仮想通貨」というのはビットコインが有名ではありますが、種類としてはそれだけじゃありません。

CryptoCurrency Market Capitalizations」を見ると、仮想通貨の種類は800近く存在するようです。そして、ビットコインの価格が上がっているのですが、他の仮想通貨も軒並み上昇しており、相対的に仮想通貨におけるビットコインのシェアは低下しています。

これまで仮想通貨の市場規模の大半を占めていたのはビットコインです。2016年末までは全体の8割~9割をビットコインが占める状況でした。しかし、2017年に入ってからビットコインの存在感は低下しています。5月17日時点では、シェアが48.5%まで低下しているのです。冷静に考えれば、特定の業界で半分のシェアを握っていることは凄いことですが、仮想通貨=ビットコインとは必ずしも言えない状況になってきています。

引用:仮想通貨の市場規模。2017年から急拡大。

 

実際、ビットコインの次に取引額が多くなっている仮想通貨として、イーサリアムとリップルが挙げられます。

なんでこんなにたくさん通貨の種類が存在しているかといえば、それぞれ「ブロックチェーン」という技術を使っているという点では共通していますが、各通貨ごとに違う特徴を備えているのです。

例えば、イーサリアムは、

イーサリアムもビットコイン同様ブロックチェーンの暗号技術を利用していますが、ビットコインよりもさらに機能を拡張させているのが特徴です。ビットコインとイーサリアムの違いはいくつかありますが、大きな違いとして「スマートコントラクト」という技術を利用している点が挙げられます。

引用:イーサリアムの特徴とは?ビットコインにはない優れた機能 | イーサリアムのことなら仮想通貨の取引所「ビットポイント」へ

 

と、ビットコインの機能を拡張させています。別の本で「ブロックチェーン・レボリューション」からも引用してみます。

ビットコインと違うのは、通貨の取引だけでなく、どんな取引でも実行できる点だ。イーサリアムには、ブロックチェーンを使ってアプリケーションを開発するための便利な道具が組み込まれている。これを使えば分散型のゲームアプリから証券取引所まで、実に幅広いサービスが実現できる。

 

つまり、通貨以外の契約に関する情報を取り込んで取引できる点に特徴があります。

 

一方で、またGoogleトレンドをみてみると、また別の視界が見えてきます。関連するキーワードを世界全体を対象に見た場合が以下です。

ビットコイン、イーサリアム、リップルの順になっており、取引規模と同じような傾向になっているといえそうです(それでも、ビットコインが突出していますが)。

しかし、日本に限定するとまた違った傾向になっています。

知名度という点ではビットコインが圧倒的で、「仮想通貨」よりも多くなっています。「仮想通貨=ビットコイン」と思っている人も多そうです。また、イーサリアムとリップルでは、取引規模ではイーサリアムの方が多いのですが、知名度という点ではリップルが上回っています。これは、別の要因が絡んでいると思われます(後述)。

ここで言いたいのは、時価総額と知名度は、日本においては必ずしもリンクしていないということです。

 

仮想通貨が注目される理由

日本で仮想通貨が注目されてきているのは、改正資金決裁法が平成29年4月から施行され、消費者保護を含めて法整備が整ってきたことがひとつ挙げられるでしょう。

また、ビットコイン決裁に対応する店舗がどんどん増えており、2017年内には2万店舗に達するという観測もあります。

ビットコイン対応店舗、国内2万カ所へ急拡大 17年中にも  :日本経済新聞

さらに、リップルは国際的な送金サービスに利用されようとしています。

三菱UFJ、送金効率化へ世界連合 米欧豪6行と18年  :日本経済新聞

リップルは通貨交換機能を備えており、そのネットワークを送金に利用することで効率化するというのが、狙いのようです。この発表によって、リップルの価格は高騰しました。前述のGoogleトレンドでリップルの検索ボリュームが多くなっているのも、この報道とリンクしています。

現在、お金の移動に様々な業者が介在していて、時間と手数料が多く必要になっています。それを、仮想通貨で効率化しようというのが狙いです。

というわけで、知名度が上がり、店舗でも決済機能として使いやすくなってきています。また、金融機関などでも、既存の課題を解消する新しい解決法としてのブロックチェーンが、真剣に導入されようとしている、というのが現状です。

