経験則で答えを出すことがどうしてダメなのか、という話

経験をベースに答えを出したり判断することには、少し危険性が伴う。その話を書き留めておこうと思う。なお、ここでいう経験則の対比は論理的思考である。論理的思考によって物事を進めていくことのメリットを挙げていく。

 

人と議論できる

経験則になってしまうと、判断の根拠が「俺の経験」になってしまい、どれが正しくてどれが間違っているかが客観的に判断できない。なので、意見が食い違ったときに、人と議論をして答えを修正する、という行為がとても難しくなる。

論理の積み上げによって答えを導き出す場合は、根拠や思考プロセスが明示されるので、そのどこが違うのかが議論しやすい。前提となる情報が不足しているのか、どこかの判断基準が間違っているのか。集団で作業するときには、こうやって議論をして意見を修正できることのメリットはとても大きい。

 

未知の問題に対応できる

経験則の場合、先に同じ事象を経験していることが大前提になるので、「先例主義」になりやすい。新しい未知の問題が出てきた場合に、対処することが難しくなる。

一方で論理的思考の場合は、未知か既知かは副次的要因であり、未知の問題であっても事象を整理し、論理的に判断を積み重ねていくことで、解決策までたどり着ける可能性が高まる。

 

人格と分離できる

論理的に考えることになると、論理と人格は区別して考えることができるようになる。経験則の場合はそうはいかず、経験によって答えを出すこととその個人は切っても切り離せない。

つまり、論理的に問題に対してアプローチすることは、組織において個人攻撃を回避し、前向きな思考を促す効果がある。

 

最後に・・・

とはいえ、論理的に思考することが全てとは思わない。経験によって得られることも多いし、それによって答えにたどり着くスピードも圧倒的に早くなる。要は、「経験」と「論理的思考」という2つの武器を、どう使いこなすかが重要で、どちらか一方だけが素晴らしいということはない、ということだ。

Think Simple

スティーブ・ジョブズが亡くなって早1年が経った。それでもAppleの時価総額は、今でも上昇し続けている。この結果は、ブランドはすぐに失墜するものではない、という考え方もできるし、Appleに根付いたカルチャーはすぐに廃れるほどのものではない、ということも言える。

著者が広告代理店出身なので、広告代理店の仕事の考え方として参考にしても良いと思うし、Appleやスティーブジョブズの裏話として読んでも楽しいと思う。iPhoneの名前が付けられる経緯も面白いし、スティーブジョブズが失敗することもあるんだという発見もある。ただ、それだけこの本を済ましてしまうのは勿体ない。

複雑なものをシンプルにするのは、とても難しい。それが実感できるのがこの本だ。たくさんのエッセンスが含まれているが、ここでは3つだけ挙げておこう。

 

無駄な選択肢は作るな

ひとつの製品に複数のパッケージ案を作ることを、スティーブジョブズが否定するエピソードが出てくる。複数案つくることはエネルギーが分散するし、時間がかかる。

僕も仕事で選択肢をよく作るし、他の人が作る選択肢もみる。だけど、本当に有効な選択肢はそんなに多くない。それでも作ってしまうのは、やはり迷いがある部分が大きいだろう。ひとつに絞り込むことは勇気が必要であり、複数の選択肢にしてしまう方がはるかに楽だから。

それでも、そうやってオプションを増やしていくことが、物事を複雑にしていく。

 

先送りするな

物事を未解決のまま残しておくと、人は先のことを考えるよりも、過去を振り返ることに多くの時間をかけてしまう。そこに複雑さが忍び込んでくるのだ。P.39

時間というのは、物事を複雑かさせる大きな要因になる。「今更このタイミングで言われても」という状況は、いろんな妥協を生んでいく。先送りしないということは、何でも今解決しておけということとイコールとは思わない。ただ、その時々で何が重要で、後回しして良いかどうかを決定することだと思う。それができず、何となく先送りすることが、後で悲劇を生む。

