政府はなぜ信頼されないのか

政府はなぜ信頼されないのだろう。この漠然とした不信感はなんだろう。

政治家が国民本位ではなく、自分たちの保身のために政局に時間を浪費しているように見えるから?
政府や地方自治体は無駄な作業ばかりやって、ちっとも効率的じゃないから?
メディアは政府を批判するばかりで、ちっとも良い面や代替案について正確な報道をしていないから?

この本は、そういういろんな側面から政府の信頼が低下していった理由を紐解こうとしている。実際、アメリカでは1950年代は政府への信頼はとても高く、現在に至るまでにどんどん低下している。そして、それはアメリカだけではなくほとんどの先進国で共通する現象だ。

 

社会的事象を正確に分析するのは難しいけれど、この本ではいくつかの要因に整理した上で、まとめている。そのひとつにメディアの政府に対するスタンスの変化が挙げられている。思えば、テレビや新聞の報道は中央政府や政治に関する報道がほとんどトップニュースにある。政府支出なんて、GDPの5分の1ぐらいなのだし、地方政府や民間企業の動向に対する報道が増えても良いんじゃないかと思うんだけど。岐阜に住んでいて思うけど、改めて地方政治に関する情報量が少ない。議員や公務員の不祥事はニュースになるけど、予算編成の内容や政策に関しては、正直よく把握できない。

 

政治家や官僚、政治制度そのものの信頼が低下していくと、モラルハザードを呼び起こし、制度そのものが成立しなくなっていく。制度や権力が成立するためには、周囲からの信頼と強制力が占める。そして、民主主義には権力機構に対する信頼が必要なのだ。信頼を向上させるためには、何が必要なのだろう。政治家は自分たちの保身や党利党略ではないスタンスで政治について議論して欲しいし、僕らは政治や政府がちゃんと成果を出しているか知らないければならない。正直、自分の住む街の治安が良くなっているのかどうかも知らないし、財政状況も良いのか悪いのかも知らない。知らないことだらけだ。

 

オープンガバメントは、政府に対する信頼性を向上させるとともに、市民の政治への参画機会を向上させる。これまでの一方的で限定的なマスメディアの情報とは違うし、新しい情報の流通経路が生み出されるだろう。オープンガバメントが新しい統治形態なのかはわからないけれど、今の通り政府の信頼が低下したままでは、いずれ民主主義制度そのものが崩壊する、という脅しも嘘ではなくなるのかもしれない。

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