 

仮想通貨が抱える技術的な問題

仮想通貨は、認知度が上がり、法整備を含め利用しやすい状況が作られてきており、店舗や金融システムなどの実世界で利用される場面が増えてきています。

しかし、仮想通貨自体には全く問題がないわけではありません。例えばビットコインでは「スケーラビリティ問題」が有名です。

簡単にいうと、技術的な仕様の制約によって、膨大な取引量をさばくことが難しくなると言われています(取引を完結するために非常に時間がかかるようになる)。VISAなどの決済インフラと比べると、可能な処理量は100分の1以下と言われており、現在のビットコインの処理量はそろそろ限界とも言われています。なので、これ以上ビットコインの取引が増えていくのは懸念がある、という問題です。

仮想通貨ビットコインの最大取引量の問題|ブロックサイズ、スケーラビリティ問題“初心者さん向け”  | 仮想通貨まとめ

ややこしいのは、解決法を関係者で議論しているのですが、政治的な対立も引き起こしており、現在のビットコインからフォーク(=枝分かれ)して、別の通貨を作ろうという動きもあるようです。

ビットコイン分裂阻止へ、「Bitcoin Unlimitedは新通貨」と取引所18社 | TechCrunch Japan

仮想通貨の存在が大きくなってきたからこそ、様々なステークホルダーが絡み合っており、また当初は想定していなかった問題も浮上しています。

今後も、違う問題が浮上してくる可能性はないとも言えないでしょう。

 

まとめ

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、現在の経済構造の問題を解決する要素を含んでいるので、今後も世界で使われていく流れは進んでいくと思います。

ただ、それはビットコインではないのかもしれません。技術的な制約であったり、仮想通貨が備える機能のどこに着目されるかによって、他の仮想通貨がスタンダードになるかもしれないのです。

というわけで、投資としての仮想通貨に興味があるなら、少額で始められるので投資してみると面白いんじゃないかと思います。そのときに、ビットコイン以外の仮想通貨もあるので、どれに投資するかはいろいろ調べてみると良いでしょう。

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今後のビジネスにどういうインパクトを及ぼしそうかを知りたければ、こちらの本がおすすです。仮想通貨に限らず、「ブロックチェーン」という技術がどういう革新的なインパクトを与えるかが語られていて、非常に刺激的です。

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新しくなったAmazon FireTV Stickが、あなたの週末生活を変えてしまうだろう

どんどんテレビを観なくなっている今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

とはいえ、時々は映画を観たいですし、英語の勉強がてら海外ドラマを観たりもします。そういうときは、Amazonのプライムビデオを使っているのですが、以前買ってたAppleTVが古くて調子悪くなってきており、新しいFireTV Stickが発売されたのを機に、購入してみました。

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FireTV Stickを買った方が良い、これだけの理由

とりあえず、多くの人に損はないと思うので、買いましょう。言いたいのはそれだけです。

価格が安い

最新型は、音声認識リモコンがついて4,980円です。AppleTVが15,800円なので、それと比べても非常に破格です。音声認識も精度は問題ないレベルな感じです。

セットアップ簡単

Kindleなどもそうですが、Amazon製品を買うと、アカウントがすでにセットアップされた状態で出荷されています。これだけでも地味に便利ですが、あとは自宅のWi-Fiに接続するためにパスワードを登録すれば、完了です。

プライムビデオ見やすい

当然ながら、Amazonコンテンツが閲覧しやすいように設計されています。豊富なプライムビデオが選びやすいです。大画面で表示しても、スムーズで遅延もないので、ストレスなく見れますね。

YouTubeやTEDも見ること可能

Amazonが提供するAndroidアプリもインストールできるので、それを通して他のコンテンツも見えます。とりあえず、YouTubeとTEDはインストールしておきました。

iPhoneからミラーリング可能

Appleユーザーからすると、AppleTVだとAirPlayでミラーリングできたのは、ひとつの魅力だったでしょう。しかし、FireTVでもできます。以下のAirReceiverをFireTVにインストールします。

Amazon.co.jp: AirReceiver: Android アプリストア

僕はまだAirPlayの必要性が出ていないので、試してなくて申し訳ないですが、ネットで検索した限りだと、恐らく大丈夫なはずです。

 

テレビは今後ますます見なくなる?