 

コミュニケーションは「管理」するな

きちんと気を配っていないと、正直さは計算にとって代わられ、関係ははぐくむものではなく、「管理」されるものになる。P.62

これは間違いない。クライアントと少し信頼関係がこじれると、お互いが牽制し合うようになる。疑い、計算し、保守的になる。これはほとんど良い結果を生んだ記憶がない。コミュニケーション設計は重要だと思うが、双方が育んでこそ簡潔でスムーズに仕事を進めることができる。

Apple関連の本を読むたびに、このCMをみたくなる。

このシンプルな白い装丁から繰り出される原理を噛み締めて、今日は寝る。

働く人の価値というものを考えてみる

昔、友人に依頼されて記事を書いたことがあったのだが、結局陽の目を見ないまま残っていたので、ここで公開しておく。これから就職活動する人向けに、仕事をどう捉えたらよいか、を偉そうに書いたものです。自分が就職活動する前に、基本的なことを知りたかったなーという気持ちを思い出しつつ書いた。

 

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自分たちの給料というのは、どうやって決まるのでしょうか。多ければ良いというわけではありませんが、どういう仕組で給料が決まるのかは知っておいて損はないでしょう。

自分たちの給料や企業の収益は、基本的には「付加価値」で決まります。もっと砕けた言い方をすれば、何かに手を加えて、価値を向上させた分だけ自分の収入になる、ということです。

 

「Input」「Process」「Output」の考え方

世の中の大抵のことは、「Input」「Process」「Output」の考え方に当てはまります。材料を仕入れ、加工し、商品を作る。様々な情報を取込み、集約・加工し、新しい情報として発表する。などなど。

この考え方で捉えると、自分の給料がどういう要素で決まるのかがわかります。それは、「Process」の部分にどれだけ稀少価値があるかで決まるのです。

 

製造業などでは、この加工の部分は機械に置き換わったり、比較的低スキルで行える作業が多いことから海外に仕事が移り、安い金額になっています。逆に、他では容易に真似できないビジネスを行う企業は、付加価値が高く、収益も高くなっているのが現状です。

 

スマイルカーブという考え方

ビジネスにおいて、「スマイルカーブ」という考え方を提唱した人がいます。ビジネスの流れを「設計(上流)」・「製造(中流)」・「アフターサービス(下流)」という一連の流れで見た場合に、スマイルカーブの形で付加価値が高い、という考え方です。

スマイルカーブ

 

簡単に言えば、「製造」のような労働集約的な産業では、付加価値が生じにくいということです。例えば、IBMはThink Padに代表されるPCを製造してきましたが、PC部品が汎用化し、値段が下がってくると付加価値がつけられなくなりました。そして、PC事業ごとLenovoに売却し、現在はコンサルティングなど付加価値の向上が見込まれるサービス業にシフトしています。

また、高収益企業として有名なAppleやキーエンスは、製品を作っているのでメーカーだと思われているかもしれませんが、実際自分たちは製品は作っていません。製品のデザイン・設計など主要部分を自分たちで行い、製造は海外などの企業に外注しています。つまり、自分たちが強みを発揮でき、付加価値が高いところに特化していることで、高い収益性を確保しているのです。

 

仕事や企業を選ぶときは、スマイルカーブでいうところのどこに位置していて、その付加価値がどこにあるのかを考えてみる。すると、それが高いのか、長く通用すると予想されるのか、がみえてくるかもしれません。

参考:
第2回 スマイルカーブでビジネスをとらえる|伊藤元重のよくわかる経済学|日立ソリューションズ

顧客の期待値を管理する

スカイマークの苦情に対する表明が話題になっていたので、顧客の期待値について書いてみる。

 

大胆なスカイマーク「苦情受け付けない」「丁寧な言葉遣い義務付けなし」 ― スポニチ Sponichi Annex 社会

大胆なスカイマーク「苦情受け付けない」「丁寧な言葉遣い義務付けなし」 ― スポニチ Sponichi Annex 社会

 