従来のテレビチャンネルというのは、全く見ないというわけではないですが、コンテンツ消費の手段が多様化していて、テレビ以外のコンテンツを消費する時間が増えているのが実感です。

広告費でみると、今のところテレビが堅調で、インターネットが伸びていて、それ以外のメディア消費が低下している、という構図になっています。

「2016年 日本の広告費」解説―拡大するインターネット広告と堅調なテレビメディアで5年連続のプラス成長 – 電通報

でも、FireTV使って思いましたが、自分が見たいコンテンツを、自分が見たいタイミングで見れるし、音声認識リモコンで操作性高く探せるし、テレビに比べてメリットがたくさん挙げられます。

もちろん、テレビのリアルタイム性などの優位性はありますが、逆にいえばテレビの優位性はポイントが限定されてきているのではないでしょうか。

民放もTVerを提供したり、テレ東オンデマンドがあったり、様々な変化をトライしていると思うのですが、今後のメディア消費がどう変化していくのかは、興味深いものがあります。

 

というわけで、このテレビのセットボックスというジャンルも成熟してきたと思いますし、FireTVでAmazonの市場破壊ぶりを感じていただければ幸いです。

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スマート体重計Withings Body Cardioを買ったので、自分の体を楽しく管理します

以前から体重計で定期的に体重測っていましたが、体脂肪率の数値が明らかに変だったので気になってました。

そこで、Withingsの体重計を買ったのです。

 

Withingsの体重計が今安いよ

体重計や腕時計などのスマートデバイスを手掛けるWithingsですが、2016年にNokiaに買収されまして、先日は「Withings」ブランドが「Nokia」ブランドに統一されることが発表されました。

以下が、Withingsのプレスリリースです。

http://media-cdn.withings.com/press/press-release/mwc-2017/MWC_PressRelease_JP.pdf

これによってWithingsブランドが消失するためか、AmazonでWithings製品がセールをやっていたので、ついつい以前から欲しかった体重計を買ってしまいました。

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定価では20,000円超えていたのですが、今や10,000円を切っています。

 

体重計の記録を勝手にしてくれるのはストレスフリー

まず、このWithings Body Cardioを使った感想として最初に言いたいのは、「体重計に乗ったら自動でアプリにデータが登録されるっていうのは、ほんとにストレスがなく素晴らしい」ということです。それだけでもこの体重計を買った価値があるというものです。

記録されたデータは、「Health Mate」というアプリで閲覧できます。グラフ化されてますし、いつでも自分の体の変化を見ながら、体調の変化、運動の成果を確認できます。

ちなみに、Withingsブランドがなくなっても、Health Mateアプリは刷新される形で残るようです。

 

様々な計測指標で自分の体を知る

また、この体重計が様々な計測指標に対応しているのも、ちょっと楽しいですね。体脂肪は当然のこと、水分率や筋肉率などの計測できて、自分の体がどういう状態なってるのかを、これらの数値を見ながら考えるのも楽しいです。またPWV(脈波伝播速度)という計測機能があり、血管の収縮度合いなどをこの数値から測ることができます。

Pulse Wave Velocity

PWVなんて、この体重計を買うまで知りませんでした。

あと、計測にはなぜかアスリートモードと日本人モードがあり、その設定によって体脂肪など数値は変化するようです。僕は日本人モードにしたら大体足筋ぽいものが出てきたのでこれで行っています。

 

体重計を通じて家族でコミュニケーションするようになった

Withings Body Cardioでは複数人のデータを登録できます。最近の体重計ではだいたい対応していると思いますが。これに家族を登録して、みんなで利用できるようにしてます。

さらに、天気予報が表示されるので、子供と一緒に体重を測って、そのついでに天気予報が表示されて、っていう流れでコミニケーションするきっかけにもなっています。

体重計で、こういう変化が生じるというのは、買ってみないとわからないものでした。

 

Withingsブランドが消滅してしまうのに、これでスマートウォッチのWithings Active Steel HRに加えて、Body Cardioまで買ってしまいました。