 スカイマークは、機内の座席ポケットに備え付けた「サービスコンセプト」と題した文書で「従来の航空会社とは異なるスタイルで機内のサービスをしている」と主張。荷物の収納を「乗務員は援助しない」ことや、乗務員の私語を事実上容認し、服装やヘアスタイルについても、会社支給のポロシャツなどを着用する以外は「自由」とするなど、“大胆”な方針を盛り込んだ。

 

僕は、スカイマークのやり方には賛同する。研修コストや苦情のための対応コストは、見えないが結構大きなものだ。それによって人は時間を奪われるのと、苦情に対応したところで大きな利益向上が見込めるわけではない。

電車には高い接客サービスを期待しないし、ホテルに宿泊するときも値段相応のサービスであれば文句はみんな言わない。それは最初から期待値が低いからだ。

 

事前に相手の期待を適切なレベルで形成する

僕は、働き始めてしばらく経ったときに、「期待管理」という言葉を聞いて驚いた。それが正しい用語なのかは知らないけれど、少なくともちゃんと相手の期待を管理というか、適切なレベルにしなさいと教えられたのだ。これは、相手と交渉をするときや、一緒に作業をする上ではとても重要なのだ。

自分が提供する製品やサービスが、過剰に低すぎて価値を感じてもらえないのもいけないし、過剰に高すぎて失望感につながることもいけない。どこかにあるはずの「適切なレベル」に設定し、期待形成することが、結果的に双方円滑で効率の良い関係を築けるのだ。

 

今回重要なのははっきりは見えない「サービス」部分を可視化したこと

今回のスカイマークの件でも、他と同じように事前にはっきりとサービスを定義して、値段相応と思う人に購入してもらえれば、それが無駄なクレームを生まないし、最も効率的になる。スカイマークとしては、削れるコストは限りなく削りたいだろうから、変な期待を持って苦情を言われて対応するコストが発生することを避けたい。特にJALやANAなどに乗りなれている日本人からすると、「あって当然」と思う人は多いんじゃないだろうか。

航空サービスというのは、見えないサービスがたくさん値段に内包されていて、コストとサービスの関係がわかりづらい。QBハウスがいろんなサービスを削ってシンプルなメニュー化で需要を創出したように、こういう値段の中に隠れて見えない「サービス」の部分を、はっきり示すことは良いことだと思う。

 

まあ、プレスリリースのやり方としてもう少し柔らかい表現はなかったのか、という印象もなくはないけど。がんばれ、スカイマーク。

直感と論理

最近、直感の重要性を考えることが多い。何かの事象があったときに、「あれ、何かおかしい?」とか「他にこういう可能性があるのでは?」と咄嗟に気づくような、本当に直感的に「ひっかかる」という感覚だ。

なぜかといえば、そういう直感的なひっかかりが、物事を正しい方向へ導く最初であり、最も重要なトリガーであると思うからだ。

 

例えば、コンサルタントが説明するプレゼンを聞いて、それに違和感を感じる人もいれば、感じない人もいる。

違和感を感じる人は、最初それがどんなものかよくわからないけど、最初の違和感の原因をちゃんと思考して、違和感の正体を特定していく。一方で違和感を感じない人は、何となく納得して終わりになる。そうすると、もう実行するまでそのプレゼンの内容が正しいかを検証するタイミングはない。だから、直感というのは大切なのだ。物事が決まる前に違和感の正体は潰しておかないといけない。

最近は、できるだけ自分の違和感を大切にしようと思っている。もちろん、それが正しいこともあれば間違っていることもある。だけど、違和感は最初のきっかけだ。それを自分の中でスルーしてしまうと、その後検証するタイミングはもうやってこないかもしれない。こうやって直感を逃すことが、最も大きい過ちになるかもしれないと思う。