WithingsのActive Steel HRを購入して、生活が大きく改善された | Synapse Diary

恐らくWithingsブランドの製品は今後在庫処分が進むでしょうし、在庫がなくなったら購入できなくなると思われます。Active Steelが安くなっているし、もうひとつ買うか?という物欲もわいてきてます。

データを計測して、運動や健康管理への関心が自分に定着してきてますし、こういうスマートデバイスは使ってみないと本当の効果はわからないな、と実感します。Withingsはスマートウォッチも体重計も個人的には非常に使いやすく、おすすめですね。

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さて、先日こちらの「経済がわかる 論点50 2017」を読みました。みずほ総研が2016年末に出版したもので、アメリカの大統領が決まる前の断面になっていますが、世界や日本経済のポイントがうまくまとめられているので、現在を全体的に理解するには良いかと思います。

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WithingsのActive Steel HRを購入して、生活が大きく改善された

皆さん、運動してますか?デスクワークだと、びっくりするぐらい運動しなかったりして、どんどん体力が弱ってしまいます。

ということで、運動を促進するきっかけとして、スマートウォッチを導入しようと考えて、散々悩んだ末に、WithingsのActive Steel HRを買いました。

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ここ最近つけていて、Active Steel HRの良さや、スマートウォッチの特性などがわかってきた気がしたので、レビュー記事です。

 

WithingsのActive Smart HRは機能・見た目・価格のバランスが良い

総合的にいえることは、バランスが良いということです。価格が2万円を超える程度ですし、Apple Watchに比べるとかわいい感じの価格です。

機能についても、歩数や睡眠時間が測れるのはもちろんですが、心拍数の計測にも対応していますし、スマートフォンからの通知とも連動することができます。個人的には、スマートフォンが財布代わりになっていくことで重くなってしまい、電話や通知に気づかなくなってきたので、腕時計で着信や通知に気づけるのは良いです。

iPhone7に手帳型レザーケースを導入して財布を持たないで済むようにする | Synapse Diary

 

様々なデータを収集することのメリット

改めて、歩数や睡眠時間、心拍数を測ってみると、自分の行動を自覚し、振り返り、改善するきっかけになるということです。生活習慣を見直すために、スマートウォッチでデータを収集することはとても有効だと再認識しました。

実際に、データを確認するようになってから、歩数が伸びるようになり、睡眠時間も増えました。興味深いのは心拍数でした。どこで心拍数が増えてるかわかるので、運動や飲み物などが、体にどう影響を与えているのかがわかります。コーヒーを飲んでいると、必ず心拍数が増えていました。

ちなみに、星野リゾートの社長もWithingsを使って歩数や睡眠を測っているようですよ。

快眠:快眠のためにやめた2つのこと【星野リゾート・星野氏】:私の「カラダ資本論」:日経Gooday(グッデイ)

 

日常に溶け込む時計

以前、JawboneのUP24というウェアラブルデバイスをつけていました。

ウェアラブルデバイス「Jawbone UP24」を買ったら生活が激変した | Synapse Diary

それでも悪くないのですが、ビジネスシーンなどを含め、腕時計の方が日常に溶け込むので付けやすいな、と思いました。逆に、寝るときに腕時計をつけるのは、今でも少し違和感ではあります。

 

ベルト交換も簡単

デフォルトのベルトはシリコンなので、軽くて着けやすいという面はありますが、つけてくるとへたってくるのと、ビジネスにはちょっと不向きなのでベルト交換するのが良い気がします。

18ミリのベルトであれば大体合いますので、既製品を買ってベルト交換すると良いでしょう。

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knotの皮ベルトなんかも交換できるのでオススメです。

 

 

 

スマートウォッチ業界が成熟化してきた

スマートウォッチはそろそろ成熟を迎えようとしている気がしますね。できることできないことがある程度わかってきて、最初のブームが過ぎ去り、幻滅された後、現実的な使い方や価格が設定されている気がします。

スマートウォッチは陳腐化が早く、それほど多くのお金をかけるのが合理的でない、というのが個人的な印象です。なので、低価格でないと売れないというのが市場の現実です。

Fossil決算報告で明らかになった「安くないと売れない」スマートウォッチ市場|ギズモード・ジャパン

PebbleがFitbitに買収されたり、様々なスマートウォッチなどのデバイスが大手に寡占化されてきています。候補もだんだん絞られてくるでしょう。ちなみに今回Withingsを買う前は、こちらのFossilを買おうか散々悩んでました。

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というわけで、個人の使い方によるところもあると思いますが、WithingsのActive Steel HRはバランスが良いので、現時点では良い選択肢になるかな、と。

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【書評】スマートデータイノベーション

データ社会と言われて久しくなっていますが、改めてビジネスや社会に様々なデータが浸透していくことによって、何が変わっていくかを分かりやすく説明してくれた本が本書です。

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これからの社会は、データによってどう変わるのでしょうか。

 

大事なのは商品ではなく「買うべき理由」

現在は、大量生産・大量消費社会から価値観がシフトしており、人は単純に雑誌やテレビで見た商品を買う、というようなシンプルな購買行動はしなくなっていると言われています。

このあたりの人々の購買に対する価値観の変遷は、「物欲なき世界」を読むとよいでしょう。

【書評】物欲なき世界

 

今の社会で重要になっているのは、商品やサービスそのものではなくそれをなぜ利用するのかというコンテクストです。様々なものが溢れる中で、安くて質が良いと言うだけでは売れなくなってきています。人はライフスタイルや買う意味を探しており、自分の価値観に合う商品やサービスであれば多少の金額は高くても買うと言う価値観にシフトしています。

そして、コンテクストの作り方については、本書でこう述べられています。

コンテクストクリエーションの重要性と概念はお分かりいただけたと思う。次に、どのようにコンテクストクリエーションができるのかということが問題となる。まずは、コンテクストクリエーションするためには、消費者の求めているライフスタイルを知り、そこでコンテントが価値を見い出すシーンはないかを考える必要がある。

では、消費者の求めているライフスタイルはどのように知ることができるのであろうか? 1.3節でお気づきになったかもしれないが、消費者はもう教えてくれている。もし分からないのであれば、そのデータが正しく活用されていないか、データをデータとして認識できていないかのどちらかだ。

 

つまり、消費者が様々な形で残しているデータを活用することが、ビジネスのコンテクストを作り出す上で重要である、ということです。

 

企業と消費者が近づく仕組みが必要

本書の中で一番「なるほど!」と思ったのは、「ICTやIoTによって「企業と消費者の間にインターフェースを作る」という考え方です。

企業と消費者との間で有効なインターフェースを築くことができれば、以下のようなことができます。

そのように潜在的にデータ交換を行うインターフェースを現実世界に設計する。そのインターフェースから企業は消費者にコンテクストクリエーションし、価値を提供するとともに、消費者の振る舞い、満足感、不満などを読み取る。これらのデータを読み解くことにより、企業は消費者心理を読み解くことが可能となる。

多様なライフスタイルや価値観に応えるために、企業と個人は距離を近づける必要があります。それを実現するのがデータであり、データを企業と個人が共有するためのインターフェイスであるのです。

顧客の実態はデータによってよくわかればそれだけサービスの価値が上がる、顧客の利便性が向上するという結果につながっていきます。大量生産大量消費の時代ではなく、顧客の実態に合わせて快適なサービスを提供する時代がやってきているのです。

 

パーソナルデータとの関係

本書の最後のあたりでは、パーソナルデータとの関係についてもわかりやすく整理されています。データを活用したい企業と、プライバシー等の個人情報は最低限守りたいと思う個人とのあいだで、境界線は曖昧になってきています。

企業はデータを取得する代わりとして、個人からちゃんと理解を得られる対策をとるとともに、サービスの利便性をそれ相応に与える必要があります。

また個人情報が流出してしまった場合のビジネスリスクも非常に大きくなっています。詳細についてはこちらの本を読むとよいでしょう。

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ビックデータ、データアナリティクス、IoTなど様々なデータに関する用語が登場してきていますが、データと企業と個人との関係を考えてみたときに、明らかに人々の価値観やビジネスに求められる要素は変わってきています。