特に、自分の経験がない領域はほとんど勘が働かない。だから、何となくわからない、違和感を感じる、というところを大切にして、勉強しながら勘を磨いていく必要もあるだろう。

 

論理というのは、ある程度時間をかけて、構成していくものだと思っている。だけど、直感を組み合わせれば、論理構成する時間も短縮できていくだろう。「これは過去似たような問題に取り組んだことがある」「これはあれと似ている」というような直感が、最初に答えまでの道筋を作ってくれることがあるからだ。

つまり、論理の前に直感が来る。そして、論理を磨き、いろんな経験を積むことで、直感の幅が広がっていくと思うのだ。

 

「第1感」に書かれていたことを、今更ながら改めて思い出している。
無意識の底にあるものを引き出す

調査して分析して、結局君は何が言いたいんだい

MBAに行けば、戦略フレームワークを教えられる。3Cとか4Pとか5フォースとか。こういうのを覚えると使いたくなるんだが、よく陥りやすいのは、調査して分析して、そこで終わってしまうということだ。

フレームワークはツールでしかない。分析するときの観点を与えたり、抜け漏れを防ぐものだ。最終的には分析結果から戦略を構築しなければいけない。SWOTでもバリューチェーンでも、説明はどこでも書いてある。内容もわかる。だけど、実際にどう使って、最終的にどういう結論を導くのかはわからない。戦略フレームワークに関する本や情報がこれだけ溢れていても、使い方がわからないんだよね。

 

知識と実践のあいだにあるものに、わかっていてもできないことがあるって書いたけど、頭で理解することと、使ってみてわかることの間にはとても大きな隔たりがある。現場で、自分の作業で、誰かの役に立ってこそ知識には意味があるんだと改めて感じる。ケーススタディも無駄とは言わないし、現実に近づく第一歩を踏み出せる気はするけど、それでも実際に役立たせるにはまだ距離がありそうな気がする。

 

意外に簡単に、人は目的を忘れてしまう。「Why?も大事だけど、So What?も大事だ。後者はよく忘れられる」って、誰かが昔言ってたっけな。本当にそう思う今日この頃。

文化が違う人たちと議論をする

MBA入った初日の講義で、グループディスカッションをした。自分が参加したグループは上手く議論できなかった。

みんな社会人なのだから、それぐらいはできるだろうと勝手に思っていたのだが、甘かった。そもそも議論の流れを作ることが難しく、方向性が散ってしまったり、ほとんど発言しない人がいたり、多く発言する人に勢いで流されて時間終了になる、という感じだった。いろんな考えの人が集まって、議論して短時間で答えを出すってやっぱり難しいことなんだなって改めて思った。

 

自分のポジションを見極める

集団で何か作業をするときは、それぞれパーソナリティによって、適正なポジションがあると思っている。議論をリードする人もいれば、それを検証して疑義を呈していく人、突飛なアイデアを唐突に思い出す人、冷静に取り纏める人。グループで議論する場合は、それぞれのパーソナリティの組合せで、これらが何となく棲み分けされていく。

議論をして、新しい価値を生み出そうという中で、自分がどういう役割を果たせば最も良い結果を生みやすいかを考える必要がある。

 

発言力が強い人とどう向き合うか

声が大きい人というか、よくしゃべる人っているよね。いつでも。これは良し悪しがあって、議論を主体的にゴールまで導くのに貢献する場合もあるし、他の人が意見しづらかったり偏った議論になる可能性もある。

発言力が高いことが裏目に出た場合は、違う誰かが方向性を修正する必要がある。少し休憩してリズムを変えたり、議論の違うポイントを提起して修正するのが有効だろう。実際、今回の議論でも結構強い発言を持つ人がいて、自分の頭の中で論理展開するため、少しチームとして方向性が見失われている感じがした。こういう場合に修正できないと、あまりグループの意見が出ることがなく時間が過ぎていく。