これらの変化に企業は対応していく必要があるでしょう。データを活用する企業になりましょう。

 

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【書評】The DevOps 逆転だ!究極の継続的デリバリー

この本は、システムを開発する人・運用する人にとっては必見でしょう。

少し前から流行っているDevOpsという概念をちゃんと理解しようと、一冊読んでみました。そしたら、やはりDevOpsってこれからのシステム開発・運用に必須なんだなってことがよく理解できましたよ。

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システムに存在する「変化したい人」と「変化したくない人」の対立

情報システムでは、一般的に「開発」と「運用」という2つの大きなフェーズが存在します。「開発」がシステムを作り上げる役割で、「運用」は作り上げられたシステムが正常に動くために必要な作業を実施します。

そして、システムは運用が始まった後でも、継続的に変更を加える必要があります。不具合の修正、顧客ニーズに応えるためなど、様々な理由があります。

このとき、既に動いているシステムに変更を加えることになるのですが、それが「開発」と「運用」の対立を生じさせます。

情報システムは様々な構成要素で作られており、些細な変更であっても、システムに影響を及ぼす可能性があります。そのため、慎重にテストや準備を行ってから、変更を反映したいと考えます。これが「運用」側の立場です。

一方でシステムを変更したい「開発」側としては、不具合が発生していたり、顧客との競争に負けてしまうことを恐れて、早く変更を反映したいと考えます。

この対立は、「変化しない方が安定的にシステムが動く」という事実と、「変化を加えてサービスを改善しないと顧客が離れる」というビジネスデマンドとの矛盾から生じている、根が深いものです。

 

SIerのビジネスモデル

上記を反映して、旧来型のSIerのビジネスモデルでは、「2年かけて開発して、5年運用する」というようなフェーズを明確に分けた契約が行われてきました。また運用中は、四半期に一度の小さな変更を加えるなど、比較的小さめな変化に止めていました。

こういう形だと、開発した後は大きく変化できないというデメリットが生じることになります。変化のスピードが早くなっている昨今で、数年同じシステムが使われることになるのは、企業の競争優位性を低下させることにもなりかねません。

 

1時間に1000回変更を加える驚異的なAmazon

一方で、クラウドサービスや新しい技術の登場で、全く別のシステム管理をする企業が登場してきました。Amazonは頻繁に自社のサイトやシステムに変更を加えており、多いときは1時間に1000回変更を行うこともあります。

Amazon.comでは11秒ごとに新しいコードがデプロイされている。そして最も多いときで1時間に1079回デプロイが行われた。これには機能追加だけでなくバグフィクスなども含まれるが。平均で1万、最大で3万ものホストがデプロイを受け取る。

Amazonは1時間に最大1000回もデプロイする。クラウドネイティブなデプロイとはどういうものか? AWS re:Invent基調講演(Day2 AM) - Publickey

 

なぜこれを実現できるのかといえば、多くの要因は「自動化」にあります。ITはすごい自動化が進んでいるというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、意外にマンパワーに依存している部分はまだまだ多く存在しており、それが故に機動的な情報システムを実現できない場合があります。

しかし、システムに変更を加えるための作業を自動化することで、様々な人的作業を削減し、安全かつスピーディに情報システムに変更を加えることが可能になるのです。

 

DevOpsの根幹にあるのは「ザ・ゴール」

今回読んだ「DevOps」は小説形式で書かれているのですが、そのエッセンスは「ザ・ゴール」にあります。

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生産管理の名著として知られる「ザ・ゴール」が本書の中で登場した時は懐かしいなと思いましたが、同時に「生産管理の考え方(制約理論やスループットなど)が、情報システムにも当てはまるのかな?」とやや疑問でした。しかし、原理を突き詰めていくと、工場とITシステムで行われていることが、ビジネスに対して同じように捉えることができるのがわかり、とても驚きました。ITでも、スループットを向上させ、ビジネスに貢献することを明確に示すことができるのですよ。

 

これから情報システムが本当にビジネスに貢献するためには、「安定と迅速な変化」を両立させる必要があります。それがこのDevOpsにあるのです。

というわけで、システムを管理する立場にある人は、一読すると良いでしょう。読みやすい本ですし。

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