 

文化の違いをどう吸収していくか

MBAに行って、改めて会社というのはある程度カルチャーが同質化するんだなって感じた。違う組織に所属している人といきなり議論すると、全く違う発想が出てきたりして面白い。その反面、論理展開などがいつもの会社で議論する感じじゃないなって思ったりもした。良くも悪くも、同じ組織にいると思考が似てくるので、コミュニケーション効率が上がるというメリットもあるけど、発想が広がらないという点もあるのかもしれないなあ。

そうやってバックグラウンドが違う人たちが意見を出しあって議論して、短い時間で結論に結びつけていくことは、想像以上に難しくて、頭も疲れた。でも、今後はもっと異文化で衝突しながら何かを生み出していく力が必要になると思うんだよね。だから、これは良い訓練なんだと思う。

 

 

社会人になって、会社でいろんな人のいろんな思考に触れて、自分の中で衝撃の連続であり、かつ刺激的だった時期を思い出しつつある。

自分の意見を断定的に言い切ってみる

いろいろ議論をしていると、自分の意見を断定的に言い切る人がいる。僕は比較的曖昧な部分を感じるとその点をニュアンスに含んでしまうタイプなのだが、同じ状況でもあえて断定的に話す人がいるのだ。

そういう部分には良い面・悪い面があるのだと思うけれど、世の中には意見に一定の方向性がないと、意味がないのだと思う。尖った意見こそ、ある種の方向性を持たせ、賛否両論の議論を生むエネルギーを持つ。

 

MBAのケーススタディでも、いろんな事実や数値が並ぶ。だけど、ひとつの事実を捉えても、それを重く捉える人もいれば、軽く捉える人もいる。それに、どうしても意見を発展させるためには、推測を織りまぜる必要が出てくる。

そのときに、自信を持って言い切れるかどうか。言い切れるほど、自分が信念を持っているかどうか。そこらへんに主張の強さの分かれ目が出てくる気がした。言い切れないのだとすれば、何か自分の中で不足しているんだと思う。

 

会社に入って、自分の意見を主張していくことを学んだ。だけど、自分の信念を持って断定的に言い切ることは、まだまだできている機会が少ないなと実感する。自分の意見を明確にしていくのに必要なのは、論理的思考とかプレゼンテーション能力じゃなくて、自分の直感や内面と向きあうことなんじゃないだろうかと思ったよ。

 

結局は、自分のアタマで考えて、白黒はっきりと決断しろってことです。

みんな誰かに相談したい

これ、興味深いなーと思って読んだ。個人で受けるSkype相談サービス。

Skype 相談サービス開始10日後の現状 – elm200 のノマドで行こう!

きっとみんな誰かに相談する機会を求めてるんじゃない?って気がしてたんだよ。自己啓発書とかではよくメンターを見つけようとか言ってるけど、そんな身近には都合よくいないよ。実際自分にもそんなメンターと言えるほど深く自分の将来を気軽に相談できる人はいない。

また、カウンセリングというか軽めのコーチングでも受けようかと思ってサービスを探してみたけど、結構高かったり、なんというか印象がゴニョゴニョ的な、いまいちよくわからないなーと思うものがほとんどで、「ああ、この人に相談してみようかな」と思うことがないんだよね。

 

で、きっとこれからこういうカウンセリングとか相談に乗るって形が増えてもいいんじゃないかと思った。その理由はいくつか考えられそうだけど。

 

自分のロールモデルが少なくなっている

時代の変化も激しいし、企業や個人に求められる要素もどんどん変わってきている。もちろん本質的な部分で変わらないことも多いのだろうけど、誰かが確かな答えを持ってるとは思えなくなっているし、「この人がロールモデルだ」と思えるような人が、組織とか身近で出会える確率が少ないんじゃないのかね。

そういう状況で、誰かに相談したいという気持ちは自然に出ると思うな。

 

みんなリスクをとる必要がある

絶対安心なんて職業は、ほとんどなくなった気がするんだけど、気のせいだろうか。いつクビになるかもわからないし、企業が急に倒産しちゃうかもしれない。自分の人生を他人に預ける方がリスクなんだけど、自分で考えて行動していくこともリスクなんだよね。ただ、後者の方がコントロールしやすいというだけで。

で、リスクテイクが求められる時代なんだとすると、やっぱりできるだけいろいろ参考にしたり相談して、リスクを少しでも小さくしたいのが人ってもの。

シリコンバレーなんかでは、既に起業した人たちが自然と新しい人たちにそういうノウハウとか経験を教えていくような文化というか風潮があるそうな。それがいろんな可能性を高めているのかもしれない。

 

というわけで、僕も誰かに相談しようとは思うけれど、あまり「これだ!」と思う人に出会っていないなというぼやきです。そして、冒頭で紹介したような「直接会ったことはないけど相談ノリますよ」といような取り組みというかサービスは、意外にも今後増えるんじゃないかという想像でした。ブログやソーシャルメディアというのは人物の印象を伝えるのに効果があるから、信頼性も高められそうだし。

 

そういえば、昔無料カウンセリングなるものを受けたけど、その人が「いろんな人に『お前はこうした方がいい!』って指導してきて、みんな俺の言う通りにしたら良い人生になった。すごいだろ。」風な感じの人で、「ああ、僕は別に他人に人生を決めてもらいたいわけじゃないからいいや」って思ったことを思い出した。今となっては若かりし頃の良い思い出です。

課題の検討の仕方というか考え方

課題や問題が発生したときに、どういうアプローチで考えればよいか。何となく自分が課題に取り組むときに考えていることではあるけど、ちゃんと言語化したことないので、ちょっと整理してみる。

 

正しい問いの設定

課題を考えるためには、まず正しい問いを設定することが必要。検討の途中で迷子になったときも、正しい問いは何か?に立ち返るべき。

例えば、よく「何が問題なのか」というところからスタートする人がいるけど、そうじゃない。「何を解決すべきなのか」が正しい問いなのだと思う。この違いはちょっとしたことだけど、問題そのものにフォーカスするのではなく、「問題のどこを解消すべきか」にフォーカスする点が違う。

とにかく、正しい問いを設定することが重要。それができれば、とても作業が進めやすくなる。

 

前提事項の整理

物事には必ずこれまでの背景があり、そして現状置かれている制約事項がある。なので、これらは具体的な検討を開始する前に整理しておく必要がある。前提事項を整理することで、解決策を導き出した後で、大事な制約事項によって検討が台無しになる、なんてこともなくなる。

 

問題の細分化と解決策の導出

取り組む内容によっては簡単に問いが設定できない場合もある。その場合は、大きくて漠然とした問題を細分化して、できるだけ個別で具体的な問題に切り分けよう。

問題が漠然と大きなレベルのままだと、それに対する解決策も漠然として具体性のないものになってしまう。

なので、問題を細分化していく。すると、個別の解決策というのは結構導きだしやすい。解決策に現実感がない場合は、ちゃんと問題が細分化した状態で特定されていない場合が多い。

 

解決策を統合する

最後は、解決策を統合する。ちょっとよくわからないかもしれないけど、個別の解決策も、それを列挙しただけだと使いモノにならない場合がある。というか、組織が大きくなるほどその方が多い。最終的に全て解決するためには、ひとつひとつ個別に行えば良いわけではなくて、相互に関係性があったりするし、手順が煩雑になったり非効率になる場合もあるからだ。だから、個別の解決策を再度統合して、総合的に解決できるような制度や仕組みにする必要がある。

 

これですべてが解決できるわけではないけど、基本的なアプローチはこれ。僕は迷ったら大体この流れで物事を整理している。もっとうまいやり方とかあるのかな。